V-STROM 650 プラグとエアクリ交換他

2022年 7月23日


管理人アパートにてオイル交換中のVP56A型機

0.はじめに

2021年3月にスズキ式 VP56A型機、V-STROM 650が納車された。約3年ぶりに大型機を手に入れて、日帰りツーリングはもちろん、北海道ツーリングにも出かけた。積算計はみるみるとその数値を増やしていき、ついに30,000 ㎞が近づいてきた。購入した時に15,000 ㎞ちょっとだったから、前オーナーが8年かけて走行した距離を1年4か月で走破したことになる。

ここに、名実ともに「変態」が復活したわけだが、バイクは機械なのでどんどんと消耗してしてしまう。この間にオイル交換2回、オイルフィルター交換1回、前タイヤ交換、フォークオイルとダストシール交換も行っている。今回はその模様を簡単に紹介しようと思う。

1.フォークオイル交換

記録によれば、2021年5月2日にFフォークオイルを交換したようだ。かなり前のことだし、写真も無いので軽く説明するにとどめよう。尚、作業はサービスマニュアルを大いに参照していると補記しておこう。

  1. まずはセンタースタンドを立てて、マフラー辺りにジャッキを入れておく。まだ、ジャッキアップはしないよ。
  2. フロントフォークとトップブリッジを締めているボルト、フロントアクスルシャフトとフォークアウターチューブに、修正液等でマッチング・マークを入れておく。こうすることで、トルクレンチを使う手間を省くことができる。もちろん、トルクレンチは持っているよ。
  3. フロントフェンダー、ABSセンサー、ABSセンサーの配線、ブレーキホースとフェンダーを止めているクリップ、フロントアクスルシャフト等、必要なボルト類を緩めておこう。
  4. ここでジャッキアップして、フロントホイールを浮かせて、タイヤ、フェンダー、を外す。
  5. 肝心のフォークだが、トップブリッジに締めてある間に、フォークのキャップを緩めておく。さらに、Vストロームというか、スズキ車はイニシャルが結構強くかかっているので、最弱に緩めておいた方が良い。
  6. フォークを車体から外して、フォークキャップも外して、オイルを抜き取る。今回は8年物のオイルが出てくるが、意外にも透明度や粘度は維持されていた。
  7. 概ねオイルが抜けたら、逆さまにしてオイルをできるだけ多く排出しておく。
  8. さらに、ダストシールがヒビ割れていたので、新品に交換しておく。この際、シリコングリスを塗りたくっておくとよい。
  9. 新しいオイルを入れるが、今回はスズキ純正エクスターG10を選択する。マニュアル指定は純正のSS-8である。
  10. 100回ぐらいインナーチューブをフルストロークさせて、エア抜きをする。時々、アウターチューブを軽く叩いたりするとよいかも?
  11. スプリングやスペーサーを順番を間違えないように組み入れて、最後にフォークキャップを締めるのだが、イニシャルがかかっているとやりにくいので、手順5の「最弱」が意味を成してくる。
  12. あとは、フォーク、配線、フェンダー、タイヤ、ブレーキキャリパーの順に組み立てていけば完了だ。

さて、その効果は如何に。少しダンピング性能が良くなったが、TDMの時のような大きな変化は感じられない。まあ、それ程頻繁な交換は必要ないのだろうか。新しいバイクのメンテナンスフリー化が進んでいるということか。あと、ひび割れていたダストシールが新品になったので、見た目が良くなった。加えて、シール性も向上したものと思われる。どっちかと言うと、こちらの方がメインだったかな。

2.エアクリーナー、プラグ、オイル交換

こちらは、2022年7月23日に作業をおこなった。

VP56A型機のエンジンは、CR8EIA-9、つまりイリジュウムプラグが指定されている。普通に購入すると、1本1,800円もするようだ。何か良い手はないか、ということで色々と物色していたら、ヤフオクで新品わけあり品を発見。4本で3,000円、送料込みで3,900円で購入できた。多少は安く買うことができたので、まあよかったかな。

仕事が休みの土曜日を使って、作業をすることに。尚「走りにいかないか」とお誘いを受けていたのだが、残念だが、メンテナンスを理由にお断りしていた。しかし、作業後に行きましょうということになり、お手伝いしてくださることになった。彼は、先日ご一緒させていただいたCB1100氏であると、補記しておこう。

こちらは少し写真があるので、少し詳しく作業を説明していこう。

  1. タンク回りの外装と、シートを取り外す。これは簡単だ。


まだまだ序の口

  1. そして、第一の難関である、ガソリンタンクの取り外しだ。シート側にあるマウントを外して、これをかましてタンクを少し持ち上げる。


マウントの金具を使うのは良いアイディアだ

  1. 持ち上げた隙間から、燃料ホース、燃料計の配線コネクタ、水抜きホースを取り外す。意外にもやりやすいのには驚いた。 え、クーラントのリザーバータンクはここまでやらないと、アクセスできないのか。


外すのは3か所
(手前にリザーバータンクが見える)

  1. タンクが外れたら、エアクリーナーの取り外しだ。
  2. エアクリーナーボックス蓋のねじを外して、開けてみると・・・。虫やほこり、ゴミがたくさんついている。しかし、全体にはそれほど汚れているわけでもない。まあ、新品があるので、今回は交換しておこう。


左が新品、右が30,000 ㎞使用品

  1. 次にプラグの取り外しに取り掛かろう。VP56Aは2気筒なのに4本のプラグがあるのは、ご存知の通りだ。まずはリアバンクのそれらから。一応プラグレンチを購入してあるので、これを使って作業を進める。上から見て、中央と左横にプラグが刺さっている。上も横も簡単に道具が入るので、問題はない。関係ないが、4輪車の車体の状態の良し悪しを知る場合に、下から覗き込むのが常識だ。上から表面だけを見ていては、真相はわからない。また、女性を見る?場合、横から見るのが鉄則である。良い子孫を残せそうな腰つきかどうかは、横から判断するのが良かろう。
  2. そして、第二のフェデラル、いや難関(ナンカン)であるが、フロントバンクのプラグだ。前述のように、横のプラグは簡単なんだけど、上側が問題だ。ラジエタ―とエンジンの隙間が極端に狭くて、道具が全く入らない。そこで、ラジエターのマウントを上下とも外してしまう。これは、冷却水を抜かずともできるので、それほど大変でもない。


手前のプラグは良いが、ヘッド上のものはどうするのか・・・?


何とか隙間を確保

  1. ラジエタ―がブラブラになったら、プラグレンチを入れていく。ただ、道具が入る隙間は相変わらず狭いので、ラチェットがうまく入るように調整する必要がある。当方の場合、レンチ+自在ジョイントで対応したと補記しておこう。


このくらいの長さがちょうど良い

  1. プラグが4本が外れたら、点検しておく。まあ、確かに少し摩耗しているが、使えなくなるほどではなさそうだ。このプラグは新車から使っているようなので、走行30,000kmだ。これなら50,000kmはいけそうな気がするが、どうだろうか。


よく見ると、少し摩耗しているのかな?

  1. 新品のプラグを取り付けて、しっかりと規定トルクで締める。このプラグは手で締められるだけ締めて、そこから半回転締めるのが規定のようだ。
  2. あとは、逆の手順で元に戻していく。あれ、どのねじがどこに使われているのか、わからなくなってしまったよ。一応分けて置いておいたのだが、頭が悪い証拠だ。
  3. 何とか元通りになった。

3.試走に出よう

何とかマシンは元に戻ったので、早速試走に出よう。今日もCB1100氏とYG方面へ走りに行くのだが、整備を終えたVストはすこぶる調子が良い。まず、オイル交換を行ったので、エンジンの回転が滑らかだ。極端な言い方をすると、今までは「オイルに砂が入っている」ようだったが、今は「不純物のない潤滑油が回っている」という感じだ。

また、エアクリーナー、プラグ、どちらとも影響しているが、アクセルの開け始めのレスポンスが1割程向上している。今までよりも1㎜ぐらい開度が少なくても同じぐらいの加速をする、という感じだろうかな。また、この領域のトルクも4%ぐらい向上したと感じる。これは、主にエアクリ―ナーが新品になったことによると推測できる。

4.まとめ

本文中にも書いたが、エアクリはちょっと掃除すればまだまだ使えそうだが、もちろん新品にはかなわない。交換の効果も感じることができた。また、プラグも同様で、まだまだ折り返し点ぐらいだったのかもしれないが、こちらも新品は良いものだ。爆発がちょっと大きくなった気がするので、力強さが戻った気がする。

オイルに関しては、言うまでもなかろう。ギアチェンジの操作が軽くなり、かつギアの入りも良い。

あ、これが整備の効果だね!

ということで、今回は終了。またの機会にお会いしましょう。

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