5年振りの開陽台でしたが
「みんなー、日の出が見えるよ!」
同宿のXJR氏が入口から叫ぶ声で目が覚める。なんだなんだ、昨夜はあんなに雨が降っていたのに、どうして。とにかく、布団から飛び起きて、灯台の方を見る。本当だ、空には雲が出ているが、東の空の日の出の部分だけは雲が切れている。
「本当だー」
他の宿泊者と小走りで灯台の方へ行く。たかが日の出だが、ここは北海道最東端の納沙布岬である。我々が見ている日の出は、一般日本人が見る最初のものである可能性が高い。ロマンがあるではないか。
納沙布岬の日の出
雨だから無理だと諦めていたので、大逆転という気持ちだ。これが世で言われる「劇的」ということなのだろうか。最東端から太陽が昇る。地面は濡れていて寒いが、他のライダーは思い思いに写真を撮っている。その間にもどんどんと明るくなってくるのだが、遠い昔に冬の部活で、日の出を見ながらヒーヒー言って走ったことを思い出した。
モエモシリ島、貝殻島、水晶島、モユルリ島などを見て、近くて遠い島だなといつも思う。因みに一番近いのは貝殻島という岩で、傾いた灯台が立っている。
貝殻島の灯台(右端)
30分ぐらい日の出を見ていたが、眠くなって2度寝する。因みに、この日は4時15分頃に日の出となったようだ。
7時過ぎに起床し、店舗で朝ごはんをいただく。納沙布岬周辺で、この時間に空いている店は無い。必然的にこちらで朝飯を食べることになる。もちろん、前日から注文をしておくのだが、当方はホタテ丼にした。中には昨日に続いてさんま丼の方もいるが、その価値は十分にあるだろう。
3時間前の日の出は奇跡的に雲が切れていたが、今はまた雨が降り続いている。しかし、予報では12時頃には晴れてくるようだ。それはそうと、このホタテは超ウマイ。月並みな表現だが、甘味と貝の風味がとても濃いのだ。いかにも「ホタテを食べてます」という味だ。
朝飯のホタテ丼
朝食後はライハに戻って、テレビのD放送を見ながらゴロゴロする。雨雲の動きを表示していると随時更新されていくので、便利な世の中になったと感心してしまう。昔ならば風の匂や空の明るさを慎重観察したものだが、今や携帯の端末でも見ることができる。徐々に雲が切れつつあるので、昼頃には出発できそうだ。
さて、来訪者のメッセージを記載するノートがあるので、こちらにも記載をしておく。そういえば、前述した、昨年ここを紹介した古いお姉さんは何か書いているかな。2014年8月27日のページを開けてみる。すると、当方のメッセージにの下から矢印が引いてあり「この方に紹介してもらった」という旨、記載があった。ああ、確かにここに来たのだな。そう思うと、一期一会の旅の出会いが面白く感じられた。
そうこうしていると、XJR氏とV10スポルト氏は「晴れるまで待てない」と、10時頃にカッパを装着して出発していく。日程的にも苦しいというわけではないのだろうが、気持ちが抑えられないようだ。
当方は地図を見て、残り1.5日のルートを確認する。何のことはない、苫小牧東港へ向けて進むだけなのだが、その途中にどこへ寄っていくかを決めるだけだ。一方、他の3人はスマホで何やらしている。俺も歳を取ったなぁとひしひしと思い知らされてしまう。
苦笑していると、若いSL230君がおすすめの場所をたずねてきた。同じSLを所有しているライダーということもあり、オフロードバイクで行く方が断然有利な函岳山頂を薦めておく。歌登側からだとちょっと大変だが、美深側からなら道がしっかりと整備されているので、SLなら楽勝だよと。あとは、ロードバイクでも行けるが、ナイタイ高原を挙げておく。反応はイマイチだった(ように見えた)が、行く気にはなったのだろうか。
そうこうしていると11時30分頃には雨も上がり、12時頃には太陽が顔を出してきて、路面も急速に乾きだした。ここがチャンスと、残っている3名は一気に出発の準備を整える。いやあ、今までとは違う爽やかな風が吹いていて、北海道に来ているという感じだ。よくよく考えると、今回の旅は蒸し暑い日が続いていたので、こういう気候は初めてだ。
荷物をまとめて、道路の端でマシンに搭載していく。この作業は毎日なので、板についてきたかな。また、鈴木食堂のご主人と女将さんはちょうど昼飯時の忙しい時なのに、わざわざ見送りに出てきてくださった。ありがとうございます。
出発前の一コマ
エンジン始動、挨拶をして若者に続いて出発する。昨日は根室半島の南ルートを選択したので、今日は北回りの道道35号線を行く。青空にちょっぴり涼しくなった風に吹かれて、草がなびく草原を左手に、オホーツク海を右手に見て走行する。国後島や野付半島は見えるだろうかと期待したが、残念ながら雲に隠されていた。また次回は見えると良いですな。
そう思いながら深呼吸で体に空気を入れて、ゆったりと慣らしていく。若い2名はカッ飛んで行ったので、やはり当方が歳を取ったということだ。彼らの姿は、初めて渡道してきた21年前の自分のようだ。あの頃は元気だったな。
気分良く根室半島を走りきり、根室の市街地で国道44号線に乗り換えて、磁方位270°を維持していく。この根室の市街地の外れにはオートバックスがあるのだが、21年前にここでオイル交換をしたことがある。ちょうど2輪用のものも置いてあり、道具も貸してもらったと記憶している。あの時はメーターケーブルが破損して、積算計と速度計が動いていなかったが、20日以上の日程で6,000km程度走行したと推測される。本当に若かったね。
東海地区にさしかかると、路肩に車が数台止まっている。なんだろうと思って見てみると、正真正銘の丹頂鶴のつがいと幼鳥が見えた。これは珍しい。つがいならまあまあ見かけるが、幼鳥も一緒なのはそうそうない。調べてみたら、丹頂鶴のヒナの1年後の生存率は60%程度だそうだ。半分ちょっとなのだから、人間から見ればかなり低い数値だろう。
丹頂の親子
幼鳥は首から上が茶褐色で、下は既に黒い羽毛が見える。調べてみると、このくらいだと生後100日ぐらいなので、既に飛ぶことができるようだ。長~い首を動かして、親と一緒に湿地のミミズなどをついばんでいるが、アオサギなどがちょっかいを出しては、餌場を横取りしようとしている。しかし、「アオサギなんて目じゃない」大きさなので、親が羽ばたいて威嚇すれば、アオサギは一目散に逃げていく。それに合わせて、幼鳥もバタバタと羽を動かしている。子供とは言え、アオサギよりはずっと大きい。
一時は陽が出てきたが、また雲が厚くなってきた。また、気温も下がってきているので、厚床のセブンでホットコーヒーを飲むことにした。駐車場でくつろいでいると、少し年上と思われる、KDX220SRの方と隣になった。今日は別海のキャンプ場から来たそうで、ゆっくりと道東を回っているということだった。その時は「ああ、そうですか」と返事をしたが、よくよく考えると別海って、すぐそこじゃん。まあ、当方も昼までライハでゆっくりしていたので、同じ穴のむじなである。雨振りではテントの撤収も大変だからね。
KDX氏と互いの安全を誓い合い、国道44号線に出てすぐに市街地の中心部で右折して、昨日来た道の国道243号線に乗り北上する。少し行くと再び晴れ間も出てきて、誠に気分がよい。やはりツーリングは晴れに限りますな。
奥行臼でR243号線を追いかけて、すぐに道道930号線に変更し、南から西へ向けて進んでいく。この辺りは見渡す限り牧場で、牧草地が延々と広がっている。余談だが、当方がよく購入する牛乳が「根釧台地」と書かれているのだが、この辺のことだよ、ヤマトの諸君。なるほど、これだけ広大な土地で育った牛の乳だったのか、地元に帰ってからそのことを思い出してみよう。
そして4km程行った所で町道に変更し、北上気味に進んでいく。どこへ向かっているのかと聞かれそうだが、新酪農展望台に行こうというわけだ。ここに来るのは、実に2009年以来の6年振りかぁ。しょっちゅう近くを通っているのだが、あまり来ることはない場所だ。
駐車スペースにバイクを止めて、展望台に向かう。もちろん、こんな主要道から外れた場所に来る人はいないので、当方以外には誰もいない。それはそれで良いのだが、この周辺にはカラスが住み着いているようで、糞が多数落ちている。誰も来ないのをよいことに、ヤリ放題である。ここを管理している青年部の方も、色々と忙しいのだろう。
新酪農展望台にて
カラスに銀マットをかじられないか注視しながら、展望台を上っていく。さっき走ってきた所を上から見ようというのだから、もちろん、牧草地が続く「道東」という景色が広がっている。頂上で写真を撮り、景色を眺めれば自分の存在の小ささを思い知らされる。よく「人間は自然にはかなわない」と言うが、あらゆる意味でその通りだと実感する。
新酪農展望台から東を望む
しかし、カラスの鳴き声ですぐに現実に戻される。銀マットがかじられないか、とても心配だ。何せ、上陸早々にやられているので、2回目はないぞと思ってしまう。仕方ないので足を踏み外さないように、ゆっくりと階段を下りてマシンに戻った。
そのまま町道で北上してヤウシュベツ川を渡ると、再び国道243号線に合流する。この後、別海の市街地で道道8号線に乗り北上し、中春別の市街地を抜けて中標津で道道69号線へと乗り換えていく。とは言うものの、まっすぐすすむと勝手に道路番号が変わっていくだけなんだけどね。こうして、最終的には道道150号線に乗り、開陽の市街地へやって来る。ここで現金の残りが少ないことを思い出し、街の郵便局に寄ることにした。なんでこんなに減っているんだろうかト考えたが、鈴木食堂で散財してしまったようだ。
こうして、北19号線のT字にぶつかり、左折して高度を上げていけば、開陽台へ続く道に看板を見つけることができる。ここもしばらく来ていないなと思うが、5年振りになるようだ。駐車場へ通じる道を進んでいくと、だんだんとひんやりしてきて霧に覆われてしまった。あらら、これじゃあ景色が見えないじゃん。
ともかく駐車場へ行こう。先へ進んでいくと、霧はさらに濃くなっていく。まあ、こういう時もあるさ、とマシンを止めて展望台へ向かう。ここは結構標高が上がっているので気温が低く、薄ら寒く感じる。もちろん、景色は全く見えなかったが、ライダーの聖地とまで呼ばれたことがある開陽台である、来れただけでもよかったとしよう。因みに、景色の見えなかった開陽台は21年振りだ。
こんな感じです
再び北19号線へ下りていき、記念の写真を撮る。おっと、結構な勢いでダンプが走ってくる。危ないので、さっさと退散フリッパーGTRだ。
北19号線を北東方向に見る
機首を250°に向けて北19号のコーナーを曲がり、再び道道150号線で進んでいく。この辺りも天気が良ければ、離陸できそうなまっすぐの道とその周りに広がる牧場をみることができる。しかし、今日は霧が出てきて、寒くなってきた。ズボンも湿り気味になってきているので、股引きを装着したいところだが、面倒なのでこのまま進むことにする。
養老牛市街地で牛文字を思い出したので、右折して寄り道していく。しかし、牛文字も見えなかった・・・。こいつは残念だ。
元のルートに戻り、市街地からは引き続きまっすぐな道である、道道885号線で進む。ここもいかにも道東という道だが、霧に煙った景色なのが残念だ。いや、実際はこういう日の方が多いくらいなのかもしれない。
納得しつつさらに進んでいくと、国道243号線とのT字路に当たる。ここは右折して、heading270を維持して摩周方面へ進んでいく。途中に道道1040号線との交差点で「多和平」のでかい看板を見つけたが、今回は霧が予想されたのでパスとした。尚、記録を調べたら、こちらは昨年に訪れているようだ。
摩周温泉がもうすぐという所で、昨年宿泊したとほ宿である、ひとつぶの麦の看板を発見した。あれから1年が過ぎてしまったのか・・・、早いものだと愕然としてしまう。そりゃ、歳を取るわけだよ。
摩周の市街地に入ったので、燃料を搭載する。実は既に燃料計が点滅してリザーブモードに入っていたのだ。思い出してみると、この前の燃料搭載は昨日の朝、湧別で積んだきりだ。よく走ったなぁ、17.8Lも入ったよ。湧別からの距離は470kmなので、燃費は26.4km/Lである。まあ、標準的な数値だ。因みに、TDMの航続距離はタンクを空にするつもりならば、500km以上も狙える。まことにツーリング中は頼もしく感じ、安心できる。累積走行距離が100,000kmを過ぎても、好調を維持していることも嬉しいものだ。
さて、この段階で16時20分を回っているので、きょうのランディング地点を模索しなければならない。そういえば、鈴木食堂でSLの若い子が「EZOライダー」がよいですよと言っていた。温泉街にあるし、北海道最終夜なのでここに泊まるとしよう。さっそく電話で予約を入れておく。因みにここは収容人数が10名そこそこなので、すぐに一杯になる可能性がありそうだ。
マップルで川湯温泉までの道を調べていたら、EZOライダーが掲載されている。あれ、知らなかったよ。そう思い、エンジンを始動して、道道52号線で標高を上げていく。ここまで来ているので、霧に包まれているとは思うが、ついでに摩周湖を見ていこう。どんどんと進んでいくと、気温が下がり始める。ただ、第1展望台を通過した時点では日もさしていて、霧で煙っている様子ではなかった。お、いけそうだなと第3展望台へ行くことにした。
あれ、また霧が濃くなってきたぞ、これこそ後の祭りである。第3展望台は霧で真っ白だった。何をやっているんだろう、駐車料金の200円を払っておけば、湖面を拝むことができたのに。アホだなあと諦めて駐車場に戻ると、V-STROM650が止まっている。この機種は、仮にTDMを買い換えるとしたら、次期マシンになるかもしれないと思っているので、重々チェックをしておく。リアシートに大きなグラブバー、タンデムステップをフックにすることもでき、パニアケースの購入を強要する構造ではない。なかなか良いじゃん。
霧の摩周湖第3展望台の駐車場
しげしげと眺めていたら、オーナーが現れた。話してみると、彼も今晩は、EZOライダーハウスに泊まるそうだ。なんだ、同宿ですか。話が弾むかと思いきや、あまり人と関わりたくない方らしいので、10分前にはここでも湖面が見えたと話し、走り去った。
このまま道道52号線を走りきって、国道391号線に乗り換え、再び分岐する道道52号線へ繋いで川湯温泉の街へ入る。メイン通りから一本入って、今日の宿を探す。ライダーハウスEZOライダーは外観が綺麗なので、案外簡単に見つかった。因みに2009年に泊まった「蜂の家」が同じ通りにあったが、看板が出ていないので、商売を辞めたのだろう。
ライダーハウス EZOライダー
小奇麗な店舗に入り、店員から説明を受ける。料金は1,500円で聞いていた通りだが、ここには500円の「てしかがえこリストバンド」の価格が含まれている。これは、弟子屈町内の温泉街が観光客を呼ぼうと企画したものらしく、これを提示すると入浴料が半額程度になったり、飲食料が少し値引きになったりというものだ。一応リストバンド無しの料金が1200円なので、500円のバンドを300円で購入したことになる。だが、本当にお得なのかは「?」である。まあ観光客なので協力金という認識で、バンドは購入することにした。そしてさらにT-シャツ購入も勧められたが、これはライハの商売なので遠慮しておいた。因みに、V-STROM氏は「これだけ安く宿を提供してくれるのだから、Tシャツぐらい買わないと申し訳ない」と言っていたが、そんなもんかな。
「てしかがえこリストバンド」
と説明パンフレット
このライハは今風で、マシンのメンテナンスや回送、レンタルもやっている。調べてみると、大阪の高宋運輸が経営しているようで、登別にも展開している。確かにお気軽に北海道へやってきて、ツーリングをして帰ることができるウマイ商売だ。ただ、何かちょっと違う気がするのは当方が歳をとったせいだろう。ついでに、タイヤ交換もおまかせのようだが、それは出発する前にわかるだろうと思う。そもそも、メンテナンスは旅に出る前にやるものであり、旅先では緊急対応以外には行いたくない。
商売っ気タップリのこの雰囲気はどうもおじさんにな馴染めないが、今から他を探すことも面倒なのでここに泊まることにする。店員に連れられて、2階の大部屋へ案内される。広さは12畳で、布団は旅館で使っているフカフカのものだ。
既に到着している人に挨拶をするが、当方よりも年上で「荷物を積まなくてすむので、楽にツーリングができるので最高」とおっしゃっている。まあ、旅のスタイルは個人の自由だが、この商売形式にどっぷりと浸かっているように見受けられた。そんなもんかと違和感を感じたが、今日はぐっすり眠れそうなのでヨシノちゃんとしよう。
先程摩周湖で出会ったV-STROM氏も到着し、店員のすすめで一緒に温泉に行く。前述のリストバンドがあるので、温泉街にあるホテルはどこも入浴料を割引してくれるが、ライハのおすすめは「名湯の森ホテル きたふくろう」である。一番近くて、一番安く、施設的にも一番良いということだった。外へ出るとその建物は見えているので、本当に近い。
森のホテル きたふくろう
ホテルの中に入ってみると、豪華なロビーに驚いた。そして肝心の入浴料も、600円のところが250円となった。お得というわけでもないが、そんなに悪くもないか。ちょっと嬉しいなと思いつつ大浴場へ行くと、広い内風呂の他にも、森の中の露天風呂がある。露天風呂も様々あるが、こういう形態は珍しい。もちろん、お湯は近くの硫黄山から湧いてくる本物の温泉かけ流しだ。泉質は強酸性の硫黄泉であり、濃度?がすごく濃い。いかにも、温泉に入ってますという感じを得ることができる。いやあ、極楽だ。
気がついたらV-STROM氏はいなくなっていたが、独りで脊柱起立筋郡や脚の内転筋郡をよく伸ばしつつ、温泉を堪能する。それにしても、ボコボコと湧いてくる温泉を見ていると、地球の火山活動の凄さの片鱗を見たように思われる。こういう国土に住んでいるのだから、地震や火山に備えておくことが必要なのかもしれない。
温泉から戻ると、みどり湯で同宿だった航海士さんと再会した。やっぱり北海道内を回っているので、行く所はかぶってしまうことが多いようだ。特に今の時期は盆前なので、ライダーの数も少ないから余計にわかりやすい。
そして、V氏と航海士氏と3名で、居酒屋兼食事処の三三五五という店に行く。ここの名物はどでかザンギ定食で、皆それを注文した。料理を待つ間、航海士さんと話す。ここに来る時に、霧で前が見えなくてとても疲れたということだった。国道391号線もそんなに煙っていたのかと思ったが、彼は誤って道道55号線で来たそうだ。「いやあ、大失敗でしたよ」と本人も照れくさそうにしていた。
そしてお待ちかねの食事が運ばれてきたのだが、本当に名前に偽りはない。メインのざんぎは本当にでかい。さっそく食するが、三倍酢をつけてあっさりといただく。まあ、唐揚げと言えばそれまでだが、ちょっと違う。衣がやや厚めで、薄味な分、肉の旨みを味わえるという感じだ。
どでかざんぎ定食
引き続き航海士さんと話す。興味深いのは、彼は日本の端という端は全て行ったことがあるそうだ。今回のツーリングでは宗谷岬、後は仕事で与那国島、沖ノ鳥島、そして南鳥島の海域を通ったそうだ。南鳥島といえば、日本の最東端である。因みに納沙布岬は北海道の最東端であり、一般人がこられる最東端はここであると補記しておこう。
さて、疲れたので宿に帰ろうとするが、会計が非常に怪しい。もっとも、注文を取る段階から女将の言動が怪しかったので、突っ込むことはできなかったが、エコリングで割引になっているにも関わらず、なんでこの値段?と思った。因みに正規の料金は定食が1,200円で、エコリングを持っていると50円引きになるから1,150円のはずだ。なんで1,500円以上取られたのだろうか。
誰も文句を言わないので、当方も渋々店を出た。そして宿に戻ると、同じ部屋の2名は既に就寝していた。当方は一日の終わりの仕事である、今日の出来事を1Fの談話フロアでメモし、明日天気の確認、飛行ルート計画を提出して22時前には就寝した。
本日の走行 155km
8月7日(9日目)へ続く