2014年9月20日
秋晴れの道の駅 らっせいみさとにて
前回、W氏とツーリングしたのは梅雨の最中である7月上旬で、「開催」というよりも「決行」であった。いつ雨が降るかわからない状況でビクビクしていたが、幸いにも降られたのは終盤の一部区間だけであった。また、今年の夏は天候がイマイチだったので、このツーリングを決行していなかったら、WRTツーリングは半年近いブランクが空くところであった。そう考えると、たまには「決行」するツーリングも必要なのかもしれない。
さて、今日の日程は、当方が北海道より帰還した8月末に決定したが、今週の週間天気予報では雨マークが続いていた。ところが、週の後半になってくるとだんだんと晴れに変わってきて、結局は秋晴れの下で開催されることになった。この週間天気予報がいかにあてにならないか、ということはツーリングライダー諸氏はよくご存知のことと思う。晴れで安心していたら、前日に雨になって中止なんてよくあることだ。前述の北海道も雨予報が出ていたが、現地に着いて走り出してみると、日に日に天気予報が良くなっていたっけな。
それはそうと、本日のプランはW機長提出があり、先導も行ってくれることになった。いつも機長業務ありがとうございます。これに従い、いつものように、8時に道の駅しなのに集合となった。
久々の再会で、近況を報告しあう。当方は北海道ツーリングまでは会社業務が忙しく、また出発前夜は代行インストラクターも頼まれていたので、あまり乗れていはいなかった。またW氏も、前述の天候不良で乗れていなかったそうだ。ただ、その間にモンスター1100のフロントフォークは分解整備＋油面アップ、リアについてはオーリンズに変更とメンテナンスに力をいれていたようだ。その結果、フロントフォークは、実質イニシャルを強めた形となりやや硬め、リアは新品なので慣らし中のため、まだ評価ができないとのことだ。
メンテと言えば当方も、バックアップ機材としてTDMの足回り整備を依頼した。何回か本ページでも触れているように、TDMは昨年5回目の車検を受けて機齢が2ケタになったことを機に、思い切ってフロントサスペンション、リアのサスペンションの2回目の分解整備、ついでにタイヤも新品に交換した。これにより、足回りは新車時のような「コシ」を取り戻し、乗り心地とコーナーの切れが戻ったように感じる。あまりやらない整備だが、こういうところに金をかけると、いつまでも気持ちよく乗ることができる。いつも通りに言えば、「あ、この瞬間が整備の効果だね」というところだ。そういえば、スイングアームピボットも2回目のグリス充填をしておきたいな。
続いて飛行前ミーティングを行い、航法の確認等準備を行い、いよいよ出発する。巻雲が出ている秋空の下、ツーリングするのはとても気持ちの良いものだ。そう思いつつ、国道363号線で我が母校の麓を通過する。ただ、当方やコメディアンの青木さやかの所属していた外国語学部は、名古屋市内に移転してしまっており、今はリハビリテーションなどの医療系学部がキャンパスを使用しているようだ。
岐阜県に入り、県道エイ69号線で軽くワインディングを走行し、土岐市街地へ向かう。その後はいつもの県道66号線、通称らっせい街道を快走する。この区間は朝のウオームアップに適していて、ワインディングとやや速度の高い走行で今日の調子を知ることができる。それら感覚により、今日の課題をを認識し、技量維持・底上げを図っていくことになる。
人間とマシンの感触を確かめたところで、道の駅らっせいみさとに到着した。ところで、最近の道の駅では必ずと言ってよい程に露天が出ていて、ソーセージや果物、お菓子といったその地で生産されたものが販売されている。そのフランクと言えばハーレー氏だが、W氏も引退以降は会っていないということだった。ハーレー氏は再雇用で、バイク店であるモトスポの隣で今も働いているそうだ。「一度職場に顔出してそそのかそう」と企むW氏だが、当方もそのままうまいこといって、現役復帰してもらいたいと願っている。
なぜか日曜に集まるスーパーカー軍団がいる駐車場を見ながら、セカンドバイクの話で盛り上がる。氏と当方共に、今のところは大型と250�佞料箸濆腓錣擦世�、W氏は「NCも十分セカンドバイクとしてはアリだろう」と発言していた。それは贅沢だなぁと思うが、今や大型バイクは100万越えは当たり前だし、スクーターですら平気で70、80万という値段が付く時代だ。それを思えばNCは確かに安い。メインではちょっと役不足だろうが、セカンドなら十分に機能する。関係ないが、カトショウが所属する、ナガノトモヒサが率いているのはアーモン軍団だ。
ところで、道の駅ではライダーが頻繁に出入りするものだが、W氏は「所作を見れば、ライダーの年季がわかる」と発言していた。どういうことかと言うと、道の駅に入ってくる、または出ていくライダーには低速での取り回し操作が要求される。これはつまり、メリハリのあるアクセルワークと適切なブレーキの使用方法を習得していなければならない、ということだ。W氏は10,000時間以上の飛行経歴がある査察教官の腕前であり、様々なライダーを見てきている。ひと目でそこのところを見抜くことができるのだろう。また、その判断を利用して、危なかしい人を見つけては避けているのだ。
なるほど、自分の技量はさておき、もらい事故に遭わないためにも上記能力は必須だ。当方が勝手に考えている、「WRT型式認定」の基準にもこの項目を追加して、さらなる技量の向上を図りたいものだ。
らっせいを出発し国道418号線に乗り換えて南下、山岡で国道363号線に乗り換える。その後、さらに岩村市街を通り、田園地帯を通り抜けていく。この辺は農村の景観がとても良く、そのために展望台も設けてある。しかし、明らかに多くの人が来ていたのでパスした。さらに国道を東進していくと、どんどんと高度を上げていく。この辺は随分と走りやすいなぁ、去年まではキャッツアイがあって路面も荒れていたが、今回は道路は中央線のみが引かれており舗装も新しくなっている。これは嬉しい誤算だった。
峠を超えると道幅が狭く路面も荒れ気味になるが、メリハリのある走りを心がけて慎重にクリアしていく。ところで、今日の管理人であるが、どうも左カーブへの目線が遅いようだ。結果体を向けるタイミングが遅れてしまい、やや大回りになっている。これは下半身が使えていないことに由来しているので、ニーグリップをしっかりと意識し、シート上に坐骨で円を描くイメージを持ちつつコーナーを処理していこう。
狭路区間を過ぎると川沿いの片側1車線の道路に出て、超快走区間に変わる。その後、国道19号線にぶつかったら右折、松本方面へ向かう。ご存知のとおり、同国道は流れは緩慢であるが、渋滞ではないので法定速度プラスαで流れにって走行を続ける。
しばらくして、W氏のモンスターが燃料の再搭載を行うためにスタンドへ滑り込む。まだそれほど距離は走っていないので、集合場所までに満タンにしていなかったと思われる。確か話によると、満タン後は250km程度走行できるということだったと思ったが、記憶が定かではない。
この後は馬籠へ向かう予定だったが、給油を行ったスタンドが、右折ポイントである県道7号線の交差点に近い場所のため、右折車線には入れない。そこで、そのまま直進して山口地区から市道へ入り、県道7号線との交差点を目指すことになった。この道が片側1車線ずつの超快走路で、中速コーナーを主体としたコーナーが続いていく、なかなか良い道だったと補記しておこう。
7、8kmワインディングを楽しむと、馬籠の下の入口の所へ出てくる。ああ、この道はここに繋がっているのね。納得しました。こうして県道7号線に乗り、馬籠宿を通過していく。今日は天気が良いのでたくさんの観光客がおり、道を渡る人も多い。市街地モードで大人しくメインストリートを抜けていく。また、駐車場もバイクでいっぱいなので、ツーリングで来ている人も多いのだろう。
話は変わるが、バイクで本当に気分よく走れる日はそれほど多くない。ここはよく誤解されているところで、「風に当たって走行する＝気分が良い＝半袖を着て夏＝海」というイメージがあるようだが、とんでも無い話である。そもそも半袖でツーリングすると、虫が当たったり、強い日差しにさらされるなど良いことはない。また、夏の山道は気分が良いが、海は湿度が高くあまり良いものではない（若い女性が露出度の高い服装で歩いていることは除く）。また、市街地については、灼熱地獄だ。
ではいつ、どこで乗るバイクが気分がよいのだろうか。極論を言ってしまえば「春と秋に一日づつ、郊外の山道」ということになる。このことに驚かれる方が多いのは、それだけバイクの本性が知られていないということだろう。これは、ライダーそのものも身近にいない方も多いということでもあろう。とても残念だ。因みに当方の図式で言うと、「夏のバイク＝山＝冷涼＝ワインディング＝気分が良い＝温泉に入ることができれば尚可」である。
そんなことを思いつつも、今日は「秋の一日」かもしれない、今日を大事にしないといかんなぁと思いつつ、国道256号線に乗り換えて40ノットで快走する。この区間はクリアラップがとれるならば、中速コーナーが連続する気持ちの良い道である。また、清内路トンネル手前の低速区間も、先の見通しがきく場所もあり割合と恐怖心は少なく、TDMの力を発揮しやすい。おっと、その低速区間であるが現在工事中であり、Rの緩い広めの道に改良（改悪？）されるようだ。高速コーナーが連続する区間になってしまうので、事故が増えないことを祈ろう。
峠から下りてきて、昼神温泉の旅館案内所にて休息する。やはり集中して走った後は疲れるものなので、水分補給とアホな話をして盛り上がる。最近ではハーレー氏の現役時代の回想が流行りで、特に彼の決め言葉である、「それはその通りだ」と言う意味の三河弁、「ホリャホダ」が熱い。あと、引退前の最終機材であったバルカンの冷却水吹き出し、パンクしていたことなど何かと話題に事欠かない人だった。まあ、マシンのマイナートラブルが多かったということなのだが、今更ながら「最初から良い機材を購入しておけばよかったのになぁ」と思う。「ホリャホダ」
案内所前にて
休息後は今日の目的地である、道の駅下條へ向かう。W氏の「久々に食べ放題に行きたい」という思いから今日の目的地が決定されたわけだが、当方も1年振りではないだろうか。まずは国道256号線を終わりまで走り、治部坂方面から繋がっている153号線に乗り換える。そして阿智村の市街地まで来たら県道64号線にスイッチし、住宅地を抜けたら田園地帯や森林区間の高速コーナーを楽しむ。もちろん、交通量がほとんどなかったことは言うまでもなかろう。
なかなかスリリングな気分を味わった後、県道は国道151号線に合流する。ここから1.5�卍�走れば本日のメインエベント、道の駅下條へ到着である。WRTメンバーとは何度も訪れており、KTMのスーパーDUKEを見かけては、ガッチャマンの敵である「ベルクカッツェ」と言ってみたり、峰竜太の出身地なので「みどり焼きもち」なるものが売られていて大笑いしてみたり、何かと面白い場所だ。
早速建物2Fへ急ぎ、「そば食べ放題」の食券を購入する。おや、前は1,300円だったけど、1,600円に値上げになっている。これは消費税増税時に価格が改定されたのであろう。庶民の負担は増えるだけかよと思いながら、奥の座敷へ陣取る。今日はよい気候だから混んでいると予想していたが、それほどではない。
店員のおばさんが水を持ってきたので、食券を渡す。さて、今日は何枚食べようか。一応最高記録は6枚だが、その日は何も食べられない程胃がもたれてしまったので、アイスナメナメの余力を残すために4枚としておこう。一方W氏は「4枚なんて楽勝だよ」と意気込みを話していた。それはそうと、R1-Z氏はこういう時に、なぜかカツカレーを注文することが多い。この間も「そばは昨日食べたので」と言う理由でカツカレーを注文していた。
そんなことを話していたら、最初の2枚が運ばれてきた。腹が減っているので、ズルズルと1枚、2枚、楽勝である。2人共に2枚ずつ追加をして、再びズルズルと食べ始める。W氏は楽勝で追加の2枚食べてしまったが、当方は最後の1枚は味に飽きてしまい少し苦労して完食した。当方はここで白旗を上げたが、W氏はまだいけるよともう1枚追加している。無理すればもう1枚はいけるが、ここはその後の胃もたれの苦しさを考慮したというわけだ。
結局当方は4枚、W氏は5枚を食べて、そばは終了となった。前述のようにここは食券制なので、食べ終わったら退席するだけだが、店員さんがやって来て「5枚以上食べた方はサービス券をプレゼント」ということで、来年2月までが有効期限の食事券がW氏に渡された。それならば当方も5枚食べれば良かったかと安易に思ってしまったが、やはり食べ過ぎはよろしくない。
サービス券で喜ぶW氏
食事に満足したので、階下に下りていく。それにしてもこの道の駅は商売上手で、２階に食堂、１階には土産物屋、隣には乳製品の販売所とうまい具合に建物が配置されている。2輪で来ているので土産を買い込むことはないが、飯の友に漬物や佃煮を買っていこうかと心が動く。いやいや、持ち帰りが大変だから止めておこうとその思いを振り切るが、隣のアイスクリーム屋の誘惑には勝てないよ。
結局乳製品の販売所へ惹かれて、生キャラメル味のアイスを注文、ナメナメしながら今後の走行ルートを検討する。W機長が管制機関に提出した飛行計画によると、まずは国道153号線を天竜峡まで行き、そこから県道492号線で天竜川を渡って県道1号線に乗り換えて南下する。さらに県道83号線と繋いで温田へ抜けるということだ。地図で確認すると、ウネウネの快走路で技量維持に最適だ。
このプランに沿って、引き続きW査察操縦士の先導で県道を走っていく。無理をする気はないが、技量を上げるには適切にアクセルを開けてマシンの旋回性能を引き出し、気持ちよく走りたい。うぉー、W氏が徐々にペースアップしていくではないか。明らかにエンジンの回転数が上がっている。もともとついていくことはできないが、なんとか頑張ってテールランプが見えなくならないように食らいつく。
おや、いつもならぶっちぎられるが、今日は辛うじて見失うことなく県道83号線へ合流し、さらにハイペース（W氏にとっては丁度良い速度）でワインディングを走行していく。ここでも何とかW氏の姿が見えなくなる直前の位置でこらえることができた。
必死に走行していたので、温田からルートを逸したことをに気がつかなくトンネルの前で停車した。ここでW氏が「道を間違えた」とマシンから降りてこちらにやってくる。そして笑いながらトンネルの方を指差しているのでよく見てみると、
「万古隧道」
と書かれているではないか。以前から「管理人さんが好きな小ネタを隠し持っている」と話していたが、これのことだったのかぁ。古代、俺の負けだ。関係ないが、国道418号線の上矢作〜平谷に抜ける間に「万光寺」があり、道の駅 鳳来三河三石のすぐ裏山にも「満光寺」がある。また、新城市には「方光寺」もある。W氏の指摘通り、当方はこの手の小ネタが大好きだ。因みに女性器をの俗語は「満紅」という言葉に由来するという説がある。
こんな名前のトンネルがあるとは
くだらないことは言っていないで、走行を再開する。少し戻って県道1号線に復帰し、阿南の街を抜けてパレ平岡ダム沿いを快走する。この道はコーナーの奥が深いしダンプが砂を落としていくので、走行には注意が必要だ。おや、前方にはBMWのGSが走っているぞ。と思ったら、途中で脇道へ曲がっていった。後で地図を調べたら、和知野キャンプ場があるようだ。しかし、こんな山奥で温泉も補給箇所もないキャンプ場、ちょっと利用は大変かなぁと思う。
平岡で国道418号線に合流し、飯田方面へ向けてheading060を維持する。この道は通称「爆発街道」と呼んでいる。なぜかと言うと、遠い昔の2003年夏、R1-Z氏と共にTDM850でハイペース走行をしていた。その時一人で「アーモン軍団ってなんだぁ〜？」とウケていたら一瞬判断が遅れ、左逆バンクのコーナーで曲がりきれずにガードレールポストにエンジンが当たり、終了になったことがあるからだ。当方はこの件を「爆発」と呼んでおり、この区間を前述の「爆発街道」として自分を戒めているというわけだ。
そういうわけで注意して走り、遠山郷温泉かぐらの湯に到着した。何だか今日はにぎやかだと思いつつ、マシンをいつもの定位置に止めると、なぜか芝生部分にテントが張ってある。なんでこんな騒がしい所に泊まっているのか、と訝しがっていたら、今日はここを起点としてジョギング大会が開催されており、ちょうどゴールする人達で盛り上がっている。そのためにここに宿泊した人がいたというわけか。
テントを横目に、ちょっと疲れたので足湯に浸かり、気持ちを落ち着ける。やはり緊張で張りつめた神経を癒すには温泉でしょう、「はぁ〜」と何度もため息をついて体の力を抜いていく。それはそうと、W氏に「万古隧道」をどうやって発見したのかをたずねてみると、「地図で見つけた」というこで、さらにマジェで下見もしたということだ。用意周到ですなぁ。
ちょっと時間が押してきたので、ここで元来た道を折り返して戻る。そして途中で11年振りに爆発地点に停車し、詳細を検討することになった。今見ると、入り口からみるとあまり曲がっていないように見えるが、奥が結構深いし、逆バンクにもなっている。そりゃ、あのペースでは曲がれなかったかもしれんなぁ。
また、W氏の意見では、結構な高速コーナーなのでひるむ人が多いだろう、と速度調整の難しさを指摘していた。ただ、「自分は得意だな」と査察機長の自信も見せていたので、機会があったらまた教えてもらおう。
それにしても、あれから10年以上も経っているにもかかわらず、当時の面影を残すガードレールポストの凹み、少し赤い色が残ったガードレール。結構危なかったなぁ。
走行を再開し、狭路のワインディングを快走する。最近は左コーナーへのアプローチが遅れがちなので、ちょっと早く目線を送ることを注意してきたので、だいぶしっくりくるようになってきた。こういう技量維持は常に行わなければならない、という良い例だ。
おや、おきよめの湯がある場所には建物がないじゃないか。潰れたのかと思ったが、看板をチラリと見たら「9月から改装工事に入っており来年の夏に再開予定」と書かれていた。そうか、ふるさと創成金？という交付金を利用して、このような温泉施設がたくさん建設された時期は今から20年程前、当方が大学生だった時のことか。そろそろ老朽化してくるころだなぁ。それだけ俺もジジイになったということか。そういえば、ジムでレッスンをしている時、鏡に映る顔がいかにも「オヤジ」と自分でも実感できるようになってきた。ああ、ヤダヤダ。
こうして国道418号線から国道151号線を通り、道の駅 千石平新野で休息をとる。ここは奈良の東大寺大仏殿のような建物があり、いろいろと地のものを生産している。また、その建物の中央には何軒か出店があり、その一番手前の右側にはカメラ兼甘栗の店がある。ここではいつも「欲しくなった人は帰りに買ってね」という顔で、2個程度甘栗を無料で配っている。その栗を食べながら奥の自販機に行き、椅子に座ってW氏と話す。
国道418号線は所々で改修が行われており、道幅が拡張されるようだ。今のような狭路の低速コーナーは姿を消して、片側2車線の広い道になるのだろう。少々残念だが、こういう所に税金をつぎ込む政治家がいるこの国では、仕方のないことだ。
マシンの所に戻り操縦技術のことを話し合っていたら、アグスタのブルターレ800が入ってきた。珍しいなと二人で見ていると、ヘルメットをとったライダーが
「こんにちは。GUZZIです」
と挨拶された。おお、当方もW氏も一度しかお会いしたことはないのだが、GUZZI氏はっきりと覚えていて下さったようだ。いつもありがとうございます。
会談するグッチ氏とW氏
氏は最近は忙しく、バイクに乗る機会が少なかったそうだ。実は今日も用事があったそうなのだが、奥方に任せて「捕まりそうなところを逃げてきた」ということらしい。この手の話は所帯があるライダー諸氏ならば、避けて通れないものだろう。そう、当方が爆発する前の結婚していた時代や、引退された「ハーレー氏」も例外ではない。そしてこういう時に思い出すものは、氏の名言である
「（奥方には）逆らっちゃあいかん」
だろう。本当にその通りで、逆らってもロクなことはない。適当にその場をなだめておかないと、バイクを破壊されかねない。
ところで、GUZZI氏とはあまり話したことはないので、色々と伺ってみる。当方がYGで、W氏が道の駅つくでで出会った時に乗られていた機体は、スポルト1200という機種だそうだ。その名の通り、スポーツ性が高いが、トルクが大きいので割合と乗りやすいそうだ。また、よく言われる「バンクの左右差」であるが、実際に乗っているときは気にならないレベルで、そういう意識をもってみるとそう感じるそうだ。
またハスクの125ccOFF車も所有されていて、トランポに載せてキャンプを張り、林道周遊を楽しんでおられるということだった。あと、マニアな機体で、インドの「LML」という、ベスパのCKDモデルもお持ちとか。かなりお好きな方であることは、疑いの余地がない。
こうして1時間くらい話し込んでいたら、周りが暗くなりかけてきた。またゆっくりとお話ししましょうということで、走行を再開する。まずは国道418号線で売木峠を越えて、県道46号で茶臼山へ駆け上がる。この道は何回も走り込んでいるので、最近ではコーナーが覚わってきた。ここでブレーキ、ここは加速とメリハリをつけた走行を心がける。そして頂上の駐車場を過ぎて愛知県側の県道587号線を下り、折元I.C.で県道10号線に乗り換える。もちろん上記一連の道は一級品のワインディング路なので、技量が試されるコースだ。爆発ポイントも検証した直後なので、無理をしないペースを維持しつつもW氏のテールを追いかける。ひぇー、相変わらずのキレのあるコーナリングだが、少し手加減してくれているのだろう。今日は遥か前方とは言え、テールランプが見えた状態でなんとか踏ん張ることができている。
そして津具村の市街地？から県道80号線、タイヤが笹暮もみじ街道へとなだれ込んでいく。こちらも技量維持には有効なワインディング路だが、コーナー曲率の小さい高速コーナーを繋いだダイナミックな道だ。こういうところでは、TDMのフロント18インチタイヤがその能力を発揮する。コーナリング前の旋回さえ終えてしまえば、一定バンクで安定した奇跡を描いてコーナーをクリアできるわけだ。そのおかげだろうか、前方のW氏を何とか見逃すこともなく走行できた。ただ残念ながら、後半は前方の遅い4輪車に詰まってしまい、ペースを落とすこととなった。
笹暮もみじ街道からは国道257号線を北上して稲武へ向かい、腹が減ったので、足助まで来てラーメン屋に入った。大音量のラジオには閉口したが、W氏より、ここでビッグニュースが発表された。マジェを下取りにだし、T-MAXを新車で購入したというものだ。そして、ドカは準サーキット専用車両にして、T-MAXをツーリング専用に使用すると言う。まあ、当方にとってはW氏にハンディがついて丁度良いのだが、スクーターがツーリング専用では味気ないなぁと思ってしまった。
それはそれでよいのだが、W氏に「ボロいCBR250でも購入して、サーキット走行をしないか」と誘われた。んー、やってみたいのはやまやまなんだけど、まず先立つものがねぇ。さらにはメンテナンスや定置場所、どれも難しい問題ばかりだ。申し訳ないが、これはお断りした。
ただ、当方のTDMの走りがかなり良くなっているらしく、それをサーキットで磨かない手はないという説得は正直嬉しかった。今日はW氏が手を抜いていたと思っていたのだが、案外本気で走っていたとのことだ。つまりは、当方の技量が少し上がったということなのだ。
サーキットは残念だが、これからもWRTの査察操縦士、ロードマスターの教官としてお付き合いをお願いします。
本日の走行
350km