国道238号線沿いで見つけた牧草ロール
昨晩は早く寝たので、5時30分頃に起床した。今日は落ち着いて一日の時間を組み立てつつ、うまく先へ進めるように心がけていこう。やる気に満ちてコーヒーを沸かしつつ、カロリーメイトをかじる、いつもの朝食だ。その間に道北地方の天気予報を確認してみると、昨日の予報と同じで晴れとなっている。気温もさらに上がってくるということだったから、大いに期待できるというものだ。
食事を済まして撤収を開始する。テントを畳むことは慣れていたので問題ないが、グランドシートの乾燥に時間がかかってしまう。結局7時20分頃に作業を完了し、受付証の木札を所定のポストに返却し、五鹿山公園キャンプ場を出発する。
町道を走り国道242号線へ出て、街の中心部で国道238号線へと乗り換える。今日はこの旅のメインエベントである、函岳山頂への林道走行を行うので、磁方位を300°として車輪を進めていく。また、今日の夜は北海道最終夜なので、小まめに飛行計画を提出してランディング地点を早めに決定しよう。
さて、函岳までの超ロングダートを走る前に、ライダーとマシンチェックを兼ねてコムケ沼の海沿いダートを走行してみよう。国際キャンプ場の看板が見えたので国道を離脱し、沼を左に見て大きく回り込んでいく。そして森の中に続くダートを発見、ここが海岸沿いの道への入り口だ。
今日は天気も良く、海も丁度良いぐらいにザワザワしているので、実に気分が良い。奇声を上げながらアクセルを開けていく。ただ、ここは路面がフカフカなので、調子に乗らないように自制してアクセルを開ける。そうだ、パンケコロニベツ林道の教訓を活かし、前乗りで前輪荷重を稼がなくてはならない。この乗り方を意識すると、マシンはピタリと安定する。昨日のカムイワッカ林道では、路面状況が良かったのでそれ程考えることも無かったが、今日はここを意識しておかないとえらい目にあうぞ。それはそうと、7㎞しかない、この未舗装路を一気に駆け抜けてはもったいないので、途中で写真を撮ったり、少し海を眺めたりして楽しもう。
コムケ沼沿いのダート路にて
マシン、操縦士共に問題は無しでコムケ沼ダートを離れ、国道238号線を引き続き磁方位300°、速力38ノットで進んでいく。さて、海沿いは相変わらずの冷たい風を受けながらの走行となるが、一昨日などに比べたらかなりマシになったと思う。しかし、気温は20℃未満というところだろう。今日の服装はもちろん、タイツ、ジャケットインナー、首巻のフル装備である。
途中の紋別で巨大かにの爪が見えたが、寄り道無しで国道238号線をどんどんと北上していく。タンクバックに入れてあるマップルで随時現在位置を確認しているのだが、風烈布林道の入口がある音標の街までは70km程度ある。結構な距離だが、前走車について40ノットを維持しているので、1時間弱というところだ。それにしても、こちらの人の運転する4輪車は、バイクを避けるように互いの車体の中心線を大きくずらしてくる。道幅が広いからこそできる技だろうが、ちょっとやり過ぎの感は否めない。いかにも「邪魔だからどけ」と言わんばかりである。
興部、日ノ出岬を通過する。日ノ出岬キャンプ場は温泉もあり魅力的だが、やはり、昨日のうちにここまで来ることは難しかったなぁ。無理して来たとしても、ランディング時刻は18時頃になっていたことだろう。焦らずに手前でも走行を切り上げる、という判断も必要だ。そう思いながら進んで行くと、道の駅おむの案内看板が見えたので、休息することにした。時刻はまだ9時30分過ぎなので、急ぐこともなかろう。
小腹がすいたので、発酵チーズ入りのソフトクリームを食べようと思ったが、それは昔の話らしく、今は通常のものしか売られていないようだ。また、それだけでは足りなさそうなので、「ダッタンそばコロッケ」も購入した。因みに「ダッタンそば」とはそういう種類のそばの名称と教わった。名前は聞き慣れないが、そばの風味とじゃがいもはとても良く馴染んで旨かったと追記しておこう。
道の駅 雄武にて
ちょっと弱まった陽の光を浴びて、過ぎ行く季節を惜しみつつ休息する。もう8月も終わってしまうのだから寒く感じることも仕方ないことだが、物悲しさを覚えるのは当方だけではなかろう。この旅もあと明日の走行最終日、明後日の船中泊の日を残すのみとなり、だんだんと寂しくなってくる。
おむで人間の補給が完了したので、走行を再開する。幌内を通過して音標へやってくる。非義務位置通報地点である潰れたスーパーが見えたので、ここから風烈布林道入口まではおよそ5kmである。未舗装路走行モード待機状態とし、燃料の残りをチェックする。オドメーターは130km台を指しており、現在の搭載燃料は約6L程度だ。美深までは上記林道経由で70km、燃費が30km/Lと仮定しても、3Lはタンクに残る計算だ。燃料は十分なので、今日は軽めのタンクで重心を落とし気味にして、林道群にアタックする作戦を採ることにした。
それにしても、これから2時間は未舗装路を走りまくれるので、考えただけでもアドレナリンが放出されてくるのを感じるようだ。おおっと、風烈布林道の入口を見落とさないように、注意して進んで行こう。あれ、この辺だったかと勘で曲がってみるが、川に行く手を阻まれる。ちょっと道を間違えたと気がついて、一旦国道に戻ってから「風烈布」という地名を表す看板を見つけ、小学校の所を鋭角に左折して風烈布川沿いを進んでいく。目の前の山々に雲が出ていることが気になるが、それなりの見晴らしは期待してもよかろう。
牧場の中を通る舗装路を4km程進むと、いよいよ舗装が途切れた。昨年とは違い、今年はどピーカンの林道を楽しむことができそうだ。
快晴の風烈布林道にて
ところで、風烈布林道は前半が牧場区間、後半は森林区間と分けられる。最初の区間がマップルのコメント通りのハイスピードダートなので、先ほどのコムケ沼ダートで確認した超前乗りのポジションを採り、時に30ノットでかっ飛ばしていく。ミラーで後方を確認すると、砂煙が巻き上げられている。オフロードのレーサーになった気分だ。「ホー」とまたまた奇声をあげならカッ飛んでいく。
そして、後半の森林区間は路面状況がガラリと変わり、フカフカの箇所や縦溝がバンバンとやって来る。もちろん、こういう時には無理をせずに、バタ足走法を利用してすすんでいく。どうやら燃料を少し減らしてきたことがプラスに影響しているようで、マシンが軽く感じコントロールも楽である。
それはそうと、さっきからバシバシと車体や体に何かが当たるのを感じる。視野を広くして見てみると、バラバラと何かが跳躍して羽ばたいている。これはおびただしい数のバッタではないか。目線を自分の腕に移してみると、体調が3cmぐらいのバッタが何匹も当たっては弾き飛ばされていくのが見える。何じゃこりゃ~(゚o゚;;、こんなの初めてだよ~。
バッタの大群を通り抜けて、何とか道道120号線の天の川トンネルの仁宇布側に飛び出す。そして、このトンネルを通り、あまり整備されていない、歌登側にある牽牛P.A.にて休息する。興奮しているせいかとても喉が渇いたので、水分補給しつつマシンを点検する。おや、先ほどの大群からはぐれたバッタが一匹、ステップの根元にくっついている。これから山を登るのでマシンを降りたほうがいいよ、バッタを放しておく。
くっついたバッタ君
もう一度気持ちを落ち着けて、エンジンを再始動、P.A.を出発し、すぐ左に曲がって徳志別川沿いをゆっくりと走り始める。ここからは、いよいよ美深歌登大規模林道の始まりだ。2km程進むと舗装路が切れて、1.5車線のやや広いダート路が続く。前述の前乗り乗車姿勢をとり、速度を上げていく。ここも最初は路面の良いハイスピードダートであり、砂塵を巻き上げながらの走行である。ある程度燃料が減ってタンクが軽くなっているせいか、コーナーでは楽にマシンを傾けることができ、後輪が前輪よりも大きな弧を描くような感覚を楽しむ。これがドリフト状態ということで、自分では車体が横を向いているようなイメージを描いているが、まあ、実際にはほとんどグリップ走行である。
快調にハイスピード区間を走り切ると、今度は急に勾配がきつくなり、路面もガレてくる。いや、上りだから雨が降った時に土が削られて、ダレノガレになるのだろう。こういう所は慎重に2速ギアを使い安定したトルクを確保し、前タイヤがすくわれないように前乗りを維持、時にバタ足を利用して上っていくのがよろしい。おっとっと、穴ぼこもあるじゃあないですかぁ。
今までの鼻歌快走区間とのギャップに苦しみつつ、何とか先へ進んでいく。すると、前方に何か黒い物体が見える。うぉ、これは・・・
クマの糞
じゃん。しかもまだ黒々と光って悪臭を漂わせている。ということは・・・、この近くにいるってことじゃん。もちろん冗談ではないので、速度を上げてさっさと通過する。写真を撮りたいのはヤマヤマだが、後ろから襲われたりしたら話にならんからなぁ。
心臓がバクバクするのを感じながら、ガレた道を慎重に上っていく。あと少しで加須美峠だ、がんばれ、SL。そう思っていたら、だんだんと視界が開けてきて、加須美峠に到着した。しかし、クマが怖いので、このまま函岳レーダー林道へ入り、休息無しで走行を続けることにした。
加須美峠からは再び路面状況も良くなり、とても走りやすくなる。前乗りポジションをキープしながら、コーナーではちょっと慣れてきた、軽いドリフト走行をアクセルワークでコントロールする。関係ないが、年に1,2回行くバーのウエイトレスであった「かすみちゃん」は卒業したそうで、今はリナちゃんが働いている。
おっと、道路上に何かいるぞ、と気がついた瞬間にリスが茂みに逃げていった。脅かしてごめんね。さらに進んでいくと、こんどは茶色のしっぽをこちらに向けて走るキタキツネを発見した。こちらも100m程走ったら茂みに飛び込んでいった。
昨年、調子こいていて、危うく道路から転落しそうになった地点を通過する。このコーナーを再び走行してわかったことだが、ややカントの付き方が甘いし、ここだけ少しRも小さい。転落の原因は「油断」だったということだよ、ヤマトの諸君。再び気合を入れて、山頂を目指す。
山頂が見える直線に入るが、やや雲行が怪しくなってきた。やはり山の頂上は早朝に限るのだろうか。ここは撮影ポイントなので、エンジンをかけたままにしてさっさと写真を撮り、早々に走り出す。しかし、これだけのダート路の直線はそうそうないですなぁ。
山頂まで残り5kmの地点にて
こうして加須美峠から10㎞のダートを駆け抜けて、函岳山頂へ到達した。やれやれ、それなりの速度で集中してきたので、えらく疲れた。おや、駐車場にはダックス50が止めてある。失礼だが、こんなもんでよくここまで来たなぁと呆れてしまう。一体どんな顔をしているのか、見てみたい。ラ、ラオウ様!!
函岳の駐車場にて
晴れは晴れだが、やはり雲が多めだ。ただ、昨年のように雲で何も見えないということはないので、山頂を示す看板の方へ歩いていく。太陽が雲に遮られているが、やけに眩しい気がする。麓がカンカンに晴れているので、どうやらその反射光のようだ。山の天気というのは、実に不可解なものだ。女心と結び付けられることも納得できるよ。
レーダードームを回っていくと、短髪の女性とすれ違った。「え、ひょっとして、ダックスでここまで?」と尋ねたら、「そうです。10㎞/hで走ってきました」と。おいおい、麓からは30㎞程度の距離があるので、3時間もダックスで走ってきたのか。ギョェー今まで見た変態の中でも最高各付である。
関わりたくないし、変態女史もこちらには関心が無いようなので、さっさと看板まで歩いていく。左右を交互に見下ろすと、オホーツク海と日本海が同時に見えるという触れ込み通りだ。日本海側の方をよく見て、遠くに見えるはずの利尻島を探すが、そこまでは無理のようだ。
オフロード車に乗り、1時間かけてヒーヒー言ってここまで上ってきたのだが、麓は案外近いように見える。俺って小さいなぁ~、山ってすごいなぁ~、口を半分開けて茫然としながら、日本海とオホーツク海を交互に眺めてみる。
函岳山頂から西方向(日本海側)を望む
景色を楽しんだ後、バイクに戻ってライダーに補給を行う。未舗装路の連続走行で、疲労が蓄積してしまった。こういうこともあろうかと、非常食としてしまっておいたプリッツを食べる。あまりゆっくりしていると天候が急変するといけないので、そろそろ山を下るとしよう。
避難小屋のトイレに寄って、マシンのエンジンを再始動し、ゆっくりと加須美峠へ下っていく。景色を眺めつつ走行していると、何匹かのキツネが道路を横切った。周りは熊笹が茂っていて全くわからないが、かなりの個体数が生息しているようだ。さらに下っていくと、前方に先ほど山頂で出会ったDAX女史が見えた。追い越し際に手を挙げていくが、本当に10㎞/h程度で走行している。美深、歌登、どちら方面に下りても夕方近くになってしまうだろうに、大丈夫だろうかと心配してしまう。
そこから3㎞程度行った地点で、再び加須美峠に到着した。どうやら熊に出会う危険性は薄いようなので、少し写真撮影をしていこう。もちろん、エンジンはかけたままであることは言うまでもない。
曇りがちの加須美峠にて
撮影終了後、美深側に下っていく。こちら方面は整備が行き届いているので、路面が荒れていることはない。最初は12ノット程度とゆっくりした速度で走っていたが、だんだんと下りにも慣れてきたのでペースアップしていく。ただ、ここでコーナーを曲がりきれないと川へ転落してしまうので、一線は超えないように注意する。おっと、対向車のヴィッツとすれ違った。つまり、この林道は普通の4輪車でも、問題なく来られるということだよ、ヤマトの諸君。
美深側の終点というか、入り口に着いたので、ちょっと休息して今後の飛行計画を作成する。現在時刻は13時前、今夜は北海道の最終夜であることを考えつつルートを探る。
明日は18時から19時頃には苫小牧東港に居たいので、いつものように富良野近郊に宿泊したい。キャンプも良いがライハでも気を遣わなくても済む所、「クレッセ」があるじゃないか。早速電話をしてみると、おじいさんが出て「空いていますよ」ということだったので、予約を入れておく。これで今夜の宿は確保したので、この先は安心して走行できる。
林道の美深側入口にて
5.南下
道道680号線を美深の市街地へ向けて走り出すが、あまりに暑いので。ジャケットのファスナーを開けて風を入れながら走行する。今までオホーツク海側ばかり走っていたので、内陸がこんなに暑いとは思わなかった。
国道40号線に入り南下を続けるが、塩梅よく燃料を消費したので、ホクレンに入り給油しておく。220kmで6.3Lだから、34.9km/Lを記録した。林道走行で低めのギアを使って回し気味だったにもかかわらず、この数値には驚きだ。
汗をかきつつ走行し、美深の郵便局へ立ち寄る。ここで現金をおろして、ついでにタイツと首巻も脱いでおく。本当はジャケットのインナーも外したかったのだが、かさばるので渋々装着したままにしておく。
さて、人間も補給したいところだ。昼飯には何を食べようか。国道沿いをに井上食堂を発見するが、基本はラーメン店のようだし、大盛りの店はマズイという印象(あくまでも当方の主観です)があるので、名寄駅前の三星食堂でジンギスカンを食べることにした。
このまま国道を南下するだけでは面白くないので、国道40号線を離れて道道252号線へ逸れていく。この智恵文地区はひまわり畑で有名であり、左手遠くにはまぶしい黄色い花畑が見える。腹が空いているのでひまわりを遠目に見ながら進んでいくと、ダンロップの試験場を示す看板を発見した。後日航空写真で確かめてみたら、周回路が確認できたと補記しておこう。
さらに行くと、東雲(しののめ)峠に到達する。特に何があるわけでもないのだが、夏らしい景色が見えたので写真を撮ってみる。
東雲峠付近にて
そのまま道道252号線を進んで、14時過ぎに三星食堂へ到着する。以前定休日だったことがあるが、今日は金曜日なので営業中だ。さっそく店内に入って、ジンギスカン定食の大盛り(+200円)を注文する。しばらく地図を眺めて、富良野までの道のりを確認しておく。まだ100kmぐらいあるのか、3時間はかからないので焦る必要はなかろう。旭川の街を避けていくプランを提出するかな。
そんなことを考えていたら、ジンギスカン定食が運ばれてきた。こちらのものは炒めたものが深皿に盛られて出されるので、いわゆるジンギスカン鍋で焼いて食べるスタイルではない。だが、モヤシがたっぷり入っていて、ちょっと辛めのニンニクが効いたタレが絶妙、すごく美味いよ。
三星食堂のジンギスカン定食
空腹だったのでガツガツしてしまい、あっという間に完食した。水を飲んで少々落ち着き、料金を支払う。その際応対してくれた店主に「今年も来ちゃいました」と告げたところ、「ああ、それはありがとうございます」と話が始まる。その中で「名寄にはライダーハウスがないので、俺が設立するしかないかもしれん」というものがあった。もちろん、こちらのオーナーもライダーで、大型バイクを所有しているそうだ。そのライハの件だが、その昔、名寄にもライハがあったらしい。しかし、マナーが悪くて住民からの評判も悪く、いつの間にか閉鎖になったそうだ。また、そこが満員の時は、三星食堂の店舗を提供したという。是非、名寄のためにも、ライダーのためにも開設して欲しいものだ。
三星食堂前にて
ご主人に挨拶をして、走行を再開する。補給をして元気が出てきたので、少し戻ってひまわりを見に行こう。道道939号線を北に進み、サンピラー公園へ向かう。おや、ひまわり畑はすっかりと耕されてしまって、地面が見えている。見頃は8月初旬から中旬なので、こんなもんでしょう。
すっかり耕されたひまわり畑
あっさり振られたので、道道939号線、538号線と繋いで東風連駅手前まで進み、そこから国道40号線で南下を続けていく。国道の流れは穏やかで、景色を楽しみながら走行を続ける。両脇には、遠くまで黄金色の水田が広がり、空には入道雲も沸き立っている。オホーツク海側はあんなに寒かったのに、こちらはまだ晩夏から初秋という趣だ。季節が逆戻りしてしまったよ。
そのまま磁方位180°で進んでいき、街を抜けたら幾分か涼しく感じるようになった。快適な気候の下、自動車の試験場がある士別、剣淵と通過していく。次は和寒じゃん、久々にかぼちゃ王国に寄って、かぼちゃソフトクリームを食べるとしよう。時刻は16時を過ぎているせいか、駐車場には車は見えない。入店するとおじさんが元気なく、店じまいの準備と思われる仕事をしていた。かぼちゃソフトクリームを注文すると、無口に作業をしている。いつぞやは「うっとうしいなぁ」と思われるぐらい話しかけてきたのだが、何かあったのだろうか。
和寒かぼちゃ王国にて
店内でソフトクリームを味わい、富良野を目指して走り始める。だんだんと陽が傾いてきたので、再びタイツと首巻きを装着して国道40号線を進んでいく。ブンブンハウスのある比布の市街地で道道1122号線、国道39号線を選んで当麻地区へやってくる。関係ないが、娘を利用された腹いせか、梅宮辰夫がトウマミキオこと芳賀研二のことを「稀代の悪」と評していた。それ自体は正しい評価だと思うが、娘は自分の意思で行動しているので、16歳も過ぎれば言うことも聞かないことは当たり前だ。いくら親父と言えども、まあ、諦める他なかろう。
旭川手前の永山地区で道道37号線に乗り、市街地を回避する。そして、東神楽では68号線に名称が変わり、旭川空港のR/W16の進入側をかすめる。さらに、聖和地区からは国道237号線へ乗り換えて美瑛地区に入り、夕暮れ近いパッチワーク状になった畑を眺めつつ美馬牛、深山峠を通っていく。そして、クレッセには17時40分頃に到着した。
マシンを屋根付きの駐輪場へ入れて、母屋に宿泊を申し込みにいく。ドアをノックして声をかけるとおじいさんが応対して下さり、「今日は宿泊者は一人だけですので、好きな棟に泊まってください」ということだった。それならばと、母屋にちかい1番の建物を選択した。荷物を入れていると奥さんが帰宅されて、駐輪場奥のドッグランで犬達を解放する。しばらく様子を見ていたが、犬にも強烈な個性があり、歳を取ると丸くなることがわかった。
宿泊棟へ戻り、少し横になって休息する。今日はよく走ったよ。未舗装路だけでも80km近く走行しているので、疲れるわけだ。さて、買い物を兼ねて風呂に出かけるか。マップルによれば、フラヌイ温泉とふらのラテールがあるが、2006年も利用した後者を選択する。
ちょっと行ってきますと言っても、温泉までは片道で10kmもあるんだよなぁ。ただ、時間にすれば10分程度なので、当方がジムに行くよりも短い道のりだ。暗くなった道を走っていくと、突如明るい大きな建物が現れる。ここは宿泊施設も備えている大きな温泉だ。
入浴料980円を支払い、備え付けのボデーソープで体を洗って露天風呂に浸かる。んぁ~、なんという気持ちよさ、温泉っていいなぁ。思い起こせば、バイクでのツーリングが好きになったのは、温泉があるからだ。冷えたり、疲れたりした後、温泉に入ることは極楽である。これはバイクを自分で運転してきた者しか味わうことができない、いわば特権だ。それが高じて、今や北海道に来ているのだから、当方は相当の凝り性と言えよう。
少々高い入浴料だったが、タオルもついているのでこんなもんでしょう。湯船も大きいので大満足だ。良い気分で温泉を後にして、隣のセイコマでおにぎりとざるラーメン、いつものこんにゃくゼリーを購入して宿に戻る。
晩飯
食事をしつつ、タイ寺コントロールにランディング情報を送信し、今日の出来事をメモしていく。実はこの作業、最初はとても面倒に感じるが、だんだんとその日の情景が思い出されてきて、サラサラと筆が進んでいくものだ。そして終わってみれば30分はあっという間に過ぎていて、1時間近くになることもある。今日はまさに後者で、天気が特に良かった上に景色が大きく変化する所を走行したので、記載事項が多くなった。時刻は23時を回っているので、そろそろ寝るとしますか。
本日の走行 380km