2009年4月5日
桜のトンネル
@寺尾の千本桜
今年も冬が終わり、ようやく4月になった。まだまだ朝晩は冷えることもあるが、本格的バイクシーズン到来だ。もっとも、管理人の場合は年中シーズンであるので、「山のワインディング」走行の許可が出ると本格的シーズン突入という区別をしている。つまり、シーズンにもただのシーズンと本格的シーズン2つがあるというわけだ(どちらでもよいじゃんと突っ込まれそうだ)。
さて、前述のように本格的シーズン到来ということで、R1-Z氏に加えW氏も今回のツーリングに参加いただいた。いつもはW氏の企画に便乗させてもらってばかりなので、今回はR1-Z氏と管理人の企画でW氏を招待しようというわけだ。人員の手配はもちろん、フライトプランの作成も我々で行う(そんなおおげさものでもないんだが・・・)。R1-Z氏と話し合った結果、やはりこの時期は花見だろうということで寺尾の千本桜をメインに据え、周辺ワインディングを堪能しようという計画で実行することに決定し、集合は氏の家近くのスーパー前9時とした。尚、W氏は家が離れているので、まずは管理人宅の近くにあるレストラン街へ8時集合とし、後にR1−Z氏と合流という手法を用いた。
前日金曜日はいつものようにジムでこってりと絞られ、22時過ぎに帰宅。ナンダカンダで24時近くに就寝した。天気予報では夕方ににわか雨ということだったので、まあ、ツーリング終盤にちょっと合羽が登場か?ぐらいに考えていた。ところが、当日朝起きてびっくり。天気予報は昼から雨に変わっている。空を見上げると、やけに雲が厚いではないか。こりゃしまった、と思いW氏に連絡をしようとしたが、既に氏が家を出ている時間を過ぎている。どうしようもないしまだ雨は降っていないので、ひとまず集合場所へ向かう。集合場所であるBOEING787広場(仮称)には既にW氏が到着していた。昨年以来お会いしていないので、お互いの近況を報告しあう。もちろんアーモン軍団一味のカトショーについての報告も怠ってはいけない。
明らかに雨が降りそうな匂いを感じつつ、R1-Z氏との合流地点へレーダー誘導されheading270で走行する。到着は予定の15分前であったので、近況報告の続きをしつつR1-Z氏の登場を待つ。氏はご存知の2ストマシン、YAMAHA R1-Zを2000時間以上駆っているベテランである。高電力仕様の電球から発せられる、刺さるようなヘッドライトの灯りと2スト特有の狼煙が登場の証であり、遠くからでも簡単に識別できる。3人で挨拶を交わし今日の予定について話し合う。せっかくなので、午前中のみYGを走行して解散ということに決定。善は急げとYGに向かうも、10分もしないうちに雨が降りだしてきた。おいおい、昼からじゃあないのかと悪態をついてみても天気が相手では何の効果も無い。結局近くのコンビニで雨宿りし、翌日に順延として解散と相成った。
明けて翌日、前述の787広場へと向かう。今日はタッチの差でW氏よりも前に到着した。天候もやや肌寒いながら良く晴れている。これならば昨日のように出鼻をくじかれることもなかろう。程なくしてW氏も到着だ。早速各々のマシン整備について情報交換をする。W氏は某量販店にてタイヤ交換をし、購入店にて車検を依頼したそうだ。それ自体は良くある話であるが、そこにはシャレにならない事実が!!!
その内容たるやちょっと信じ難い。事の発端はフロントタイヤが減ってきたので、前述の店にてタイヤをBSのBT45(Hレンジ規格)へ変更したところにある。因みに純正指定はアコレード、交換前はダンロップのK300(Vレンジ規格)であったと追記しておこう。まあそんなことはどうでもよく本題に入る。タイヤ交換には車輪を外すことが前提である。その前車輪の構造を見てみると、ホイールとフロントフォークの間にはスペーサーがあり、軸棒にさされて一緒に挿入されていることはご存知の通りだ。ところが、店の作業員がそのスペーサーは左右で幅が違うことをしっかりと認識しておらず、どうやら逆にして組みつけてしまったらしい。そうなると事態は非常にまずい方へ展開する。つまりはタイヤが本来収まるべき場所である、後輪の中心の延長線上から前輪のそれは左にズレてしまう。結果前車輪の右側に装着されているブレーキディスクも左に寄ってしまう。ところが、ブレーキキャリパーはフォークにボルト締めされているのでタイヤに合わせて動きようがない。ということは、キャリパーのピストンが大きくせり出し、ブレーキパッドがスライド軸上を左側へズレることになる。こうなると状況は悲劇的で、スライド軸の端ギリギリにパッドが位置することとなってしまった。これではちょっとしたことで落っこちても不思議ではない。W氏はそれに気がつかず暫く走行していたが、丁度購入店にて車検に出した際にそれが発覚、難を逃れたそうだ。ああ、量販店の恐ろしさ。
また、忌まわしきマフラーのガラガラ音の出所が判明したとやや興奮気味にW氏が続ける。その内容も漫才みたいなもので、前オーナーが純正のエキパイをちょん切って何らかの社外品を装着、車検などの為に純正品を再装着する際使用する延長パイプの締めが甘かったということだった。その事実に対してバイク屋のオヤジが「こりゃあかんぞぉ〜」と言っていたそうだが、そのあかん機体を売った張本人はあんたじゃねえか。W氏曰く「そんなことすっかり忘れているよ」とのこと。
このW購入店のオヤジが話題に出るということは、機体入手時のエピソードも回想せざるを得ない。どうやらオークションを通して仕入れてきたらしいのだが、W氏が注文した通りでない紺色タンクのものを誤って(すっかり忘れて)落札した為、W氏が「こんな色注文しとらんぞ」とクレームをつけた。それに対しておやじも負けじと「こっちの方がかっこいいでこっちにしりん」と返してきたそうだ。しかもその色は純正色ではなく、素人の粗悪自家塗装品で、紺色に金色の細線が入っていたらしい。問題はその細線なんだが、曲線を表現しきれずに単なる短い直線の連続(要するにカクカク)だったそうだ。これでは買うことはできないぞと突っぱねたところ、店の若いメカが赤の400用タンクを落札して取り付けてくれたそうだ。そのタンクもメッキのオーナメントに水が浸入したのか、下の方が錆びていたらしくW氏はアカチンでとりあえず補修しごまかしている。泣きっ面に蜂である。
9時に前述の場所でR1-Z氏と合流して出発。とりあえずコンビニでコーヒーを飲みつつフライトプランを公開する。くどいようで申し訳ないが、ふとしたきっかけからR1-Z氏の「課長のゴールドブレンド(GB)2年間飲んでいました事件」を蒸し返して笑っていたら、折り良くGB250が目の前を通過していった。こうなるとまた話題が展開する。ホンダの80年代のDOHC機構RFVCのヘッドを持つエンジンはメチャクチャ良く回るという件についてまたまた盛り上がる。CBX125の単気筒車なんかがその最右翼といえよう。また、当時はそのエンジンを回しすぎて壊す人がしばしば見受けられたということだったらしいと併記しておく。
こうして寺尾の1000本桜をメインとして、その後は成り行きでいこうとフライトプランが承認されたので、千種1番出発経路を使用して国道41号へ。ここでは街のスペシャリストの異名を欲しいままにしている、R1-Z氏に出発管制をお願いして誘導してもらう。国道に出てからは流れに合わせて単調な走行を続けていく。もちろん取り締まりを意識してのことであるが、案の定、合流してすぐに早速白バイが巡回しているところを発見。行楽日和であり、かつ花見シーズンであるわけだから、今日は取り締まりが厳しいだろうと再度身構えて走行する。その後も「出る」ポイントを入念にチェックしていったが、発見したものはそれ一台きりであった。
こうして途中から管理人がコントロールを受け継いで昭和村経由で、418号線 県道63号をheading 350で走り、平成手前の神野交差点の新設コンビニにて休息を入れる。全く関係ないが、先日交差点と同名の会社の先輩(彼はアーモン一味のカトショーの上司であるが)から「カトショーって性格に難ありじゃない?」と聞かれた。当然管理人は「だからアーモン一味なんですよ」と返答しておいた。
コンビニの駐車場にて
このコンビニは先月管理人がここを通過した際に「ああ、コンビニできたな」とかすかに記憶していたものだ。今回ここへ来て、今後のルート上で丁度良い休息場所だなと思ったわけだ。ここでもバイクの環境規制や機構についての話題で盛り上がる。周知の事実であるが、Wはバルブ駆動にベベルギアを介している。これが次期の騒音規制に引っかかるからもう終わりかという心配があるという。W氏の理想としては、750cc程度まで排気量を上げてトルクを稼ぎ排ガス規制をクリア、ベベルギアも何らかの形で騒音規制を克服して残してもらいたいとのことだ。また、W650と400との違いの見分け方という、オーナーならではの細かいところまで目の行き届いた見識について話しておられた。因みに650はフロントスプロケのカバーがバフがけのアルミであるのに対して400は黒色の樹脂、リアサスの上部にあるスプリングカバーが650は有り、400は無し、細かくはタンクなどにも差があるようだ。
ひとしきり話をしてからは、県道286、291、58と乗り継いで千本桜へと向かう。これらの道は高速コーナー主体の軽いワインディング路で、後半の291号沿いは板取川が流れており、その川沿いがずーっと桜並木となっており、まさに花見でひとっ走りという様相を呈している。花はほぼ8分咲きで春を実感する。また、匂いも春独特のもので気分が癒されるというものだ。
さて、県道58号に乗り換えてしばらくするといよいよ寺尾の千本桜に到着する。管理人が思うに、ここはなかなかの穴場である。思ったほど混んでいないので好ましい。どうやら多くの人々は根尾の薄墨桜の方がへでかけてしまうようだ。この千本桜であるが、およそ1kmの距離に渡って延々と桜並木が続いているという他ではちょっとお目にかかれない光景を拝むことができる。こちらも大体8分咲きというところだろう。ウグイスも鳴いており、まさに春という趣だ。また変な声のカッコーらしき鳥もいた。さらに山の上の方ではトンビらしき鳥が人間の食べ物をかっさらおうと目を光らせている。うそぉ〜、あんな高い所から見えるわけないじゃんと思う方、鳥目という言葉はダテではないのだよ。ヤマトの諸君。以前R1-Z氏と若狭に出かけた際、港でさば寿司を食っていたら、サバだけに一瞬「バサバサ」と音がして、茶色いものが見えたと思ったら、サバが一切れないではないか。あんな高い所からはよもや降下してくるとは思っていなかったので、状況を理解するに時間がかかったことを思い出した。
W氏とR1-Z氏
(桜のトンネルにて)
結構歩いたので、桜の木の下で団子を食いながら桜を見て語り合う。今朝方はちょっと寒かったが、昼になってかなり暖かくなってきた。こうなってくるとウエアの選択が重要な意味を帯びてくる。と申し上げるのも、管理人はウエアの選択が下手であり、さらにジム通いで体脂肪率が落ちたせいか非常に寒がりになってしまった。おかげで去年は2回も防寒用に服なりモモヒキなりを現地調達する羽目になってしまった。そうするとW氏からは、何年か前にも浜名湖辺りでモモヒキを現地調達していると指摘を受けた。そうだ、その通りだ。確か12月初旬に佐久間ダムに行った時のことであろう。全く関係ないが、いつも申し上げているように、モモヒキを履くとフェンシングの真似をしたくなるのは管理人だけであろうか。
場所を移して更に話しを続けていると、今度は90年代の世界GPのマイナーなライダーの名前で盛り上がる。ユンゲンファンデン・グールベルク、管理人お得意のオリバー・ペトロチアーニ、マルコ・パパ等々。なかでもポンスは傑作だ。人の名前を笑ってはいけないと思いつつも何か笑える。それに加えてR1-Zが「スポンサーはミツカンじゃないよ」ってそれはポンズだろって。これだけで2〜3分位は笑い続けていたと思う。あとはおなじみのガンポー林道、オッポーキ林道、サイドポンツーン。管理人は濁点が面白いと思っていたのであるが、半濁点の方がより面白いことが判明した。マチュピチュ遺跡なんてのも本リポートを書きながら思いついたと付記しておく。
ここからはちょっと走って楽しもうということで、板取街道を抜けて旧萩原町へ向かうルートをとる。一旦県道291号へ戻り、国道256号線へと出るわけだが、ここからは高速ワインディング路の始まりで、はやる気持ちを抑えて慎重にコーナーを抜けていく。さらにいつの間にか県道52号へ名前が変わるころになると、道幅も狭くなり、コーナーのRも小さくなっていく。Rはradius(半径)のことで、あるカーブの内側にそのコーナーの数字と同じ半径を持つ円が入ることを意味している。鈴鹿のヘアピンは20Rである。名物の130Rは半径130Rの円があのカーブの中に入る=カーブはその円の弦に当たるということだ。話が逸れた。このあたりは時折小さな集落がある以外には、森林の中を抜けていくワインディングであり、木の香りがなんとも言えず心地よい。
そんな勢いでどんどんと進み、管理人も好きな温泉施設であるバーディハウスを通過してさらに北上していくと、途中でこの先通行止めの看板とゲートがあった。私の持っている2007年版のツーリングマップルでも「平成18年現在通行止め」と記載してある。W氏の言葉を借りると「なおす気がないということだな」、管理人も同感だ。
この先崩落にて万年通行止め
仕方ないので、写真を撮った後に前述のバーディハウスまで戻り休息する。ここではバイク業界の現状を話し合う。ハードとしてのバイクを楽しむことはもちろん、ソフトの面を強化していかないといかんという結論になった。つまり、こんなおもしろいツーリングができますよと紹介すること、また伝えていくことが必要だということだ。その際に国井律子と清水国明が出演していたNHKのきままにバイク旅という番組が話題にのぼる。あの類の番組が2輪メーカーの提供で1つは製作されれば、現状を打破できるのではなかろうかということである。確かに、今バイクでロングツーリングをするという発想そのものがほとんど浸透していない。買い物に行くとか、通勤するとか足として使用されることがほとんどであろう。これではタイヤ等の消耗品は売れない。今だとスクーターに電飾やオーディオ、ナビゲーションなどを取り付けるというハードを主体にした商売しか成り立っていない。もっともそのほうが販売店としては利幅は大きいし、バイクの所有者としても派手であり、見た目も変わるので安直に「バイクを持っている」という感覚を味わうことができるだろう。それを見て、これからバイクに乗ろうとする者が真似をして増殖していくという図式が確立される。バイク=改造=見た目を楽しむという発想しか生まれてこないことになる。何もこういう様式を否定しているわけではない。ただ、それだけではなく、もっと無限に広がった楽しみがあるということに気がついて、バイク業界が活性化することができればよいのにということだ。これまた余談であるが、先に述べたきままにバイク旅において「羅臼岳」を最後に眺めて番組終了になるんだけど、その羅臼岳は合成映像である。観る機会がある方、注意してご覧になっていただきたい。
すんません。話の続きですが、そのハードとしてのみバイクを楽しむという発想は売れているもの、お気楽なものが良いという風潮により拍車をかけられている。本屋などでも売れているランキングなるものがあったり、ネットの情報をかいつまんで得て解ったような気になるなどまさにコンビニ感覚だ。大切なことは、自分がいかにして楽しむかということであり、流行りがなにであるかではない。心底楽しもうと考えるのであれば、少しくらいの苦労はいとわないという姿勢が必要であろう。そうでなければすぐに飽きてしまうこと間違い無しだ。いまこそメーカーが結託してコンビニ感覚を脱しようではないか。と我々が吠えたところで知れているが、我々だけでもそうありたいものだ。また、この話しのなかでATバイクのホンダDN-01という乗り物(バイクではないという認識)が登場した。この件については、先のW氏のマシン購入店のいい加減なオヤジもほえていたらしい。「人が乗ると、マシンの前部が長すぎてバランスが悪い」と。
バーディハウスで少々話が盛り上がりすぎてしまった。それだけ皆の想いが熱かったわけだが、無常にも時間は過ぎていってしまうので、ここで岐路に就くことにする。ルートであるが、中の方峠を抜ける道も考えたが、時間の都合で平成を抜けることに決定。ところで中の方峠というと棚田であるが、W氏の話によると某TV番組でM字開脚のインリン様が泊まりにやってきたそうだ。「あんな下品なことをしないで、普通にしていればかわいいのに」とは氏のお言葉。しかし結局それが縁で、プロレスの主催者の社員と結婚した訳だから人生とはわからないものだ。
失敬。まずは県道を戻って国道256号線のタラガトンネルを抜ける。ここは昔1.5車線で、砂の川がカーブ毎に横たわっているアップダウンの激しい、超危険な道であったのでトンネルが掘られたのであろう。果たして、トンネルは超楽チン快適で制限速度プラスアルファでもまったく問題ない道へと変身した。関係ないが、「タラガ」とはタガログ語で「ホント?」っていう意味だと、フィリピン人留学生のエスピリツゥ・ビリアモア・フォンテ氏から教わったことを思い出した。
県道を戻り、国道256号へと乗り継いで、さらに156号との重複区間を郡上八幡方面へ北上、そこからさらに、再び256号の単線に分かれていく。この道は堀越峠を越えて和良方面へ抜けるのであるが、中低速コーナーが連続し、かなり走り応えがあるワインディング路だ。郡上の町を抜けるとすぐに連続コーナーが始まる。管理人はこういう時の為に、ライディングフォームについて先月からボチボチと練習してきたのだよ、ヤマトの諸君(くどい)。どうも腰の入れ方が甘いから腕がハンドルの動きに同調しないで引っ張っている、ということはセルフステアを妨げていると気がついていたので、その辺りを中心に自己診断・修正をしていく。まだ思い通りにいってないなぁと思っていると、およよ、何か後ろから「ガリカリガリぃー」と転倒した際に発せられる音が聞こえてくるではないか。誰?思ったが、W氏のステップにあるバンクセンサー棒が擦っているようだ。また「シャシャシャシャァ〜」と別の種類の音もする。こちらはR1-Z氏のチャンバーが擦っているようだ。まったく心臓に悪い音である。それよりもなによりも、そこまで攻め込んでいるお二人に脱帽だ。当方の腕ではそこまでできないので、コーナーはそれなりで抜けておいて直線でスロットルを大きく開けることにより、なんとか面目を保つという状況だ。
さて、ここは山肌をに沿っているのでブラインドコーナーが多いのであるが、片側1車線用意されているので比較的安心して走行できる。しかし、一度対向車線の車がなぜかこちらに寄ってきたので焦ってしまった。また、郡上側の路面がイマイチ荒れている部分があるので、やや神経を使う。
峠を越えていよいよ和良地区に進入してくる。ここから国道を走り続けて、同じく41号に乗り換える手もあるが、それでは全く面白くないので敢えて県道63号に乗り換える。このルートは長さが30km位あり、和良側から走行すると最初は片側2車線の中速コーナー中心の快走路だ。しかし、途中から1.5車線の林間を通る低速コーナー中心のワインディングに変貌する。ガードレールも無く、所々に砂やコケがあったりするやや危険な状況になる。途中集落も2つか3つあるだけで、野生のサルや鹿なんかにもしばしば遭遇するというものであるが、全般的には走り応えのある道と言えよう。運転技量維持にも丁度良い。次から次へと現れるコーナーを相手に右へ左へ、コケや砂に注意しつつも集中してコーナーをクリアしていく。コケは滑るからねぇ。しかし、後半はバテバテとなってしまいちょっと焦るようなこともあった。毎日ジムで持久力を中心に鍛えているはずなのにと思ったが、昼飯を軽くしかたべていないから力が出なかったとしておこう。まあ、本格的シーズンが始まったばかりで慣れていないこともあろう。このようにかなり集中していたので、メーターの燃料警告灯が点滅していることに全く気が付かなかった。まあ残りが3.5Lということだから燃料切れまでには50km以上は軽く走る事が可能だ。他の2人も燃料を補給するタイミングのようだった。
ひとまずは道の駅平成に立ち寄って休息する。ワインディング走行が続いていたのでかなりへたばってしまった。とりあえず腹が減ったのでいつもの通りにソフトクリームを食す。17時ギリギリだったので、丁度売店も営業を終了するところだったようだ。隣のパン屋は既にシャッターが降りている。また、陽が傾いてきてちょっとずつ冷えてきたようだ。昼が暖かかっただけに、余計に気温差を感ずるようだ。一方R1-Z氏は五平餅を購入したようだ。
楽しくて笑顔の三人
@道の駅平成
ベンチに座って3人で今走ってきたばかりのワインディングについて話し合う。シビックがセンターラインを超えてきたところは一同ビビッていたようだ。管理人は例の擦り音について「あの音は誰かが転んだように聴こえるので心臓に悪い」と評する。W氏曰く、現状のマシン設定ではもう限界だから車高を上げることを検討中とのこと。因みに今はオーリンズのリアショックを装着している。マフラーについては車検前まで社外の軽量なものであったが、現在は忌まわしきガラガラ音が一応おさまっているので、純正品としている。重量の関係からか、この方がオーリンズの乗り心地の良さが活きるそうだ。マフラーを軽量化したらば、イニシャルも緩める必要があるだろうと話していた。
W650の擦り跡 R1-Zの擦り跡
(マフラーについた跡に加えてステップのバンクセンサーの返しにも注目)
ところで、そのオーリンズは日本ではラボカロッツエリアという店が代理店をしており、販売を手がけている。W氏は購入時にどうも上下が逆のような気がして同店に問い合わせたところ、やはり逆であったらしい。そうなるとチェーンケースが引っかかってしまうので、軽く加工して取り付けたそうだ。この業界ってこんなもんだね。
ところで、管理人のTDMに装着された純正ババナショックスOHニューのリアサスであるが、減衰力が大幅に復活した。いままではケツが下がってアメリカンみたいになっていたようだ。新品は10万以上するらしいのでOHしたというわけだが、大正解であった。
そう話つつマシンを見ながら話していると、R1-Z氏の左フォークからオイル漏れ発見。そろそろ修理する時期にさしかかっているようだ。ところで、Wの純正サスはかなりグレードが落ちるらしく、路面が荒れているとサスの減衰がヤワなのでなかなか収束しない=何もできないそうだ。唯一できることは祈るのみ。もっとも、カワサキの設計者はこのような使用条件は想定外だろうと皆で笑った。
この後はもと来た道を戻りつつ、坂祝のシェルにて全車給油を行う。ガソリンといえば価格変動が気になるが、管理人は先週地元で給油した際は、98円/Lであった。しかし、今日は115円/Lと値上がりしたもようだ。
こうして国道41号の高架部を横から夕日に照らされて、隊列を組んで走行していく。長く伸びた影が側面に落ちて、いかにも一日の終わりという寂しい雰囲気をかもし出している。当方はこういう状況が苦手であるが、そんなことよりも無事に帰還することに専念せねばならない。
さて、陽も暮れて晩飯の時間となってきている。R1-Z氏とのツーリングでは大抵晩飯を食べつつ反省や次回の計画、泊まりツーリングの構想なんかを話し合うのであるが、今回はそれにW氏も加わって、久々に半田屋にて飯を食うことになった。まあ、ここでは今日たっぷり話したことを復習しつつ、ポンスとか言って喜んだ。
ここで、W氏は不況で明日月曜も休みだと言う。私とR1-Z氏はそうでもないのだが、生産現場はもろに影響を受けているようで給料も減ってしまって大変だそうだ。早く回復するとよいのだが。
このあとは各々自宅に戻るだけだが、また次回もこのようなツーリングを開催しようということで解散となった。話は変わるが、W氏やR1-Z氏は管理人よりも5つほど年長者なので当然の如く走行経験も豊富だ。そんな中で、今回は不肖管理人の飛行計画に沿ってお付き合いいただいたことに感謝の意を表する。さらに、いろいろな逸話が管理人にとっては面白くて仕方がない。今後もいろいろな話をして盛り上がりたいものである。
国道41号の小牧市内を走行中に、やけにうるさいバイクがやってきた。どうもベースはCBR250RRのようで、フロントカウルは先代のCBR1000のものを使用し、スイングアームをNSR250用と思われる片持ち型に変更している。マフラーはメーカー不明のやかましいものであるが、信号が青にならないうちに飛び出していく。しかも、全開に次ぐ全開にしている。排気音から判断するにクラッチがイカレているようだ。本人は多分気がついていないだろうが・・・。
その改造RR氏が何かこちらを意識してチラチラと見ている。それならばとTDM900のフル加速をお見舞いしてやったところ、あっという間にミラーの中で点になってしまった。さすがは管理人の腕ではなく、TDMのパワー。そう思って信号待ちをしているとW氏が「バイクガイド誌のCIRZによく出ているうっとおしい奴だ」と気がついたらしい。自宅に帰って同誌をみてみると、確かに掲載されていました。
本日の走行 290km