2013年8月16日〜25日
かんのファームにて
6時30分に起床する。早速テレビで天気予報を確認すると、今日は雲が多いながらも晴れらしい。昨日の天気予報では雨予報だったが、ハズレである。ここ数日はこんな感じなので非常にありがたいし、こういうハズレはどんどん起こって欲しいものだ。
さて、今日は朝食を準備していなかったので、国道沿いのコンビニで調達することにして、歯磨き、荷物の整理を行う。すると他の方々も徐々に活動を始める。やはりツーリングの朝は早起きが一番だ。
荷物をまとめてSLに搭載する。今日も頼むよ。エンジンを始動・暖機して、比布ブンブンハウスを後にする。出がけに変態氏から「気をつけて」と見送られる。案外まともかもしれないな。
出発前の一葉
腹が減っていては何もできない。国道40号線沿いのモータース向いにあるセブンで、カロリーメイトと100円のドリップコーヒーを購入する。最近はどのコンビニでも置いているこの商品、なかなか香りも良いし、不味くもない。むしろ100円にしては上出来と言える。
駐車場で今日のルートを確認しつつ、件のコーヒーを飲んでいると全然知らない工事現場のおじさんから、「これ余っているから飲んでよ」と栄養ドリンクを頂いた。いやあ、まったくもってありがとうございます。何だか皆さん親切で、嬉しいです。
さて、今日はどこへ行こうかな。幸いにも空知地方は天気の変化が少ないようなので、ゆっくりと美瑛・富良野を散策することに。昨日は結構な長距離走行だったので、このくらいで十分だろう。
こうして、国道39号線に乗り、燃料を補給する。240kmで7.1Lだから、33km/L、昨日の給油は美深だったから、林道走行が多かった故にこの数値だ。悪い部類になってしまうが、仕方のないことだ。
マシンも人間も準備が整ったので、徐々にペースを上げていく。まずは国道39号線で南西方向に進んでいく。すると「当麻」の道の駅を通過するのだが、いつもこの名前を聞くと、梅宮辰夫の言葉が蘇る。ただ、国道沿いに広がる実りの秋を迎えた水田は、とても美しい。
自分の不謹慎さに呆れつつ走行していくと、旭川市に入った。そして、男山酒造の工場前を通過し、市街地を迂回する環状の、道道90号線に乗り換える。さらに同市の南で国道237号線に繋いで、今度は南東方向へ機首を向ける。
そろそろ美瑛に入るかなという頃に、上空をB767が飛んでいく。R/W16へのアプローチ中だろうか、ということは今日は南風ということかぁ。雨が降らないことを祈ろう。
飛行機を見届けると、だんだんと遠くにはパッチワーク状に広がる畑が見えてきた。今日は天気も良いことだし、美瑛観光に一日費やしてもいいかな。あと、今日は北海道では最後の晩だ。前々から良い評判を聞いていた「道楽館」に泊まることにしよう。
早速道の駅 びえい「丘のくら」に行き、電話を入れて宿泊可能かを訪ねてみる。もちろんO.K.とのことだったので、予約としておいた。まだ午前中のうちだが、宿も走行プランも固まった。たまにはこういう楽な旅もよかろう。肩の力を抜いて、道道996号線で十勝岳方向へ走り出す。この道は観光道路だが、今日は割合と空いていて走りやすい。さらに天気もまあまあなので、気分もぐんと盛り上がってくる。
最初は俗な観光地だが、青い池へ行ってみよう。道道966号線は森の中を通る道で、マイナスイオンが出まくりという感じだ。ただ、天気が相手なので何ともならないが、これで快晴ならばもっとよかったのになぁ、と感じるのは当方だけではあるまい。
しろがねインフォメーションからさらに5�辧�結構な山奥に突然駐車場が現れる。北海道ツーリングに頻繁に出かけるようになった2008年頃は、ここは口コミだけで知られるスポットだったが、いつの間にこのように整備されたのだろうか。ただ、駐車場は奥に広げられたので、歩く距離は少し短くなった。
バイクを止めて、歩いていく。当方のメモによると、「つがいで来ている人が多く、バツが悪い」と記されている。なんだよ、俺、羨ましいのか。まあ、「自由でいる＝つがいでない」ということだから、つがいになったらこんな所へはホイホイと思いつきでは来られなくなる、ってことよ。それでは意味がない。
さて、肝心な池であるが、以前よりも色が濃くなったような気がする。そして、さらに奥の方まで遊歩道が開通している。そちらへは誰も行かないようなので、独りで行ってみる。特に何てこともなく、池が見える角度が広くなったということだ。
青い池
それにしてもこの池は不思議な色をしている。まあ、綾瀬はるか、小倉優子級に不思議だと言えば、おわかり頂けるか。ところで、不思議ちゃんといえば、先輩インストラクターのN川さんの次女だ。母親ですらその言動がわからないということなのだが、当方は別に普通に理解できる。「カマキリに話しかけていた」という逸話があるのだが、当方だってネコや鳥に話しかけることがある。また、サギなどは足音がするとすぐに逃げ出すので、近くを通る時はわざと気配を消すように心がけている。
この話をしたところ、N川さんに「管理人さんも次女と同じ星系の人だ」と断定されてしまった。え、動物と対話することは普通ではないのか、どうやら違ったらしい。そんなことを思いながら、池を眺めては思い出し笑いをしてしまった。これでは不思議を通り越して、「怪しいオッサン」である。
池を後にして、マシンに戻り地図を見る。ここはやはり、温泉に入ってゆったりしたい。となると、もちろん「吹上の湯」だ。白銀荘ではなく、宮沢りえが入った方だ。あのドラマの場面が撮影されたのは「サンタフェ」の何年か後だったので、ケツが映ったくらいはどうということもなかったのだろう。他人事なのでそう考えられるが、仮に自分の好きな人がそのような事態になったらどうか。いやいや、そんなもん絶対に他の人には見せたくない。どうしてかわからないが、心配でたまらなくなってきた。
何を心配しているのかわからないままに砂利の駐車場を軽く走り、道道966で標高を上げていく。相変わらず天気は曇りであるが、十勝岳は見えているのだから雨ということはなかろう。また坂道も、SL230は平気で上っていく。つくづくSL230は何でもできるなぁと感心してしまう。
ところで、さっき地図を見た時に、この十勝岳の向こうにはトムラウシ温泉があることを発見した。今回はヌプントムラウシ温泉までの道が災害で通行止めであったし、ペンケコロニベツ、パンケコロニベツ林道を走る機会も無かったが、次はこちらにも挑戦してみたいところだ。
吹上の湯に到着し、駐車場にマシンを入れる。2，3台しか車がないので、空いているようだ。これは運が良いぞ。あらかじめザックに分別しておいたタオルやカメラを持って、露天風呂へ向かう。湯船が上からのぞくことができる場所で、先客を確認しておく。オッサンが1名、女性が2名か。もちろん女性はビキニの水着着用だが、両名共に体重100�圓呂△蹐Δ�と推測される「デ○」である。いったいどういう消化器官を持ち、どういう食事をするとあのようになるのだろうか。何か病気等があるのだろうか。
真偽はわからないし、当方には関係が無い。そそくさと脱衣所で服を脱ぎ、見える所に荷物を置いて湯船に浸かる。おや、以前に入湯した2006年は強烈に熱い湯だったが、今日は丁度良く調整されている。おお、なるほど、源泉が出てくるところに仕切りをつけて、流れてくる量を制限しているのか。そして冷たい水を入れっぱなしにしている。地元の方がこのようにしてくださったのだろうか、ありがとうございます。因みに、「デ○」のお二方はそれと入れ替わりに上がっていった。これで好き放題に写真も撮れるというものだ。
吹上の湯にて
また蒸し返すようだが、好きな人を混浴の露天風呂なんかには連れてこれまい。当方のようなエロオヤジがいる所で、いくら水着着用といえども、裸体に近い姿を見られるのは心配だ。それにしても何でこんなに胸が苦しいのか、心配なのか、自分のことながら全く理解ができない。
またまた良い具合にのぼせたので、湯から上がって服を着る。時刻は12時で、腹も減ってきた。今度は道道291号線で上富良野町側に下りて行こう。駐車場の戻り、荷物の積載状況を点検していると、オフロード乗りの方がやってきたので挨拶をする。「今年は雨ばかりですねぇ」と少々疲れているようだ。当方は雨を避けながらここまで来たが、それでもしばしば雨には降られた。因みにオフライダー氏は今日も雨にやられたのか、カッパを装着していた。
お互いの安全を祈りつつ、出発する。因みにここの駐車場も砂利が敷いてあるが、オフ車なら何の心配も無く走ることができる。この気楽さはかなりの魅力だ。
さて、往路の966号線と同様に、森の中を貫く291号線をマイナスイオンを浴びて走行していく。
既に12時を回っているので、そろそろ昼飯としよう。何か適当なものはないかと考えていたら、街道沿いに「富良野ラーメン」の看板を発見した。聞いたことがないが、なんとなくやる気を感じたのでここに入ってみることに。
富良野ラーメン 花道にて
席に着いてメニューを見ていると、一品毎にいろいろと説明が書いてある。これらの中で「焼き醤油」というものが気になったが、ここはイチオシである「富良野味噌」、750円を注文する。店内を見回すと、麺についても説明書きがある。基本通りにツルツル、シコシコを常に意識しているということだ。
手厳しく言うとどこにでもあるものだが、いろいろと頑張っている姿勢が感じられる、印象の良い店だ。また、厨房の様子を垣間見ると、麺の湯切り一振りにも心を込めているようだ。
その後運ばれてきたラーメンを食べてみると、基本通りの味だ。ただ、味噌などはなかなか良いものを使用しているみたいで、とても優しい味がする。そして、背脂も味にアクセントを加えている。さらに、麺も説明通りに基本形だが、その質は高い方だと思われた。価格は観光地仕様としても、この味なら十分満足、汁も飲み干してしまった。
基本形ながらレベルは高いか
腹が膨れたので、マップルを見ながらこの先のプランを検討する。まず、今日は給料日なので、資金を調達しなくてはいけない。その後、中富良野で思いつきで散策しよう。プラン承認。
店を出て道道291号線を進み、国道237号線を飛び越えてパノラマロード江花へ入る。富良野周辺は何回か立ち寄っているが、ここを走ることは始めてだ。以前より、今は亡き「0円マップ」で存在は知っていたのだが、走る機会が無かったようだ。
特に看板は出ていないが、地図の距離や道路幅などからそれと判別して、道道から離脱する。両側が畑になっていて、そこを波打つように通る道、まさに典型的な美瑛・富良野の道だ。そして、「かみふらの八景」と書かれた看板に到着した。この看板はジェットコースターの道にもあるな。
パノラマロード江花にて
相変わらずスカッと晴れてくれないのだが、雨が降らないだけでもヨシノちゃんだ。上陸2日目の大雨にはホトホト参ったのだが、それ以降は基本的に雨は降っていない。今年は会う人皆が「雨にやられた」と言われていたので、雨を避けて走行重視の作戦とは言えども、降られていないことに感謝しよう。
気を取り直してパノラマロードから国道237号線に乗り、heading360で進み、美瑛の西側を目指す。やや雲に霞んだ富良野岳を右手に、左手には刈り入れ間近の水田が広がる。もうすぐ新米の季節かぁ、コメだけでも旨いからねぇ。
北海道らしい風景を楽しみながら上富良野の市街地を抜けて、深山峠へと上っていく。この坂の途中に当方が気に入っているライハ、「クレッセ」がある。ここは基本素泊まりだが、オプションで朝食もあるし、ログハウスの寝心地も最高だ。
今日宿泊する道楽館の入口を過ぎてしばらく進むと、花畑が見えてくる。かんのファームである。ちょっと寄って、休憩していこう。駐車場の端にマシンを止めて、ぶらぶらと歩いていく。おお〜、普段花なんて見ても何とも思わないが、こうしてゆっくり見てみると癒されるなぁ。もっとも、職場には花が無いので、いつも見ているというわけではない。
ラベンダーが広がる
そうだ、ここでインストラクターの同期生であるO氏に写真を送ってみよう。男なら素通りされるだろうが、女性はこういうものが好きかもしれない。お茶をお願いしようと考えている人にも、と考えたが、まあ今回はやめておくか。
丘を上りつつ、順番に作付された花を見ていく。水谷麻里ゴールド、サルビア等、これだけの規模で並んでいるとは、見事である。また、天気も幾分回復して陽も差してきたきたので、花が一層鮮やかに見えるぞ。
怪しい人がいると？通報されるといけないので、かんのファームを後にする。少し南下して、西11号線北、通称ジェットコースターの道を行く。正直なところ、ここよりもアップダウンの激しい直線道路は多々あるので、ここがものすごく良いというわけではない。ただ、やはりその眺めは1級品であるから、何となく立ち寄ってみた。因みに、ここへはR1-Z氏と共に、2006年にも訪れている。また一緒に行きたいですね。
ジェットコースターの道周辺
正直なところ、ここよりも上下にウネっている道はいくつかあるので、特別に珍しいというわけではない。ただ、周りの景色と合わせて見ると、「北海道」というイメージにピッタリとはまる。今回はいつもと違う角度で写真を撮った。
この後、パフィーの木に向かう。パフィーの木って最近命名されたのだろうか？、2006年のマップルには掲載されていないので、ここ数年のことのようだ。いやいや、今年は2014年だから10年近く前の情報に掲載されていないだけだよ。
ほとんど他の車が走っていない道を、SLは「ブーン」と単気筒の音を響かせて、ゆっくりと走行する。ゆったりと時間が流れるこの美瑛・富良野においては、このような走りが似合っている。TDMでも「ルルル」というエンジン音で走行すると、とても優しい気持ちになる。これは人を好きになった際、感じる気持ちによく似ている。ということは、これらには共通点があるということだろう。管理人的に言えば、「想いを寄せる」ということだろうか。人間は猿人の時から自然と共に生きてきたので、遺伝子レベルで自然が好きであるだろう。また、異性に想いを寄せることは同様に、無意識に行われることである。
そんなことを考えていたら、パフィーの木がある留辺蘂地区を見下ろす場所にやってきた。何でもない風景だが、こういう場所が好きだ。
留辺蘂地区を見下ろす高台にて
（雲が無ければ文句なし！）
さて、パフィーの木はどこだ。地図によるとこの辺なんだけど・・・、何回も通り過ぎていたその2本の木が「パフィーの木」でした。
「渚へ行こう〜?」ってところかな？
これだったのねと思っていたら、自転車で散策中の若い女性二人も「あれかなぁ〜？」というようなことを言ってました。
このあとは、道道580号線に乗り、美瑛川の手前でUターンするように針路を180°へ変更、「丘を見下ろすダート」へ進入する。最初は森の中、少し開けた草むらを走っていくので、「丘を見下ろすってウソじゃん」って思っていた。しかし、途中からだんだんと視界が開け、本当に丘を見下ろすようになる。
丘を見下ろすダート路 その１
丘を見下ろすダート路 その２
この時点で時刻は16時、気ままに散策していたとは言え、細かく何度も停車していたので疲れてきた。そろそろ今日の宿、「道楽館」へ向かうとしよう。
何のことはない、深山峠はすぐそこだ。元来た道を戻り、道道70号線、右折して国道237号線を少し走行する。そして観覧車やトリックアート美術館がある所を左に曲がり、坂を下ると道楽館に到着だ。
宿主のソットーさんは丁度料理の仕込み中で忙しいところだったが、当方を出迎えてくれる。そして、館内の設備等について、いろいろと説明をしてくれた。ところで、この道楽館はあまり豪華な造りの建物ではないものの、必要にして十分な施設である。
客室は4部屋あり、3名の相部屋、もしくはペアだと1部屋利用となるようだ。今日の場合、当方ともうひとりの2名で相部屋になると知らされた。ライハの雑魚寝に比べたら、ベッドが割り当てられるだけでも天国だよ。
道楽館の宿泊部屋
しばらくテレビをみてくつろぐとしよう。オフ走行も体力消耗に拍車をかけたようで、とても疲れた。気になるのは明日の天気だが、苫小牧周辺では今日と同様に、にわか雨があるとのこと。え、今日もにわか雨があったの？、北海道は広いから天気が地方によって大きく変わるからなぁ。
そう思っていたら、同宿の方がやってきた。挨拶をしてお互いの素性を明かすのだが、東京在住で、北海道でアパート経営をしているとのことだった。また、車での旅行？、仕事？、で、こうしたとほ宿を点々としているらしい。時間までも気ままな旅であることは羨ましいが、本人はあまり楽しくはないようだ。結局、何を話していても、共通項が無いから話が合わない。しかし、何かというと話しかけてくるので、風呂に入って逃げることにした。
宿主から、「丁度沸いたよ」と促されて風呂に入る。内容的には普通の風呂なのだが、浴室自体は3〜4名程度は同時に入れそうな程に広い。仲間同士でワイワイと入浴することもできそうだ。
湯船に浸かりながら目を閉じると、今日の風景が目に浮かんでくる。やぱり、ダートを走って見えた丘が印象的だった。よくよく考えてみると、細かいダートも入れれば、今回の渡道では200km近くのダートを走行している。これだけまとまった時間数をオフ走行で稼ぐことができるのは、北海道ならではだろう。
独りで悦に入っていたら、いつものようにのぼせてきた。そろそろ上がるとするか。脱衣所で服を着てダイニングに出て行くと、まさにダッチオーブンで夕食を調理しているところだった。なにやら良いにおいがして、楽しみである。そしてボードに示してある今日のメニューがこれだ。
部屋には戻らないで、食卓横にある雑誌や、今までに提供した食事のメニュー一覧を見て夕食を待つ。すると、同宿のおっさんがやってきて、また何やら話しかけてきた。どうやら話し相手がいないので、喋りたくて仕方ないようだ。でもね、管理人みたいに人の話を聴かないで、自分の愚痴ばっかり話していては相手にしてもらえないよ。そう思いながら、一応耳を傾ける。自分も同じ人種だからな。
そうしていると、今日の宿泊者が集まってきた。いよいよ、この宿名物の夕食の始まりだ。このために今日は道楽館を選んだと、言っても過言ではない。というのも、相互リンクしていただいている「放浪のページ」、その他多数のHPで、この宿の食事を絶賛する声があるからだ。また、前述のページの主宰者である朗報さんからも、オススメされていたのだ。
夕食
どれも絶品！！
食材は全て地元のもので、もちろん新鮮で旨い。中でも茶豆の枝豆、インカのめざめというじゃがいもは度肝を抜かれた。まずは枝豆だが、黒豆になるものなのだろうか。少しも青臭くなく、豆のコクというか、甘味というか、そういったものがパーっと口の中に広がる。そしてじゃがいもの方だが、こちらはかなり熟成されていたもので、さつまいもそのものだ。
あまりの旨さに、とうもろこしご飯は数杯お代わりをしてしまった。そして食事には通常、幾らか残り物が出るが、今回は皆さんがそれぞれ平らげてしまった。それだけこの食事が旨かったということだろう。
また、当方は酒は飲まないのだが、ビールはサーバーから各自が自己申告してセルフサービスで注ぎ、ワインも在庫入れ替えということで、安く提供されていた。飲む人たちは皆、ガブガブとおいしそうにしていた。
そして食事が終わり、オーナーを交えて他の宿泊者と交流を図る。当方以外は3組の夫婦で、一組は年の差若夫婦、残り2組は熟年カップルだった。その若夫婦の奥さんは8ヶ月だそうで、2名いらっしゃるのか？、というぐらいにお腹がパンパンだ。さらに何げに見てみると、ポコポコと表面が出たり、凹んだりしている。「ひょっとして赤ちゃんが動いているのですか」と尋ねると、「そうです」と。
えーーーー、こんなに動くものなのか？？？、女性には敵わないというか、偉大というか、ちょっと感動してしまった。そういえば、歴史の時間に、「土偶は祭祀で使われる神聖なものであり、女性をモデルにしている」と習ったことがある。なるほど、女性はその当時から男性よりも尊重されていたのか。納得。
もう一組はタンデムで、そしてもう一組はそれぞれのマシンでたびをしてみえるようだ。そしてこの夫婦は函岳に行くために、わざわざ取り回しの軽いVOLTYで渡道してきたが、天気が悪かったので断念したそうだ。当方は曇天だったが何とか行くことができたので、運が良かったのかもしれない。
また、熊の話になり、オーナーのソットーさんは、「祖父が熊打ちの猟師だった」とその当時のことを話してくださった。それによると、
・今は街に出てきた熊を害獣として打つことしかできないが、昔は熊打で生計を立てている人が結構いた。
・熊は大体1頭で５０万円ぐらいになった。
・熊の毛皮が30万円、胆のうが5万円、その他肉などで15万円で取引されていた。
・熊の巣穴でメスの熊を仕留めるのだが、大抵は2頭から3頭程度の子グマがいる。家に連れてきて、１日に１L程度のミルクを飲んでぐんぐん大きくなり、クマ牧場に引き取ってもらった。
ということだった。
ここで、「胆のう5万円って何ですか？？」、という疑問が生まれてくるが、どうやら乾燥させて粉末にすると「胃腸薬」になるらしい。事実、オーナーも胃腸の調子が悪い時に飲んだことがあり、その効果たるや驚きものだったそうだ。
また、熊の肉って旨いのか、という疑問もでてくるが、正直部位によっては「臭みや固さにより、煮込んでも食えない」こともあるそうだ。
23時頃まで楽しく会話をし、お開きとなった。この時、VOLTY夫婦の奥さんは少々飲みすぎており、ご主人が「朝練に行かないのか」と心配していたことが印象的だった。何、朝練だと。そんなことを聞いたら、俺も行きたいじゃん。宿のオーナーの話では5時頃に行くと良いと、手製の地図を見せて下さった。楽しみじゃん。
部屋に戻ると、同宿のおっさんが「話し声がでかい」とブツブツ言っていたが、さっさと布団に入って寝た。
本日の走行 190km
（うちダート 10�辧�
8日目へ続く