深川市郊外の戸外炉峠にて
TDMとネコバス
ちょっと蒸し暑かったが、まあまあよく寝られたと思う。6時に起床して天候を目視して確認すると、どんよりと曇っている。ただ、雨が降るという様子でもないし、天気予報でも午後からは晴れるということなので、早速朝飯(あさめし)とする。関係ないが、大学の時にもう20年以上は日本に滞在して教鞭をとっているという「ウイリアムス」という先生が、友人に「アサイさ~ん、それはアサハンですか」と言っていた。長いこと日本にいるのに、そんな言葉も知らなかったのかと思った。しかし、後にわかったことだが、認知症が進んでいたということだった。
上士幌航空公園の朝
食事後はテントを軽く拭いてからグランドシートの上で畳み、ベッタリ濡れたそのシートは、日にあてて干しておく。こうして撤収作業を終えて、8時30分頃に出発する。
今日の飛行ルートだが、足寄方面から東へ向かうか、それとも北上していくか迷うところだ。最近は三国峠方面へ行っていないので、磁方位360°を採り、国道273号線で大雪方面へ向おう。あと、上士幌へ来たらナイタイ高原へ行くことになっているが、その方向は明らかに霧に煙っている。これでは行ったところで何も見えないだろうから、今回はパスかぁ、残念だなぁ。
国道は畑の中をまっすぐに通る道だが、北上していくと山道へと性格を変えていく。特に糠平温泉辺りは勾配もきつくなり、トンネルも増えてくる。そして、右手に糠平湖を感じながら(実際には見えない)、時々国道の橋の下に見える、旧国鉄士幌線のアーチ橋を見ながら緩やかに標高を上げていく。
そろそろかなと思って気をつけていたら、「タウシュベツ展望台」の看板が見えた。この橋梁は以前、糠平三股林道を通ってすぐ際まで行くことができたが、現在では林道が原則通行止めになっている。当時は観光バスなんかも走っていたけどなぁ。事故でもあったのか、クマに襲われた人でもいたのか。いずれにしても残念だ。
そう思いながらマシンを駐車スペースに止めて、巨大なミズナラ等が生えている歩道を200mぐらい歩いていく。その際、1987年に廃止された線路跡を横切るのだが、「ここへ鉄道を通しても採算は取れるはずもなかろう」と納得してしまう。因みに、末期の頃はバス輸送に切り替えられていたようであり、その直前の鉄道としての営業係数は、何と20,000円台だったということだ。
線路の跡地
(雰囲気は良いけどね)
展望台から橋梁を見てみると、今年は根元まで全部見ることができる。どうやら6月、7月は雨が少なく、ダム湖の貯水が少ないようである。これは運が良かった。因みに、2008年には上記林道を走って、まさにその際まで行ったことがある。お暇のある方はhttp://www.fukishiman.sakura.ne.jp/hosouro/hokkaidou3-4.htmlへジャンプ。
遠くに見えるアーチ橋は人造湖に沈み、また現れるということを繰り返しているので、どんどん風化していく。しかし、こんな山奥まで鉄道が敷かれていて、あの橋梁をSL等が走っていたことを想像すると、なんとも良い景色の路線だっただろうと思われる。もっとも、この鉄道は森林資源の輸送を目的にしていたので、昔っから旅客は少なかったのかもしれない。
展望台から見るタウシュベツ橋梁
独りで景色を見ていたら、若い女性が独りでやってきた。そして「邪魔だからあっちへ行け」というような雰囲気を醸し出していたので、遠慮して退散することにした。
上士幌を出た時は蒸し暑かったが、この辺りまでやってきたらかなり涼しくなってきた。おまけに、天気も回復して気分が良い。再び国道を上りはじめ、糠平三股林道の入口を確認し、三股の市街地跡を通過する。ここは昔は大勢の人が住んでいたが、最近は喫茶店のオーナー他数名が総人口のようだ。そして今回通り過ぎた際には、その喫茶店も営業していなかった。ひょっとして人口はゼロになってしまったのだろうか。
そしてさらに山を上っていくと、特徴的な三国峠の橋が見えてきた。数年ぶりに見るこの橋だが、あんなに高い場所にあったのかと改めて驚いた。
おお、絶景かな、絶景かな。樹海って言うけど、本当に樹木の海だ。少し霧が出ているのが残念だが、これもまた一興というところか。天気は良いし、涼しいし、景色も良いし、この旅の一つの頂上がここで来たぜ。もっとも、この地点は物理的にも、北海道で道路が通る最高所である。
交通量が少ないので、路肩にマシンを止めて速やかに写真を撮る。こういう場所へ来るといつも思うのだが、景色はカメラには小さすぎる。自分の目でよーく見て、今ここで楽しんでおかねばならない。写真に撮って帰宅後に見ても、その時の感激は再現できないだろう。人間の目は都合よく見ているということなのだ。
三国峠から見る樹海
(逆光と霧が残念)
数分で景色を見た後、走行を再開する。この先には三国峠の休息所があるのだが、ここは意外につまらないので通過する。因みに、以前ここで地元のライダーさんと談笑していたら、首都圏から来たBMWのオヤジが割り込んできたことがある。どこにでもこの手の人はいるが、北海道で出会いたくはない。
ひんやりするトンネルを抜けて大雪湖方面へ向かうと、川の流れが逆になる。峠の南側は太平洋へ注いでいる川だが、今度は日本海に繋がる川のようだ。もちろん、水の透明度はとても高く、そのまま飲めそうなぐらいだ。また、遠くには残雪が残る山々が見える。当方はここら辺りの景色も結構好きなので、再び停車する。
国道273号線から
気持ちの良い風に当たった後、さらに進んで行くと高度がどんどんと下がってきて、大雪湖で国道39号線に合流する。どちらに行こうか迷う。気温がぐんぐん上がってきているので、ここは北に針路を採ることにして、層雲峡方面へ走り出そう。
少しでも涼しい場所を求めていくつもりだが、残念なことに進んでいく程に暑くなる。カンカン照りで、気温は30℃以上になっていたかもしれない。今までこんなに暑い北海道があったかな、と思うぐらいだ。
あまりの暑さに耐えられず、日陰を見つけてマシンを止めた。あ~クソ暑い、これでは地元と変わらんじゃあないか。嘆いても始まらないので、層雲峡をゆっくりと見ることにした。
ここは地殻変動で地層が思いっきり縦になったと思っていたのだが、これは大間違いだった。事実は、大雪山が大爆発した際の火砕流が石狩川の水で冷やされて、「柱状節理」という縦に溝が入った特徴的な岩ができたのである。また、ちょうどマシンを止めた辺りには、「観音岩」、「マリア岩」と記された看板が出ている。どれがどれなのかは、よくわからなかった。
縦方向に切れ目の入った岩
(右上は崩れたらヤバそう)
岩を見ていたら、2010年に見た根室の車石を思い出した。あれも溶岩が海底から吹き出て、急速に海水で冷却されたものだ。つまりは、層雲峡の岩と同じ過程で形成されたものだったんだ。確かに、よくよく見てみると似ている。んー納得。
照り返しが厳しいが、日陰は涼しい。ここで水分補給をしたら、多少は体力が戻ってきた。そろそろ出発だ、マシンに跨り先へ進んでいく。日なたは暑いが、走行風が当たれば何とかなりそうだ。
こうして、国道39号線を磁方位300°で走行していくと高架橋の下ををくぐり、程なくして道道849号線に乗り換える。そして、上川層雲峡I.C.から「旭川紋別自動車道」に乗る。この道は比布北I.C.までが無料区間であり、交通の流れはかなり早い。暑さもあり、高速走行はありがたいと思った。しかし、タイヤが減ってきたせいか、路面のうねりでハンドルがとられる傾向が強くなってきている。ちょっと怖い時があるので、この旅が終わったら早速交換せねばならないだろう。こうして、昨年末で廃港になった「愛別飛行場」を過ぎて、同じ名前の愛別I.C.を下りる。そして、道道140号線で当麻の市街地へ入り、踏切を越えたら1122号線で北西へ機首を向ける。
暑さの中、何とか市街地を抜けたかなという所で、道の駅 とうまが目に入ってきた。ここで休憩がてらに、スタンプを押していくとするかな。駐車場へTDMを止めて、建物に入っていく。やっぱり止まると暑いので、急ごう。えー、この建物はエアコンが無いのか。北海道にエアコンなんで不要というわけだが、今日はちょっとつらいな。
ええと、スタンプは、あそこか。力を込めて台紙を埋めて、土産物を見に行く。どうやらこちらは「でんすけすいか」というものが名物のようだ。これは通常のすいかよりも皮が薄く、ラグビーボールのような形状をしている。関係ないが、実家の近所に「テラオカ」という友人がおり、頭がラグビーボールのようか形をしてた。そして、それをよいことに「トラ~イ」とか言って彼の頭を腕で抱えて遊んでいた「ヤマスエ」という奴がいた。こいつはこいつで「アザラシ」というヒドイあだ名を付けられていた。
そんな昔を思い出しながら、土産を物色していていく。すると、道の駅の駅票のストラップを発見した。昨年は「ウトロシリエトク」のものを購入したが、すぐに失くしてしまった。結局そのまま現在に至っているのだが、これが欲しくなってしまった。音の響きが良いではないか。んー、と10分ぐらい悩んでしまったが、今度は失くさないようにしようと誓って購入した。なんか嬉しいじゃん。
愛用しています
スタンプが増え、さらに自分用の土産も得ることができて嬉しい。げんきんな男である。自分でも呆れつつ、道道1122号線と国道39号線を通り、比布の市街地手前のホクレンで燃料搭載を行う。約400㎞走行して14.5Lであるから、燃費は27.5km/L程度である。
良好な燃焼がエンジン内で行われているようであり、燃料も満タンで心配は無くなったが、現金が少なくなってきた。この先の比布へ行き郵便局へ寄っていく。当麻から比布は5km程度の距離ですぐに到着したが、肝心の郵便局が見つからない。仕方ないので、車庫でバーベキューをしている家族にたずねて、郵便局へ到着した。
さて、ここからどうしようか。マップルを見ていたら、田んぼアートの記載を発見した。ここからなら近いし、まだ行ったことがないので寄ってみよう。まずは国道40号線へ出て、そこから機首を南西へ向けていく。南比布の踏切を渡りすぐに右折すべきだったのだが、誤って道央道の旭川北I.C.の手前まで来てしまった。
暑さでボーっとしてしまったのだろう、慌てて右折して道央道沿いに比布方面へ戻っていく。すると案内看板を発見できたので、何とか現地へ到着した。いやあ、それにしても今日は暑いぞ。日陰で水をがガブガブ飲んで涼みんでから、専用の展望台へ上る。
そして見えたのは、とてもかわいらしい図柄の田んぼアートだ。特にペンギンのヒナは特徴をよく表しており、鶴も長~い首がうまくカンバスに収まっている。関係ないが「太~い」は阿古谷である。尚、この田んぼアートは、今年で10回目の製作だそうだ。おめでとうございます。
無理やり合成写真
(ツルは右上辺り)
正式な図柄はこちらです。
もう少し眺めていたかったが、直射日光が厳しいので早々に下りて、プレハブ小屋に入る。アイスクリームでも食べようかと思ったが、ここは冷たいお茶にしておいて、代わりにここ5年分の図柄の絵葉書を購入した。後でゆっくり見るとしよう。
この先は深川方面へ行くことにしたのはよいが、旭川市街は通りたくない。そこで、独自に飛行経路を設定して、早くてマニアな道を飛ぶことにする。管理人は現在、総飛行時間は8,000時間以上の経歴を有しており、ナビゲーターとしてもその大層凡庸な能力に鞭打っている。こういう所でその成果を発揮したいものだ。
基本は道央自動車道に沿って南西方向へ進むことなので、田んぼアート会場から南東へ1㎞程進む。そして道央道が見えることを確認してから、針路を235°として鷹栖の市街地方面へ進んでいく。さて、鷹栖と言えばホンダのテストコースがあることで有名な街だが、実際は北海道の小さな街なので、それと言われなければわからないだろう。
それにしても今日は暑い、田んぼの真ん中を走っているのだから涼しい風が吹いてもよさそうなものだが、そんなことは一切ない。晴れてくれるのは大歓迎だが、ジリジリと照りつける直射日光はちょっときつくなってきた。こういう時はミスを犯しやすいので、気合を入れていこう。
かなりの距離を走った感があるが、実は数キロだった所で道道37号線にぶつかる。ここは左に曲がってさらにどこかで右に曲がらないと・・・、ああ旭川北I.C.を過ぎてしまった。さっきもこの近所まで来たから、結構な損失走行が出ている。さらに、本当はその手前を曲がらないといかんかった。
37号線を一旦戻って左折し、自動車道に並行する名も無い道に入ってheading235をキープする。そして道道251号線との交差点を右へ曲がり、今度は340に変針して鷹栖の市街地へ進んでいく。本当はすぐに南西へ向かう名もなき道を行くべきだったが、暑さで判断力が落ちていたようだ。いや、管理人はもともとこんな程度の能力しかないのだよ、ヤマトの諸君。
そして鷹栖町役場を通り過ぎて、道道99号線まで来てしまった。おやここは、2008年に上記のテストコースへ行く際に、小さな案内板を発見した所だ。あったあった、50㎝x40㎝くらいのこれ、こんなもんじゃあわからんでしょう。そう思いながら道道99号線に乗り、再び針路を235°へ戻す。
この後は道道72号線へ左折、そして道央道が見えたら名も無い道へ右折する。よしよし、これでマップルに記載されている自動車道の嵐山トンネルの上を通る道で、道道98号線に出られるぞと思ったら、
ダート路じゃないかー!
行けないことはなかろうが、散々ミスをしているのでおとなしく引き下がろう。無理して進む⇒コケル⇒やる気を失う、ということになったら残りの日程もパーになってしまう。こうして、道道1125号線号線を追いかけてオサラッペ川を渡り、旭川鷹栖I.C.方面へ向かう。
すると国道12号線にぶつかったので、そのまま左折して磁方位235°を維持して進んでいく。最初からこちらを通れば良かったとは、後から思ったことだが、後の祭りである。この頃になると暑さもピークになり、けっこうヘトヘトになっていた。たまらず路肩の日陰を見つけて滑り込み、水分をガブガブ飲む。
時刻も14時30分となり腹も減ってきたので、道の駅 ライスランド深川で食事を摂ることにしよう。ついでにスタンプも押して、スタンプラリーも進めておきたい。そう思いながら走行していると、反対車線でネズミ取りをしているのが見えた。片側2車線のこんな広い直線道路でも取締りか、突然「止まれ」の三角旗をもって飛び出したら轢かれるぞ。
関係ないが、以前友人がこのような道を走行中に、ネズミ取りの現場に遭遇したそうだ。そして、自分の前に件の旗を持った警官が出てきたが、彼の後ろに続いていたトラックの運転手が、鳥人間コンテストの折り返しホーンの如く「ヴォ―、ヴォッヴォ~」と超大音量のラッパを鳴らしながら迫ってきた。その後、警官はたまらず歩道に逃げたので、友人は挙げられずに済んだようだ。それこそ「天罰」だ。
暑さを感じつつ、なんとか深川の市街地にある道の駅に到着した。やれやれ、かなり体力を消耗したし、腹も減った。さて、まずはスタンプを押そうと情報コーナーへ向かう。そして店を探すが、どこも満員である。こいつは困ったなぁ、おっとそう言えば、街の案内図が置いてあったぞ。
それを思い出して、再びスタンプのある場所へ行く。ここの案内図は情報量が多く、食事ができる店も多々掲載されている。その中で、豚肉と米にこだわりのある店として紹介されている「ムッシュ サンダンカン」という店を発見した。空腹の管理人にとってはピッタリである。
これを待っていたということで、地図を見ながらマシンを走らせる。ええ、国道233号線を進んで石狩川を渡り、駅の手前で右折っと。そして、県道55号線で深川運動公園へ向けて一直線だ。んー、この辺りだと思うが、ありました。普通の住宅街にちょっと大きめの建物という感じで、パッと見た目はわかりにくい。
腹が減ってもう限界なので、店内に入って力無く椅子に座る。幸いにも店内はエアコンが効いているし、出された水もうまい。メニューを見ると、ソーセージ他燻製などの加工品がメインのようだが、今日は豚のステーキを注文する。
それにしても、今日の暑さはちょっと厳しい。歴代の北海道ツーリングでも1、2を争う程の暑さではなかろうか。そういえば、昨日は帯広で35℃近くまで気温が上がったそうだ。道理で、きつかったわけだ。
ちょっと落ち着いた頃に料理が運ばれてきたので、ガツガツと食べ始める。まずは肉だが、豚肉はちょっとにおいがあるものだが、これは全く感じない。もちろん、粗挽きコショウやニンニクといった香辛料が効いていることもあるのだが、肉そのものが全く別物だ。これならば、下手な牛肉よりも旨いと断言できる。
豚肉のプレート
そして米だが、ふっくら、もっちりの食感はもちろん、噛んだ瞬間から甘味が出る、こんな旨い米もそうそうないのではなかろうか。深川市は米の生産で有名だから、これこそがこの街の真骨頂なのかもしれない。
それにしても、なぜ深川で稲作なのだろうか。市の公式HPによると「屯田兵が米を食べたくて、失敗を繰り返しながら徐々に田んぼを広げていき、旨い米を生産できる街になった」ということだ。そういう先人の苦労がこの米の味なんだろう、そう思うと余計にご飯がおいしく思われた。
さて、腹が膨れてすっかりと落ち着いてしまった。今日は体力的に厳しくなってきたので、深川の近郊でキャンプをしたい。マップルを眺めてみると、ここはひまわり畑で有名な北竜町から近い。さらに、この辺りでキャンプ場を検索してみると、秩父別に大き目のものがあるようだ。さらに、道の駅もありスタンプも稼ぐことができる。もう一つの選択肢で、2009年に泊まった金毘羅公園キャンプ場は無料であるが、ちょっと寂しすぎたので今回は秩父別を選択する。ここがダメなら金毘羅へダイバートすればよい。
会計を済ませて、さっそく飛行ルートの承認、エンジン始動許可を得て出発する。元来た県道55号線を戻り、国道233号線で左折して南方向へ車輪を回していく。おいおい、どこへ行くんだ、と突っ込まれそうだが、キャンプ場へ行く前にちょっと寄り道をする。
先ほどの道の駅を越えて道道79号線で進んでいき、どんどん標高を上げると「外戸炉峠」に到着した。ここは今まで来たことが無かったのだが、ちぃにぃさんとけいこさんが主宰する「やっぱ山でしょう」のページで見かけたので、今回は寄ってみた。今まで9回の渡道では、日本海側が手薄になっていたので、まだまだ訪れていない場所も多い。
お馴染みの「ネコバス」が置いてあるので、TDMを際までつけて写真を撮る。どうせ誰もいないのだから、やり放題である。ここは景色も良いし、静かだ。また、峠なので涼しい。気持ち良く呼吸をして景色を眺めたり、写真を撮ったりしていたら峠の向こうから2名の若い女性がやってきた。ああ、峠独占もここまでかと思っていたら、「写真をとれない」と騒いでいる。今退散するから、ちょっと待ってろよ、うるせーなー。
戸外炉峠から深川市街地を望む
峠を下りて、再び深川の街を通り抜ける。時刻は16時を回っており、暑さは若干だが軽減されつつある。また、街を抜けた郊外は見渡す限りの水田で、その真ん中をぶった切る道には涼やかな風も吹いてきた。そろそろ実りの秋かという趣で、稲穂が垂れつつあるようだ。生育は順調で、今年も旨い米が食えるぞ。
景色を楽しみつつ、留萌本線の高架橋を渡れば秩父別(ちっぷべつ)の役場が見えてくる。そして、次の交差点を左折すれば町の施設が集まる区画だ。道の駅 鐘のなるまち・秩父別に到着したが、キャンプ場の位置がわからない。一旦マシンを下りて、扉の開いているスポーツセンターへ行ってみる。するとちょうど職員の人がいて、「球場の奥にキャンプ場があり、料金は17時頃に1,000円を徴収にくる」ということだった。
先にスタンプ帳を埋めてキャンプ場へ向かうと、きれいな芝と小川が流れるキャンプ場を見つけた。1,000円は高いが、これから移動する気力が無い。迷った末にここにランディングすることに決めた。
料金が高いだけあって、芝の手入れ具合は非常に良い。また、地面も凹凸が無いので、日の出方向を勘案してテントを立てる。やれやれ、今日は暑さで体力が消耗したなぁ。そう思いながら17時を待つが、時刻を過ぎてもやって来ない。この後は夕方のひまわりを見に、北竜町へ行くのだが、これでは花を楽しむ時間が減ってしまうではないか。
秩父別 ファミリースポーツ公園キャンプ場
待っていては時間がもったいないので後にしよう、そう思って出かけようと思ったら軽トラがやって来た。そして、その運転手が「料金の徴収です」と言ってきた。料金は1,000円と聞いていたので支払うと、領収書と温泉の半額券をくれた。ああそうか、道の駅と同じ敷地に「ちっぷ ゆう&ゆ」という温泉があったな。ここの入浴料が500円なので、半額券で250円。合計で750円というわけか。そう考えたら、キャンプ場はそれ程高いというわけでもなかろう。
17時30分になってしまったが、日没までには1時間30分程度あるので、北竜町へ行くことにする。まあ、距離にしたら7、8kmという所なので、10分もあれば到着する。もちろん、60km/hの制限速度を守っての話だよ。信号は市街地だけにしか存在しないし、道はガラガラ蛇である。
国道233号線で西へ向かい、碧水交差点で左折する。そして、道の駅 サンフラワー北竜でスタンプを押して、17時45分過ぎにひまわり畑に到着した。鑑賞時間は公式には18時までなので、まずは売店でひまわりソフトを購入する。これは、ひまわりの種を煎って砕き、ソフトクリームに混ぜたものだ。甘さの中にある香ばしさがアクセントになっており、他にはない味だ。
ひまわりソフト
本来は自転車を借りて畑を回るところだが、もう既に店じまいしているので歩いて行くことにする。さて、ここへ来るのは2009年以来のようだ。ということは、3回目の訪問である。因みに1994年は枯れ果てていたとの記録があるので、回数には数えていない。
過去の記録を調べてみたら、2008年は8月21日、2009年は7月23日に訪問しているようだ。記憶を辿ってみると、今回が一番花の本数が多いように思う。いや、本数ではなく、咲き具合が一番良いのだろう。写真を確認してみたら、2008年はちょっと枯れ気味、2007年はちょっと早かったようだ。
これだけのひまわりが今、まさに満開である。鮮やかな黄色が夕日に照らされて、すごく眩しい。こんな鮮やかな色が自然界に存在するのか、と思われる程に見事である。福山雅治の楽曲に「ひまわり」があるが、それから想像される花よりも遥かにくっきりとした黄色だ。本当に息をのんでしまった。あと、毎回ひまわりの回では記載しているが、本当に女性的な花であると思う。仮に、こんなに眩しい女性に出会ったらひとたまりもなく、殺られてしまうだろう。前述の福山も、そんな気持ちを表現したかったのではなかろうか。
写真だとこんなもんですが・・・
あまりに綺麗なのでなんだか嬉しくなってしまい、そわそわとして歩き回る。周りから見たら、変なオッサンが怪しい動きをしていると思ったに違いない。もっとも、怪しいのは今に始まったことではないので、それほど気にすることもなかろう。
もっと見ていたいが、疲れが出てきたので引き上げるとするかな。ひまわりに強大な生命力をもらい、キャンプ場へ戻る。帰りは国道275号線で南へ走り、「和」交差点を左折して東へ方向転換する。そして、町道から「空知第二北部広域農道」に乗り換えて、北へ進む。この道はまっすぐに田んぼの中を通っており、数km先の右折地点までが見通すことができる。また、日没が近いこともあって、自分の影が長く伸びている。
なぜか影が好きなんだなぁ~
こうして、国道233号線にぶつかったら右折して、コンビニで買い物をする。昼飯が遅かったし量も十分だったので、晩飯はジュースのみである。キャンプ場へと戻ってから、軽く水分を摂り、一息つく。今日も暑かったので、えらく疲れたなぁ。
さて、割引券をもらったので風呂へ行こうかな。おいおい、今日洗濯しないと明日の替えがないじゃん。温泉で洗濯もしなければならないなぁ、そう考えながら5分程歩いて温泉へ向かう。ところで、この秩父別は「鐘」で街おこしをしているようだ。道の駅の駐車場には、ドデカイ塔にドデカイ鐘が据え付けてある。地震の時は壊れはしないだろうが、ガランゴロンと音が鳴るのかもしれない。
温泉の建物へ入り、料金を支払う際にコインランドリーの場所を尋ねると「宿泊のお客さん専用」だということだった。え~、そこを何とか、混み合っていなかったら使わせて下さいと頼み込み、無理矢理に許可をもらった。ただ、「混んでいたら遠慮下さい」との条件的許可であったと補記しておこう。
恐る恐る行ってみると、誰も洗濯をしていなかった。やれやれ、これで同じパンティーを2日続けてはく必要がなくなった。もっと涼しいならばそれ程問題にもならないのだが、北海道上陸後はずーっと暑い日が続いているので、それは避けたい項目だ。関係ないが「パンティー」という言い方は、男性だけが好んで使うものらしい。女性は普通に「パンツ」と言うそうだ。事実、当方の経験では、この法則は100%守られている。
くだらないことを考えながら、湯船でくつろぐ。年齢を重ねると恥を忘れてしまう傾向にあるようで、元々悪い口がさらに年々悪くなり、パンツかパンティーかなんてどうでもよいことを公衆の面前で考えてしまう。もちろん、周りの人からはわからないのだが、若い頃はそれさえもはばかられたものだ。因みに、パンティーはテカテカ、ツルツルのサテン地のものが好きで、テーバックはあまり好きではないと補記しておこう(開き直っている)。
いい感じにのぼせてきたので、少し脱衣所で涼んでからコインランドリーへ向かう。そして、乾燥させながら天気予報をチェックしておくが、明日も南からの高気圧に覆われて暑くなりそうだ。しかし、明後日は北から前線が南下してくるようである。
風呂に入って洗濯も終了した、飯はもう食ったので後は寝るだけである。テントに戻ってメモをつけつつ、飛行計画を策定する。ここまで来たのだから、最北端へ行ってみどり湯に泊まるか、それとも少し北上して東へ向かうか、明日の気分で決めよう。それにしても暑い一日だったなあ、走行距離を計算してもあまり伸びていない。まあ、こんなもんでしょう。ただ、夜は涼しく快適だった。21時30分就寝。
本日の走行 270km
8月3日(5日目)へ続く