暑い日は高原ですな 2017
2017年8月27日
九蔵峠から見る御嶽山
今年は梅雨明けは平年並みの時期であったが、それ以降天気が安定してこない。気象庁の発表では、太平洋高気圧が西に偏って張り出し、オホーツク海高気圧が明瞭に現れ、日本列島はその狭間に入っていることが原因ということだ。しかし、8月も終わりになり、徐々に晴れる日が増えてきた。そこで、先月同様、今月もツーリングを開催することとなった。
今回も避暑を兼ねて高原へ向かうこととし、岐阜県の県道66号線沿い「あきん亭」前のコンビニに9時集合と決定した。ところで、管理人は昨年と今年の前半はあまりバイクに乗れておらず、目的地までの時間感覚がすっかりと鈍ってしまった。その「あきん亭」まではだいたい2時間ぐらいかかるかな、と考えて7時頃に家を出た。しかし、実際に到着したのは8時過ぎであり、1時間近くも前に到着してしまったのだ。人間は使わない能力は淘汰されていくものだが、これ程までに衰えているとは思ってもみなかった。まあ、遅刻するよりはよいので、アイスコーヒーを飲み、朝の空気を吸い込んで深呼吸して気持ちを整える。
それにしても今日は天気が良い。青く澄んだ空は雲一つなく、夏の終わりを感じさせるもだ。また風も幾分涼やかになり、少々哀愁を感じる。しかし、日差しはまだまだ強く、ジリジリと皮膚に刺さってくるので「まだまだ日中は暑い日が続くな」と思い直す。そんな感情の機微を冷静に分析していたら、今月もW氏がSRで登場だ。今日の氏は自宅近くのI.C.から高速に乗り土岐の市街地を通ってきたのだが、その際に道に迷ってしまったようだ。10,000時間越えの査察教官の氏でもそんなことがあるのだから、8,000時間の当方が時間を読み違えるのは、当然のことである。まだまだ、技量を磨く必要があろう。
1ヵ月ぶりの再会を喜びつつ、今回もSRの話で盛り上がる。というのも、このマシンはシンプルな構造ですっきりしており、こういう基本的なバイクがもっと増えてくれることを願っている。しかし、世は電子制御を満載にした、人間の介在を拒否するかのようなマシンが幅を利かせている。時代の流れとは言え、少々寂しく感じるのは当方だけではなかろう。因みに、今の愛機であるTDM900は、そういった時代に入る前の、最後の世代のバイクになってしまっている。それはそうだ、この10月で購入から14年も経ってしまうのだからね。来月には車検を受けなくてはいけないな。関係無いが、我々の仲間であるハーレー氏は現在、BMWのK750という珍しいマシンを所有するが、車検切れということである。また乗れるようになったら、お願いします。
そろそろ出発するとしようということで、W氏と今日のルートを検討する。今回は氏の希望で、当方が先導機長となり9時40分頃に出発する。ということは、W氏はコパイであり「ポパイ」じゃないと補記しておこう。
県道66号線を東へ向かって走り出し、道の駅「らっせいみさと」を通過する。前述のように、今日は天気が良いのでバイクが多く出ており、前にはドカの二人組も見える。ドコドコ、ポンポンとそれぞれのエンジン音を響かせつつ、稲が青々と育っている水田を貫く道を進んでいく。この辺りは来月になれば、黄金色になって頭を垂れた穂を見ることができることだろう。
秋の訪れを感じつつ、恵那市で国道19号線に乗り換える。ここで道の雰囲気ががらりと変わり、アスファルトからは日差しが強く反射してくる。「まだまだ夏は終わらないな」と一変に気分が変わってしまう。
さて、その国道19号線だが、流れは良いのだがあまり調子に乗らないように、37ノット付近を維持する。そして中津川市に入り栗きんとんで有名な「すや」の前を通り、県道7号線へ切り換える。そして、高度を上げながらうねった道を駆け上がり、馬篭宿を目指す。おっと、早々に遅い4輪車につかまってしまったよ。まあ、この先前へ出る機会はあるだろうから、後ろについて走り、機会をうかがう。すると、ちょうど信号で停止した時に前へ出て、再び快走モードで馬篭・妻籠を通過する。
国道256号線から19号線に戻り、37ノット付近を維持して、南木曽へと進む。この道は今を遡ること25年以上前、原付免許を取得し、兄から譲り受けたNS50Fに乗って松本の友人を訪ねた、初めてのロングツーリングで通った道だ。あの時は遠くへ行くということであまりよく眠れず、しかし高揚した気持ちでスロットルを開けたものだ。そして、山間部に入ると気温が下がってきて、確実に前へ進んでいると嬉しく思ったな、と当時のことを思い出す。
打ち合わせていた通り、道の駅大桑に入ってで休息する。大桑といえば「オオクワ301」だが、最近は「太ーい阿古屋」の文字が看板から消えている。このことをW氏にたずねると「阿古屋は偽物が多く流通しているからだよ」と教えてくれる。氏の分野を問わない豊富な知識には、いつも感心してしまう。
道の駅 大桑にて
水分を補給して仕事の愚痴を吐き出した後、走行を再開する。この辺りまでくれば標高も500m程度となっており、気温も下がって心地よくなってくる。いよいよさわやか信州の本番というところだ。そして、そこを通る国道19号だが、木曽福島付近で道が改良されて流れが良くなり、通過時間が短くなっている。この結果、今まで迂回路として使っていた、並走する県道508号線を通る必要もなくなったというわけだ。
木曽福島を過ぎた辺りで19号線を離れて左へ折れて、国道361号線に乗り換える。おお、いよいよここから開田高原までは快走路だが、流れがそれ程良くない。ちょっとにおうなと思ったので、相変わらずの35ノット付近の速度を維持して警戒していると、案の定白バイが対向車線を通っていく。こんな所で違反切符を切られるのはゴメンなので、この先も自重していこう。
こうして新地蔵トンネルを抜ければ、目的地の開田高原へ到着だ。いやはや、高原はとても涼しく、27℃ぐらいだ。やはり「暑い日は高原ですな」というフレーズが頭に浮かんでくる。そんなことを思いつつ、昼食を食べるために「きりしな」の駐車場へ入る。またやはり、開田といえばそばであろう。
店は盛況であり、20分程度待つこととなる。この間、仕事の話となるのだが、就職して2か月半、基本的な業務はおおよそできるようになるも、お作法が違うと注意を受けて凹んでしまっている。これについてW氏は「所詮仕事だよ。やることをちゃんとやればいいさ」と励まされる。氏もいろいろと辛い日があり、苦労しているようだ。しかし、こうしてツーリングをして気持ちを新たにして、次の週を迎えられればよいのだろう。名前を呼ばれて店に入り、せいろそば大盛り1,400円を注文する。こういう暑い日は冷たい麺がおいしいね。
夏はソバですな
食事を終えて、W氏は燃料搭載の必要があるのでガソリンスタンドへ向かう。そして当方は、一足先にアイスクリーム工房へ向かう。どの味のアイスにしようかと考え、写真を撮ったり、トイレに行ったりしていたらW氏が到着する。そして、当方はコーンとバニラのミックスソフト、氏はコーヒーとバニラのミックスを注文する。
開田高原アイスクリームにて
久々のアイスナメナメは木陰でひんやりで、効果抜群だ。よくよく考えてみると、ここへ来るのはZX氏と偶然に再会したあの日以来ではないだろうか。記録を調べてみたら、それは2014年まで遡るようだ。何だか最近は時が過ぎるのが早すぎて、どの出来事がいつのことなのか、わけがわからなくなってしまう時がある。これも年齢故に、記憶を整理する能力が徐々に後退しているからだろうか。歳は取りたくないものである。
溶けやすいのは品質が良い証拠か?
この後、そのまま国道361号線を走り、開田高原を通り抜けて九蔵峠展望台へやってくる。ここは御嶽山の眺望には最高の場所だが、午後からはやや雲が出てきた。残念ながら、くっきり快晴というわけにはいかない。まあ、山というのはおおかた午後からは雲がかかるものなので、こんなもんでしょう。
さて、その御嶽山であるが、見たところ噴煙はほぼ確認できない程度となっている。それ故、先日警戒レベルが1に落とされたばかりだ。あの2014年の噴火から3年も過ぎたわけだが、もうそんなに時が流れたのか。まったく、光陰矢のごとしである。関係無いが、W氏の通った小学校からは御嶽山が見え、1979年の噴火の際、噴煙もはっきり見えたということだった。
やや残念な御嶽山
御嶽山に別れを告げ、国道361号線から県道20号線へ入り、帰路に就く。ここもウネウネ路で、なかなか面白い道だ。それはそうと、先日、久々に給料をもらい車検もあるので、タイヤを交換した。そのおかげでタイヤの形状が丸くなったので、マシンの向き変えが楽である。今回もBSを選択し、しっかりとした安定感を感じつつ、強力な旋回力を発揮するようになった。因みに、ダンロップだともう少し柔らかい感触だ。
この先、林道台ヶ峰線から県道508号線、国道19号線に乗る。この時間帯は流れが緩慢であり、風を感じることができなくて暑く感じる。加えて西日もきつく、尚暑い。ちょっとうんざりしつつも、何とか道の駅「大桑」まで戻る。
ここで水分補給をした後、さらに同国道を進み、南木曽で国道256号線へスイッチ、さらに阿智村で国道153号線へ繋いで、香嵐渓まで戻ってくる。ここで最後の休息として、その後は流れ解散となった。
来月は忙しそうだが、機会があればよろしく。
本日の走行 400㎞