管理人 海外へ行く
〜セネガル編〜
空港敷地内のレストラン（屋台）街
第3日目 （3月26日 その3）
１．ホテルへ戻る
騙されたわけではないが、高額のガイド料を請求されることはほぼ間違いない。心が動揺してしまうが、ココは何とか切り抜けなければならない。どうしたものか。「疲れたからもう帰るわ」と切り出してみる。すると「タクシー代30,000CFAフラン払え」と急に態度が変わる。お、そうきましたか。そこで「3,000だね」ととぼけて5,000フラン札を出す。すると「お前はCFAフランとものの値段がわかっていない。本当ならばもっと高いんだぞ。ドルか日本のお金はもっていないのか」と威圧してくる。さらに「お前さっき銀行に行って、200,000フランおろしたんだろ？」ときやがった。いやいや、俺は20,000しかおろしてないよ。だって、あんたはボランティアなんだろう？？
仕方ないので銀行に行って、現金を引き出すことにした。幸いにも、ダカールではATMがそこいらじゅうにあって、困ることはない。しかも、それらには必ずガードマンが見張ってくれているので、安心？？？だ。
ATMのボックスに入り「さて、困ったことになった」と落胆する。しかし、これは現実なのだ。ともかく、金を払ってさっさとボッタクリガイドと別れよう。そんなことを考えていたら、誤って200,000フランを引き出してしまった。ああ、どうしよう。
ATMは預入れはできないようなので、財布のチャックの付いた口に150,000フランを入れて、中を見られないように準備して外に出た。ああ、何だか、日差しがさらにきつく感じるよ。
オッサンに金を払う段になり「（タクシー代だけではなく）俺にもいくらかよこせ」と言う。おいおい、ボランティアじゃあないのか。いったいいくら必要なんだ。「20,000だ」と。はいはい、合計で50,000ねと、さっさと払ってしまった。
すると、おっさんは上機嫌になり「お前、楽しいか」と聞いてくる。そんなわけないだろと思うが、「ああ、そうだな」と生返事をする。
コーニッシュ海岸を走っていると、タクシーがいきなり止まる。何だと思うと、男がもう一人乗ってきた。おいおい、俺はどうなるんだと緊張する。「こいつもタクシー運転手で、仕事場まで乗っていくらしい」とおっさんが話してくれた。そうなのか。
そこからいくらか走って、またタクシーは停止する。すると、おっさんは「じゃあね。こいつをホテルまで送ってくれるよ」と降りて行ってしまった。おいおい、俺はどうなるんだ。
「ちゃんとホテルまでの金は払っているんだろうな？？」と運転手にたずねると、途中で乗ってきた男が「大丈夫だ。問題ない。ヤツに10,000フラン払ったんだろ」と。ええーー、50,000も払っているんだけど・・・。「ああそうだ」と力なく答えるのが精いっぱいだった。
タクシーは空港前のラウンドアバウトを抜けて、14時30分頃にホテルの前に止まった。「じゃあな」とタクシーは走り去り「ヤラレタ・・・・」という思いが残った。
フロントで鍵を受け取り、部屋に戻る。ああ、疲れた。さっきまでの出来事をもう一度振り返ってみると、やはりおかしい。ちょっと横になって、ウトウトする。時差ボケも完全には抜けていないようだ。
２．昼飯を食べていなかった
今日は昼飯を食べていなかったので、16時頃に腹が減って起きる。昼と夜の兼用で飯を食いに行こう。せっかくセネガルに来たのだから、郷土料理の「ティブジェン」を食いたい。
さて、この「ティブジェン」であるが、日本語に訳すと「魚飯」ということになるそうだ。作り方は、まずセネガル特産のピーナッツ油に香辛料を入れて、魚やオクラ、人参などを煮る。そして、火が通ったら、その出汁の効いた煮汁（煮油）でご飯を炊き、先に煮た具と一緒にいただくというものだ。
フロントに下りて「ティブジェンを食いたいんだけどな」と聞いてみた。すると男の係員が「アルマディ岬というレストランがあり、タクシー代が1,000フランで、料理も1,000フラン程度だ」と教えてくれた。しかし、今日はもう移動したくないので「えー」という顔をしていたら「うちのレストランにもあるよ」と言う。そして、内線電話をかけて聞いてくれるが「今日はティブジェンはないんだって」ということだった。
さらに「空港の左手にあるレストランでも食べられるよ。でも今日は日曜日だから、17時までしか開いていないよ」と教えてくれた。何だ、17時だったらまだ間に合うじゃあないか。そこで、早速出かけることにした。
強い西日が差す中、ホテルから空港通りを歩いて行く。しかし、レストランを見つけられないまま、今朝の歩道橋まで来てしまった。おっかしいなぁ、ウソを教えられるハズもないし・・・。やはり疲れているのだろう、どうも頭が回らない。
そこで、歩道橋のたもとにある食料品店へ入り、夜に食べるお菓子を購入がてら「近所にレストランはないのか」とたずねてみる。すると店員の若い兄ちゃんが「この辺りにはないね。空港の中にならあるよ」と。そうか、ありがとう。400フランでウエハースを購入して、タクシーに呼び込みのホーンを鳴らされつつ空港へ向かって戻っていく。歩いていくからいいんだよ。
16時30分前に空港に到着するが、ここからが大変だ。「両替はいらんかね」と何人もの違法両替人に声をかけられるが「NO! NO!」で突破する。すると、ゴツイ女性警官が出てきて「お前は何しに来たんだ」と威圧的に質問される。「いや、ちょっとティブジェンを食いに来たんだけど・・・」と言うと、表情が急ににこやかになって「おおそうか、左手のタクシー駐車場の向こうにレストランがある。香辛料が効いてうまいぞぉ〜」と教えてくれた。
どうやら、根は悪い人ではないようだ。お礼を述べて、兵隊さんの前を帽子を取って挨拶し、駐車場を横切る。すると、店か屋台かわからないぐらいのレストランが3軒並んでいるのが見える。これは屋台じゃあないかなあ・・・、衛生面で心配だが、まあ腹が減っているので食ってみるとしよう。
一番左の、メニューが壁に書かれている店を選んで入ってみる。そして、店番のおばさんに「ティブジェンを食べたいんだけど」と言うが、英語がさっぱりわからないようだ。そして、奥の方に声をかけると16歳ぐらいの女の子が出てきた。そして、よくわからない英語で何か話してくる。どうも「今日はスプカンジャしかないのよ」と言っているようだった。
「じゃあ、それにするよ」と言って、10,000フラン札を出し「おつりはあるかな」とたずねた。すると、一瞬難しい顔をしたが「大丈夫、とってくるから座って食べていて」と。ここは信用することにして、ハエが飛び回っているテーブルについた。
料理はほんの5分程で出てきて、なかなか旨そうだ。ここで、アルコール除菌ができるウエットティッシュを取り出し、手を拭いて、スプーンを拭いて、テーブルも拭いて、いただきます。
スプカンジャ
一口食べると、冷めている・・・。しかし、なかなかスパイシーでイケる。温かいものだったら、もっと旨いだろう。それにしても、やけに歯ごたえの良いものが入っている。これは何だろうか。何かの肉や内臓だろうか。魚のような味もするよ。
半分程度食べたところで、よくよく観察してみる。すると「糸を引いている」ことに気がついた。げげ、これって大丈夫か？？しかし、腐敗臭はしないし、味も悪くない。ええい、大丈夫だろう。
それよりも、量があるので腹がいっぱいだ。油分がとても多いので、腹にたまってくるのだ。「ごめん、腹がいっぱいで全部食べられなかった」と詫びを入れる。そして、お釣りの8,800フランを受け取り、店を後にした。
後日「スープカンジャ」について調べたところ、香辛料と共に、油で玉ねぎやら羊の肉、そしてオクラを炒めたものだそうだ。そうか、それで「糸を引いていた」のか。しかも「カンジャ」って「オクラ」のことなんだそうだ。なるほど、納得。それにしても、メチャクチャ油っぽい料理だ。
３．いろいろあったね
スープカンジャは油っぽいので、かなり胃にもたれる。ガイドブックによると、セネガルではピーナッツの栽培が盛んで、そこから採れる油を大量に使うようだ。それは「油をたくさん使える＝裕福」という見栄みたいなものがあるからで、また「太っている＝裕福」という見栄もあるそうだ。しかし、近年では徐々に「油の摂り過ぎ＝肥満＝健康に悪い」という常識も浸透しつつあり、若い女性なんかはスリムな人も見かけられる。
そんなことを思い出しながら、西日の眩しい空港通りを歩いていく。ここはアフリカ最西端の街、ダカールだ。ここで見ている夕日は世界で一番遅い夕日ということか。
空港通りを歩いていく
ロマンに浸りながら500 ｍ程歩いて、ホテルに戻る。そして、フロントで「どうも騙されたらしい」と切り出してみた。すると「何のことなの？」と聞き返されたので「海岸で日本大使館で働いていたという男にガイドしてもらって、50,000フラン払った」と告白した。
フロントの女性は「50,000ですって！！！？？？？あなた、50,000ってこれよ」とお札と紙切れで示す。「そうだ、50,000だ」と言うと「ムチャクチャに高いのよ！！だから、出かける時は私たちに相談しなさいって言ったでしょ！！」と怒られてしまった。
しかし、写真を見せながら「村に行って、漁港に行って、サンダガ市場、首相官邸、キリスト教の教会にも行ったよ」と話す。つまり、行った場所は良い所だったんだけど、如何せん高すぎたということだ。ところで、教会の話になった時「去年はポルトガルに行って・・」と話すと「ファティマ！！！」と興奮気味に返答があった。さらに「マイ・ドリームだ」とも。この人は珍しくキリスト教徒なんだ。
一通り話をして部屋に戻ると、西日がガンガンに当たっているので、メチャクチャ暑い。そこで、エアコンを入れて、水しか出ないシャワーで汗を流す。
その後、金の勘定をする。ガイドとタクシーで50,000だろ、土産で10,000だろ、服で10,000だろ、70,000フランは使い過ぎだ。ただ、日本円では10,000円ちょっとなので、ここから気をつければ大丈夫だ。反省している。
CFAフランの紙幣
メモをつけて、友人にハガキを書いた後、明日の行先を検討する。そして、ゴレ島について知りたかったので、情報をもらいにフロントへ下りて行く。
フロントの女性は「フェリー乗り場までタクシーで行って、フェリーを降りたら他の観光客についていって、写真を撮るなり、見物するなりすると良いよ」と教えてくれた。そして
「あなたは言われていることがわかるし、意思を伝えることもできるからダメなのよ」
と言われた。ええ、それってダメなの？？そこで「じゃあわからないフリをすればいいのか」とたずねると「そうだ。わからないフリをしなさい。そして、余計な事はしゃべってはダメよ」と。えええ、それって褒められているのか、けなされているのか。複雑な心境だ。
それはそうと「そう言えば、店にお釣りを取りに行った？？」と聞かれたので「まだです」と。「明日になったらもうもらえないから、今すぐにいきなさい」ということで、荷物持ちのシンさんと一緒に店へ向かう。すると「おお来たな」という顔で、店員が5,000フラン札をくれた。確かに、この店は信用できる。
いやあ、今日は大変な1日でした。
本日の移動距離 30�劼阿蕕い�な