2009年4月12日
分解整備された部品たち
(オフ車のリアサスって長いのね)
ここのところ寒暖の差が激しいせいか、軽く風邪をひいたらしい。どうも咽喉がいらがっぽいではないか。かかりつけの医師からは「ジム頑張りすぎ」とクギを刺されてしまった。そういうことで、この週末は出かけずに家でゴロゴロすることにした。
土曜日は本当に疲れていたのであろう、15時間以上寝ていた。俺ももう長くはないのかなと思ったが、翌日は朝6時台に目が覚めた。疲れもすっかり取れたので、来たるべく(もう到来している)シーズンに備え、懸案事項であったKDXの300時間(10,000km)点検を実施した。
今回はスイングアームやリアサスのリンク等のベアリングに注油し、周辺の手が届かないところも清掃しようという目論見だ。まずは昨年末に購入した新兵器であるジャッキを出してくる。これは安い工具で有名なアストロプロダクツのものなんだけど、やたらと重い。油断すると腰を悪くしてしまいそうなので、十分に注意をして車体下に備える。
おっと、ジャッキアップする前に主要なボルトを緩めておかないと。リンクが二箇所、リアサス取り付け部が上下二箇所、関係ないところを一箇所緩めた。この部分は後になって緩めておいて正解だったので、結果禎乃ちゃんというわけだ。禎乃ちゃんてのは、ジムにいる「ちょっとセレブなおばさん」のことであるが、インストラクターがそう呼んでいる。因みに管理人は「敬礼の人」と呼ばれていると追記しておこう。
ところで、リアサスのリンク部の取り付けナットであるが、やたらと面倒な場所にある。リンク本体とスイングアームが長細いプレートで連結してあるのだが、そのプレートの更に奥側にあるのだ、フッフッフヤマトの諸君。まあ、リンクプレートを外した後に緩めれば問題ないんだけど。
面倒な位置にありますなぁ
この後、いよいよ新兵器でジャッキアップする。途中は結構集中していたので写真はありません。ひととおりバラバラにすると、君に薔薇バラと言う感じ。それにしてもタイヤとか、特にスイングアームは結構重いよ。これまた腰に注意というところだろう。ばね下重量という言葉があるが、それを実感する瞬間だ。この種のことは、整備者のみが経験することができる特権と言えよう。
赤いジャッキが新兵器
この頃隣のおじさんが起きてこられて、挨拶をする。「ご精がでますなぁ」とやや呆れ顔で言われてしまったが、知らない人から見れば確かにそのように見えることだろうと思う。そんなふうに一人で納得しつつ今度は点検、注油、清掃に移る。
まずはベアリング部の注油であるが、サスペンションリンクから作業開始。ピンを抜いて状態を確認する。グリスが乾き気味で、ある程度ピンに打痕があることを想定していたが・・・。全くきれいなものだ。グリスもドップリとついている。どうやらオフ車はオン車と比べてシールがしっかりしており、グリスも5割り増しくらいで充填されているようだ。確かに、ピンを抜く時に結構硬かった。
ピンはうっすらとベアリング痕が見えるのみ
他の部分も同様に全く問題の無い状態であった。なんか拍子抜けである。結構ドロドロの道や水溜りなんかを走ったけど、この辺りはさすがにオフ車。KDXはモトクロッサーレプリカだから、オフ車の中のオフ車とでも言おうか。
一通り、注油・点検を終えたので今度は清掃に入る。特にリアサス本体の上部は車載状態では手が入らないので、メッキコンパウンドで丁寧に磨いていく。また、ついでにリアホイールが著しく汚れているので、スポークの点検を兼ねてコンパウンドで磨いていく。
どうですか、この輝きの差は
一通り磨いた後は、組み上げに移る。リンク、リアサス、スイングアーム、ホイール、チェーンという順番なんだけど、リアサスとスイングアームを間違えて、一度やり直してしまった。こういうところはしっかりとメモを取っておく必要があると毎度思うのだが、面倒でいつもこうなる。まだまだアマチュアの域を脱出できない。また、それだけでなく、締め付けるボルトの順番も微妙に間違えてしまい、何回か外してやり直したと告白しておく。
なんだかんだで、作業には5時間くらいかかってしまった。おまけにニードルベアリング部はグリス切れどころか、ビトビトベットリとグリスが盛られてたというお間抜けな結果であった。しかし、結果禎乃ちゃんでも、状態を知っていることと知らないこととでは全くその意味は異なる。つまり不安を感じて走行するのと、そうでないのでは心理的安心感が全く違う=運転に集中できる=事故等を減らすことができるかもしれないという等式が成り立つ(成り立ってほし〜の)。ともかく、自己満足ではあるが、有益な整備であった。因みに整備前後では、いつもの「あ、この瞬間が整備の成果だね」という台詞を言うことはできなかった。