極寒の浜名湖S.A.にてR1-Z氏（若！！）
中田島砂丘をご存知か。砂丘（恥丘ではない）というからには鳥取砂丘のようなものだろうか。まさにその通りである。管理人は確かVT250Fを購入した1995年に初めて訪れ、その後は幾度となく行っている。確か夜中に行って方角が解らなくなり、「遭難」しかけたこともある。もっとも、さほど広くもないので、30分程彷徨った挙句に、アクトシティ浜松の灯りで助かった。
それはさておき、この年が始まって、早々にTDM850が納車されたわけである。こけら落としというわけでもないが、慣らしを兼ねてR1-Z氏と初めてツーリングに出かけた。氏は会社の先輩であり、兄貴でもあるわけだが、本格的な付き合いはこの頃から始まった。
事の発端は、前年の忘年会にて、バイク談義で盛り上がったことに由来する。氏は時々、通勤に二輪を用いており、入社したばかりの管理人は
「誰のR1-Zだろう？」と密かに勘ぐっていた。その後、持ち主が発覚し、前出の忘年会で話が盛り上がったわけである。管理人は真冬ということもあり、「近場（往復200km程）でどうですか」と計画を提案した。「いいですねぇ」とR1-Z氏。この時期からいけば、海沿いの道となるわけで、定番の「中田島砂丘」が候補になった。氏は「よくわからないから、お任せします」と交渉成立。早速TDM850の納車後の慣らしという名目で、成人の日をツーリング日と定めた。
ツーリングの朝は早い。仕事よりも早い時間に集合することが半ば常識と言える。管理人の自宅と会社近所でもある、某駅前ロータリー（ロリータではない）に集合した。濃霧警報が出そうな勢いで、R1-Z氏がやってきた。よくよく話を聞いてみると、「ピップ」（仮名）という悪名高きバイク店でマシンを購入していたことが判明した。
いつものように話は逸れるが、管理人の2号機であるVT250F�靴眩綾个痢屮團奪廖廖焚礁勝砲嚢愼�している。確か16万5千だっただろうか。その「ピップ」（仮名）で納車されたVTを駆って帰宅途中に、どうも様子がおかしい。最高重要度の救難信号であるスコーク77を発するほどではないが、何かおかしい。どうやら左側にハンドルがとられる傾向がある。道路にカントがついているせいか？いや、自分の気にしすぎか？やっぱりおかしい。その後2週間ほど、疑問を感じつつ300km程走行した。やっぱりおかしい。前出、いや伝説となるべくバイク屋「ピップ」（仮名）に出向いて、「どうもハンドルが左にとられる。フレームとフロントの足回りは大丈夫か。あと、タンクの錆でキャブが詰まっているような気がする。ガス欠のような症状があるよ。」ときっぱり言ってみた。すると店員が「調べますのでお待ち下さい」と言って、売り場面積の100分の1にも満たないような整備場へ入れてなにやら作業をしていた。その間、管理人は売り場のバイクを眺めていた。ここのバイクは妙に光っている。タイヤまでピカピカじゃあないか。やっぱり何かおかしい。買う前に気が付くべきだった事項だ。
ピップ（仮名）のような店もある
さて、「ピップ」のメカだか販売員だか区別のつかない人が出てきて、「フレームが曲がってましたので、反対から力を加えておきました。様子をみてください」って、おい、バカにしてるのか。何のために「フレーム修正屋」が存在してるんだ。バイクのフレームってそんな簡単に修理できるものかぁ〜。「お前じゃあ話にならん。責任者を出してください」と定番ではあるが、めったに言わない台詞が無意識に口から飛び出した。
すぐさま店長と思しき人が出てきた。「すいません、こんなものを売りつけて申し訳ありませんでした。すぐに新しいのと取替えます」ということで、管理人の怒りはさほど増長することはなかった。売る前に調べろよなぁ。ってわかるだろう。納車の日、販売員が「周りを一周して暖機しておきました」なんて誇らしげに言っていたことを思い出した。おいおい、勘弁してよ。この店ではもう買わない、というかここで買おうとした俺が、よくわかっていなかった。反省。
さて、「ピップ」（仮名）の話でだいぶ時間を食った。その「ピップ」（仮名）で氏もマシンを購入していたとは。不安を感じつつ出発した。
県道５７号から国道の１号線を走る。途中のドライブインで休息を取る。今日は風も強く寒い。話しているうちに「ピップ」（仮名）で購入した氏のマシンは、海沿いでは「カタハイ」になることがあると聞かされた。不安を感じつつも、まあ、今日は乾燥しているから問題ないですよ、なんて言って、潮見坂から遠州灘へ下っている時、ん？R1-Z氏の様子がおかしい。でも濃霧警報は注意報に切り替わっている。とりあえず、バイパス路の料金所（当時は有料、2005年４月から無料）にて停車。「カタハイになってしまいました」とR1-Zは携行している予備プラグに交換を開始。エンジンは無事始動したが、オイルの吹き方が異常だ。また濃霧警報が発令されたのは言うまでもない。やっぱり、ピップ（仮名）。やってくれるじゃん。よく見ると、オイルポンプの所からオイルが垂れてますよ。
このオイル漏れの件で、氏も「ピップ」（仮名）にやられている。本来、オイルポンプから漏れているということは、オイルポンプ自体の不具合が原因であるので、ASSY交換となる。しかし、「ピップ」（仮名）では、「コーキングしておきました」と修理したフリをされたそうだ。その後、しばらくして、オイル漏れが再発したのは、言うまでもない。
さて、オイルの吹きがひどいので、当時新車で慣らし中の850を、悪いと思いつつも氏の前にさりげなく移動させた。なんとか走れるようになり、再出発。バイパス出口からは「富士山」も顔をのぞかせている。国道をタラタラと走って、目的地の中田島砂丘へ。この砂丘は天竜川が運んできた砂により形成されたものらしい。砂が細かいので非常に歩きにくいが、なんとか波打ち際にやってきた。写真を撮りましょうとパチリ。
青空をバックにR1-Z氏 波しぶきを背に管理人
丁度昼飯時になったので、体を温めようとラーメンを食す。浜松市内へ向う途中のラーメン屋で管理人お得意の薀蓄を垂れる。それにしても
「ピップ」（仮名）のことではお互いにえらい目にあったようだ。まあ、この件が氏と管理人の友情を深めたとも言えるので、一概に非難もできないと思うが、、。
浜松市はバイクの街だ。スズキとホンダの工場（二輪を生産しているかは不明）がある。当然、それにまつわる産業が裾野を広げているわけだ。そんなわけで、元GPライダーの平忠彦氏も「平レーシング」というバイク屋を主宰している。ひとつ寄ってみようということで、小一時間探し回った結果、何回も通り過ぎていた所に発見した。
当日は平氏は出張中で留守であったが、従業員の方がとても親切で、コーヒーまで頂いた。ショールームにはMVアグスタのF4が展示してあっ
た。そうか、平レーシングはMVアグスタの正規販売店だったんだ。管理人が一時期片棒を担いでいたバイク屋「エムピー」（仮名）のような商売はしていないことは一目瞭然だ。後に関係するYSP名古屋北店とも交流があるということだった
平レーシングの新社屋
ステッカーを購入して一路自宅へ。当たり前だが冬は日が暮れるのが早い。このままではマズイと帰路は高速道路を利用する。途中、浜名湖S.Aにて休息を取る。ここは上り線と下り線兼用の非常に広いS.A.で、ハーモニカ演奏のCDを売っている。そういえばヤマハは楽器も製造している。ローランドや、河合ピアノも浜松だ。改めて浜松の偉大さを思い返す。
その後は順調に走行して帰宅。TDMは3500r.p.m.で100km/hとエンジン慣らしも順調に消化できた。
そういった経緯で、R1-Z氏とツーリングするようになったが、実は、氏は往復100km位しか走ったことがなかったそうだ。内心は「えー、浜松？そんなに遠くへ行くの？」と思ったらしい。なるほど、軽く200kmというのは、管理人の距離感覚であったことを付け加えておこう。思えばこの後、R1-Z氏は管理人の距離感覚にすっかり慣れて、2006年には北海道上陸を果たしている。 ピップピップと批判してきたが、気の合うツーリング
仲間と出会えた陰にピップがあったわけであり、そういう点では感謝すべきかもしれない。でもあの店ではもう買わない。