2010年5月8日
茶臼山をバックに管理人
G.W.はどちらかというとダラダラ過ごして、普段の疲れを取り除くよう努めていた。おかけでロングツーリングは、5月4日の1回のみとなってしまった。まるまる5日間天候に恵まれていたのだから、日数を必要とするテントツーリングをすべきだった。しかし、いまさら嘆いても仕方ない、いや、今こうして疲労した体が回復したから言えることだ。
そういうことで、G.W.は終了したが、通常の週末休みを利用してソロツーリングへ出かけた。やはり天気の良い日は走りたい。
午前9時に自宅アパートを出て、ひとまずYG方向へ機首を向けて走行していく。別に行く当てはないが、山方面へ行くことだけは確かだ。今日は軽く(距離を短くして)走るつもりだから、温泉でも行くかな。そう考えつつ、県道11号線で枝下近郊にやってきた。しかし、このままではまた串原温泉ささゆりの湯になってしまいそうだなぁ。最近ここばかり行っているので、どうせなら違うところへ行きたい・・・、よし、今日は売木温泉こまどりの湯に入ろう。そうなるとルート変更が必要だ。そうだ、グリーンロードの無料区間、枝下−力石間を走行して、国道153号線を走ればよい。いや、国道はつまらん。よし、県道344、33号線で足助の市街地を避けるルートを採ることにしよう。プラン承認。
こうして走り慣れたルートが頭の中で渦巻くのを制御しつつ、慎重に規定の道筋を辿っていく。ところで、この344、33号線であるが、ややアップダウンのある中速コーナーが続いている、なかなか楽しい道だ。路面も悪くないし、道幅も広い。おまけに交通量も少ないときている。道は選びようだ。
この後は一旦153号線に戻り、淡々と高度を上げていく。今日も暑い日になりそうなので、なるべく涼しい所へ行きたい。それはそうと、朝一番はなんかだるく、あまり行動する気が出なかった。しかし、こうして実際に出かけてみると「来てよかった」と思えるから不思議だ。不思議といえば小倉優子だが、最近あまりテレビで見なくなった。もうよい歳だろうに、余計なお世話であるが、もらい手はいるのか。因みに当方は不思議系はご遠慮申し上げる、って相手にも選ぶ権利があるので、そんな心配は無用だ。
伊勢神トンネルを越えて、先日OLD訓練生と走行した林道小田木本洞線入り口を通過する。今度はどこの林道へいこうかなぁ、と考えていると段度山牧場へ行く農道入り口カーブへやってきた。どの辺りまで完成したか、確認・調査の意味でこちらへ進入していく。この道も先日林道藤平線を走行した際に、少し通った道だ。
どんどんと山の中へ入っていく。このまま笹暮もみじ街道の終点、東納庫まで完成しているのではと思わせる程綺麗な道が続いているが、突然道幅はそのままにダートに変わる。そしてその手前に「国道257号線」と書かれた看板がある。どうやらここから先は工事中のようだ。仕方なくこの看板従って、1車線の細く、鬱蒼とした山道を慎重に下っていく。路面は悪くないのだが、枝なんかが結構落ちているので、踏みつけないように注意が必要だ。そんな感じで慎重に走行していると、時折開ける場所で眼下に箱庭のような集落が見える。丁度田植えの季節なので、田んぼに水が入っており、土の色で黒く光って見える。今年も旨い米ができますように。
こうして設楽そば道場があった場所で国道256号線と合流し、右折して名倉方面へ向かう。さてこの先どこへ行くか決めていない。そういえば茶臼山では芝桜が咲いているらしいなぁ、そう思い出して、あぐりステーション名倉前のテーの字を左折。茶臼山高原道路へアタックを開始する。アタックといっても、別段変わった事をするわけでもない。ただちょっと気分のよい速度で連続するコーナーを抜けていくのみだ。関係無いが、ちょっとエッチなアニメ「The かぼちゃワイン」の主人公が通う学校の女子寮では、「芝桜」というおしおき部屋があると思ったが。
今日はG.W.後、最初の週末なので道も空いている。ヒョイヒョイと調子良く快走を続けていこう。全く関係ないが、アタックといえば「その通ぉり」で有名な「アタック25」だ。随分な長寿番組だが、ああいうコンセプトの変わらないものが、実は時代に流されていないと言う意味で新鮮さを維持しているのだろう。時代に合わせて変わるというと積極的に行動している思われるが、当方が思うに、全てではないが、時代に合わせて変わるということは実は迎合しているだけで、変わっていることにはならないのではなかろうかと思う。そう考えると、変わらないことが一番変化しているのかもしれない。
こうして茶臼山頂上へ到着するが、なぜか駐車場で料金を徴収している。いつもは無料のくせに、こういう時はちゃっかりしている。仕方ないので芝桜はやめにして、山の裏側にある無料の休息地点で一旦マシンを停める。
おや、ここはあまり来ないので気がつかなかったが、矢作川の源流がある地だったのか。すぐそこに源流があるので、ちょっと歩いていってみよう。なんか碑までできて雰囲気が壊れているが、源流には違いない。大きい川の流れも最初は一筋の沢である。あちこちから水が集まってやがて川になる。当たり前だけど、なんだかやる気が沸いてくる事実だ。台風だってもとはただのつむじ風みたいなものだろう。小さなことでもコツコツと積み上げることは大切なんだなぁ。
川の流れも最初はチョロチョロ
川の流れに励まされて、目的地である、茶臼山の北側にある売木温泉こまどりの湯へ向かう。茶臼山高原をうねって通る道を流し、県道46号線で売木峠を通過。中低速コーナーとやや長いストレートが巧みに混ざり合った道を快走していく。直線で飛ばしすぎると次の中速コーナーで自爆する可能性もあるので、あまりノリノリになってはいけない。ライディングは度胸という人もいるが、当方はそれを真っ向から否定する。ライディングは冷静な判断力、正確な操作、そして理論に基づく実践のサイクルを回し続けることだ。これは公道でもレースでも同じことだろう。ところで全くの余談であるが、この道周辺にはキャンプ場が点在している。ハイカーなどにも注意しよう。
こうして売木村の集落へ下りてきて、こまどりの湯へ直行する。駐車場はなかなか混みあっているので、浴場も混んでいるだろう。そう思っていると、真ん中にMVアグスタF1000やハーレー、BMW−Sなどに乗る、かなりブルジョワな人々が集まっていた。ナンバープレートを見ると、どうやら首都圏の郊外からやって来た人達のようだ。まあそんなことはどうでもよいのだが、F1000には「元コル背」のマフラーが装着されていた。これはお決まりの、ロウソクで有名な街にある「議ルドディザイン」社製である可能性が高いと付け加えておこう。
温泉に入り体を洗った後、まずは露天風呂に浸かる。もう洗っている時からヌルヌルとアルカリ泉を感じていたのだが、湯船に浸かると猛烈にヌルヌルだ。公式な表示を確認していないが、PH値は10くらいだろうと推測される。周りで入浴されていた人々もヌルヌルだとさかんに発言していた。
それにしても日本人は温泉好きが多いようだ。特に露天風呂には特別の想い入れがあるようで、建屋の外で裸になるという、いわば非日常をも楽しむことができるところに魅力があるのかもしれない。そう思いながら、陽の光を浴びつつヌルヌルのアルカリ泉を楽しむ。全く関係ないが、R1-Z氏に10年近く前にこの温泉を紹介し、氏が接待で母君をお連れした際も好評であったと付記しておこう。
温泉に入っていたら、既に時刻は12時を回っている。少々腹が減ったので、付属のレストランを覗いてみる。ここは面積は広いのだが調理人が少ないようで、以前待たされたことがある。どうやら今日は混んでいないようだ。しかし、客は待たされているような雰囲気だったので、「道の駅信濃路下條」のそばを食べに行くことにした。そう、あの「峰竜太のふるさと」ということを、全面的に押し出している所だ。
次の行き先は決定したが、少々疲れたので休息室で横になる。ちょっと目を閉じていたら、いつの間にか30分くらいウトウトしてしまった。
目を覚まして、水分を補給したら出発だ。マシンに火を入れて周りを見回すと、「長野オリンピックの聖火リレー県内スタート地点」という看板を発見した。ああ、そうなの。あれからもう12年も経過したわけだ。当方丁度25歳の頃だ。あの頃にもっと勉強していればなぁ、といつものように後悔するが、まさに後悔は先に立たない。
それでは、道の駅信濃路下條へ向かおう。ルートとしては、国道418号線と151号線を通れば問題ないのだが、それではつまらない。代替路はないかと地図をよくよく見てみると、県道1号線がある。これを通っていこう。ということで、まずは国道418号線を151号線とぶつかる所まで、丁度道の駅新野千石平まで走行し、その後ほんの200m程国道151号線を走ったらすぐに右折。引き続気418号線を行く。ところで、418号線はここを境に様相が一変する。いままでは片側1車線の広い快走路であったが、ここからは1、5車線の山岳ルートだ。基本的に山側は岩肌剥きだしで、谷側は深い。誤って落ちてしまったらまっさかさまだろう。路面も湧き水が川になっていたいり、小石の落石が落ちていたりする。
まあ走りなれているので、慎重に走行すれば問題ない。それに、所々で改良工事も進んでおり、一部快走路に変貌しつつある。ちょっと残念な気もするが、快走路も悪くない。
ところで、この国道418号線には「おきよめの湯」という温泉があり、そこを越えてさらに進んでいくと小さな滝がある。この滝は落差が10m程で、滝つぼに落ちる水は霧状になっている。この近くは足場が悪いのだが、慎重に近寄ってみると「マイナスイオン」を浴びているという気になる。
ちょっとお気に入りのポイント
この後は、天竜川の雄大な流れを横目にみつつ、平岡ダム付近で県道1号線へ乗り換える。ここからもさらに、いくつかの集落を通過して天竜川を上っていく。ツーリングマップルにも「広狭混在路」と解説があるが、まさにその通りだ。
県道一号線 「ぬくた」にて
さて、できるだけこの1号線を走行したかったので、県道63号線で道の駅へ向かう予定であったが、誤って手前の83号線に入ってしまった。まあちょっと国道151号線を走る区間が長くなるだけだったので、問題は無い。
こうして14時30分頃に道の駅信濃下條へ到着して、早速2階の食堂へ向かう。そしてそば食べ放題1300円の食券を購入して、オバちゃんに提示する。するとオバちゃんは「何枚食べていただいても結構ですよ」と暗に10枚くらい食え!、というようなニュアンスで説明をしていた。
普通のもりそばです
昨年の秋に6枚で腹がパンパンになったので、今回は4枚程度にしておくつもりで、そばを食べ始める。1枚、2枚、このくらいは楽勝。「おかわり2枚ね」、3枚目、4枚目、んん、ちょっと飽きてきた。これで終わりにしておこうかと思ったら、「おかわりどうする?あと一枚ね」と強引に引っ張られて「じゃああと1枚・・・」って言ってしまった俺。これで余力を残して、隣の建物で販売されているソフトクリームを食べる計画はご破算である。
それにしてもここのそば、すごく旨いと言うわけでもないが、結構いけるんだよなぁ。もちろん土産として持ち帰ることもできる。もっとも、5枚も6枚も食べた後で土産を買うことなどありえない。そばは当分食べなくてもよいだろう。
腹いっぱいで動くことが辛い。先日のR1-Z氏のような苦悶とまではいかないが、ゲップが出てしょうがない。おそらく麺が胃袋の中で膨らんでいるのだろう。だから4枚にしておけって言ったじゃん、俺。まったくだ、俺。
ちょっとベンチに座って腹を落ち着かせる。ところで、何回も申し上げているが、ここは峰竜太のふるさとだ。それゆえに「みどりやきもち」なる焼き草もちなんかも販売されている。なかなかナイスな名付けだ。食べてもみたいが、腹パンパンでとてもじゃないが食えん。今晩は晩飯無しでいいな。
さて、帰宅のルートであるが、国道151号線、416号線でheading270を維持していくことに。だけれども、それではイマイチ面白みに欠けるので、151号線を阿南町西條地区まで南下して、県道46号線を使うことにしよう。こうすればこまどりの湯付近で国道418号線に合流できる。これでプラン提出、承認。早速走り出す。
国道151号線は特に何も無いが、県道46号線は大失敗だ。道が1車線程の広さしかないし、湧き水が形成する川が多すぎる。その中にはコケが生えていてツルツルになっているものまである。幸いTDMの性能が高いこと、林道での訓練が役に立っていることから何事もなかったが、もうこの道は使わないだろう。
あとは国道418号線の平谷峠を越えて、国道153号線を横断、さらに国道257号へ合流して、YGを抜けて帰宅した。
気心知れた仲間とのツーリングはもちろん楽しいが、その場でルート設定するような無計画ソロツーリングもまた楽しい。ソロ時は自分の考えや速度を維持しやすいし、興味ある道の調査走行もしやすい。そしてそこで得た情報を何かの機会で仲間に展開するということもできる。また、乗り方や航法(走法)の訓練も、自分で課題を設けて行うこともできるからね。
もともと2輪ツーリングは各々が1台ずつ機体を操縦するので、ルート選択やペース配分は全て自分持ちだ。これはマスツーリングでも同じことで、走行ルートを自分が知っておかなくては迷子や事故につながりかねない。先日のまつくぼツーリングでも、各々が地図を持って提出されたフライトプランを全員が承認していたことは、参加者各々がこのことを理解していることに他ならない。
言ってみれば、ソロツーリングが遂行できて初めてマスツーリングに参加できる、というものであるといえる。もちろん免許取りたての人では話は別だが、3000km(100時間)も経験を積めば自ずと自らのスタイルが出来上がってくる。そこからは自分でプランを立て、地図通りに走ったり、ルート逸脱を挽回してみたり、そうしてツーリングの幅が広がるというものだろう。そうなればバイクは自分の足では足りないところを存分に補ってくれて、道があるならどこでも行けるような自由感を与えてくれることだろう。
少々熱くなってしまったが、腹が一杯で今日は終了。次こそは4枚でそばを終え、ソフトクリームを食べたい。
それにしても軽く走るつもりが300kmになってしまった。まあこんなものでしょう。
本日の走行 300km