白骨温泉ツーリング

 

2008/05/18

 

0.経緯

 

ジムでのトレーニングを終えて、近所の定食屋へ出かけた。するとCOUGAR氏が先に飯を食べていたので、挨拶を交わし、ご一緒させていただいた。氏は昨年普通自動2輪免許を取得し、SRX4を購入している。この件については、拙のリポートをご覧願いたい。この場で、氏とツーリング計画を話し合っていたら「白骨温泉」の名前が浮上した。

白骨温泉、以前ハップを入れて温泉を白く濁らせていたと報じられていた。もともとの源泉は透明だが、酸化すると白濁するという性質を持っているそうだ。しかし、白い方が温泉らしいという理由からか、はたまたその名前から白い方が商売上良いということか、かなり昔からハップを入れていたということだ。そんなことしなくても客は来ますよ。

500km級のツーリングになることは明らかだな、と管理人は心踊った。氏も長距離ツーリングは好きらしいので、あっさりとプランは承認となった。

さて、それと同時に先日ソースカツ丼ツーにご一緒したツーリング仲間、W氏からもツーリング計画の立案を打診されていた。丁度入梅前ということでこの案を提示したところ、便乗したい旨の意思表明をいただいた次第だ。というわけで、COUGAR氏、W氏、管理人の三人で実行に移された。

 

1.集合

 

当日は香嵐渓のコンビニに7時30分集合とした。なにせ距離があるので、早いに越したことはない。しかし、現実的な時間としたが、もう少し早くてもよかったと後で後悔した。先にする後悔はない。それでは先悔になってしまう。

管理人とCOUGAR氏は近所に住むが、別々に現地に向かう。途中、亀首町のガソリンスタンドから氏が出てくるところを発見したので、合流して集合場所へ向かった。

件のコンビニでは、既にW氏がコーヒーを飲んで一息ついていた。早速挨拶をしCOUGAR氏を紹介、プランの提示を行う。本日は不肖管理人がPICを勤めるので、ちょっとドキドキ。W氏は最後尾で傍観、COUGAR氏がPNICというわけだ。

3人で暫しSRXをネタに談笑する。W氏は車暦にSRX6があるらしい。丁度カワサキのZX-7RRというスーパーバイクの公認ベース車両を保有していた時期らしく、セカンドバイクとして購入したそうだ。話は逸れるが、氏は最近までヤマハの同ベース車、YZF-7Rも所有暦がある。前者はちょっとスポーティさが強い公道バイクという感じで、十分ツーリングにも使用可能だったそうだが、後者は猛烈に扱いにくかったらしい。高所ではアイドリングも怪しかったそうだ。これは、3000r.p.m.以下は燃調が行うことができない=CPUのプログラムを書き換えができないことが理由だったらしい。要するに「レーサーには3000回転以下は必要ない」という割り切りで製造されていたということだ。またやたらとギア比がクロスしていたらしく、1速でも通常の3速位の感覚だったらしい。故に低速では半クラッチ使いまくりだったそうだ。

ところで、SRXは超細身の角パイプフレームに強力なトルクを発生する単気等エンジンを搭載している。この角パイプフレームが最近は無くなったなぁということで、昔はVT250FⅡ、VT-250Z(VTZ-250 ではない)、VFシリーズ、初期のCBRシリーズ、MVX、FZシリーズ、初期のFZR250など多彩に採用されていた。明らかに消えたフレームだ。因みに別冊モーターサイクリスト誌には「消えたメカニズム」の特集があった。W氏はこの類の話にはかなり詳しい。

 

2.出発~到着

 

管理人を先頭に国道153号線から256号線、さらに19号線と歩を進める。もう5月も中旬というのになんだこの寒さは。管理人はまたしてもウエア選択を誤った。長袖シャツに春夏モノのジャケットを着ていたが、見事に寒い。結局木曽福島にて長袖シャツを購入した。もう歳なんだからよーく考えてみてよ。

やっと暖かくなって、さらに北上を続ける。国道19号から県道26号線へ入り、味噌川ダムを通過。このダムは木曽川水系のダムであり、管理人の地元がお世話になっているダムだ。そして日本で一番標高の高い場所にあるらしい。よって冬季は工事ができずに、長引いたそうだ。

ここで一回目の給油。管理人のTDMはまだ2目盛を減らしたのみに過ぎないが、SRXはタンク容量が11Lと小さいので頻繁な給油を求められているようだ。もっとも燃費が25km/L前後と燃費が良いので、200km弱の走行可能だそうだ。W氏も一度給油が必要なので、ここで給油を済ませた。

この後、道はどんどんと山奥へ入ってくる。当然屈曲してくるので、右、左と軽快に切り返しては加速を楽しむ。管理人のTDM号は昨日エンジンオイルに加え、フォークオイルも交換しているので絶好調だ。ちょっと大き目の道路の窪みも気にならないくらいに安定感が増した、というかこれが本来の姿。エンジンも快調に高回転まで伸びる。フォークオイル交換以前はギャップがあるとハンドルが振られたが、交換後は何事もなかったように衝撃を吸収・減衰している。これが整備の効果だ。1700円の純正フォークオイルでこの効果、止められませんな。

さて、梓湖こと東京電力(TEPCO)奈川渡(ながわと)ダムの手前にてトイレ休憩。5月中旬にしては明らかに寒い、よってトイレも近い。シャツを購入して正解だった。ここでプランについて確認する。有料の乗鞍、上高地両スーパー林道は走行せず、北側からアプローチする県道300号線を行くことで決定した。

ところで、管理人は浪人時代に一度この道を通って白骨温泉に行ったことがある。かれこれ20年近く前のことになる。当時はホンダNS50Fにて、松本に住む当時の友人の下宿を起点に軽井沢、鬼押出し、美ヶ原、高瀬ダムとそこいら中に出かけ、一週間で2500kmを走行した。その際に訪れたのがこの白骨温泉というわけだ。当時はまだ200時間にも満たないような飛行時間で、やっとNS50Fの型式限定を取得したばかりだったと思う。しかも夕立に降られ、この道でフロントからすくわれて、危うく転倒しそうになったことを思い出す。

果たして、当時の面影を随所に残したこの道を登っていく。あんなに大変に思われた道路だが、いまはちょっと狭いかな、荒れているかな、という具合で走ることができる。我ながら成長したものだと感慨深く思っていると、目的地の泡の湯に到着した。

 

3.泡の湯

 

さて、この泡の湯には12時30分に到着した。本館の入浴時間が14時までだったので、丁度よかった。なぜ本館にこだわるかって?実はこの温泉には混浴の露天風呂があるのだ。あーはっはっはぁ。

とりあえず800円を支払い、洗い場で頭と体を洗う。炭酸硫黄泉ということで、話題の硫化水素の臭いが心地よい。洗い場でもバイクの機械的な話をして盛り上がる。根本的に機械に対して非常に強い興味を持つ管理人は、この手の話題が大好きだ。朝の続きで、アンチダイブ機構、16インチホイールなどの懐かしい名前が登場した。また、W氏は以前オフ車も所有していた関係で、林道にも造詣が深い。「井川雨畑林道でZZ-Rとすれ違った」、「友人のテネレ氏が、天竜スーパー林道に行く途中の雁峰(ガンポー)林道でこけて、スーパーマンの如く飛んでいったなど、数々の伝説を披露していただいた。

体を洗い終わった後はいよいよ混浴露天風呂へ移動する。男湯、女湯には専用の露天風呂を備えているが、混浴のそれは各湯の出口が繋がっている。高い場所から源泉が落ちてきており、周りは草木に覆われている野趣あふれる湯船だ。管理人は目が悪いので、男女の区別も怪しい。W氏の話によると、若い女性も入浴していたそうだ。ああ、残念。結局追い越しで白バイに捕まったなどのツーリング伝説を話して一時間ほど湯に浸かっていた。ここの湯は38度くらいしかないようで、非常にぬるい。また白濁しているので、全く何も見えないと付け加えておこう。

 

4.帰路

 

入浴して適度に冷めたところで、帰路に就く。帰りは平湯、高山経由である。まずは上高地の際から安房峠トンネルを走行する。600円であるが、旧道を抜けるには小一時間かかるので、この価値は非常に高い。

さらに国道158号線をheading 270で走行。今は一般車両通行禁止の乗鞍スカイライン入り口を通過。思えば2002年の9月にR1-Z氏と訪れて以来だ。詳細はその際のリポートをご参照下さい。

腹が減ったので、赤カブの里という土産物屋に入る。ここに併設の食堂にて、高山ラーメンのセットと木苺とバニラのミックスソフトクリームを食する。このソフトクリームは、バニラの甘さと木苺の酸味がいい具合に調和しており、大変旨かった。ところで、管理人は運動を始めてから、体脂肪率が12%台前半となり、ちょっと減りすぎた状態となっている。そこで、こういう際には元々大好きな甘いものを食べている。というか、すぐ腹がへるので、食べておかないと問題だ。因みにラーメンの方はごく普通のものであったと付け加えておく。

時間も3時半を過ぎた。ちょっと急ぎ気味に高山市街を逸れて、中部縦貫道の高山I.C.の所を左に曲がり南下、県道73号線、国道257号線、通称せせらぎ街道を南下していく。ここは超快走路であり、制限速度プラス30km位で流れている。管理人は以前、ここで35kmオーバーの免停を食らっている。流れに身をまかせずに、路肩に注意を払いながら慎重に走行を続ける。

有料の美濃飛騨道路を300円を払い通過、非常に良いスピードで道の駅明宝に到着する。ここの名物は何といっても明宝ハムだ。何種類かあり、ここでは試食用のものも豊富に用意されている。また、売店もあり、飛騨牛コロッケ、フランク、ハムカツなどがある。ハムカツをカジリつつ、ルート確認し、ガソリン補給をして出発。このガソリンが350km走行して12.5L補給。ということは28km/Lと超高記録を達成。さすがTDM900だ。因みにSRXは30km/L近く伸びたらしい。

結局、郡上から国道256号を越え、和良を抜けて一旦国道41号に出る。そこからさらに中の方峠で有名な県道68号線を行く。この辺りは何度か走行しているので、管理人とW氏はスイスイと抜けてきたが、COUGAR氏は大苦戦したようだ。

 

5.またまたらっせいみさと~帰着

 

本当は国道418を走行して、川の西側を走行すべきだったが、恵那I.C.の方まで行ってからお馴染み、道の駅らっせいみさとへ到着。

COUGAR氏の峠で苦戦した状況を詳しく聞いた。管理人も最近ようやく少しましになってきたが、以前はバンク角のとり方が下手で、上手くカーブを曲がれ無かった時期があった。ニーグリップが甘かったこと、ハンドルの加重をしていたことが原因であると思われるが、COUGAR氏も全く同じ症状のようだ。氏は走行200時間程であるから、これからまだまだ進化できそうだ。そこで、おこがましくも、管理人も軽く助言をしておいた。

この辺りで完全に日没となり、暗くなった。ここからは県道66号を行くが、真っ暗で非常に怖い。昼間は超快走路であるが、夜は全くダメだ。まあ安全に走行を続行する。

本来のルートでは、県道20号から狛犬の国道418号へ入る予定だったが、勘違いで行き過ぎてしまい、迷ってしまった。結局瑞浪の市街地の方へ行ってしまい、戻って国道363号へ出る。ここから東へ走り、狛犬の国道418号線に乗りなおした。

あとは藤岡のコンビニで解散となった。

 

6.まとめ

 

今回は17年ぶりの白骨温泉であった。当時の記憶と一致した面も多く、なんとも感慨深いツーリングとなった。今やあの時の30倍近い走行時間を数え、免許も原付から大型自動二輪となっている。

本当に大学に入学できるのか、将来はどうなるのだろうかと不安であり、かつ束縛のほとんどない自由とを併せ持つ浪人時代に走った道を再訪できて本当に楽しかった。あの時も今も夢中になってツーリングを楽しんでいる。人間とは根本的には変わらない部分をもっているのだ。

なんとも言えない感動にふけりつつ、リポートを締めよう。

 

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