〜ヤハズスタトンネルって何？？〜
2012年5月12日
ハーレー氏のニューマシン
カワサキ バルカン1500と共に
今年はWRTのツーリングがことごとく流会となった。まあ無理して集まることもないんだけどね。走れる時に走ればよいのだよ、ヤマトの諸君。ところで、今日のメンバーだが、W教官機長、昨年8月にBMWでご一緒したハーレー氏、そして当方の3名だ。この時はインリン様が来た、折尾の棚田を通り、氏は同機でのラストランであった。何でラストランだったのか、どうやら奥方が「あんなでかいやつは危ないで売れ」という命令が出たらしいのだ。我々バイク乗りからすれば、おとなしく乗れば言うほどの危険はないと思うのだが、氏曰く「そんなもん、カミサンがそう思えば何を言っても無駄なんだよ」とのこと。確かに、どんなに説明しても理解されることはなかろう。因みにその後はイントルーダー250という驚異的にマニアックな車両を購入したそうだ。
ところが、最近になって「新しい大型車を購入した」という情報をW氏から入手した。えー、何だろう。イントルーダー800だったりして、とR1-Z氏と話しつつ、ご一緒する機会をうかがっていたのだが、上記のようにメンバーの都合が合わない、雨が降るなどで流会が続いていた。ところが、W査察操縦士・教官機長より「時間ができたので走りませんか」と2日前に連絡があり、ハーレー氏からは参加表明が出され、当方も途中合流ということにした。ところが、R1-Z氏は業務多忙により欠席となってしまった。実に残念だ。氏にはまたの機会にお願いしたい。
さて、当日は朝一番に歯医者で治療を受けた後、どこか適当な場所で合流予定だ。関係ないがドルーの野郎は「街一番」の選手だったらしい。
予定通りに9時45分にW氏に「歯医者出発」の旨送信し、県道60号を機首heading090、速力35ノットを維持して追撃？を開始する。今日は絶対に白バイによる取り締まりがあるものと確信し、徹底して35ノットの制限を遵守する。どうしてそんなことがわかるのかって。多部未華子じゃないが、「匂います」って感じだ。名東区の市街地を抜けて長久手市の丘陵地に入ってくると、案の定白バイに検挙されている4輪車を発見した。やっぱりね。
このまま有料の猿投グリーンロードに入り、速度制限を緩和して45ノット維持とする。ここも取り締まりの匂いがひどく鼻についたので、徹底して制限速力維持とする。すると時折、追い越し車線をぶっ飛ばしていくミニヴァン（こんな表記をするアホなモウロク自動車評論化が最近また復活した）を横目に新緑を楽しみながらTDMの鼓動を感じてゆったりと進んで行く。
こうして、枝下I.C.でグリーンロードを離脱し、県道11号線に乗り換えて機種は磁方位030とする。この辺りは交通量も多く、流れに合わせて走行する。因みにこの道は矢作川沿いに通っているのだが、河原ではバーベキュウをしている団体がたくさんいるようで、やけに良い匂いがする。今日は｢匂います｣の日か。
さらに、旭地区から県道356号線でコードネームYGこと矢作ダムを目指す。さて、ここからはワインディング区間の開始である。久々なので坐骨に体重を載せるように意識し、ニーグリップや上半身の力みが無いように、また目線が先々へ向くように注意する。特に、ニーグリップが重要で、倒しこみの時は内側股関節を外旋、外側は内旋、拇指球をステップ付け根を軽く踏みつつ腰を引いて、踵で気持ち車体を引き込む、という具合に操作するとうまい具合に前輪が切れてくる。さらに、W機長から教わった「膝を開いて、重心をさらにコーナ内側へもってくる」という技も試してみる。旋廻力がさらに強くなるので、より高速でコーナーを抜けることができた。
ちょっとギクシャクしていたが、概ね気分良く県道20号線のYG路を抜けて、国道257号線との交差点手前にある、赤い橋のところでW氏からの入電を確認する。それによると、売木村の道の駅、｢千石平新野｣で合流との指令があった。当方からは予定到着時刻12時30分と送信して走行を再開する。
ここからは国道257号線を一旦北上し、通称「ドルートンネル」を通過していく。なぜドルートンネルか。あれは2009年、ドルーとツーリングしていた時だ。突然大雨が降ってきて、たまらずこのドルートンネルで雨宿りすることになったのだが・・・。奴は「こんな雨さっさと走っていけば止む。早く行け！」と言わんばかりに不機嫌そうな顔をして、バイクから降りなかったのだ。そんなに行きたければ先に行けば良いのだが、奴は全く道を覚える気が無いらしく、独りでは走れないようだった。
そんなことを思い出し、ひとりで笑いながら卵子、いや卵料理で有名な「らんらん」前を通過、さらに上矢作地区から国道418号線に乗り換えて平谷、売木村方面へ向かう。
この418号線ももう数えきれない位に何度も走行している。深い谷沿いの道であり、砂がかなり出ている。「ようこんな所に道を通したな」と毎度ながら思うのだが、上記上矢作地区から数キロの地点には滝が見える箇所がいくつかある。最近は木を切ったりして整備されたせいか、随分と見やすくなった。なかなか落差の大きい滝郡なので、一度ゆっくり観賞してみたい。それはそうと、この区間はこの滝群を目当てにやって来る人が増え、交通量も増大している。しかし、上記のようになかなか骨のある道なので、所々ですれ違いに苦労する4輪車により、渋滞が発生してしまうところは難点のど飴か。
当日は幸いにも道は空いていたが、この辺りまでくるとかなり気温が下がってくる。そして岐阜県と長野県の県境にある達原トンネルの中は猛烈に寒かった。金のお玉が縮むようだ。
こうしてトンネルを抜けて、長野県に入ってきた。こちら側は比較的路面状況が良くなるので、軽快にコーナーをクリアしていく。特に、Ｓ字で荷重を入れかえるところは大きく体重移動をして切り返すと面白い。
平谷を越えて、さらに標高を上げていく。この辺りの集落では桜が今見ごろだ。今年は寒かったので1週間は遅いのではないだろうか。しかし、遅い春をここで楽しむことができたのは幸運だったと言えよう。そんなことを考えつつ、ダイナミックなワインディングを走行していく。
少々疲れてきたなあと感じてきた頃、やっとこまどりの湯が見えてきた。やれやれ、もうひと山越えれば目指す千石平新野である。ここまでで既に120km程走行していた。
当初の予定到着時刻は12時30分であったが、30分早く到着した。さあて、ハーレー氏のニューマシンはなんだろうか。駐車場を見渡してみるとW氏のモンスターを発見、ハーレー氏と共にこちらに相図を送っているので、こちらも手を挙げて応える。
久々の再開である。W氏とは半年、ハーレー氏とは実に10ヶ月ぶりだ。ところで、ハーレー氏のマシンだが、何とバルカン1500だ。しかし、排気量の割にはエンジン、車体共にそれ程大きさを感じない。しげしげと眺めていると、なんと車体前面にはラジエターがある。水冷ですかぁ。さらに、駆動はドライブシャフトだ。1500�佞箸發覆襪肇肇襯�が大きいので、信頼性重視でこうなるのだろう。カワサキにしては手堅い造りだ。
オーナーの話では、「足がべったりと着くので取り回しが楽だし、乗車姿勢も快適」とのこと。ただ、「凹凸のある路面だと、リアサスの動きが収まらなくなって怖い」らしい。そしてタイヤが滑るということだった。何か良い方法があるかと尋ねられたので、「前後サスのフルオーバーホール」といかにも当方らしい回答を出した。W氏からは他車流用とか社外品という提案がなされたが、それももっともだ。
道の駅 千石平新野にて
それはそうと、W氏とハーレー氏はここまでに設楽方面を走ってきたそうだ。そして傑作なのは、「ハーレー氏がコンビニで上着を購入した」という一件だ。W氏から「管理人さんは大丈夫でしたか」と突っ込まれたが、今日は北海道にいつも着ていくインナー脱着式の上着を着てきたし、一応ズボン下も持ってきている。「もう同じ失態はしませんよ」と涼しく応戦したところ、「今までに4回もタイツを購入しているじゃあありませんか」とダメ出しされてしまった。全くその通りで、墓場まで持っていく想い出というところだろう。
お二人は寒さから既に食事を済まされていたので、当方は五平餅とソーセージを食し、出発となった。今日はW機長、ハーレー副操縦士、管理人は乗客という編隊である。何回も申し上げているが、当方は変態だ。
まずは国道151号線を飯田方面へ走り出す。こちらは並行して通っている153号線よりもカーブが多く、道幅も広いので随分と快適な走行ができる。当方もここまでワインディングを走ってきたので、勘もかなり戻ってきている。それはそうと、ハーレー氏のバルカンであるが、氏の腕にマシンがついていかないという様相を呈している。マシンを寝かしていくと、路面のギャップが多い所では、左側はステップが、右側はエキパイが路面と擦れて音が出ている。さらに、リアサスがかなり柔らかいのだろう、氏が話していたようにかなり車体が揺れている。因みにW氏もハーレー氏の速度に合わせてか、今日はかなり控えめに走行している。
さて、阿南町からは県道430号線に乗り換え、さらに天竜川の所では右折して一旦川を下る形になる。この辺りはパレ平岡ダム沿いの道で、中速カーブが連続するスリリングな区間だ。幸いにも4輪車が少なく、快走状態であった。補足事項だが、この区間はカーブにはやや深めのバンクがついていて、ハーレー氏も車体を擦らずに済んでいた。
快走後、パレ平岡地区で国道418号線に乗り換え、機種を東向きとしてさらに山奥へと入っていく。ん、この国道418号線といえば・・・、そうです。当方が2003年にTDM850で爆発した、飯島地区を通っている道だ。この区間は高速コーナーが連続するかなりの快走路であるが、それ程危ないコーナーは少ない。ではなぜ爆発したのだろうか。多分ボヤっとしていて、ミラーを見ている時間が長かったのか、そしてカーブの曲率の見極めを誤ったか、ラインが悪かったか、いずれにしても凡ミスだった。それでも打ち所が悪いと一発廃車になってしまうこの悲しさ。自重せねばなるまい。
件の爆発地点を通過し、相変わらずの快走で同国道を走行、国道152号線と合流、W機長のフライトプラン通り、道の駅「桃山郷」で休息をとる。余談であるが、ハーレー氏はこの手前のスタンドで燃料を25ポンド程再搭載したようだ。また、燃費について尋ねてみると「15〜16km/L」程度とのこと。1500�佞發△譴个修鵑覆發里�とはハーレー氏。一方、W氏は20km/L、当方は25km/Lを程度である。
道の駅 桃山郷にて
結構日差しが強く、だいぶ暖かくなってきた。ハーレー氏も「朝もこれくらい暖かければよかったのになぁ」と。段度トンネル手前は9℃だったそうだ。真冬並みである。
そんなことを話しながら建物に入り、W氏お薦めの「オレンジーナ」を飲む。氏の言うとおり、結構いけますよこのとん汁という具合だ。ファンタオレンジみたいに薬臭くないところがよろしい。一方、ハーレー氏はBOSSのカフェオレを飲んで一息ついているが、気温の変動が激しかったせいか、ややお疲れのようだ。
ところで、この建物には様々な観光客向けのポスターが貼ってある。その中に「下栗の里」というものがあった。ここでW氏はすかさず、「ラピュタのモデルになった場所」と薀蓄を披露していた。ええ、そうだったんですか。なるほど、この山に張り付いたような棚田、家、言われてみれば納得である。因みに今日は寒いので寄ることは止めておこうということだった。
ここでW氏にこの後の飛行計画を尋ねてみる。すると、国道474号線の三遠南信道を通って喬木村を抜け、天竜川沿いを南下するとのこと。とその時、氏は突然「ヤハズスタトンネルを通るよ」と笑い出した。最初は何のことかわからなかったのだが、どうやら出典は当方のレポートのようだ。確かに、三遠南信道には「矢筈トンネル」がある。それに対して当方がいつかのレポートで｢ヤハズシタトンネル｣と標記したようだ。指摘されるまで自分でも忘れていた。それどころか、今でもどのレポートだったか発見できていないという有様だ。
「（ヤ）ハズシタ」って何だと疑問を持たれた方の為に少々解説をしよう。昔、名取裕子主演、五社英雄監督で「吉原炎上」という映画が製作されたことをご存知の方は多数見えると思うが、この中で遊郭である中梅楼に売られてきた名取が、警察官である緒方拳に紹介される場面がある。ここで緒方が東北弁（「し」が「す」と発音される）で｢ハズス（シ）タかぁ〜？｣と名取に尋ね、名取は恥じらいつつ下を向いてしまう。当方も最初は何のことか解らなかったのだが、どうも「はずす(外す？)＝乱れて絶頂に達し、呆然となる」ということと思われる。関係無いが、前の嫁が（今は嫁はいない）こういうネタが大好きで、こっちが恥ずかしかったことがある。
ということで、「矢筈」から「はずす」を連想して記載したのだが、W氏は当方のレポートをよく読んでおられる。いつもありがとうございます。が、思考様式が当方にかなり汚染されてきたように思われるがいかに。
その「矢筈スタカトンネル」が通る国道474号線を抜けてループを下り、県道251号線で少し北上する。その後は天竜川右岸に沿って県道18、252、1号線と組み継いで中、高速コーナーをポンポンポポポンと通過していく。今日はワインディング満載なので絶好の技量維持訓が遂行できている。途中、眼下に街が見える場所で休息したのだが、W氏からこの件についても言及があった。やはり思考様式が似てきたようだ。
それは別に良いのだが、ここで当方がハーレー氏のバルカンのリアタイヤに、細いくぎのようなものが刺さっているのを見つけてしまった。ツバを塗ってみると、空気が勢いよく抜けていることはないので、ひとまずは帰還に問題は無いだろうと思ったのだが、氏はちょっと焦り気味になってしまったようだ。
その後、走行を再開して、阿智村にあるスタンドで燃料を搭載する際に、店員に「修理ができないか」と尋ねるが、あっけなく断わられてしまった。
ここでさらに焦ってしまったのか、「先に行く」ということで、氏とはここでお別れになった。尚、この件について、当方は悪いことをしたなぁと思っていたのだが、後日「見つけてくれてありがとう」と入電があった。
この後は国道151号線に戻り、往路で当方が合流した道の駅「千石平新野」で休息をとる。ここは大きな五平餅や岩魚の塩焼きなどの軽食が豊富に揃っている。そして忘れてはならないのが「焼き栗」だ。うろうろと歩いていると必ず店員が2、3個「試食してください」と手渡される。これが結構おいしいのだが、W氏はついに一袋500円で購入した。尚、値段は通常600円なのだが、夕方17時くらいになると「2袋1000円」になるようだ。次回は俺も購入しようかと考えた。
こうしてこの後は国道418号線で売木村、さらに県道46号線の中、高速ワインディングを快走して茶臼山を通過し、県道507号線の茶臼山高原道路を折元I.C.で降りる。ここからはいつもの県道10、80号と乗り換えて、タイヤが笹暮もみじ街道を突っ走る。毎度ながらW教官機長は良い走りをする。ただ、今日はそこそこのペースなので、当方でもランデブー走行をすることができた。
後は国道257号線、国道153号線と繋いで、道の駅 「どんぐりの湯」で最後の休息をとる。
最近は道の駅も地元の食材をふんだんに使ったものをたくさん売っているのだが、どんぐりでは酒入りソフトクリームや栗ドラ焼き、そしてハーレー氏定番のソーセージが有名だ。ちょっと腹が減ったので、いつもの栗ドラ焼きを食べることにした。また、W氏も同様にどら焼きを購入し、皮の部分を極小さくちぎって、すずめにあげたりしてパクパクと食べてた。尚、W氏によると「すずめはキョロキョロとしてなかなか愛らしい動きをするよ」と教えてくれた。確かに、その通りだ。
そんなことを話しつつバイク置き場で話していると、茶臼山で追い越したVTRのライダーが突然「ソーセージどうぞ」と、いきなりすすめてこられた。なんか突然でビックリしたので断わってしまったが、ちょっと悪いことしたかな。尚、この方の車体には「痛い」ステッカーがたくさん貼り付けてあった。
この後は153号線を南下して、足助で解散となった。また次回もお願いします。
本日の走行360km