フェリー すいせんの寝台
朝は7時30分頃に起床し、8時にレストランで朝食を食べた。写真はないが、ソーセージや卵の盛り合わせと味噌汁だったと記憶している。27ノットで海上を走るフェリーの上でのんびりと食事をしていると、昨日までバイクで走り回っていたことが遠く昔のことのように感じる。
腹も膨れたので寝台でメモを整理していたが、だんだんと眠くなり11時過ぎまで寝てしまった。目が覚めるとまた空腹感があるので、苫小牧港の売店で購入したロイズの板チョコを食べてマップルを見ていたが、また眠くなってしまう。疲れているのだろうか、はたまた歳なのだろうか、いずれにしても眠いことには変わりない。
再び目が覚めると、時刻は14時を回っていた。目を覚ましがてらに風呂に行き、湯船に浸かって海を眺める。どうやらかなり疲れているようで、何も考えることができずにボーッとして時間を過ごす。おっと、ノボシビルスクになってしまう前に、風呂から上がろう。
おやつにクラッカーを食べたり、旅を振り返りつつメモの整理をしていく。もう十分に寝たし、風呂にも入ったので眠くなることはない。暇なのでフェリーの中を歩いてみることにした。
当方の寝台、ツーリストAは客室としては階下の4Fにあり、車両甲板や貨物フロアのすぐ上にあたる。そして、ひとつ上の5FはステートAという個室のある階で、6Fはデラックスやスイートルームがある最上階だ。別に中が見えるわけでもないが、暇なのでブラブラと船内をくまなく歩いていく。
4Fの廊下
船首が見えるフォワードサロンにも立ち寄ってみよう。バシャバシャと水を切り裂いて船が進んでおり、結構激しくしぶきが飛んでいる。しかし、船内はそんなことはほとんど感じない。これは縦揺れや横揺れを、船体そのものが軽減できる装置が搭載されているからだ。関係ないが、ボンバルディア社の70人乗りプロペラ飛行機にも機首をまっすぐに保つ、ヨーダンパーという装置が載せられている。もちろん、それにより機内の快適性が保たれている。因みにこの機体は5000馬力のガスタービンエンジンを2機搭載しており、時速700kmで巡航が可能だ。プロペラ機と言えどもハイテクなのだよ、ヤマトの諸君。
フォワードサロンから船首を見る
この後は船尾にあるオープンテラスに行き、風にあたりながら時間を過ごす。だいぶ南に下りてきたようで、風も生暖かく感じるようになってきた。旅がもうすぐ終わることを意味しているので、残念だ。
寝台で時間を潰していたら、時刻は18時になった。食堂が開店した旨船内放送があり、ちょっと迷ったが、定刻に下船して自宅に到着するのは22時過ぎになることを考慮して、食事を摂ることにした。
レストランへ上がりメニューを見ると、一皿で色々な食材を使用しているシチューがあるので、これを食べてエネルギー補給をしておいた。
時刻が20時を過ぎると、船内放送で下船について予告があった。ロビーの窓からは、陸上のものと思われる灯が見えた。これで敦賀に降りれば、後は国道を少々走って高速で家に帰るだけかぁ。名残惜しいが、最後まで気を抜かないで行こうではないか。
こうして20時30分定刻に、フェリー新すいせんは敦賀港に到着した。そして、20時40分頃には下船許可が下りたので、車両甲板へ向かう。もっとも、そんなに焦ることはなく、4輪車の排気ガスにまみれつつ、マシンに荷物を搭載して下船指示を待つ。
北海道に比べたら蒸し暑いのだが今日で8月も終わり、幾分涼しくなったかなと思いつつタラップを下っていく。そして、そのまま港を出て国道8号線を走り、北陸道敦賀I.C.に乗って米原方面へ走り出す。
米原J.C.で名神高速に乗り換えて、磁方位090から110で走行し、名古屋I.C.を下りる。後は県道他を走行して、22時40分頃に無事帰宅した。SLに「お疲れさん」と声をかけて、荷物を下ろした。やれやれ、明日まで休暇にしておいてよかったよ。
本日の走行 150km
また、使用機材のSL230での渡道も2回目ということで、ちょっとオフロードツーリングのコツもわかってきたかもしれない。例えば、未舗装路は舗装路の3倍時間がかかるとか、体力的にも3倍消耗するとか、コケたら心臓バクバクだとか・・・。やっぱり何をするにも余裕をみて行動することが大事で、ロングツーリングではその重要性を改めて感じた。
そのSL230だが、調子こいて回すとすぐに燃費が悪くなるようだ。昨年は40km/L近い数値もたたき出していたにもかかわらず、今年は一番良くても36km/L程度にとどまった。これは、マシンに慣れて思い切ってアクセルを開けられたということにもなるが、免許はもちろん、危険性も高まるので善処すべきところはせねばなるまい。ただ、スロットルの最後の1/3でパワーが絞り出される、戦闘出力の発見は意外であった。因みに、最高速は70ノット程度であった。
林道走行について、今回はパンケコロニベツ林道を初めて走行したが、これは途中で引き返すべきであった。たまにしか来ない北海道で、せっかくだからという気持ちになることは理解できるが、前述のように余裕を無くした挙句に転倒なんてバカである。またいづれリベンジしようじゃあないか。残りの美深歌登大規模林道、コムケ沼のダート、そして20年振りのカムイワッカの滝までの道道95号線は無難に楽しむことができた。次回はもっとエリアを絞って、秘湯を巡ってみたいものだ。
温泉といえば、オンネトー隣の野中温泉だ。ここも20年振りだったので、懐かしいというか、若い頃の自分を思い出して恥ずかしかったよ。迷惑を被った方々、大変もうしわけありませんでした。
あとねぇ、富良野の「羊の丘」のジンギスカンを食べ損なったこと、心残りだ。
「思い出は棺桶の中まで持っていける」、R1-Z氏の名言である。そう、今回で8回目の北海道だったが、その回毎の思い出があり、それは管理人の心の中に生き続ける。
2014年北海道ツーリング記をこの辺りで終えるとしましょう。最後までお読みいただき、まだ北海道を未体験な方、方法はいろいろありますので、是非ご自分でも体感されることをお奨めします。きっと心を動かされること、間違いありません。それでは、またお会いしましょう。
2014年北海道ツーリングの走行距離
2600km
完