〜辛酸をなめた仲間とのツーリング〜
2014年11月16日
かしこまってマシン横に立つZX氏
先日、W氏と開田高原の「ふもと屋」へ行った際、途中の道の駅大桑で思わぬ人物と出会った。「お、管理人じゃないか」と声をかけられたのだが、誰かさっぱりわからなかった。「ZX14だて」と彼の名前を聞いて「あ、君かぁ」と思い出し、当時の事が走馬灯のように流れてきた。ただ、その日はW氏とそばを食べに行ったので、連絡先を交換したのみで別れたが、後日連絡があり今日のツーリング開催となった。
ZX14氏は「コーナーが苦手だ」ということだったので、WRTの冬用コース、つまりは静岡方面へ向かうことにした。氏は管理人の地元で暮らしているので集合場所の選択に迷ったが、ひとまず会社の同僚であるグァテマラ氏の近所である、トヨタ元町付近とした。また、集合時間は余裕を持って来られるようにと思い、9時集合としておいた。ただ、天気も良かったので、当方は8時30分頃に到着、氏も8時45分には到着した。お互いに中学当時同様に？やる気満々である。
先日はあまり話ができなかったのだが、今日はたっぷりと時間がある。当時の仲間の近況やら、所属していた水泳部の顧問とその練習メニューなど話題には事欠かない。その中でも体罰に関するものについては、今だったら間違いなく新聞沙汰なるなあ、というものも含まれていたと補記しておこう。
一旦話に区切りをつけて、国道153号線を東進し、国道248号線を横断して301号線に入る。おや、通行止めって何だよ。やや、マラソン大会があるのか、折しも選手達がトヨタスタジアムから一般道に走り出てくるところだった。
仕方ないので矢作川に沿って南へ2�卍�度走り、竜宮橋から再び同国道へ乗る。不測の事態で機長の調査不足を露呈してしまったが、まあ予定航路へは復帰できたのでヨシノちゃんとしましょう。
さらに国道301号線を進んで、松平橋を越えて山間部へ入っていく。紅葉が見頃かなと思ってこのルートを選んでみたが、イマイチだ。もう終わりなのか、ちょっと早いのか、判断できない。因みに足助の香嵐渓は今が見頃ということだった。
オオクワ301とW氏の自宅付近を通過し、軽くうねる道を小気味よく走行していく。さて、ZX14氏とは中学時代に自転車で連なって走ったことがあるが、バイクで一緒になることは初めてだ。ミラーを確認してみると、車間距離を広めにとって、走行ラインもずらしている。とても慎重な運転をしているので、「彼も大人になったんだなぁ」と感心した。そういう自分も昔のような怖いもの知らずの走りはできないので、頻繁に前方や周囲の状況、マシンの計器を確認して車輪を進める。歳を取るとはこういうことか。
遅い4輪車につかまりつつ走行を続けると、下山のサークルKが見えてきた。三河湖に寄っていこうかとも思ったが、根崎交差点から左折していく車も多かったので、ここは素通りして道の駅作手を目指す。時々現る破線の中央線区間を使って、遅い車を追い越していく。ZX14氏は楽勝で来ている。そりゃそうだろう、欧州仕様のラムエア過給付きで、最高出力210psを誇るカワサキの旗機だもんなぁ。
すっかり稲刈りが終わって閑散とした旧の作手村市街地を行く。ここら辺りは標高も高く、一段と寒く感じる。しかし、今日は冬用のジャケットに加えて上下のヒートテックを装着している。さらに、マシンもナックルガードを取り付けてきたので、なかなか快適である。因みにグローブはアンドロイドインナー＋オールシーズンタイプである。
作手の道の駅は4輪車、2輪車で随分と賑わっている。紅葉もまあまあ色づいており、当初の目標を少しは達成できたか、というところだろう。マシンを端の方へ止めて、ソーセージを焼いている煙にいぶされながらトイレに向かう。さすがに冷えるので、近くなることは仕方なかろう。因みに当方のオヤジは前立腺の手術をして以来、至極快調だそうだ。
道の駅つくでにて
さらに、自分が燻製になるのかという状態で、ソーセージの屋台前を通り、飲み物を購入に行く。寒い時期は空気も乾燥しがちなので、水分補給はこまめに行わなければならない。ZX14氏はコーヒー好きらしく、今日2本目である。当方は紅茶としておき、熱い飲み物で暖をとりつつ、中学時代の部活仲間について、近況を話す。
いろいろ話があったが、N氏が傑作だし、頑張っているようだ。彼はキャバレーの店長をしているようで、そういう才があったとは意外だ。どうやら長いこと店で働いているらしく、支店を任されているらしい。それにしても女達のいざこざとかはどうやって対処しているんだろう、今度極意を教えてもらいたいものだ。
また、部長だったH氏は消息がわからなくっていて、彼の自宅があった場所についても更地になっている。因みに当方は副部長を勝手にやらされていたのだが、その役割を果たしていたのかは不明である。
当時の思い出を次々と手繰り寄せていくと、年末に行われるマラソン大会に辿りついた。水泳部員は「学年で1割以内（概ね30番）でゴールしないと
ぶん殴られる
という規則があり、現に体が小さく、運動が苦手ながらも2ケタ台でゴールしたY氏などがその犠牲になっていた。当方の見解では、彼は練習中でも我々に必死に喰らいついてきたし、2ケタゴールならば彼としてはかなり頑張った結果だろう。それでも一律30位でぶん殴られるとは、何たる理不尽さ。
さらに、日々の生活で部活が休みの日はなかったなぁ、と繋がっていく。朝は6時30分過ぎから8時頃、夕方は16時前から日没過ぎ、土曜は午後から日没、日曜は朝から晩まで、要するに
学校の授業以外は部活
という生活だったことを改めて思い出した。今思うと拘束時間が12時間ってことだから、毎日4時間の残業ってことだよなぁ。そりゃキツイわ。それについてZX氏は「エネルギーがわき出てくる中学生だったからこそできたんだよなぁ・・・」としみじみ。「今なら絶対にできない」ってことだ。
前述のようにここは標高が400m程と少々冷える。雨こそは心配ないものの、雲が多い、気温とは概ね100mで0.6℃下がるということなので、平地よりも2.4℃も低い計算となる。今の気温は10度未満なので、早く山を下ろう。
再びエンジンに火を入れて、国道301号線を新城市街地側へ走行していく。こちらの区間は高度を大きく落としながらヘアピンを中心とした低、中速コーナーを駆け下りるというものであり、なかなか楽しい。
先日のツーリングでの課題であった、左カーブの倒し込み位置、目線の送り方などを思い出しながらメリハリのあるコーナリングを意識していく。ZX14氏はヘアピンではその巨体に苦戦しており、ちょっとぎこちないが、お互いにあまり若くもないのだからそこそこで走ればよいと思う。そもそも、遅い4輪が前走しているので、あまり飛ばすことができないのだから。
ワインディングが終わり、国道151号線を横切り、豊川にかかる新城橋を渡る。ここら辺りは大学時代の友人が住んでおり、割合と道には詳しいので、一旦301号線から離れる。そして市道をショートカットして再び同国道に戻り、宇利峠へ上っていく。この峠は静岡県との県境にあり、東名高速が眼下に見える。他に車がいなければ快走区間だが、残念ながらここも遅い4輪につかまってしまった。まあ、今日はゆっくりツーリングなので、焦ることはないじゃあないか。
こうして、やや雲の多い愛知県を離れて、静岡県に入る。静岡の方が天気が良いと思っていたが、あまり変わらないか。そう思いながら国道を進んでいき、みかんで有名な三ヶ日市内のコンビニで休息をとる。作手以降ちょっと冷えたので、またトイレに行きたくなってしまったのだ。
トイレに行きたくなったといえば、引退したハーレー氏だろう。以前設楽の山奥で冷えたことがあるらしく、トイレに行きたくて死にそうだったそうだ。これについてW氏は「言ってくれりゃあ止まるのになぁ」と。でも、せっかく良い調子で走っている時に止まることがはばかられる、その気持ちもわからないでもないな。
こうしてZX14氏は一服し、当方は飴を舐めて気持ちを整える。ここでも昔の友人の話になり、H氏はどうしているかと話題になった。彼は幼い頃に大病をしたらしく、膝の内側には当時の手術跡が痛々しく見えたものだ。その後、我々が行くような郡部の高校ではなく、都会の学校へ進学した。そして、当方と同じく河合塾で浪人生活を送っていたが、どこかの専門学校へ進む。そして最後に会ったのは、K作氏の結婚式であった。丸々と太ったH氏だったが、その後どうしているのだろうか。因みにK作氏は実家である農家のプレッシャーに耐え切れず、行方不明になったそうだ。この情報はTK氏から得たものだと付け加えておこう。
随分と内輪ネタになってしまって申し訳ない、話をツーリングに戻そう。この後、マシン交換をして、浜名湖オレンジロードへ向かう。少し戻って県道68号線に入る。しかし、ここへ来る時はいつもW機長に先導をお願いしていたので、道がわからなくなってしまった。ただ、方向的には東へ向かう予定だったので、そのまま県道68号線を進むことにした。しかし、峠付近は随分な狭路の低速ワインディング路だ。
これはしまった、お互いに慣れないマシンでのこの道は厳しい。当方は楽なマシンへ交換したからよいが、ZX氏はやや神経質な側面を持つTDMでの走行だ。まあ、お互いに無理はしないという暗黙の了解ができているので、大丈夫だろう。肩の力を抜いて、ワインディングを楽しむ。
それにしてもZX14ってすごく乗りやすいジャン。コーナーはマシンに任せて軽く内側の足を抜重してやれば向きは変わるし、その瞬間にアクセルを煽ればスムースにトラクションがかかる。上手くなったように錯覚してしまうが、よくよく計器を見てみると、トラクションコントロール機能が働いているようだ。道理で、話がうまくいき過ぎていると思ったんだよなぁ。
こちらはマシンに助けられてラクラク、スイスイと路面の悪い峠道を走ることができるが、TDMに乗るZX氏はどうだろうか。チラリとミラーを見てみると、いかにも「無理してませんよ」という余裕を持って、追従してきている。
お互いに問題なく峠を通過し、方広寺（万光寺ではない）前を通って引佐の市街地へやって来た。途中で件のオレンジロードの入口を発見したのだが、気づいた時には遅かったので、そのまま県道320号線に乗り換えて気賀の市街地へと向かう。信号で止まった時に地図を見たら、市街地からでもオレンジロードへ入る所があるとわかったが、ここは予定通りに浜名湖沿いを走行することにした。
久々の4気筒マシンでのクルージングだが、爆発間隔が短いので振動が細かく、連続感があるので楽に感じる。ただ、乗車姿勢的にはちょっと前傾が強いので、この辺りはTDMに分があるだろう。ここで時刻を確認してみると既に12時30分を回っているので、お目当てのうなぎ店を決めたい。猪鼻湖の西側に「勝美」という店に以前行ったことがあり、味も良かったのでそこにしたいが、ちょっと距離があるので、今日は三ヶ日I.C.横にある「有栖」に行こう。
ここも何時かは忘れたが入ったことがあるものの、肝心の味については忘れてしまっている。マズイってことはなかったと思うけど。そう思っていると店に到着し、駐車スペースにマシンを止める。車は止まっているし、のれんも出ているので営業中であることは間違いないようだ。ただ、「注文を聞いてからうなぎをさばくので、時間がかかる」と立て看板が出ている。別に焦るツーリングでもないので、店内に入ってその件を聞いてみる。すると、「今は空いているので、それほど時間はかからない」ということだった。
うなぎ 有栖前にて
奥の席に座り、マシン交換の感想を話し合う。ZX氏の感想では、TDMはエンジンが「ドコドコ」だそうだ。また、着座位置が低くハンドルが高いので姿勢的に楽なことはもちろん、視野が広いので疲れにくい、余裕を持って走ることができると絶賛であった。また、車重が軽いので楽だとも。これを聞いて、当方もちょっとウンチクを披露する。
そもそも、重量が軽いということはマシンの基本性能である、走る、曲がる、止まる全てに効果がある。エンジンパーワーが同じなら、軽いほうがパワーウエイト・レシオの数値は下がる、同じ車体、タイヤならば、コーナーを曲がる時の遠心力は小さくなる＝コーナーリング速度を早くできる、当然同じブレーキ性能ならば制動距離は短い。このように、軽量化することは安定性以外には概ねプラスに働く要因が多くなる。また、バイクは人間が操縦するので、余分な体力が不要になることは言うまでもなかろう。
そうこうしていると、うな丼が運ばれてきた。もちろん肝吸い付であるが、その肝がやけにでかい。こんなでかい肝は初めてだ。早速うなぎを食べてみると、蒸さずに直焼きしているからだろうか、表面がパリパリでうまい。また、身はふんわりで味がいかにも「うなぎ」である。これはタレがあまり主張してこない、うなぎ本来の味を前面に出している店の方針なのだろう。ちょっとうなぎの量が少ない気がしたが、まあ仕方のないところなのかもしれないね。
有栖のうなぎ丼（肝吸い付）
うなぎを堪能した後は国道362号線で三ケ日の市街地まで戻り、そこから国道301号線に乗り換えて浜名湖沿いを走行する。秋晴れの浜名湖を爽快に走る、と言いたいところだが、今日は雨は降らないが曇りがちの天気である。ただ、気温はそれ程低くないことが救いだ。
浜名湖を左に見ながら関所で有名な新居まで来たので、国道1号線に乗り換えて針路を270°にとり、道の駅汐見坂を目指す。さて、その道の駅は同国道の浜名バイパスにあるので、旧の１号線からバイパスに乗り換えていく。それにしても、ここができたのはいつのことだっただろうか。確か鳴門から地元に帰ってきた時ぐらい、つまり1999年あたりのことだったかもしれない。つい最近であるが、既に15年も経っているのか。
そう思いながら道の駅に滑り込む。ここはいつも混雑しがちで、停車するのは初めてのことだ。マシンを止めたらまずはトイレに向かい、その後はコーヒーを飲んで一休みする。おや、20台近くの
V-STRORMの一団がやってきた。イベントでもあったのだろうかと思い帰宅後に調べてみると、スズキ主催のオーナーズミーティングがあったらしい。また、ちょっと古いバイクの集団もやってくる。こちらもどこぞでミーティングがあったそうだ。
それはそうと、ZX氏は今のマシンの重さに辟易しており、時期マシンを検討中らしい。それ故にたくさんバイクが集まる場所では必ず見て回るようにしているそうだ。確かに実物を見れば、イメージもわかりやすいし、オーナーの話も聞くことができるからなぁ。最近はスクーターの波が続いているようだし、あとホンダのNCが多く見受けられる。初心者やセカンドバイクとしては良いが、メイン機材としては役不足だろう。
その中で、スズキのRE-5を発見した。これは海外専用モデルであり、かつあまり台数が出なかったので、今となってはほとんど見かけることがないバイクだ。当方も現車を見るのは2回目か3回目のことだ。しばらくオーナーの会話を立ち聞きした後、エンジン音を聞かせてもらったが、6気筒エンジンのような連続した排気音が特徴的であった。
スズキ RE-5
（茶筒形のメーターが特徴的）
また、ここには足湯もあったので、少し温まっていくことにする。今日のような薄ら寒い日に温泉、さらに目の前には遠州灘が広がる。こんな所があったとは知らなかった。
足湯に浸かる管理人
その後は都市部の混雑を予想して、国道１号線から国道23号線の名豊道路を通る。そして、バイパス未開通のため、豊川市街で一度旧道を走行していく。この区間が案外混み合って走りにくく、時間がかかってしまった。さらに、同国道の知立バイパスが、現在は蒲郡の国道473号線まで開通しているのだが、それを知らずに幸田まで市街地を走行してしまった。
これは痛いミスだ。最新の道路状況を調べていないとは、航法士としてはまだまだであろう。
こうして、ようやく国道23号線知立バイパスに乗り、一部渋滞区間があったものの概ね順調に上重原I.C.に到着した。ここで最後の休息をとり、解散。また次回もよろしく。
本日の走行 250��