WRT連合会+D 初冬の温泉ツーリング

 

2010年12月5日

 

集合場所にて左からOLD氏、R1-Z氏、W氏

  

0.OLD氏参加

 

早いもので今年も最終月の12月だ。諸事情により、11月は連合会ツーリングはなかったが、本年のWRT連合会の活動は充実し、大変楽しいシーズンとなった。そこで、走り納めとして、近郊の温泉にて話し合うことを目的としたツーリングを開催する運びとなった。

 

ところで、今回はオフロードツーリングでお馴染みの、DT125Rを駆るOLD氏にWRT連合会ツーリングに参加いただいた。氏は今年が社会人1年目ということで、大変忙しい日々を送っているが、その合間を縫って時間を空けてくれた。この場を借りて感謝。

 

1.集合〜出発

 

12月ともなると気温は下がり、平野部でも最高で15℃程度、山間部では10℃に届かないかもしれない。そこで今回はゆっくり目に10時に香嵐渓のコンビニで集合となった。香嵐渓というと紅葉の名所であるが、今やすっかりシーズンオフであり、ひっそりと静かになっている。

 

さて、管理人自宅にR1-Z、OLDの両氏に集合いただき、早速上記コンビニへ出発する。当方等が到着した時には、既にW氏は朝飯を食べていた。まずは今日、WRTツーリングに初参加のOLD氏をW氏に紹介する。もっとも、このサイトを通して彼の存在は知っていると思われるが・・・。

 

また、その後は久々の再会なので、近況を報告しあう。W氏は最近、仕事の時間がやや不規則になっていて、なかなか大変だとのことだ。それはそうと、氏の報告によると、W号のエンジンから規則的な異音が発生しているそうだ。なるほど、ガシャ、ガシャという音を明確に聞き取ることができる。これはエンジン回転と同調しているので、カムシャフトジャーナルや、一番シリンダーのカムのカジリ、いや、カムチェーンの伸びかもしれない。

 

その原因であるが、氏の予想では「単なる回し過ぎだろう」とのことだ。先月も草津に行かれた時に、全開バリバリで長時間走ったそうだ。それに我々と走行する際も、エンジンの能力を目一杯まで使用していると推測できる。それでなくてはあの速さは説明できまい。

 

こうして皆で笑いながら、今日のルートについてのブリーフィングを行う。提出したフライトプランによれば、目視飛行で茶臼山VORをかすめ、県道10号から笹暮もみじ街道を通り、納庫NDBでheading 180の国道420号線、さらに大田口TACANでheading090という経路を設定した。また、飛行編隊は、当方が先導機長、R1-Z氏、OLD氏、最後尾はW氏の査察フォーメーションと決定した。ところで、このフォーメーションの呼び名であるが、当方が勝手に命名したものに過ぎない。しかし、いつも当方のリポートを特に熱心に読んでくださるW氏は、しっかりと覚えていてくれた。まったくもって感謝である。

 

2.まずは走りを楽しもう

 

こうして国道153号線を稲武方面へ向けて走行し始める。気温的には5℃程度を予想していたが、今日は10℃前後と比較的暖かい。また天気が良く、陽射しもやわらかで体感的にはもっと気温が高いかもと思われた。

 

そして、どんぐりの湯を越えて、稲武町の交差点を右折。国道257号線を南下していく。さらに道の駅なぐら前を左折して、県道507号線こと「茶臼山高原道路」を上っていく。ここは中速コーナーがメインのワインディング路であり、つい最近まで超割高な有料道路だったことから、道幅が広くて舗装も悪くない。よって安心して走行することができる。

 

さて、コーナーリングを楽しみつつ、出口でちょっとミラーで後続の機を確認してみよう。R1-Z氏は「狼煙走法」で楽勝な雰囲気で走っているのは当然として、DTのOLD氏もバンク角を確保して勢い良くコーナーを抜けてきている。それもそのはず、彼の飛行経歴は、現在のところ100時間以上であり、その内林道が20時間くらい占めている。当然普通2輪免許に加えて、当ツーリング研究所の認定した、ヤマハ式3FW型機の限定技能証明を保持しているのだ。さらに、4輪でもサーキット走行も楽しんでいるということなので、ますます腕を上げている。

 

こうして高原道路を折元I.C.から降り、県道10号の低速ワインディング区間を下っていく。ここは比較的急な加減速何回も繰り返し、右へ左へと大きくかつ素早く体重を移動させる必要があるので、少々体力が必要だ。ところが、今日は道路端に松や杉の葉が大量に落ちていたり、湧き水が流れ出して川になっている所も見受けられたので、緊張して疲れてしまった。気温が高めなので凍結の心配はないが、見るからに滑りやすそうなところは慎重に車輪を進めていく。

 

この後、檀れいの笹暮もみじ街道に乗り換えて、今まで押さえ気味だった速度を上げていく。この辺りには大野山や碁盤石山といった気軽に登ることができる山々があり、ハイキングコースとして結構利用されているようだ。しかし、今や紅葉シーズンも終わっており、歩行者や他の走行車はほとんどおらず、ちょっとスリリングなコーナリングを楽しむ。ただ、この区間はカーブのカントが浅く、ともすると逆バンクか?と思わされる場合もあるので、無理は禁物である。

 

こうして、いつものように国道257号線との交差点で休息するが、今回初参加のOLD氏は遅れることなく、共にこの農道を走破した。前述のように、氏はスポーツ走行の基盤ができており、また若く、センスも良いので上達は早いだろう。当方と一緒に行くオフロードツーリングでも、当方がコケても氏は難なく通過する場合があるくらいだからね。そのOLD氏のここまでの感想であるが、「125ccでは上りの時にパワー不足を感じているが、コーナーは何とかがんばっている」とのこと。そこまでできれば上出来だね。

 

休息中のOLD氏とR1-Z氏

 

3.東栄温泉へ

 

休息後は農道を離れて、国道257号線を南下し始める。この国道も大田口の市街地までは割合とウネウネ道が続いているので、走り甲斐がある。特に集落手前の3連続ヘアピンの所は、その典型と言えよう。

 

さて、こうして大田口の集落からは、国道473号線へ乗り換えて、heading090で走行を続けていく。ここからは市街地を離れると、片側1.5車線幅の区間が長く続いていく。路面状況的には、先ほどの県道10号線同様で、落ち葉が大量に路面を覆っている部分が多々ある。それも左側が山の斜面になったブラインドコーナーの先に突然現われるので、恐怖心が募る。

 

しかし、こういう時こそライディングを考えるよい機会だと考え、深呼吸してから肩に余計な力が入ってないかを確認する。また、最近は左コーナーの体重の載せが少々甘いと感じており、ハンドルに寄りかかってしまっている嫌いがある。これを防ぐ為には左ひざでタンクをしっかりと押さえ、腹筋と背筋で体を支えて腕の余計な力を抜くように意識してみる。

 

ちょっと乗れないなぁと感じつつ、国道151号線を横切り、東栄町の市街地にある温泉に到着した。距離にして120kmくらい走行だった。

 

ここまで天気が良かったのだが、やはりもう12月なので寒いことには変わりない。早速温泉の建物に入館し、600円を支払ってから入湯する。ところで、この温泉は以前はかなり混んでいたのだが、さすがに建設から10年近くが経過しているのでまあまあの混み具合というところだ。客層としては、やはり地元の方々と思われる人が多く来館しており、箱物としては役に立っている方ではないだろうか。

 

そんな俗なことを考えつつ、体を洗ってから露天風呂に向かう。ここで一同湯に浸かりながら、バイク論議に花を咲かせる。まずOLD氏であるが、前述のように今年から社会人として労働しており、学生と社会人のギャップは大きいと感じているようだ。その分、いくらか収入があるので、最近では、ロードバイク購入計画なども思案しているとのこと。まあ、維持費なんかも掛かるので、金を貯めてゆっくり実現に向けていくとのことだ。

 

そしてお待ちかねの「ドルーネタ」であるが、「あの野郎はリアサスに拘っているが、果たして意味が解っているかは疑問だ」という件について話し合う。彼のマシンはオーリンズ製のリアショックに交換してあるのは周知の事実であり、本人の口からも「俺のマシンのリアサスはオーリンズだで」と、そのことを自慢するような発言がしばしば聞かれた。加えて「某元有名レーサーにセッティングしてもらった」とも。

 

しかし、あの人は足つき性に不満らしく、それを改善(マシン全体から言えば改悪)するために、どこぞ製のローダウンリンクキットを装着している。つまり、リアサスをより作動性の優れたものに交換しておきながら、マシン本来の寸法をコーナリングに向かない方向へと変更していることになるのだ。見たところ、彼のマシンは2〜3cmはローダウンされているようだ。本人は「そんなものが何に、どれだけ影響を与えるのか」と思っているらしい。だが、実はこれ、とても大きな影響があるんだよな。

 

試しにリアの車高を変えてみるとしよう。その簡単な方法としては、リアサスのスプリングのプリロードを変えることだが、1ノッチ硬くしただけでもコーナリングの変化を確実に体感できる。具体的にはリアの車高が高くなり、結果フロントの荷重が高まり、またキャスター角も少なくなる。当然、ハンドルの切れが素早くなり、よりクイックな旋回特性となる。

 

ところで、1ノッチのプリロード変更では、おそらく1ミリにも満たないくらいの車高の変化しか起こらないと推測される。しかし、たったそれだけでもワインディング路を流す程度の速度で、当方のような素人でも変化を感ずるのだから、2〜3cmってどんだけ?全くもって、彼は滑稽だ。

 

さらに傑作なのは、W氏に「リアサス交換しとるか?」と尋ね、氏が「(旋回性能を上げる為に)交換している」と答えた。するとドルーは「そうだろう」と交換することが当たり前で、そうしないと良いコーナリングはできないと言わんばかりの発言をしたらしい。

 

この一連のやりとりがW氏から明かされると、一同湯船で大爆笑。オーリンズ?某ワークスライダーのセッティング?それなのにローダウン?言っていることが支離滅裂で、話になりませんな。

 

さて、再びOLD氏の走りについての感想であるが、「他の人と走るといろいろと参考になることが多い」と感じているようだ。これに対してR1-Z氏も「最初は管理人氏の後ろをずっと走っていたので、色々参考にした」ということだ。もっとも、今や氏の方が完全に上手いことは言うまでもなかろう。

 

4.やや遅めの昼食

 

少々のぼせ気味となったので、風呂から上がり昼食を食うことに。この前、W氏と当方の2名で来た時は別棟の屋台でラーメンなどを食べたが、イマイチしょぼかったので、今回は温泉と同じ建物内にあるレストランで食事をすることにする。さて、何を食べようかと色々悩んだが、当方は東栄チキンのチキンカツを注文した。OLD氏はドテ丼、W氏、R1-Z氏は同じく東栄チキンのから揚げを選択。

 

10分程待つと、各々の注文の品が出来上がったので、受け渡し場所に取りに行く。いわゆるセルフサービスというやつだ。そして料理とご対面だが、量がなかなか多い。これでこの値段は大当たりだと言える。前回も別棟の屋台でなく、こっちのレストランで食べればよかったと後悔したW氏と当方であった。

 

食事中のOLD氏とR1-Z氏

 

食事をしつつ、OLD氏のロードバイク計画について話し合う。氏の希望としては、ひとまず250ccクラスを購入してからステップアップを図りたいということだった。車種としては、90年代のCBR250RRやバンディッド、バリウスやそのスズキ版のGSF250などが候補になっているようだ。また、排気量は大きいし車検も気になるが、400ccのXJRも捨てがたいとのこと。これに対して部品供給などを考慮すれば、「やはり設計が新しく、現行モデルのXJRが良いのでは。車検はユーザー車検ならそれほど負担にならない」とアドバイスを送る。買うのは当方ではなくOLD氏なのだが、この手の話はついつい熱くなってしまうのはバイク乗りの性であろうか。

 

そして本日の大ヒット、W氏提供の「ベルクカッツェ」である。これはKTMのスーパーモトを前から見た際、ガッチャマンの敵キャラである「ベルクカッツェ」に似ているというものだ。当方は一応リアルタイムの人間であるが、よく覚えていない。しかし、R1-Z氏は「確かにそうだ」と納得していた。尚、この件、帰宅後に調べてみた所「納得」であった。というか、これをモチーフにしているのではと思われた。因みに、R1-Z氏も同様にネットで調べてみたらしく、どこぞのブログに「ドゥカティのハイパーモタード」が「ベルクカッツェ」だと記載があった旨、報告を頂いた。皆考えることは同じのようだ。

 

食事も終わり、デザートであるソフトクリームをナメナメ、帰りの道程を検討する。なるべく往路と被らない道を選ぶとなると、県道32号線の仏坂峠を外すことはできない。そこには何があるかって?あれは10年近く前のことであるが、ハーレー氏が以前愛用していたCB750Fに「インテグラ」用のドでかいカウルを装着した時のこと。「湯らんどパルとよね」の帰り道、仏坂峠の西側で左の下りコーナーを走行していた時、突然リアタイヤがスリップし、氏がもろ手を上げて吹っ飛ばされつつ、滑り来る自分のマシンと山の斜面に挟まれそうになったことがあるのだ。もっとも、当方はこの光景をミラー越しにしか見ていないが、カタナファイナルで後方を走行していた「イマちゃん氏」は危うく巻き込まれそうになって、必死にブレーキをかけたとやや興奮気味に話していた。

 

ハーレー氏には怪我もなく、マシンも「インテグラカウル」が破壊されたのみで、自走可能であったことが不幸中の幸いであった。が、氏は暫く恐怖で震えていたことを思い出す。そして「どうも温泉でのぼせたようだ」と原因を分析していた。これについては、後日W氏より公式な見解が発表された。その内容としては、「自作ローダウンキットでリアサスを寝かせていたので、実質ストロークが減少していたことに加えて、でかくて重たいインテグラカウルを装着していた上に、下り坂を走行していたのでリアタイヤがグリップを失った」というものだった。

 

さて、ルートも決まり、表の露店を物色しつつマシンに向かう。ここでW氏が「ナンテン」の苗を発見した。氏はすかさず「放かっておけば、ものすごく増えるし、鳥がついばんで種子入りのフンをするので、全然関係ない離れた場所から生えることがある」と薀蓄を披露。さすがは鳥に関わる事象は良く知っている。バイク以外の査察の目も鋭い。

 

露店にて3氏

 

5.帰路

 

まだ15時過ぎだが太陽も傾いてきたので、東栄温泉を出発する。因みに帰りも当方が先導機長、W氏が最後尾の査察フォーメーションである。もっとも、W氏は「今日は査察はしないよ」とのこと。

 

東栄町の市街地で燃料を搭載し、帰路に就く。往路で走行した国道473線を少し戻り、下貝津の市街地から県道32号に乗り換えて、鬼門の仏坂峠を目指す。片側1.5車線の屈曲路をどんどんと上り、峠にある素掘りのトンネルを抜ければいよいよ噂の下りである。太陽の光が眩しいぜと思っていると、突然鬱蒼とした森の中に入ってしまう。すると件の下りコーナーが出現した。ハーレー氏が無事だったのであの時以降、我々の間では、ここはちょっとした名所と化している。ということで、別に目的は無いが、一旦停車して路面の状況等を確認する。

 

左の下りコーナーにてW氏

 

ところで、ハーレー氏の一件で「仏坂峠といえばインテグラカウル破壊のコーナー」という図式が出来上がってしまったが、実際には四谷の棚田の方が遥かに有名である。これは鞍掛山を望む斜面に広がっており、四季を通じて様々な景観を楽しむことができる。もちろん、こちらにも停車していく。おや、以前は小さな看板しかなかったのに、なんかいろいろと説明書きの看板なんかが増設されているぞ。ん、今日はここで餅つき大会が開催されたようだ。その告知掲示を見てみると、棚田っ娘が餅を振舞ってくれる旨、記載があった。これについてW氏の査察の目が光り、「棚田っ娘なんて書いてあるが、きっとばあさんに違いない」と半ば確信を得たように話していた。確かに、こんなところに若い女性が来るはずもなかろう。

 

鞍掛山と四谷の棚田

 

この後、県道435号線で稲目トンネルを通過し、さらに国道257号線をheading300で豊田方面を目指す。この道はOLD氏と林道ツーリングをする際に頻繁に走行しているので、氏も楽々と走行しているようだ。また、マスツーリングという走行形態に馴染んできているようだ。こうして栃洞林道等の入り口を横目に新段度トンネルを抜けて、阿蔵で国道473号線にスイッチする。

 

この頃になると陽も暮れてしまって気温も下がってきたが、当方はそんなに苦痛を感じない。というのも、先日装着したデイトナのナックルガードが効いているので、手がそれほど冷たく感じないのだ。これは予想以上の効果である。投資した甲斐があったというものだ。

 

さらに県道363号線を経由して国道301号線へ。ここでいつものコンビニで最後の休息をする。ここで、当方の悪い癖が出て、「生みたて生卵子」や、「カイロプラクティック」の看板の話をW氏に振ってみる。すると氏は半ば呆れて、「管理人氏は変なものを見つけるのがうまいなぁ」と。そうなんですよ、当方クダラナイものが大好きなんですよ。

 

下山のコンビににて3氏

 

こうして、流れ解散で各々帰宅した。

 

6.まとめ

 

今回の目玉はOLD氏の参加である。氏は最近にしては珍しい、若いバイク乗りである。今や2輪はオッサンの趣味と化してしまっているが、こういうライダーが一人でも誕生したということは、素直に嬉しい。おせっかいだとは思うが、氏にも2輪の楽しさを存分に味わって、当方と共に奈落の底へ落ちていただきたいものだ。もちろん無理強いは禁物である。ただ、若い仲間が増えることが本当に嬉しいだけだ。

 

これで、今年のWRTの活動は終了した。W氏、R1-Z氏、そしてOLD氏にこの場を借りてお礼を申し上げたいと思う。また、よろしければ来年もお付き合いをお願いします。

 

本日の走行 230km

 

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