2013年7月7日
タイヤが笹暮もみじ街道にて
TDMとモンスター
今日は7月7日、七夕である。話の由来はご存知と思うので省略するが、1年に1回しか会うことができない恋人同士なんて、今はいないだろうし、仮に会えないとしてもメディアが発達しているので、毎日顔を見ることぐらいわけ無いことだ。時代は流れて常に連絡が取れるようになり、会えない不安はなくなった。喜ばしいことであるが、代わりにロマンが無くなってしまったかもしれない。人を想うことは会えない時間に行うことだから。もっとも、当方のように考えてばかりいて何もできない、ということでは話にもならないが。
集合時刻の8時に合わせて7時頃に起床し、マシンのチェックを行う。いつも空気圧はチェックしているが、前回のパンク騒動でちょっと神経質になっている。もちろん問題なし。今日は暑くなりそうだ。
道具を片付けていると、部屋の玄関にノコギリクワガタが初飛来していた。当方は勝手に「昨年来てくれた個体の子孫が毎年飛来している」ということにして、今年も来てくれたなと声をかけておいた。尚、昨晩はカブトムシも飛来していた。歌手の「aiko」にも同名の歌謡曲があったが、あれは秋になって片想い？したままの女性の心情を表現しているのか？、当方の求めるロマンとは少々違う。関係ないが、「aiko」がブスかかわいいかでは判別が難しいところだ。鈴木杏も微妙なセンかもしれない。
パンク箇所からは空気は漏れていないので、安心して走行できるぞと自宅を出発する。今日は500�卍�度の走行が予想されているので、燃料を満タンにしておく。14ポンド（6L)程を搭載して、道の駅しなのへ向かう。それにしても時間が経つにつれて、カンカン照りになってきたが、山の天気がどうなるか。今日のルートはここにかかっている。尚、本当は当方が記帳業務を行い、ルート設定から先導をするはずだったのだが諸事情により忙しく、今回もW氏にお願いした。ありがとうございます。
途中コンビニに立ち寄り、朝飯のカロリーメイトを購入してから、道の駅へ向かった。集合時刻の10分前なので、まだ誰も来ていないかと思っていたら、ハーレー氏が既にくつろいでいる。さっそく挨拶をしてベンチに腰掛ける。暑さで既にバテ気味だ。
氏と話していると、来年に定年退職を迎えることが発覚した。え、もうそんな歳ですか。まだ50代半ばぐらいかなと思ってました。退職後は当然、年金問題から再雇用で働くそうだが、それと同時にバイクを引退する意向があると発表があった。
まだ十分乗れるではありませんか。バルカンなら足も着くし、馬力的にも問題ないし、追い越し加速はその辺のスポーツバイクは目じゃあないですよ。と慰留したが、「嫁さんがやめろというので、ひとまず逆らわないようにして引退した「フリ」をして、また復活する」というようなことを匂わせていた。なるほど、そういうことですか。ハーレー氏の引退はまだ10年は先のことである。
それはそうと、常々氏が話している「女はダメと言ったらダメで、どんなに筋道を立てて説明しても理解しようとしないから、逆らっちゃあいかん」という経験則を存分に活かすべく時がきたようだ。サスガ、ハーレー氏。当方のような者との違いはここにあるようだ。
そんなことを話していたら、W氏が登場した。今日はもちろんドカである。ただ、マジェでは寂しいが、腕の差を考えると氏のマジェと当方のTDMが案外良い勝負だ。悲しいことにこのくらいのハンデをつけてくれないと、勝負にすらならないのである。
さて、W査察操縦士から提出されたプランによると、今日は高山方面を目指すことになっている。ただ、当方の事前情報ではあちらは雨が降っているようであるが、ひとまずは道の駅、らっせいみさとを目指し、そこから様子をうかがいながらルートを決定することになった。
国道363号線で恵那市まで行き、そこから「エイロクキュー号線」こと県道69号線に乗り換えて、軽快にコーナーを抜けていく・・・つもりだった。しかし、ロクキュー号線は所々路面が濡れたハーフウエット状態だ。コケないように少しペースダウンして、慎重に走行していく。この辺りの機長判断はさすがW査察操縦士である。
この後、農機具屋がある、見通しの悪いT字路から県道66号線に合流し、機首は東に向けてさらに山奥方面へと向かう。まだ時間が早いので、正面から真夏の太陽がジリジリと照っており、なかなか暑くなってきた。当方はこの感覚が大好きである。あと、むせ返ってブッ倒れそうになる暑さもたまらない。別にMではありません。
ただ、手放しで喜んでいる場合でもないようだ。行く手には黒い雨雲らしきものが見えている。管理人気象レーダーでは、一時間に10mm程度のやや強い雨が予想される。そんなくだらないことを考えながら、県道66号線、通称らっせい街道の高速コーナーをスルスルと抜けていく。ここは中央線が破線なので、追い越しもラクラクだ。
夢中で走っていると、標高が上がったせいだろうか、若干ながら涼しくなってきた。夏は山へ逃げるに限りますな。また、その追い越しをかける場面であるが、バルカンの加速力は抜群だ。TDMでもギアチェンジなし、または一個ダウン程度で全く問題のない加速をだすことができるが、バルカンはそんなの目じゃない。まさしくアメリカンタイプの真骨頂と言えるものだ。
コーナーや加速感を楽しんだ後、道の駅らっせいみさとに到着した。全く関係は無いが、「My Revolution」でヒットした人は渡辺美里である。それはそうと、若干涼しく感じた空気も、ここへ来てまた暑くなってしまった。暑い夏を楽しむことは結構だが、本当にブッ倒れてはシャレにならないので、ガブガブと水分補給を行う。ただ、理想はチビチビと喉の渇きを感じないように飲むことだ。渇きを覚えるということは、既に水分不足に陥っていることを意味するからである。また、ガブガブ飲むことは内蔵に負担がかかるので、できれば避けたいところだ。
水を飲みながら、いつものトークで盛り上がる。最近、女性スケーターが未婚で出産したことについて、外野がワーワーと騒いで非難している。また、何かの発言で、誰かのブログが炎上したとか、まったく世の中わからないことだらけだ。そんなもん人の勝手じゃん。別に肩を持つわけではないが、出産して苦労するのはそのスケーターだし、経験しないとわからないことも多々ある。ブログの炎上って、そんな人のことほっといて、自分のやるべきことが山ほどあろうに。
そしてバイク業界も相変わらずの低迷が続いている。最近はロードスポーツにやや回帰しているようだが、それほど勢いがあるわけでもない。結局バイク人口は減る一方であり、その原因は若い人が乗らないからだろう。バイクで遊ぶというソフトと、高性能な市販車として成り立つバイクというハード、これらの融合こそが復活の基礎と考えるがどうだろうか。
道の駅 らっせいみさとにて
ハーレー氏（左）とW氏（右）
各々が自論を展開して、有意義なバイク談義だった。さて、この先どうする。
やはりこの天気では高山方面どころか、恵那市の北部でも雨が降りそうな気配である。残念ながら元のプランをキャンセルし、やや南下するルートに変更することになった。
らっせいからは少し東へ行くので、当方は那須川農道かと思っていたのだが、ここは順当に66号線で東進ハイスクール、途中から細かい道で国道257号線に乗り換える。あとは半自動操縦で4輪の後ろについて阿木川ダムにを通る。空梅雨気味で水不足を懸念していたのだが、貯水率はほぼ100％と思われる。もう間もなく梅雨が明けると思われるが（実際にはこの翌日だった）、当面は問題ないだろう。
モンゴル村を通過して、上矢作地区で国道418号線にスイッチする。ここは相変わらず道が狭いが、時々滝が見えるのがイケている。おおっと、舗装状況が悪いところがあるので注意が必要だ。
また。途中にあるやや長いトンネルの路面が濡れていて、超涼しい。もっとも、ここはいつもどこかから漏水しているようで、路面が乾いていたことは一度も無いように記憶している。因みにトンネル内外の温度差は、管理人レーダーで測定すると10度程度だ。
平谷で国道153号線と交差するので、ここを左折して北上していく。当方は平谷で休息かと思っていたが、かなり混んでいたので、W機長の判断により、さらに涼を求めて治部坂に目的地変更する。ただ、治部坂峠手前の橋、右カーブで真正面にかなり黒い雲が広がっている。この先はマズイかなと思いつつ、治部坂スキー場に到着下。ここまで来れば日陰では涼しく、太陽もやや隠れ気味なことも相まって、かなり快適である。
国道を見下ろす場所で話をしていると、たくさんのバイクが通っていく。そして、いつものごとくCB750K軍団もいたが、この集団は割合と静かだった。「このくらいの音にしてくれないか」とはW氏の談。当方もまったくその通りだと思う。
それはそうと、一時期盛り上がっていた「スクーターブーム」は去ったようで、アメリカンが復権しているように思われる。いや、もともと台数に変化が無いだけで、スクーターが減った分、ハーレーなどがまた目立つようになったのだろうか。確かに、アメリカンは足つき性は抜群に良いので、わりあいと初心者に向いている所もある。
おっと、オフ車の二人組が通過していったが、片方はホンダのディグリーではないか。W氏は「SLと並ぶマイナー車」と評していたが、いやいや、現役モデルの時は結構の台数が走っていたように思いますよ。確かに、セローと比べてしまったら8：2で負けてしまうことは間違いない。
それはそうと、前回とその前の回は、W操縦士はマジェで参加している。それについては、「案外スポーツ性が高く、何よりも楽に走れる」とのことだった。いやいや、それはW査察操縦士のコントロールだからこそなせる技であり、一般論ではないだろう。
さて、トイレに行こうと思ったが、生憎近くのものは「凍結の為閉鎖」されている。昨年の春から修理していないようだ。ここは冬はスキー場として営業しているのだが、経営が芳しくないのだろうか。仕方ないので土産物屋に入りトイレを借りることにする。すると入口で「梅ジュース」の試飲会が行われており、おばちゃんに勧められたので、一杯引っ掛けて（アルコールは入っていないよ）いく。すると、自転車乗りの方々がやってきて、同様におばちゃんに勧められていた。
その中に、なんと腰が曲がったままのおじいちゃんサイクリストが含まれていた。ただ、肌は浅黒く焼けていて、足の筋肉だけ見ていたら、とても腰が曲がるような年齢とは思えない程だ。
W氏は驚きつつ「R-1に丁度良い前傾姿勢かもしれない」とややブラックなジョークを飛ばしていた。いやいや、それは無理でしょう。反射神経が追いつかないと思うよ。それにしてもあの年齢でそこまで鍛え上げているその精神力はすごい。俺もあんなジイサンになりたいものだ。
おや、先ほどのCB‐K軍団がなぜか引き返してきて、店の前でタムロっている。なんで戻ってきたのか、この段階ではまだ理解できていなかったのだが、すぐに思い知らされることになる。
らっせいから見ると、一つ東側の谷筋なので雨は大丈夫だろうと判断し、W機長に続いて国道153号線を北上していく。しかし、涼しい寒原峠を越えて下っていくと、さっそく天気が怪しくなってきた。風に乗って雨が飛んできているようだ。まだ大丈夫かとさらに進んでいくと、路肩でかっぱを着ているディグリーのライダーを里見八犬伝。いや、やっぱり現役時代はそれなりの台数が走っていたように思うよ。
そんなことはどうでもよくて、彼らを横目にさらに進んでいくと、前方に雨降りの境目を発見した。さらに、それがみるみる近づいてくるではないか。これはまずいなぁ。大粒の雨に打たれつつ、機長からUターンの指示が出たので、慌てず急いで方向を転換する。
なんとかちょっと濡れただけで治部坂方面へ下っていくと、ある所を境目に路面が乾いている。これぞ山の天気ですなぁ。ひとまず雨からは逃れられたが、W氏が密かに楽しみにしていた「下條のそば食べ放題」は断念せざるを得ない状況となった。W氏は昨年一度も行くことができなかったので、かなり残念そうだった。
一旦平谷まで南下し、W氏とハーレー氏は燃料の再搭載を行う。さらに、W氏はタイヤの空気圧がイマサンということで、調整も行っていた。この間にも雨雲が南下してきて、また雨が落ちてきた。こりゃあかんわ。
この段階で皆は戦意喪失、特にハーレー氏は「今日は半日遊べたのでもういいか」と午後からは帰宅するようだ。ただ、昼飯がまだであったので、赤そばで有名な「高嶺そば」で食事をしていくことにする。平谷の交差点を過ぎてしばらく走ると、そば屋に到着するが、なんとSRXの集団が先客として入店している。多分、店主はヒーヒー言ってそばを打っていることだろう。また、W氏によると、自宅周辺で同集団を発見していたので、今日はミーティングがあるのだろうと思っていたそうだ。しかし、その集団とこの店で遭遇するとは奇遇だ。いや、この天気とこの時間、十分有りうることだ。
さっそく入店して、席に着く。ハーレー氏と当方はざる大盛り、W氏は機長業務があったので？天ざるとしていた。また、当方らが入店した直後に、さらに来客があり、珍しく待ちが発生している。普段はガラガラなので、当方は「穴場」と紹介しているが、店側からすればそれはあまりにも失礼な話だ。
そんな話で盛り上がっていると、意外にも早くそばが運ばれてきた。ここのそばは前述のように、「高嶺そば」というやや赤みがかった種類のものを使用しており、コシが強い。味も微妙に甘味があるように感じる。そしてとても細いのが特徴である。これはコシが強過ぎるのでわざと細くしているようだ。
ざる大盛り1000円也
そばをすすりながら雲の流れをみていると、流れが速く天気が安定しない。午後は帰宅予定のハーレー氏の自宅方面にも雲が出ている。さらに戦意が無くなったことだろう。これに対してW氏は「一発どこかで喰らうことはやむを得ない」とハーレー氏を励まして？いた。
皆麺を平らげて、そば湯に移行しつつテレビを見ていると、番組が長野県中心になっている。それはそうだ。ここは立派に長野県なんだから、梅雨明けしている甲信の「信」だ。もうちょっと天気も安定して欲しいところだ。
それにしても、政治家は調子の良いことばかり言っている。特に万年野党の共産党や社民党はほぼ実現不可能ではないかと思われることを公約にしている。「どうせ政権が取れないなら、言った者勝ちだ」とやけっぱちになっているように見えたのは、当方だけだろうか。もちろん、与党の言うことも調子よいことばかりだ。
食事も済み、どうにか北上できる手だてはないかと探るが、結局雲の流れが速く、W氏の言う通り、「一発は喰らわないといけない」状況だ。この段階で最後の希望であった、国道418号線で売木峠へ行くルートも諦めて、153号線を下っていく。すると、天気はグングンと回復し、強い日差しが降りそそぎ、気温も急上昇。30℃を超えていた。
これはたまらんと、どんぐりの里いなぶで休息をとることにする。もちろん、目的は「アイスナメナメ」である。何度も申し上げているが、バイク乗りが好きなもの。「そば」、「ソーセージ」、「ソフトクリーム」である。関係ないが、元幕内の闘牙が土俵入場の時に付き人にやらせることは、「汗」、「水」、「もみあげ」である。
次々と道の駅に入ってくるバイクを見ながら話していると、ソフトクリームが溶ける速度が早い早い。ツバ付きのコーンでよかった。手がベタベタにならないように、うまいこと流れ出るクリームと格闘して完食した。
お馴染みのアイスナメナメの図
W氏（手前）とハーレー氏（奥）
それはそうと、この道の駅にはツバメがたくさん営巣している。鳥博士のW氏によると、最近は人間の家の造りが変わって、巣を作ることができる場所が少なくなり、鳥の住宅事情も厳しいようだ。たしかに、アクロバティックな造りの巣も見受けられた。これまた関係ないが、アクロバティックと言えば、当方の先輩インストラクターさんである。ある日「股の筋肉が痛い」と言っていた。これに対しオークラ氏が「きっとアクロバティックな体位で行ったに違いない」などと言ってた。当方は筋トレで内転筋を鍛えた結果だと思っていたが、今考えると、オークラ氏の説も信ぴょう性が全くないわけでもない。
ここでハーレー氏は帰宅、我々はちょっと走り足りなかったので、引き続いて257号線で南下して行く。このコースを採用するということは、我々WRT連合会では定番の、茶臼高原道路、折元I.C.で県道10号、タイヤが笹暮れもみじ街道とワインディングをはしごになる。
まずは名倉を左折して、県道506号線の茶臼山高原道路へ進入する。なかなか良いペースだったが、4輪車に詰まってしまったので、タイヤの状態を整える意味合いで各所のチェックを行いながら折元I.C.まで走行する。
茶臼山ルートを離脱して、県道10号に乗り換える。さあ、いよいよワインディングの始まりだ。当方はW氏の速度には全く及ばないので、自分のポイントを押さえつつ走行していくつもりだったが、今日のW氏は当方に合わせてくれていたようだ。おかげでW氏の走りを参考にしたり、カーブ入り口の荷重の乗せ方を再確認したりできた。
心地より速度で県道10号を離脱して、タイヤが笹暮れもみじ街道に入る。ここは超高速コーナーが続く道であるが、先導機長のおかげで当方が心地よいペースで車輪を進めていく。そして当方が勝手に「離陸ポイント」と称する場所で停車。写真撮影をする。
それにしても暑い。真夏の日差しでジリジリエリカだ。こんなに天気がよいのだから、ハーレー氏も来ればよかったかもしれない。尚、冒頭の写真はここで撮影したものだ。
通称離陸ポイントにてW氏
（実際は画面上方から下ってくると離陸するように見える）
そのハーレー氏の引退について話していたが、バイク屋の奥さんによれば、「自分で判断している」ということらしい。つまり、自分から降りるというと今ひとつ格好がつかないので、カミさんのせいにしているということだ。なるほど、氏のプライドによる物言いだったのか。
その話から、女という生物と渡り合う術について、W氏から意外な告白があった。氏のおふくろさんにはかなり追い込まれてきたらしく、それと対決してきたW氏は随分と戦術を身につけてきたそうだ。もちろん、ここ一発では相手を言い負かすこともあるらしい。確かに、W氏は何かを説明する時にはかなり理路整然と話を進めていく。なるほど、そこに原点があったのか。
いずれにせよ、女の理不尽な面について共通の認識を持ちつつ、国道257号線から県道32、436号線、国道257号線、県道21号線、国道151号線と細かく道をつないでいき、新城側から国道301号線を遡るルートを行く。
ここも遅い車がいなければ、中速コーナの連続を楽しむことができる道だが、いつも通りに4輪車の後ろについて走行する。そしてしばらくすると、数台の軍団が追いついてきた。さらに、その大将らしき先導車であるZRX1200が当方を執拗につついてくる。いやあ、この先は詰まっているんですけど。そう考えていたら、ちょうど本宮山下の信号で止まることになった。軍団は勢いよく先に行ったので当方は後方から控えめに出ていくが、なんだかペースが合わない。一方W氏は集団の中に紛れて発進し、周りの様子を伺っているようだ。
気持ち良い速度で走行したいので、適当な場所を見つけて追い越しをかけたいが、中央線が黄色なのでなかなかその場面が訪れない。ただ、当方はこの先雁峰林道の入口を過ぎて上りに差し掛かるところ一箇所、数百メートルだけ破線の白線になる場所を知っていたので、そこまで待つことにした。尚、W氏は器用に、ハミ禁に引っかからないように追い越しをかけて先へ出ているのが見えた。
さて上記追い越しポイント手前のヘアピンでギアを落とした後、2．3とシフトアップし、4速で待機する。そして中央線が変わった。「よし行ける」と思ったら、対向車線からパトカーがやってきた。「よりによって、ここかよ。ヤラレタ」と思ったが、それが通過した直後に追い越しをかけて、遅い前走車を２台抜いた。そしてW氏に追いついたが、が、ゼファー750に詰まっている。また、同集団と思われるCB400SFも同時に捕まっていた。
このゼファーがさっき抜いた2台のペースよりもさらに遅いので、またまた「ヤラレタ」と思ったが、CB氏は隙をついてゼファーをパスしていき、W氏もそれに付いて一緒に前へ出たが、当方は一度後ろについて様子を見る。ん？？ゼファのライダーは一生懸命ケツを落として足を開いているが、肝心な体がそれと反対方向に動いており、結果重心の移動は相殺されていて、あまりマシンの旋回力を引き出せていない。そのせいか、さらに頑張って体を入れているが、元の木阿弥だ。さらに、抜かれまいと意識しているのか、必死にミラーを見て当方の様子を観察しつつ、ご丁寧にブロックラインを走っている。
一応ラインをクロスさせたりして揺さぶってみるが、公道なのでカーブで抜くなんて怖いことはできない。だか、ここでW査察官から教わった技を試してみることにした。それは一度大き目に間をとり、しばらく走行した後に、狙ったカーブの立ち上がりで加速しつつ一気に抜き去るというものだ。これは、ピタリとつけると「抜かせまい」という心理が働くので、間を開けることで油断をさせるというライダーの特性？を利用したものだ。
はたして、この作戦はまんまと成功し、黄線ギリギリをかすめて前に出ることに成功した。もっとも、これはTDMのパワーがなくては実行できなかった作戦なので、実績と信頼のTDMが最高の功労者（車）であることは言うまでもなかろう。ありがとよ。
こうして快適なペースで走行し、件の大将が、仲間が追いついてくるのを待っているところも通り過ぎ、道の駅 つくで手作り村に到着した。なかなか面白いバトルだったと話ながら、まずは水分を補給する。新城の市街地ではかなり暑く、脱水気味だったので、500ccのポカリをサラリと飲んでしまった。
このあとは、名物のフランクである。いろいろとサイズがあるが、ここは500円のジャンボフランクで決まりだ。と言うのも、以前、特大700円を食べた際、いささかくどかったと感じたからだ。
ジャンボフランクをかじるW氏
ここでは懐かしのCMの話で盛り上がった。というのも、当方が先日のG.W.に尾道に行った時、原田版「時をかける少女」のロケ地を巡ってきたからだ。それに引っ掛けてW氏が「お湯をかける少女」は知っているか、と尋ねてきたので、「工藤夕貴がやかん持って走ってくる、3時3分っていうカップラーメンでしょ」と返答をした。「さすがは管理人氏」とややのけぞっていたW氏だったので、さらに「さゆり」という映画では桃井かおりに「売れ残りのかぼちゃ」とか言われていたと追加の情報も開陳してみた。W氏も最近その映画を地上波で見たらしく、そうだそうだとさらに盛り上がってしまった。
ところで、この道の駅は奥行が深く、この駐車場やフランクの販売小屋はまだ入口の入口だ。行ってみましょう、とトイレの裏にある小川を渡り、手作り工房の横を通り過ぎる。すると、チェーンソーアートで制作したと思われる、何体かクマや鳥が展示してあった。そこで当方が「木のクマ、ワシかぁ」と思っていたが、刑事物語という映画のセリフに「違う！木のやつ」というものがあることを思い出した。そこで独りで面白がって「チガァ〜ウ、木のやつ！！」と言ったらW氏に「それは何ですか」と突っ込まれてしまった。
事情を話してわかってもらったが、イマイチその面白さが伝わっていなかったので、後日映像のあるURLをお伝えしておいた。
くだらない話題で盛り上がった後入口付近のベンチに戻り、「裏の施設も宣伝しないと人は来ないよなぁ」といつもの結論に達した。そんなことを言っていると、先ほどの「頑張っていたゼファー750」のライダーが特定された。ご多分に漏れず、白髪の方であった。それはそうと、どうも我々にとってゼファーは鬼門だ。というのも、以前YGを走行していた際に、「アメハンゼファー」に進路を塞がれたことがあるからだ。あの時は「アメハンゼファー」が何回もコースアウトしそうになっていたので、我々はちょっと引いてしまったっけ。
良い時間になったので、そろそろ帰還することに。W氏は街へ出て本屋にいくので、「（ドーンとぶつかって、）あとは流れで」ということにした。次回は当方が渡道する前の週に集合予定である。
本日の走行 300km