2013年2月23日
渥美半島菜の花まつりにて管理人
（えらくおっさんになったなぁ）
ようやく日差しに春の気配を感じるようになってきたが、北日本では、引き続き第一級の寒気が南下してくるようだ。当然この地方も寒いが、ただ、土曜は割合と天気が良く、比較的温かくなりそうなので、今年初の200km超えに挑戦することにした。
前日はいつものようにジムで汗を流し、早めに就寝した。そして当日は8時頃に起床し、飛行計画の作成にとりかかる。本当は前日に提出しておこうと思ったが、眠くなってしまったので、出発直前に決めることに。まあだいたいこんなもんでしょう、ということで9時にエンジン始動。ギュルルとやや重いクランキングで始動するも、極わずかに不安定だ。そろそろインジェクターの清掃でもしなければならないのだろうか。ただ、少し暖機してオイルが回れば、アイドリングも極めて安定したので心配はいらないが、このくらいの症状で済んでいるうちに対策をしておいた方がよさそうだ。
走り始めて、まずは県道57号線で南下していく。途中で亡き祖母の家近くを通過し、さらに親父の実家前を通ってR１に乗る。そして本宿辺りで国道473号線にスイッチし、軽いワインディングを楽しみつつ、みかん畑を抜けて蒲郡へやってきた。
本当はこの辺で休憩しようかと考えていたのだが、意外にも暖かいので体力的に問題無しと判断し、そのまま走行を続けていく。ところで、今日はグローブをネオプレーンラバー製のものに変更している。というのも、いつも使用している革製の冬用グローブの防寒性が落ちていないかと疑問を持ったからだ。その真偽はわからないが、新グローブはなかなか良い。デイトナ製の2,980円のものだが、グローブ自体が冷たくなってもそれが内側まであまり影響しないようだ。もっとも、アルミ皮膜加工された1,000円のインナーも装着しているので、実際は5,000円程度のものをしようしていることになる。まさに「これ」という商品が無いことは、冬のツーリング距離が伸びない原因の一因だ。それよりも、歳をとった当方の怠慢か？
ひとまずグローブに好感触を得つつ、国道473号線のバイパスで蒲郡市街地を迂回して、国道23号線にさらに乗り換えて、豊川橋方面を目指す。ところで、この23号線は現在豊川橋と国道248号線の間で延伸工事中だ。一方、バイパス完成後は旧道となる現在の23号線は途中で片側1車線になってしまう場所がある。もちろん、ここがかなり混むので、バイパス路の早期完成が待たれるところだ。
そして件の豊川橋付近までやってきたのだが、なんと、遠くにバイパスが延伸されているところが見えた。おお、ついに動き出したかと嬉しくなった。帰りが楽しみである。また、それに伴い豊川橋付近が高架になっており、交通の流れも良くなっている。その豊川橋も目下二車線化工事中だ。この調子ならば、再来年には幸田と豊橋の区間が開通するのではないだろうか。
ちょっとワクワクしながら暖かい日差しにも恵まれつつ、国道23号線を南下していく。そして大崎I.C.にて県道409号線に移り、富士見台という特徴的な地名の付いた場所を通る。聞いた話であるが、じつはこの手の地名はそこらじゅうにあるらしく、その昔は空気も澄んでいて高い建物も無かったことから、富士山は割合と容易に見ることができたそうだ。この渥美半島にある蔵王山、蒲郡の三ケ根山でも年に数回はその姿を拝むことができるし、実際に当方も見つけたことがある。
富士山は日本の代名詞的な存在だなぁと関心しつつ、国道42号線に乗り換えて、キャベツ畑を通る道を30ノットで走行していく。海沿いはさらに暖かく、時折現れる菜の花畑の黄色の鮮やかさ。よく「女性の声を黄色い」と表現するが、まさにそれを表しているかの如く鮮やかな色だ。関係ないが、当方に通うジムにやけに声の低い女性がみえ、中年の男性に（人のことは言えない）話しかけられて、「あ？ぅわがりません」と無愛想に返事していたことを思い出す。
両脇にの菜の花に見とれつつ、誰かと一緒ならもっと楽しいかもと想像を巡らせてみる。しかし、その人にとって興味がなければ、寒い中タンデムシートに乗せることは拷問だろうし、当方も気を遣うことになる。結局旅は基本一人で楽しむものなのかもしれない。離婚するさらに前の結婚する前に、当時交際していた元嫁を誘ってみたが、反応がイマイチだったのだが、興味が無かったのだろう。それに対して「なんだよ〜」と思った当方は心の狭い人間だろうし、その中身はちっとも変わっていない。道理で、モテないわけだ。
苦笑しつつ、赤羽根漁港奥にある海岸に寄り道してみる。驚いたことに、数人の人がサーフィンをしている。どこかに出ていた看板には、この辺りはサーファーの聖地というらしきことが書かれていた。そういえば、美人で有名な梅さんの奥さんによると、キムタクのサーフィン好きで、豊橋にアパートを借りてこの辺りでサーフィンをしていた時期があるそうだ。
遠州灘を背景にTDM号
地図を見て、渥美半島菜の花まつりの会場までどのくらいの距離かを確かめる。だいたい10海里弱だから、32ノットで走行して20分ぐらいかな。あと一息だ。
やや急ぎ足で走行していると、警備員が出て交通整理をしている姿が見えた。どうやらここが、まつり会場のようだ。所要時間は概ね20分というところだった。このくらいの時間が読めないようではツーリングライダーを名乗ることはできないのだが、予想通りにことが運んで嬉しいと思うのは当方だけではなかろう。
警備員の指示に従い、駐車場にバイクを停める。隣には懐かしいFJ1200が置いてあるが、ナビやら何やらがゴテゴテと装着されているし、予想よりも積算距離が大幅に少なかったので残念だった。こういうバイクに乗る人は、ほとんどが距離を乗る方と勝手に思い込んでいたが、そんなことはないようだ。
さて、会場入し、一面に咲く菜の花を見て、やっぱり「黄色い声」という句を思い出してしまった。そのくらい色が鮮やかだったのだ。おや、入口のテントでは、小さな子供向けに「ミツバチの衣装」が無料で貸し出されているぞ。借りる人はいるのかと周りを見回してみると、いるいる、ハチに扮したかわいらしい子を撮影している父親、母親。自分の子が一番と思っているに違いないが、これぞまさに親バカの典型と言えるだろう。人の子供でも皆かわいらしく見えるので、自分の子供なら例外なくそう思うに違いない。どうやら、当方にも親バカの資格があるようだ。
そう考えながら、3ヘクタールはあろうかと思われる畑を歩いてみる。まずは小高い場所に上り会場全体を見回してみよう。ソテツが生えている周りにビッシリと花が咲いている。深呼吸をしてみると、ほのかに春の香りも漂う、まことに良い気候だ。ただ、油断は禁物であり、陽が傾くとすぐに冷えてくるので、時間を気にしつつ会場を歩いていく。
会場の東側を眺める
西側にも畑が広がっている。いや、こちらは迷路になっているのかな。子供たちが楽しそうに走り回っている。その後ろを親が必死こいて追いかけていく。子供は疲れ知らずで遊ぶのだが、遊び終わると疲れを感じて寝てしまう。当方も子供の頃に疲れ知らずで遊んで帰宅したことが何度もある。そして「疲れた」と言ったら、「疲れるまで遊ぶでいかん！」と母親にえらく怒られたことがある。今思うと、疲れているのは当方だし、とても楽しかったので嫌な気分では無かった。それなのに、何でアンタにすごい剣幕で怒られなければならないのか。当方には理解できなかった。そしてこの時、なぜか、「俺は生きていてはいけないのだろう」と感じた。
こんなよい場所に独り歩く管理人であるが、そんな鬱々とした感情が蘇るのは、最近疲れ気味なのかもしれない。今日は十分に気を落ち着けて思索にふけり、この花畑をウロウロとしようではないか。もっとも、当方が思索にふけると、たいてい人生の後悔について考えてしまう。何回も当ページにて綴っているように、若い頃にしっかりと未来を見据えなかった、努力をしていなかったことだ。これについては、自分に対して敵意を持つ程だ。まあ、自虐ネタはこの辺にしておこう。
少々冷たいが、若干の柔らかさを感じる風を感じ、目に入る鮮やか花の黄色、青い空に自然の営みの不思議さを確認し、子供のはしゃぎ声に癒されて、若干肩の力を抜きつつ会場を後にした。
丁度時刻が昼時なので、いつものように大アサリを食べようと日の出岩海岸？にある「日出丸」という店に向かう。ここはいつも大アサリを食べる時に利用する店であり、愛想は悪いが入口に近い席が抜群に日当りが良いので、ひいきにしている。値段的にも隣の店よりお得感があることも見逃せない。料理の味、量も申し分無い。
海岸の駐車場にマシンを停めて、件の一番南側の陽当りの良い席に座り、「焼大アサリ定食」を注文する。以前このメニューを読み間違えて、「特大あさり定食」と言ってしまったことがある。「焼」と「特」の字を読み間違えたのか、「とても大きなアサリ」という認識が頭に刷り込まれていて、つい「特大」と言ってしまったのか、原因は定かではない。
地図を見ながら料理を待つ。昨年はTDMの走行距離が4,000km程度だったので、今年は通例通り年間走行距離10,000km、あわよくば15,000kmを走破し、積算計100,000km達成を目論んでいるので、どこへ行こうかと検討する。また、今年こそはキャンプツーリングを何回かこなして、目標距離を確実にしたいところだ。そのために、テントを新調した。モンベルのクロノスドーム�況燭如△靴�も専用のグランドシート付きである。これで送料込23,000円だったので、ちょっとだけ得した気分だ。因みに、今まではフライシートを6箇所で留めるコールマンの安物を使用していたのだが、こいつはフライシートを8箇所で張ることができ、雨が降っても染み込みにくいだろう。また、インナーテントとフライの間に適切な隙間が確保されることも嬉しい。実は一昨年末から購入を検討しており、実物も何回か見て、やっと今年購入したのだよ、ヤマトの諸君。あとはヘルメットも新調したい。何せ、TDMと同じ年数、つまり9年以上使用しているのだから、さすがに内装がペタンコになってきた。関係ないが、アイドルだった鈴木あみはペタンコで有名だ。
焼大アサリ定食
そんなことを考えていたら、やってきました焼大アサリ定食。この店では、やや小振りながら4個がついてくる。そして出汁のよく効いた味噌汁はもちろん、副菜も、塩ダレをふりかけたかき揚げ、サラダと2品あり、デザートのパイン・みかんも用意されている。これで1,100円なら、まずまず良いのではないだろうか。
さて、アサリのお味は、醤油のみと簡単ではあるが、貝自体の味と相まってとても旨い。管理人は基本的に魚介類大好きで、刺身も好きだ。これは親父の話によると、当方の石屋兼鍛冶屋だった祖父の影響を強く受けているようだ。ついでに気が短いところなんかも受け継いでいる模様である。もっとも、おじいさんとは同居していたわけではないので、その真偽はわからない。因みにその祖父であるが、1900年9月生まれらしく、当方が生まれた時はすでに73歳、ものごごろついた頃には80歳を越えていて、亡くなったのは86歳だから基本的に優しい人であり、揺り椅子に座りくつろいでいた姿が印象的であった。また、よくよく考えてみると、祖父の人生は急激に変わる世の中と共にあったようだ。彼が3歳の時にライト兄弟が動力付飛行機で初めて空を飛び、10歳の時にハレー彗星が回帰、30歳代には中国での戦争にも駆り出され、45歳で玉音放送を聴いたことになる。その徴兵されていた時代は、東南アジアや南京で工兵として任務についていたそうだ。その南京というと、やはり虐殺という言葉を連想するが、親父の兄さん、つまり叔父さんの話によれば、祖父は当時の写真を持ち帰っており、それは現在でも叔父さんが保管している。そういえば、当方が小さい頃に叔父さんが「おじいさんの写真」として一部を見せてくれたことを記憶している。
あまり多くない祖父の記憶をたどりながら食事をし、料金を支払って店を出る。そして、海岸に下りて、砂浜を歩いてみる。んー、これだよ、春の香りだ。もう少し辛抱すれば待望の春がやってくる。わけもなく嬉しくなってくるではないか。春に「変な人」が出没するとよく言われるが、なんだか自分のことかもしれないと思ってしまった。気をつけよう。それにしても砂浜は歩きにくい。普段からエアロビクスで鍛えているのだが、足がもつれてきた。時刻も15時を過ぎているのでそろそろ帰路に就かなくてはならない。
海岸を歩いてみる
トイレに行き、余計な水分を放出して軽量化してから、交通管制機関に許可を得てTDMのエンジンを始動する。朝一番の始動はやや重かったが、ひとしきり走行してきているのでオイルも柔らかくなっているようで、「キュル」と極短いクランキングでエンジンは目覚め、「ドルッドル」と不等間隔爆発の排気音を安定して放っている。
さて、帰りは半島の北側、国道259号線を通ることにしよう。当方は基本的に、同じ日に同じ道は通らないことにしている。なんとなくその方が気分が良いし、道も覚えることができるからだ。この国道沿いにも菜の花があちこちに咲いており、その鮮やかな黄色に驚かされる。それにしても国道は丹頂鶴だ。ちょっと気分を変えようと、あらかじめ計画していたように馬草地区から県道2号線に乗り換えて、三河湾沿いを走行していく。こちらのほうが交通量も少ないし、気分が良い。
この後は蔵王山を回り込むように走行し、三河湾大橋を渡って渥美半島に別れを告げる。いつもはここで強風にあおられるのだが、今日はほぼ無風状態なので穏やかに走行することができた。この辺りは車の輸入港、並びにトヨタの田原工場があるので、ワーゲンやベンツ、トヨタの輸出車両を積んだけん引車と時々併走する。輸出入するということは購入する人がいるからで、皆さん金持ちだなぁと関心してしまう。
今度は国道23号線に乗り換えて、heading360に針路変更し、豊川方面を目指す。途中豊橋の陸運支局を通過したが、今年は前述の友人である梅さんのバイクが車検満了を迎える。当方のTDMも今年9月に車検の有効期限が切れるので、一緒に2台でまとめて検査を受けることになりそうだ。その時にはもちろん、梅さんにはやたらとでかい、仮ナンバーを彼のV-MAXに装着してもらわねばならない。楽しみである。
おっと、ここからは新たに開通した23号線バイパスだ。暫定開通なのだろう、片側1車線ずつしか用意されていない。また、開通区間も5km程だろうか、結局は現行の細い道の23号線まで戻らなくてはならないので、かえって遠回りになったみたいだ。
ちょっと残念だが、全線開通に期待しつつ、幸田まで走行し、そこから23号線岡崎、知立バイパスで豊明まで走行し、帰宅した。早く暖かくなってほしいものだ。
本日の走行 210km