2010年4月4日
満開には程遠い、千本桜にて
R1-Z氏(左)とW氏(右)
昨年の12月を最後に我々WRT連合会は活動休止していたが(あくまでも連合会単位であり、個々人は活動していた)、3月から再開を模索していた。しかし、各々の業務的都合から、なかなか3名が集うことができずにいたのだが、ここにきて状況は好転し、この日に集まることができた。
この時期でツーリングといえば、やはり花見ツーリングであろう。昨年は寺尾千本桜を見に行き、ポンスというヒットネタが出た。さて今年はどうだろうか。有名どころは軒並み大混雑に違いないので、やはり穴場的存在の千本桜が有力候補となり、プランを提示したところ、W査察操縦士並びにR1-Z機長から承認された。
ところで、3月の連休には「シマハ」へ出かけたわけだが、その際TDMのフロントタイヤ磨耗が限界に近くになっていた。今までの定説では、BSはロングライフでややグリップに劣る、ダンロップはややグリップ重視で磨耗も少し早いというところであったが、どうもそれが崩れつつある。というのも、昨年の北海道ツーリング前に交換したBT021は、新品当時から溝が浅いと思っていたのだが、果たして7000kmを走行したら中間バンク付近はスリップサインが出ており、真ん中はまだ残っているという状態になってしまったからだ。ダンロップはやや真ん中付近の磨耗が進んで10,000km弱は使えたはずだがなぁ。
それにひきかえ、北海道から帰った後に交換した同銘柄のリアタイヤであるが、たんまりと溝が残っている。どうも商業的な意図を感じざるを得ないと言うことで、いつもタイヤ交換をお願いしている「ビーグル」にダンロップのロードスマートを注文しておいた。
今回はツーリングが日曜ということで、土曜にタイヤ交換をしてもらった。ところで、この店はわりあい良心的な値段で交換してくれるし、変なキズをつけられることもない。結局17,500円でフロントタイヤ交換が完了。セッケン玉よりも安くて安心、しかも早いときたもんだ。
こうして準備万端で、当日の集合場所RC45 広場へ向かう。ここは飲食店が集まる複合施設なので大きな駐車場があり、かつ国道沿いということで、接続も良い。そういうわけで、我々のように集合場所に利用するグループか、既に集まっていた。
まだW氏が見えていなかったので、他集団からは少し距離を置いて、識別されやすくしておく。TDMを停車してヘルメットをとると、なんか視線を感じた。どうも他のグループから見られているようだ。ま、当方には関係無いので、マップルを出してフライトプランの確認をしておく。すると、こちらを見ていた集団の一つが出発のようだ。その一台に新型のGSX-R1000に乗るライダーがいる。つま先立ちでいかにも免許取りたて、という感じであった。お気をつけて。
そうこうしているとW氏が登場。なんだかマシンがくすんでいるなぁと思ったら、「たぶん花粉が堆積しているのでは」ということであった。え〜?、花粉でこんなになるのぉ〜?なるらしいです。また、タンク左側の腐食部分に塗った「アカチン」を綺麗に塗りなおしたとこのこと、もう少し整えてクリアを吹く予定とのこと。
そして、約3ヶ月振りの再会なので、お決まりの「ハイ行くぞ」ネタでひとまず盛り上がる。これは今や伝説化しつつあり、挨拶後の天気の話のようだ。
あまりアホなことばかり言ってはいられない。30分後にはM山で、R1-Z氏と合流しなくてはならないからだが、今回の場合は集合場所をタイ寺にすべきであった。というのも、M山では氏に二度手間をかけることになるからだ。次回から行き先に応じて検討する必要があろう。
さて、集合場所に到着してR1-Z氏を待っていると、向こうの方から2ストロークエンジンの煙と、高効率電球の光が見えてきた。そして3ヶ月振りに3名が再開したわけだが、やはり「ハイ行くぞ」ネタはここでも健在だ。皆、余程の衝撃を受けたようだ。何べんも申し訳ないが、「ハイ行くぞ」と言っておいて、自分は道がわからないので、後ろからついていく。非常に違和感を覚えるのは管理人だけではないようだ。だいたい人にプランを作成させておいて、「時間通りでない」とか言うか??そして最高傑作は「雷滝」だ。「おい、雷滝いくぞ。・・・どうやって行くだ」には驚いた。そんなもんこっそり調べておけよ。って地図を持ってこない人にそれは期待し過ぎ?なのだろうか。自分が行きたいから、お前ルートを調べろってやはりおかしい。だいたいそんな奴がツーリングなんて、おこがましいじゃあないか。もっとも、全て道を暗記しているのならば、話は別だが。傑作ついでにもう一つ。雷滝に「管理人のプラン&先導」で到着した後に「これを見せたかったんだて」とは・・・。こんな話をして盛り上がっていると、「滝に罪は無いよ」とR1-Z氏。全くその通りである。ここでも全員大爆笑。
一通りの儀式が済んだので、街のスペシャリストであるR1-Z機長の先導で出発する。相変わらず街中での車線選択、適切な加速力を発揮するエンジン回転、つまりはギア選択の妙。教官機長の実力通りである。
それはそうと、R1-Z教官と当方は燃料を搭載するのだが、教官はエンジンオイルも補給するとのこと。というのも、氏は昨日土曜も走行に出ており、YGからどんぐり、田口、鳴沢滝の定番コースを回ってきたそうだ。どうやら先日の「シマハ」の技量維持合宿と昨日のワインディング快走で、すっかりと走りこんできた為、オイルもかなり消費した模様だ。
ところで、2ストオイルと言えばヤマハのオートルーブであるが、今日はエネオス店で燃料補給ついでに購入する手はずだ。ところで、これはどうでもよい話であるが、エネオスという名前になる前は、日石三菱、そのまえは日石であった。灯油の宣伝でいえば、最初は「♪日石灯油ででほっかほっか」、次は「♪日石三菱ホッカホカ」、そして「♪エネオス灯油でホッカホカ」と毎年変わっていたことを思い出す。
そして東片端にある、テレピアに隣接するブロックのエネオスに入店する。テレピアといえば、「♪テレピァ〜〜〜〜、ギュギュギュギュギュギュゥ〜(バイオリンの音)」という宣伝があったなぁ。そう思いながらTDMに22ポンド、持久時間で表すと4時間程度のガソリンを搭載する。R1-Z氏は慌しくガソリンを搭載した後、シートをとりはずしてオイルを補給している。氏は根っからの2スト乗りで、こういう手間があっても苦痛にならないほど、2ストに魅せられているのだろう。ジュディ・オングに言わせれ(歌わせれ)ば「♪Wind is blown from the Asia 女は海ぃ〜」というほど魅せられているかもしれない。 それにしても当方ボケている。給油後につり銭レシートを取り忘れていた。ボーッとして転倒などないようにしなければ。
ここからは当方が先導機長で、後方からW査察操縦士の定期査察を受けて走行する。これは毎度ながらの隊列であり、安心できる。県営名古屋空港をかすめて、北進。なんか流れが休日モードで乗りにくいが、国道41号線を北上していく。しかし、大口町の部品庫を通過するころになると、流れも良くなってくる。でもここで調子に乗って飛ばしてしまうと、白バイの世話になる可能性が高い。だいたいこういう春の、陽気が良くなってくるころはさらに危ないので気をつけよう。
犬山付近の高架状の、道幅の広い区間を注意深く走行する。ここは片側2車線の広い道で、Rの大きな高速コーナーが続いている。取り締まる方としては恰好の場所といえるだろう。事故はそんなに起きない場所だが、取り締まりに格好な場所。これは何を意味するか?読者の諸氏は何も言わずともお解かりの事と思うので、詳細は省略しよう。
さて、国道41号で昭和村手前までやってきたら、一旦左折して国道248号線に乗り替え、すぐさま右折して県道63号線平成方面へ車輪を進めていこう。このあたりまで来ると、田園地帯を道が通り抜けているので、完全に街を抜けた印象を受ける。やれやれ、こちら方面はここまでが結構疲れるんだよなぁ。
こうして正願寺短大前を通過して、近年できたばかりのファミリーマートにて休息をとる。ここでW査察操縦士は朝飯を食うのだが、なぜ今頃に。実は腹が弱いそうで、時々壊すこともあるそうだ。それが原因で、以前遅刻になったことを気にしておられるのだろう。お気遣いありがとうございます。
コンビニにて参加者3名
各々コーヒーなどを飲みつつ、「ハイ行くぞ」の話等で盛り上がる。出てくる出てくる。今までの定番ネタに加えてこんなこともあった、いや、あそこではこんなことも言っていたと新事実が続々と発覚した。保志の北勝海は八角部屋だ。そして「当然「何でこんな所で曲がるだ」なども健在である。ここで当方も一つ、W氏に新たな逸話を披露した。それは志賀高原の帰り、TDMのロービーム電球が切れてしまい、他の人が給油している間にホームセンターで電球を交換していた時のこと。
フ:なんだぁ、自分で交換できるのかぁ?
管:自分の機体ならできますよ。
そして電球交換が終了し、各部の接続やカバーのチェックをした後に、イグニションスイッチをオンにする。TDMはエンジンがかかると、ライトが点灯するようにECUがプログラムされているので、イグニションスイッチオンだけではライトは点かない。しかし、すかさず、
フ:なんだ!点かせんがや。
余計なお世話だよ。あんた!おめぇの車両じゃあないだろうに。だいたい貴様のマシンもヤマハ車で、同様の設定になっていると思ったけどなぁ。そんなことも知らんのか。でもフェザーに罪はないことは言うまでもなかろう。
この話をするとW氏の推論が展開される。曰く「基本的に彼は常にに怒っているんだろう」と。さらにR1-Z氏は「彼はエネルギー会社の社員とか言ってたなぁ」ときたので、当方も「会社で無駄にエネルギーを充填されて、発散のしようがないのじゃあなかろうか」と突っ込んでおいた
一通りのネタを思い出して、語らった後に走行を再開する。ここからはちょっと複雑なルートを飛ぶことにするので、地図をしっかり記憶しておこう。まずは県道63号線から同286号線、さらに80号線と次々に繋いで、関にあるうだつの町並みの裏側を抜けてから、県道81号線へ合流。そして長良川を渡ると快走路の始まりだ。もちろんマップルにも快走路マークが入っている。最初はちょっと山がちであるが、途中から支流の板取川の土手上の、一段高い所を通る道になる。当然視界は開け、川の屈曲も見える。そしてこの時期、特筆すべきはこの川沿いに植えられた、おりしも満開の桜並木である。これは何キロにも渡って続いており、見ごたえ十分だ。春の暖かな空気を吸い込んで、ゆったりした気分で走行をしていると、「ああ春がやってきた」と感ずる。
これは寺尾桜も期待できるぞと思いつつ、左折して寺尾千本桜へ続く県道59号に乗り替える。ちょっとした住宅地や森林を抜けると現地着であるが、これはやられた。肝心の桜はまだ3部咲き、相武紗季、伊東美咲ではないか。
談笑するW氏(奥)とR1-Z氏
どうやら寺尾地区は少々標高の高い場所にあるようなので、ふもとの桜とは1週間程度の差があるらしい。これは考慮していなかった。まあ季節モノなので仕方ないと、団子を食いながら、仕事の顧客の悪口やら、要望なんかを話し合う。だいたいそこは業界最大手なんだから、自覚してそのあり方や、業界全体が盛り上がることも考える時期にきているのではなかろうか。だいたい、平気で30%コスト削減とか言って、いかにも自分の経営手腕が優れているように見せているが、ゆくゆくは絶対に自分のクビを締める結果になると思われる。先に述べたように、工業界全体にも影響を与える立場なので、安易なことはして欲しくない。このような首の絞め合いばかりしていたら、日本全体の崩壊にも繋がりかねない。
また、話は変わって、この近くにはラステン洞戸という道の駅がある。ここはあまり施設の整っていない道の駅であるとW氏に報告したところ、五木の道の駅に比べてどうか、尋ねられたので、「あばら家」とか言ってしまったが「東屋」の間違いであった。まあ、あの道の駅の場合、どちらも大して差は無かろうと思うが。
団子を食べつつ、次の行き先を検討する。当連合会では、その時の状況に応じて柔軟にルートを組み立てることにしている。最初に決めた通りでは絶対に無理が出るし、義務感が発生してはつまらない
結局、W氏がまだ訪れたことのない徳山ダムへ、やや特殊な県道270号線を用いるルートが提出され、全員が承認。ところで、W氏は主に奥三河、西濃、長野南部方面の路線免許を所有していて、東濃方面はあまりわからないとのこと。確かに、自宅の西三河地区からでは、街乗りが多くなってしまうので、こちらへ来る機会は少ないから、いたし方無い。その辺りは、当方等でカバーして行こう。
ここからは眠気防止にR1-Z機長に先導をお願いして、坂の峠越えで県道59号を南下。そして右折してheading310で国道418号を走行する。当方は後方からコパイ兼、航法士として氏をサポートすることにする。もっとも、氏もR1-Zには2500時間程度乗務しており、またこの地区も何回か走行しているから心配は無用だ。
ところで、当方のTDMであるが、前述のようにタイヤ交換したおかげで、クルクルと前輪が行きたい方向へ向いてくれるようになったし、乗り心地も向上した。当然肩の力も抜けて、ハンドルがカクッと切れてくれるので、気分が良い。それはそうと、今回選択したダンロップのROAD SMARTであるが、BSよりもややしなやかな印象を受ける。また、何回も申し上げてくどいようだが、BSはなんだか前輪の溝が浅い気がして、いかにも「後ろ2回で前1回」交換してくれと言わんばかりだ。昔のTDM850についていたBT54とかは10,000km以上持ったし、BT020も同等であったので、大概前後同じタイミングで交換したいたのだがなぁ。BSは市販車用タイヤに対する方針を変えたのであろうか。
さて、国道420号線は結構な快走路であり、速度が乗る。そこでの当方ののライディングにおいて、右コーナーにやや違和感を感じた。どうもバンクに対してハンドルの切れるタイミングが一瞬遅い。いろいろ考えてみると、これはハンドルバーをきちんと小指から巻き込むようにしていなかったことが原因で、余計な力がハンドルバーにかかってしまい、セルフステアを妨げていたようだ。
こうして5分咲きの桜並木がある、国道418号を進んでいくのだが、このあたりはまだまだ薄ら寒い状況だ。岐阜ではまだまだ峠を越えると、随分気温が違うらしい。そう思いながら樽見へやってきたが、まだ根尾の薄墨桜は咲いていないと判断。寄らないことにして、手前の橋を渡ったところで休息することにした。
ここでも「ハイ行くぞ」の話題が出てきて、笑わせてくれた。そして、W氏より驚愕の事実が!!!
昨年の秋に志賀高原へ言った時のこと。途中の国道152号線、杖突峠で「作戦&ションベンタイム」を取ったのだが、あれはなかなか良かったと思う。確かに、予定にはない休息だったが、すばらしい眺めと楽しい会話、ルート確認などができたからだ。しかし、「ハイ行くぞ」の人は「なんでこんな所で止まるだ」と文句を言っていたらしい。人にフライトプランを作成させといて、文句言うとは恐れ入り屋の鬼子母神。オーソレミーヨのイタリア人。地図も持ってこない者に文句を言われたくない。また、道がわからんとか言っているが、知る気もないのではなかろうか。それではツーリングの技術は上達しないわけだ。また、W氏曰く、「俺は別に気にしないから、ワインディングばっかりのツーリングに誘って、我々のペースに遅れてきても「ハイ行くぞ」とガンガン走ったろうか」と良い考えを披露された。確かにそれも面白そうだ。
さて、橋の上から川を見ていると「あおさぎ」を発見した。あおさぎはだいたいが、田んぼとかこういう川にいるものだが、山沿いにあるW氏の家の方にもやってくるそうだ。そして氏の池の金魚がぜんぶ食べらるという悪事をはたらいたらしい。そういえば、おばさんの家の鯉もひれをちぎられたとか言っていたなぁ。また、動物園でも、ペンギンの給餌の時間などに飛来しておこぼれを食べたり、最近は賢い奴もいて、釣り人のいるところへやってきて、じっと釣果を待っていることさえあるそうだ。
そしていよいよ、国道157号線から県道270号線の馬坂峠を目指す。なぜこのような大げさな表現をするかと言うと、この道は5年くらい前に、やはり花見に来た時のこと。このルートで根尾方面に抜けようとしたことがあるが、土砂崩れで妨げられたことがあるからだ。また、マップルにも開通が疑問視される記載があった。全員がプランを承認しており、期待は高まる。因みに5年前の時はまだダムが工事中で、ダム湖に沈むと思われた地点で写真を撮影している。
在りし日の徳山村メインストリート
2005年4月撮影
さて、157号線のうすずみ温泉手前を左折して、270号線へ進入していく。すると、薄墨桜を越えたあたりから見え始めた、岐阜と滋賀の堺にそびえる雪を頂に被った山々が大きく見えるようになってきた。いやな予感がしたきた。するとやはり、「通行止め 積雪凍結雪崩等のため」と看板が目に飛び込んできた。
無念である
さあどうするか、とR1-Z機長を中心に話し合っていると、峠方面からA7型と思われるニンジャがやってきた。ここは一つニンジャ氏に状況を聞いてみようと手を上げて、氏に止まってもらい、話を聞くと、どうやら皆が引き返しているらしい。積雪じゃあしょうがない、あえて危険を冒すこともなかろうという判断で、残念ながらもと来た道を引き返すことになった。
このまま418号線を引き返すこともできるが、同じ道を同じ日にはなるべく通りたくないので、ひとまずheading180で、国道157号線と根尾川を挟んで平行する県道255線ルートを選択する。どうせなら県道をと考えるのは、我々だけではあるまい。しかし、当方のナビゲーションミスにより、コースを逸脱。結局国道157号線を走行する羽目になってしまった。申し訳ない。
そして道の駅織部の里もとすにて休息して、昼食でもということになった。
それはそうと、 国道157線は丹頂鶴な道で、走行時にR1-Z機長の挙動が少しおかしかった。「これは眠気がきたか」と推測したが、はたしてその通りであった、と機長の口から報告があった。業務でお疲れのようだ。
さて、飯であるが、このあたりはそばが旨いらしい。駅内にあるレストランへ向かい、メニューを確かめてみる。が、しかし、てんぷらそばや、そばを中心とした定食などが売り切れになっているではないか。おいおい、昼飯時にそれはないだろう。道の駅はやる気があるのか、無いのかよく解らないものがポツポツと現れてきた。どうやら乱立した影響が出始めてきたようで、これからは淘汰されるものも出てくるかもしれんなぁと感じた。
結局はここでの飯をあきらめ、徳山ダム方面へ行けるだけ行ってみようということに。そう話し合っていると、駐車場の隅にホンダのクラブマンこと「GB」が停めてあった。GBといえば、くどいようだが「R1-Z氏、課長のGB2年も飲んでました事件」だ。また、W氏は「違いのわかる男、ミヤモトアーモン」とか言って笑わせてくれた。
ここからは、当方がコントロールを引き継いで、heading290で県道40号を走行していく。時間は2時前と少々遅くなってしまい、皆、腹が減っているはずだ。早めに店を見つけられるとよいが・・・。関係ないが、昔W氏が装着していたフェイトンプレイスのマフラーだが、ジーン・ウエブスタの「あしながおじさん」にレオノラ・フェントンなる上級生が復学する話があった。因みにジーン・ウエブスタは「トムソーヤの冒険」で有名なマーク・トゥエインの姪だそうだ。
数キロ行ったところに「きさら」という、こじんまりした、そばうどんの店と看板のある店を発見したので、早速入店してみる。さて、吉と出るか、凶と出るか。
席について、メニュを見てみると、そば、うどんはもちろん、黒豚のとんかつ定食もある。たれがソースとポンズがあった。当方は当然ポン酢たれを選択する。ところで、ポンズといえばアルフォント・ポンスである。また、最近は息子のアクセル・ポンスがレースに出ているようだ。
腹が減ってしまったので、W氏と当方がとんかつ定食そば付、R1-Z氏はそば無しを注文したが、よくよく店内を見てみると、野菜てんぷらもりそばもあったようだ。こっちにするべきであったかと後悔したが、後の祭りである。
そして参加者は皆、少々疲れ気味で口数が少ないので、店内を観察してみることにする。どうもこの店は、近所の主婦が集まって共同でやっているようだ。厨房では3,4人の主婦と思しき人たちが掃除をしていた。そして、張り紙が多く張ってあり、蕎麦湯もあることを発見した。メニューに書いておいてくれよ、と心でつぶやきつつ、再び野菜てんぷらもりを注文すればよかった、と後悔した。
ところで、そばというと、やはり開田高原の稗田茶屋だ。あそこのインパクトにはかなわない。W氏曰く「営業許可証あるのか」と疑っておられたが、確かに怪しい。だいたい、厨房で「ヒーヒー」と声を出しながらそばを打っているし、昼時間を過ぎても準備中の看板のままだったこともあった。「今日は仕事したくないが、仕方ないから営業するか」という雰囲気で、気楽な商売をしているところや、なんかあのボロイ建物が興味をそそり、毎年一回は訪れている。あそこに敵うインパクトを持つ蕎麦屋は今のところ無い。
おっと。定食が運ばれてきたぞ。なかなか良い内容だ。カツは300g級だし、ミニそばも器にいっぱい入っており、単品の蕎麦に負けない位の量がある。小皿にのった白菜漬物もイカシテル。各々疲れを癒すが如く、ここでエネルギー補給をすることができた。この店は当たりだ。
当方の昼食
少々食べすぎの感があったので、店外で、時折通り過ぎるバイクを見ながら歓談する。ツーリングは走行はもちろんだが、この食事後の長い休息時に話すことがまた楽しい。ところで、今回のテーマは「W氏の青春時代」である。氏は17歳の若さで’87NSR、88NSRSPなど軒並み最新のレプリカに乗られていたそうだ。なんともうらやましい話だ。が、当人は今思うと怖いもの知らずだったと話していた。当時、発売されたばかりの2輪ラジアルタイヤを、1000kmに満たない走行距離で交換する必要がある程、激しい走りをしていたとは驚いた。また、友人の姉さんの「パセッタ」で急勾配のあぜを登ったり、ジャンプしたりしていたら、着地の衝撃で、フレームがV字になったそうだ。ここで当方が、なぜそのことに気がついたのかと理由を尋ねたところ、「ハンドルがやけに近くになってしまった」からだそうだ。さらに、今は電動自転車に使われている「ラクーン」の名称であるが、昔は原付名であったらしく、氏の友人が、なぜかそのメインフレームをちょん切ってしまったことがあるらしい。当然それではバイクの体を成さないので、そりゃ「ヘグーン」だと言って、皆で笑ったこともあったそうな。そしてさらに、当時全盛であったアイドルの話や、バレーボール選手の多治見麻子選手の話が出てきた。当方はこの人の名前を知らなかったので、後日調べてみた。すると、バルセロナや最近では北京オリンピックにも出場しているようだ。当方は「てめぇ〜らこのやろう」の中田選手や、血液ドロドロの大林選手、そして益子直美選手くらいしか知らない。
店の前にて
ゆっくりしていたら、15時を回ってしまった。ここで折り返して帰路に就くことにする。まずは今来た加藤の県道40号線を東進ハイスクール、そして国道157号線を少し走り、県道78、167、79号線と繋いでいく。そして県道17号線で、東海環状道沿いに南下する。途中各務原で渋滞に巻き込まれるが、なんとか裏道を駆使して前述の「ビーグル」の近所にある東海大橋を通過した。ここまで来ればかなり楽である。結局ビーグル前を通過して、コンビ二で一旦休息を入れる。
ここまで、可能な限り街を避けてきたつもりだが、やはり街乗りメインであることには変わりなく、非常に疲れた。
コンビニでは、今後の活動内容について話し合う。まずは黄金週間、そして梅雨前にそれぞれ一回以上はツーリングを行いたい、ということで皆合意。もちろん実行できない場合もあるので、あくまでも希望だ。そして、稗田茶屋にも訪れてみたいし、W氏も交えて会社の貸し別荘にも行ってみたい。
こうして最後の休息を終えて、引き続き、当方のコントロールで江南、小牧、名古屋へと車輪を進める。そして、街中に入った時点で、スペシャリストにコントロールを譲り、R1-Z氏自宅付近まで導いてもらう予定であった。
さて無事今回のツーリングも終わりかと思いきや、R1-Z氏が信号でエンジンストップだ。おかしいと思って駆け寄ってみると、まさかのガス欠。これも過ぎれば想い出だよと、TDMにニケツして最寄の開いているスタンドを探す。スタンドそのものは結構あるが、なかなか営業している店が無い。不思議なことに、こういう時に限ってなかなか探し当てられないものだ。
2、3軒周って、ようやく営業している店を発見するも、当方が偶然持っていた、コーヒーの空き缶には給油してはいけないとのこと。なんとかごまかそうとしたが、カメラで監視されているので、従う外はあるまい。さて困ったぞ、と思っていたら、W氏より妙案が提示された。まずはW号のホースを外して、氏が持ち歩いている、携帯電話の雨よけ用ジップロック袋にコックからガソリンを移し、さらに空き缶へ。これを持ってガス欠現場へ戻るというものだ。なるほど、カバー類の少ない、構造の簡素なW号ならではの方法だ。静電気などの火花に注意して、ガソリンを移し換えれば問題なしだ。
なんとかならんかなぁ〜と思案中
こうして、ガソリン約300ccを抜き取り、現場でR1-Z号に充填完了した。さすが査察操縦士。乗務時間1万時間以上を誇っており、2輪に関する柔軟な知識も半端ではない。改めて氏の経験豊富なところを尊敬する管理人であった。
今回は街乗りが多く大変疲れたが、次回は山へ出かけてワインディングを走り倒したい。実はこの方が疲労度は少ないから不思議だ。
本日の走行 250km