管理人 海外へ行く
~セネガル編~
2017年3月24日~4月3日
レオポルド・サンゴール国際空港の様子
(右手に三菱のワゴン車が見える)
第2日目(3月25日 その3)
1.ついにダカールの地を踏む
サンゴール空港は滑走路2本を擁し、管制塔も高めでバマコのようなショボさはない。しかし、搭乗橋も無く駐機場は沖止め用しかない。はたして、機内からタラップに出ると、まぶしい太陽の光、潮の香り。アフリカ最西端の地、ダカールに第一歩を踏み出したのだ。ほんの思いつきで決めた旅の目的地だが、ついに来てしまった。
現在、現地時間で16時過ぎだから、日本は26日の1時だ。全て日本時間で考えると、名古屋を24日の8時前に出て、成田を同日20時過ぎに離陸、エチオピアのアディスで乗り換えて25日の19時過ぎに出発し、現在に至る。まるまる40時間もかかってここに到着したわけだ。
しかし、そんな感動に浸る暇もなく、早速ダカールの洗礼を受ける。なんだか砂っぽくて目が痛い。総いえば、シャティが「ダカールは砂が多く、靴の中も砂だらけになるよ」と言っていたな。
この後、係員の視線を感じつつ写真を撮り、ターミナルまではおなじみの「コンバス3000」にほんの200 m程揺られてターミナルへ向かう。「到着」と看板のあるドアから入ると、早速入国審査だ。天井が低く、薄暗い建物にブースが3つあり、どれも長蛇の列ができている。また、今日はVIPの訪問者がいるようで、この人達は横からすり抜けていく。これは当たり前のことだが、目の前でやられると少々気分が悪い。
シャティが「ちゃんと入国の準備はできているの?」と聞いてきた。「ああ、パスポートだろ、帰りの飛行機のE-TICKETだろ、滞在するホテルの証明書だろ、イエローカードだってあるよ」と言うと「それなら大丈夫ね」という感じで、さっさと行ってしまう。
30分ぐらい待って、自分の番となった。審査官は軍人のような服装をしていて威圧的だが「ボンジュール」と挨拶をすると、表情は緩んだ。前述の書類を出して、パスポートを広げて提出する。よくよく見ていると、日本のパスポートを珍しそうに眺め、無造作にスタンプを押して、当方の顔を確認している。
そして「住所は??」とたずねられる。「え?日本です」と言うと、いやそうじゃなくて「スリープだ」と手を重ねて首をかしげている。ああ、ホテルの住所ね。その書類に書いてあるでしょと言いかけたが「サーガール、エアロポルトホテルです。2枚目の紙がホテルの宿泊証明だ」と言う。すると「エアロポルトホテェ~ルだって」と奥の人に伝言していた。
この間、隣のブースでは中国人と女性の審査官が、ちぐはぐなやり取りをしている。
審:あなたは何の目的でダカールに来たのか。
中:仕事です。
審:何の仕事か。
中:ITです。
審:IT?? ITっていったい何ですか。
中:・・・(目が点)、コンピュータ関連だ。
以下省略
おいおい、この審査官の教育レベルは低すぎはしないか。ITを説明しろって、日本でもそうそうあるような会話じゃあないよ。
こうして無事に入国審査を終えてパスポートを返してもらったら、晴れて手続きは完了だ。そう思いつつ、薄暗い廊下を歩いていくと両替屋やATMがある広いスペースへ出た。
ここでは、札を持ったツアーのお迎えの人を見かける。その中で、日本人女性の名前らしき文字が書かれたものを持つ、ごつい黒人男性がいる。「そうか、日本人も来ることがあるのか」と他人事のように彼の前を通り過ぎた。すると「すいません、JICAの職員ですが、日本人のOOさんじゃあありませんか。と声をかけられた。突然のことでメチャクチャびっくりしたが、そいつは女性の名前だから俺ではない。いや、俺はJICAなんて関係ないし。
「いや、俺は違うよ。それは俺じゃあないよ」と答える。するとJICA氏は「え、違うの??」という表情で「そいつはすまなかった」と謝って、元の位置に戻っていく。ああ、びっくりした。黒人ってでかいしゴツイからビビっちゃたよ。そう思って進んでいくと、既に入国手続きを済ませて、ターンテーブルの前で荷物を待つシャティを発見した。
「ここは荷物が出てくるのが遅いのよねぇ~」と半ばあきらめ顔で話している。おいおい、俺のスーツケースは大丈夫だろうなと目を凝らして探していると、遠くに特徴のある蛍光イエローのバンドをした黒いスーツケースが見えた。
管理人:俺のはあそこに出てきたよ
シャティ:あら、あなた運がいいわねぇ
管理人:じゃあ、俺は行くね。
シャティ:あなた行く場所はわかっているの?大丈夫?
管理人:大丈夫、500mぐらいの距離にホテルはあるんだ
と随分気にしてくれる。これ以前、飛行機内でも「ダカールで時間はとれる?ボーイフレンドと3人で遊ばないか」と誘われてもいたのだ。今思えば、ここで誘いに乗ってダカールを案内してもらえばよかったし、西洋人なら多分信用しても良かったと思う。しかし、初対面の人間をいきなり信用するのは、極めて危険な事なので、ここは丁重にお断りした。
2.街へ出る
ATMで10,000CFA(セーファー)フラン、日本円換算で2,000円を引出し、ベレー帽を被り機関銃を持っている軍人さんが立っている出口から、建物の外へ出る。
うぁあ、日差しが眩しい。いや、それ以上に、多数の黒人さんの視線もそれ以上に差してくる。「両替はいいか?」、「タクシーはいかが」、「どこへ行くのか」など、客引きの嵐に巻き込まれた。しかし、これはガイドブック「Lonely Planet」に書かれていた通りであり、この本によれば「対処法は、まっすぐ前を向いて大股で歩く」となっていた。早速これを実践して客引きの嵐を抜けていくが、出口がわからない。そこで、恐る恐る機関銃を持った軍人さんに「その駐車場のゲートから出ていいのか」とたずねると、やさしく「おお、いいぞ」と教えてくれた。
「いやいや、えらい所に来てしまった」と少し後悔していたら、また客引きが寄ってくる。
客引き:おーい、あんた。どこへ行くんだ?
管理人:ああ、ホテルに行くのさ。
客引き:今日泊まるホテルを探しているのか。俺が案内してやる。
管理人:いや、すぐそこだから、NO THANK YOU!
客引き:そっちにホテルは無いぞ。
管理人:・・・(あ、しまった通りを1本間違えた)
こうして黙って進行方向を変えて、今夜から6泊するホテルへ向かう。
3.ホテル着
歩道を歩いていると、ひっきりなしにタクシーからホーンを鳴らされる。中には速度を落として近づいてくる車もある。怖さで心臓バクバクだが、前述のガイドブックの様式を貫いて、ガーナ大使館前を通り、何とかホテルに到着した。
ドアを開けて中に入り「日本から来たISOBE, AKIRAだ」と名乗り、予約証明書を渡す。すると「ああ、待ってたよ」という感じで、フロントの女性が歓迎してくれる。続いて、パスポートを提出すると「わあ、日本のパスポートって綺麗ね」と言いながらコピーを取っている。空港の出口では「えらい所に来たな」と少し後悔したが、この先泊まるこのホテルは対応も良く、快適に過ごせそうだ。
ところで、セネガルは1961年にフランスから独立し「レオポルト・サンゴール」が初代大統領になった国だ。それ故、フランスの影響を多分に受けている。もちろん、公用語もフランス語だ。
パスポートを返してもらい、少し話をする。ホテルは英語もフランス語も、現地語のウォルフ語も通じる。しかし、世間ではそうはいかないようで、ウォルフ語とフランス語がメインになる。ホテルの人も「フランス語ができないと、ちょっと大変ねぇ」と懸念していた。まあ、何とかなるでしょう。
2階の14の部屋の鍵を渡され、荷物持ちの男性従業員がスーツケースを運んでくれる。生憎チップが無いので1ユーロのコインを渡すのだが「チップは要らない」とジェスチャーで示してくれる。
室内には大きなダブルベッドがあり、なかなか良い部屋だ。靴を脱いでベッドに横になり、長かった飛行機の旅を思い出す。日本時間24日の20時に出発して、今は現地時間の19時過ぎ、つまり日本時間では朝の4時だ。疲れているのはもちろん、眠たいわけだ。さっさと飯を食べて寝たい。
良い部屋だ
4.食事と買い物
まずは水を仕入れよう。フロントに降りて、その旨相談すると「うちの者と一緒に買いにいくといいよ。三軒隣に店があるから」と教えてくれ、荷物を持ってくれ人がついてきてくれる。歩きながら話すが、彼はフランス語を話している。しかし、ジェスチャーで自分の名前が「シン」だと教えてくれる。将軍様じゃあないよ。
当方も「アキラ」だと名乗り、握手をする。黒人の人と握手をするのは久しぶりだが、やはり手のひらは黒くないんだよね。
そして、100m程離れたタバコや酒、水などを置いている、店全体に鉄格子が引かれ、そこに応対用の四角い穴が開いている雑貨店へ案内される。ここはそれ程に物騒な場所なのかと心配してしまう。
空港通りの様子
(Google ストリートビューより)
シンさんは店主に何か言っている。すると1.5Lの水が出てきたので、空港で下ろした10,000CFAフランの札を出す。すると店主は舌打ちして、店舗奥へ行き、引き出しを見ている。そして、戻ってきてシンさんに何か話している。その後、払ったお札を返してくれ、品物はシンさんが持ってくれた。あれ??「タダ」ってことはないよな。
ホテルに戻り、フロントの女性とシンさんが話している。そしてフロントの女性が「店にはおつりが無いので、後で払いに来いということだよ。それならば(12本入りの)パックが2,800CFAフランだから、それを買えばおつりがあると思うので、そうしたらどうか。今から一週間近くここに泊まるなら、それくらい必要でしょう?」と話してくれた。
それはそうだと納得し、再び店に行き、先程の1.5Lボトルを返して、500 mlの12本パックを受け取る。そして、再び10,000フランの札を出すと、奥の引き出しから2,200フランを出してきた。あれ、7,200フランのお釣りじゃあないのか??
当方が不安な表情をしていたのだろう、店主が電卓を出して「10,000-2,800=7,200、7,200-5,000=2,200」と示している。ああ、わかった。今は2,200しか釣りがないのでそれだけを今返して、後で5,000を取りに来いってことか。
このことを英語で言うと、店主は「そうだ」という顔でうなずいていた。まあ、無いものは仕方ないので、納得して??ホテルに戻る。するとフロントの女性は「あの店はいつもホテルも利用しているし、信用できるから大丈夫だ」と言っている。本当に返ってくるかは知らないが、そう言うなら信用する他あるまい。
何とか水が手に入った
水を買うだけでもこんな苦労するなんて、この先どうなるのか。そう思いつつ、食事に行きたいので「近所にマハラジャ・インディアンという店があるようだが、そこはどうか」とたずねる。すると「ああ、あの店は良い店だし、信用もできる」と言っていた。しかし「20,000フランは持っていった方がいいよ」ということだ。
ええ、そんなに現金を下ろしてないよ。ドルで払えないかをたずねると、わざわざ店に電話して確認してくれた。もちろん、答えはO.K.だ。通貨のことがよくわからないので、成田で100ドルを手に入れておいてよかった。
暗くなった外へ出るが、ホテルと店は「空港通り」に面しているので、明かりが多く人通りも多いので、いくらか安心だ。しかし、道を渡るのはちょっと怖くて、高速で走る車の隙をついて渡るような感じだ。超スリリングだぜ。
こうして、道を渡ればお目当てのお店「マハラジャ・インディアン」である。ホテルの人が言っていたように、店構えがしっかりしていて、信用ができそうな雰囲気だ。
マハラジャ・インディアン
門を入れば中庭スペースとなっており、そこでは2家族ぐらいの人数でパーティーが行われていた。また、右手はバーとなっている。最初はそこが店かと思ったが「食事をしたい」と言うと、バーテンが「あっちだ」とジェスチャーで合図をしてくる。
そして、木製の重いドアを開けて店に入ると、正装したウエイターさんが迎えてくれ、席に案内される。おお、とても高級で落ち着いた店だが、そういう場所では自分が落ち着かない。
「ドルで支払をしたい」と言うと店員は「大丈夫だ」と答えたので、ここでやっと安心してメニューを見る。なるほど、英語の表記もあるので内容はわかるが、どれにしたらよいのだろうかがわからない。
管理人:おすすめはどれか?
ウエイター:鶏肉入りの揚げ米がおいしいよ
管理人:じゃあそれで。
ウエイター:ライスはソースと食べるものなので、ソースも注文下さい。チキンチリソースがおすすめです。
管理人:(そりゃそうだ。おかずが必要だ)じゃあ、それで。
ウエイター:飲み物は?
管理人:水をください。
ウエイター:承知しました。
しばらくすると、ウエイトレスさんが生の人参と水を持ってくる。ええ、水ってコップじゃあなくて、1.5Lボトルかよ。参ったね。また、こういう場合、この人参は別料金であり、生ってこともあって手を付けない。つまり、2重に怖いってことさ。
水を飲んで20分ぐらい待つと、料理が運ばれてきて「ボナペティ」とウエイトレスさんに優しく言われる。ああ、フランス語の「召し上がれ」ってことか。おお、この料理すげえ旨そうだ。手を合わせて、いただきます。
今日の晩飯
ドヒャー、この旨さ。ちょっと油が多い気がするけど、パラリとした米に、少しだけ辛味の効いた、様々な香辛料の芳醇な風味のソースはベストマッチと言えよう。ここで考えてみると、アディスアベバでは乗り継ぎ時間があったけど、レストランや免税店のエリアには入れてもらえなかったので、丸々2日は機内食しか食べていない。それ故に腹が減っていたのだ。品が無いが、ガツガツと夢中で食べてしまう。
この後、食べ終わる頃にウエイトレスさんが来て「デサ?」と聞いてくる。当方は意味が分からず「旨かったか」と解釈したので「YES」と答える。しかし、今考えると「Desert」のことだったのだろう。ウエイトレスさんは一歩下がって控えていたので、注文を待っていたのだろう。しかし、当方は会計を要求したので「あれ?デザートじゃあなかったの??」という顔をしていた。いやあ、今思うと悪いことをしてしまったよ。ごめんね。
会計は10,500 CFAフランだったのだが、1ドル=550フランで計算すると聞いていた。ここで電卓を出し、10,500÷550=19.09・・と一緒に確認して、19ドルを支払う。しかし、その後にウエイターが来て「本当は20ドルなんだけど、今日はサービスだ」と言っていた。「何で??」と思ったが、今考えるとここはセネガルだ。また、高級店なのでチップも必要だったと思われる。
5.今日の終わり
店を出て、通りを歩いていく。時刻は20時なので、まだまだ人通りは多く危険な雰囲気はない。ただ、油断はできないので、今日はこのままホテルに帰る。
部屋に戻るとどっと疲れが出てきたので、シャワーを浴びる。おいおい、水しか出ないじゃあないか。まあ、いいや。このことは明日言うことにして、今日は寝よう。水シャワーも気持ち良いものだ。
水しか出ないシャワーとトイレ
本日の移動距離 7,000海里ぐらいだろうか?