長野県売木村のしだれ桜にて
2009年4月18日
管理人も先月36歳になってしまった。36歳というは3回目の年男である。誕生日つながりで、管理人と同じ誕生日の芸能人を調べてみたところ、綾瀬はるか（2回目年女）とかベテランペアのEvery Little Thingに所属する持田香織なんかがいるらしい。ところで、彼女らをよく「ELT」って呼ぶが、英語教育の分野では「English Language Teaching」＝「英語を言語として教えること」を指す。日本人は略語が大好きだが、そんなことばかりしているとおかしなことになるという典型的な例だ。また豆知識として、彼女らのペアの本名は「Every Little Thing」＝「どんな些細なことも」という意味を帯びていることを紹介しておこう。
そんなことはどうでも良いが、最近は夜更かしがつらくなりつつあるので23時頃には寝るようにしている。しかしその代わりに朝は早起きとしているので、なにやらジジイへの第一歩なのかと思われてならない。そういうわけで、今日も6時過ぎには起床して朝飯を食ったり、新聞を読んだりしてゆっくりとする。その際何気に天気はどうかと窓の外から空を見上げてみると、雲が多く出ておりあまり天気が良くないのかと思っていた。が、だんだん晴れてきたので早速出かけることとし、フライトプランの作成にかかかる。さて、どこへ行こうか。当たり前のことであるが、今日はソロツーリングであるのでルートは無限大に存在する。肝心かなめなことは自分がどうしたいかを明確にし、それを実現するべく飛行計画を立てることだ。そこでまず最初に思いついたことは、シーズンが始まってまだ間が無いので山のワインディング路を延々と走行し、ライディングの技量維持を行いたい。ついでに旨いものも食いたい、温泉も捨てがたいなぁ。ということで、当方が日頃から申し上げているテーマである「走り、飯、温泉」を満たす目的地を探す。
お、駒ヶ根のソースカツ丼があるじゃあないか。駒ヶ根高原には温泉もあるし、道中国道152号線に乗れば1.5車線ながら延々と山間のワインディング路をヘトヘトになるまで楽しむ事ができる。プラン承認というわけで準備にかかる。ここで問題発生。服装をどうするかだ。これについては一番寒い場所の気温を想定して、それに耐えうるべく組み合わせを探る。おそらく15度くらいが最低になるとおもうので、モモヒキは無し、上着はインナー脱着タイプの冬用、グローブおよび靴はオールシーズン用と決定した。
そんなこんなで8時30分自宅を出発し、まずはYGを目指す。そこへの道はほぼ決まった道を通るので、特に考えることもなく走行を開始する。すると豊田に入った頃に後ろから見慣れたバイクが接近してきた。おや、どうやら同じ町内に住むMuZ氏のようだ。路肩に止まって挨拶を交わす。管：「おはようございます。どこかで見たバイクだと思ったんですよ」、するとMuZ氏：「見間違いじゃあないの？？」と返ってきた。相変わらず話の分かる方である。氏は暫く乗られておられなかったが、車検を継続してタイヤ交換を行ったそうだ。今日は皮むきで軽く足助あたりを走られるということであったので、途中まで一緒に走行する。ところで氏が所有する車両の正式名称はMuZというメーカーのスコーピオン（ツアー）といい、メーカーは旧東ドイツにあった？ようだが、エンジンは日本製で、ヤマハテネレ660、あるいはSZR660のエンジンを搭載していると追記しておこう。
街を抜けて矢作川沿いの県道11号に乗り換えて、快走していく。この辺りはやや空気がややひんやりしているが、予報では最高気温は25度近くまで上がるようなので心配は要らない。むしろ上着のインナーを外すことになるだろうなと思っていると、途中でMuZ氏は足助方面へ曲がって行かれた。手を挙げて挨拶する。またお時間があるときにご一緒しましょう。
さて、どんどんと山へ入っていき、温泉旅館がある小渡を通過。このあたりからは少しずつカーブも登場する。うーんどうも右カーブにおいて、体と車体の一体感が出ない。左腕でハンドルを引っ張っていないか、右肩の力は抜けているか、ニーグリップはどうかと各部をチェックしつつ走行を進める。どうやら、顔、体、車体の順序は顔、車体、体になっている。順序が違うぞ。意識してみるとだいぶ違和感がなくなってきた。あとはYGの低速コーナーでもその辺りを意識して走行するとしよう。
県道11号を旧役場のところで右折して22号へ乗り換える。ここからは本格的な屈曲路区間の始まりだ。幸い前後には車両がいないので、コーナリングの感覚を確かめつつ、除々に速度を上げていく。右カーブへの進入の際にインへつくタイミングが早すぎる。もう少しこらえてアウト側へもってきて、前述の倒しこみを実践するようにするように心がける。
まあ今ひとつであったが、先は長いので一度広場で一服する。そこには数台の４輪車が停車しているのみで、2輪車は丁度出発したばかりであった。ひとまず体を伸ばしたり、TDM号のタイヤや下回りなどをチェックしておく。タイヤはほぼ使い切っているいるので、あとは加重を乗せていけば安定して旋回できるようになるかな。そんなことを考えていると、トラのデイトナ６９５に乗る５０歳前くらいの方がやってきた。ところで、管理人はドカとかトラを見ると、その車両の販売店がどこであるか、非常に気になる。理由はまた個人的にお話しする機会がある時にでも。それはよいが、この車両は点検時期を示すステッカーからトラ名古屋中央（廃業済み）の車両と判断した。またあの悪徳店の餌食となった方かと少々陰鬱な気持ちになっていると、トラのオーナ氏が「TDMってどこのバイクですか」と尋ねてこられた。当方は国籍なのか、メーカーなのか質問の意図がわからなかったので、ヤマハですと回答しておく。すると、「ああ、そうですか。ディバージョンとは関係あるのですか」とまたまた質問されたので、エンジンを中心に薀蓄を。「ディバージョンは空冷の４気筒ですね。TDMはもともとパリダカに出場していたスーパーテネレのエンジンを源流にしており・・・」と続けた。トラ氏は「ああ、２気筒なんですか。じゃあドコドコいって走るんですね」と。これもよくある誤解で、２気筒がドコドコいうかどうかは味付けによるわけで、TDMは正直あまりドコドコ感はない。むしろマルチに近い感覚で、高回転まで回してしまえはマルチと変わらない。この方がロングツーリングでは疲れないので良いと思っている。一般的にはハーレーやドカのドコドコ感が２気筒の真骨頂と思われている方も多く見えるようであるが、管理人の考えではエンジンはやや控えめの方が好みであると付け加えておく。要はそのオーナーの好みが重要であるのだ。
そんな会話の後、トラ氏は元気良く飛び出していかれた。ところで、トラの３気筒のエンジン音は高回転になるとどうも「軽自動車」のそれに聴こえてくるのは管理人だけであろうか。
さて、当方もYGを東へ向けて走り出す。ここは以前にもご紹介した通り、ウネウネに曲がった低速コーナーを短い直線で結んだ道である。また、砂を積んだトラックが多く通るので、その落し物には十分な注意が必要だ。ここでもコーナリングの感覚をチェックしていとしよう。少しはましになってきたようで、S字の切り返しは以前にOHしたリアサスが十分な反力発揮し、軽快にロールしていく。しかし、インにつくタイミングが早い。まあ、ここは路面の端に砂がでているので、このくらいにしておこうか。
この後は一旦国道２５６号線に出て、機首を磁方位300から360へ向けて快走していく。256号線のこの区間は特に通行量が少なく、高速コーナーが多いので、気分爽快だ。ただ、事故も多いらしく、以前管理人は事故直後の状況に遭遇した事がある。その事故の状況を推測するに、恵那側から来た4輪車の運転席側フェンダーにどうやらYG側から来た2輪車が何らかの理由で（曲がりきれなかったのか、グループ走行していたので競い合っていて思わず大きくアウト側からコーナーに進入したのか）接触したというものであったのだろう。おりしもちょうどけが人が搬送された直後だったようだった。4輪の損傷は大したことはなかったと思うが、2輪の方は結構グシャグシャであったと記憶している。
そういうわけで、この地点を通過する際は十分に注意して走行しており、またどうしても当時のことを思い出してしまう。まあそれはそうとて、そこを通過したら今度は国道418号線に乗り換えてheading 090で平谷方向へ向かう。この418号は1.5車線のウネウネ路で、時折路面も荒れている。ブライドコーナーも多く、カーブの曲率が途中で変化したりと技量維持には丁度よい。ところで、この418号線沿いには「万光寺」なるものがあることを以前記したと思う。因みに埼玉には「珍皇寺」、焼き物の街である瀬戸には「雲興寺」がある。名前で笑っては申し訳ないと思うが、笑いはこらえられない。
薄ら笑いを浮かべつつ国道418号線の走行を続けていくと、平谷付近で片側2車線の道路となる。こうなると国道153合線との交差点は近い。因みに同国道とは、道の駅平谷の南約300m付近で交わっている。今回は153号線を横切り平谷を越えて、平谷峠へと向かう。もちろんその前には低、中速コーナーがちりばめられており、かなり走り応えがある。途中に傾斜が５％くらいついた連続ヘアピンがあり、なかなか上手く抜けていくことができない。目いっぱいアウトからやや減速過多で進入し、2番目のヘアピンへサスの切り返しの反動を用いて進入し、大きめにスロットルを開ければよいのであろうが、路面がやや荒れているし、勾配があるとどうも怖い。恐らく肩や腕に余計な力が入っているのだろう。
するといよいよ平谷峠（1164m）へ到着する。いつもは素通りしてしまうのであるが、一応展望台らしきものが用意されているので立ち寄ってみる。眼下に見える長野県南部の山々はまだまだ冬枯れの様相を呈しており、やや茶色い。大した景色では無いのだが、尾根や沢が幾重にもおりなされている光景を一応写真にしておいた。
峠からの眺め
（左端は国道418号線）
峠を越えると今度は5％級の勾配がついた低速カーブが連続する。写真をご覧になって分かるように、道路の下は崖っぷちである。翼がついていれば飛び出しても問題は無かろうが、2輪ではひとたまりもない。十分に注意して走行を続けていこう。
勾配がゆるやかになると、こまどりの湯が見えてくる。ここはTDM850時代に発見した穴場の温泉である。泉質は透明、アルカリ性で、やや下呂温泉を彷彿とさせるものがある。今日は気分が乗っているので、寄り道しないでそのまま通過していく。街に入るとすぐにしだれ桜が目に入った。この辺りは今頃が桜の見頃となっているようである。この桜は白鳥神社というこの集落の氏神様のものらしい。本リポートの冒頭の写真がそれであるが、電線なんかがあるのでちょっとがっかりだ。しかし、何か神秘的なものを感じ得ずにはいられない。おそらくこの集落が開かれたときから存在しているのであろう。さらにその上には直径が50cm以上もある桜の木が立っている。こちらも大変立派なものであった。手を触れて安全を祈願してみた。
この後は更に東進し、売木峠を通過する。ここは立派なトンネルができているので苦労なく通過。すると道の駅信州新野千石平が見えてきた。ワインディングをおよそ40�劼�らい走行してきたのでいささか疲れてしまった。ここで一休みすることとする。
駐車場に入ると、まあなんとバイクの多いこと。今流行のスクーターやオフ車の小グループと思われる方々が数組みえる。管理人がTDMを停車させて、ひと息ついていると、ドカやハーレーの軍団が入ってきた。ドカの中にはMHR初期型のスクエアケース車と思われる車両も見られた。あれでツーリングをこなすとなると、とてつもない気力と大らかさが求められることだろう。修理は可能なのか。などどいらぬお世話だと言われそうなことが頭に浮かんだ。また、ハーレーでもやけにハンドルバーが高いところにある機体も。よくここまで来ることができたなぁと関心してしまった。
さて、この道の駅は管理人はじめ、W氏も推薦の場所だ。というのもソーセージや五平餅の焼きたて（しかも炭火焼き）が食べられるし、山栗の試食品を配っているからだ。売店には名産のこんにゃくなんかも販売されている。そしてもっとも特徴的なことはこの建物の形だ。
どこかで見たような
なんか見覚えのある建物だ。その通りだよ、ヤマトの諸君（SP２殿へサービス）。奈良の大仏殿を模しているようだ。屋根のてっぺんの左右にあるシャチホコのちいさいやつがそれとなく鎮座しているし。もっとも、建築した人に言わせると「何のことかね？」と返されそうだ。ところで、鎮座と言えばR1-Z氏の会社のトイレでの出来事だが、ここでは諸事情により詳細の記述は割愛しておく。尚、ここでGB250を見かけたことを報告しておこう。まだまだ結構な台数が走っているようだ。
くだらないことを考えながら道の駅を後にして、さらに東へバイクを進めていく。おや、TDM850（黄色）に先導されたグループが後方からついてくるぞ。そういえば850時代にもここを何回か走行したことがあるなぁ。あの時はトルクにおっかなびっくりであまり乗れていなかった。もっとも今でも当時よりはましだが、決して乗りこなしているとは言い難いと告白せねばなるまい。バイク道は奥が深いのだよ。
さて、ここからは418号もさらに道が細くなる。本当に林道に毛の生えたような造りで、崖をちょっと削ってなんとか１車線分の広さを確保したという趣だ。小さな石ころが出ているし、湧き水も流れている。さらにブラインドコーナーも多い。そのくせ中型トラックなんかも通行しているので細心の注意を払いつつ車輪を進める。もっとも、ところどころで拡張工事中であるので、数年後には多少状況も改善される事と思われる。
さらに進んでいくと滝がある。これは以前にも紹介したことがあるのだが、この滝に寄った後、例の爆発事件が起きているのでゲンをかついで今回は通過。
2004年に前述の滝にて
（梅さんとR1-Z氏）
細く険しい道を慎重にクリアしていく。こういう道でもTDMならば管理人の腕の足らないところを存分に補ってくれる。タイヤのグリップは抜群だし、いとも簡単にトルクでバイクを旋回させることも可能だ。突然の対向車にもコントロール性の非常に高いブレーキのおかげでまったく安全に減速が可能である。ところで、ブレーキと言うと「効き」ばかりに目が向けられていると感じているのは管理人だけであろうか。以前どこかで記載したと思うが、ブレーキは効きに加えてコントロール性が非常に重要だ。サーキットにおいてもそれは同様である。ましてや路面が一定でない公道においてはコントロール性の方が大事と言えよう。これに寄与するものはやはりキャリパーだ。キャリパーは剛性が高いほど良いと思われている方が多い様だが、これは全くのデタラメと言えよう。なぜなら、コントロール性を向上させるにはある程度のたわみが必要だからだ。一流と言われるブレーキメーカのイタリアブレンボ社製のものでさえも、設計時にたわみを考慮していると聞いたことがある。因みに日本のニッシンブレーキ製のものの方が剛性自体は高い場合もあるそうだ。
TDMのツーリング性能の高さを実感しつつ、天竜川を渡り、さらに和田地区で152号線と合流。時折2車線の道となるも、基本は1.5車線でウネウネだ。嬉しくってドンドンとコーナーをクリアしていく。例の爆発地点も知らん顔して通過。あの爆発はおそらくミラーを見ていた時間がちょっとだけ長く、ほんの一瞬寝かしこみが遅れたのでオーバーランしてしまったのであろう。完全に管理人の能力不足である。まあ、事故ってのはそんなものよ。
このあたりはとにかく夢中になって目の前に現れるコーナーをちぎっては投げ続けた。ところで、国道152号線は未だに全線開通はしていない。どうも岩盤が固かったり、脆かったりしてトンネルなどをうまく掘ることができないからだそうだ。そういうところはたいてい舗装林道で迂回するようになっている。そのひとつが蛇洞林道だ。この道はきれいに間伐された林間を縫うように通っている道であり、マイナスイオン出まくりという感じでとても気分が良い。しかし、北側の方は注意が必要だ。というのも、なぜか路面と同じ色の砂が撒かれているからだ。砂があるくせに良く見えないので、気を抜くとズルっといってしまいそうだ。また、所々に斜めに路面が傾いているというか、陥没しているというか、そういう部分がある。梅さんと以前ここを走った際、彼は、「陥没＝陥没乳首」という等式が頭の中でクルクル回っていたと告白していた。当方は陥没していない方が好みであると告白しておこう。また、再三申し上げている通り、オレは「臀部」が一番好きだ。前出の綾瀬はるかは公称ヒップは91cmということであると報告しておく。
さて、鹿塩温泉付近で一度休息をする。そういえば、以前R1-Z氏と風呂に入って鹿肉と馬刺しを食べて「馬鹿肉」とか言って笑ったことがあったなぁ。もう何年前だ？？152をさらに磁方位360で進んでいく。途中にフォッサマグナの北川露頭というものがあり、立ち寄ることとする。もっとも今まで道沿いにいくつも似たような場所があったのだけど、気が付かなかった。それだけ走りに集中していたということであろう。駐車場にバイクを停めると、ネコが2匹寄ってきた。「？？？」なんで人家の無いところにネコがいるんだ？？ニャーニャーとネコになりきって会話してみたが、なんとなく伝わったような気がするから不思議だ。
それはともかく、フォッサマグナを見よう。野生の鹿のフンと思われるものをを踏まないように注意しつつ、2,3分歩くと色の違う岩同士がぶつかっている。確かに断層のようだ。ところで、フォッサマグナというとオークラ氏であるが、治療がうまくいっているようでよかったよかった。
色の違いがお分かりでしょうか
今ここで、この断層が動いたら嫌だなあとか考えつつ、駐車場へ戻る。まだネコがいるので、ここの住人のようだ。
フォッサマグナの露頭からは分杭峠まで5�劼曚匹任△襦�ここはなんでも「気」が出ているとかで有名らしいのだが、管理人は興味ないので景色だけ見て、さっさと退散する。
分杭峠にて
ここからは少し下って、中沢峠にて県道49号線に乗り換える。道自体は国道152号線と変わりはないが、前方にドドーンと駒ケ岳をはじめとした冠雪した山々がみえる。その雄大さたるやなかなかですな。おおっと、景色に見とれていては危ないので気をつけろ。こうして山を下り、天竜川を渡るといよいよ駒ヶ根市だ。ああ、もう13時を回っている。腹減ったぁ〜。まあ昼飯時を外しているのできっと店も空いているだろうと有名所の明治亭へ向かうも満員で1時間近くは待たなくてはならないようだ。まあ、駒ヶ根にはかなり多くの店があるので、街道を走っていれば良い店も見つかろうというものだ。そう思いながら伊那中部広域農道を南下していると「きらく」という新しい店を発見。空腹も限界とここへ飛び込み昼食とすることにした。
こちらの店内は煙でいぶした昔の民家風の黒い壁とやや暗い照明で、落ち着いた感じの店だ。メニューを見るとどうやら夜は居酒屋としても営業しているらしい。それはともかく、腹が減っているので上ソースカツ丼260ｇ（1150円）を注文した。期待して茶を飲み、今日の走行ルートを確認しているとやってきました。
きらく全景 ツーリングマップルとの厚さ比較
昨年行った伊那の「まつくぼ」ほどではないにしろ、かなりの厚さがある。一口食べてみるとソースもしつこくなく、肉も非常に油身が少ないあっさり味だ。管理人しては星5つです。また、メニューには豚肉は飯田市のものを用いているとの説明があった。どんぶりも直径25cm程あり、写真のようにはみ出さんばかりに盛り付けてある。完食できるかどうかやや不安であったが、なんのことはなくペロリと食ってしまった。あっさり味が功を奏したようだ。あと、味噌汁も田舎味噌風で非常に旨かったと付け加えておこう。
カツ丼の味、量ともに大きな満足感を覚え、ややボーっとした頭を活性化させるために店の駐車場で先に述べた冠雪した山々を眺める。地図によるとこの山々は標高2500m級以上ということだから、まだ当分の間は雪をいただいていることだろう。地元と違って、高原のさわやかな空気を胸いっぱいに吸ったら多少気分も良くなってきたので、帰路に就く。このまま目の前の広域農道を飯田まで南下して、国道153号線に乗り換えるのはわけないことであるので、今日は天竜川の東を通る県道18号を使用することにするか。
店の駐車場から
まずは駒ヶ根の市街地を抜けることになるが、主要な道路は込んでいる故、裏道を通る。「おまえ地元民でもないのにそんなもの知っているのか」と突っ込みが入りそうだが、そんなもん知るわけないジャン。モランボン・ジャン。だけど大きな間違いを犯すことは絶対にない方法がある。至極当たり前の方法なんだけど、重要な点だけ押さえておけばよいのだ。具体的には天竜川を渡るということ、天竜川は街の東側を流れているということ、そして川の少し西側にはJR飯田線が通っているということだ。この3点をしっかりと理解していればO.K.牧場。適度な大通りを東（左）へ向かい、とにかくその方向（磁方位090）をキープする。14時時過ぎだから、おおよそ左肩に太陽を背負っていれば問題ない。またはコンパスなどの計器を用いてもよい。管理人の場合は晴れならば太陽、もしくは星、曇りならば計器を用いることとしている（当たり前である）。さて、なんか住宅地に入ってグチャグチャとしてきたが、何のことはない。JR飯田線の踏切を発見さらに磁方位090をできるだけ維持し、天竜川を渡った。
ここからは先の国道418号線に似た県道18号線で飯田方面へ向かう。この道は天竜川沿いを通っており、交通量も少ない。その天竜川は道路の左下を悠々と流れている。なんでも暴れ天竜という異名をとっている（た）そうだが、今日の様子ではそんなことは微塵も感じさせない。釣り人もチラホラと見え、春の日差しをキラキラと反射した水面はなにか「わたしは人間の味方よ」とでも言っているような余裕すら感じさせる。その天竜川を横目に低速、中速のコーナーをスイスイと泳いでいく.
そんな状況も中川村辺りまでで、同県道は普通の街の道へと変貌していく。ところで、いつもは広域農道を飯田まで走行するのであるが、なぜ天竜川沿いを走ることにしたか。農道の方は完成したばかりの頃は交通量も少なく走りやすかったのであるが、近年では道の駅ができたりしてトラックなどの増加が目立ち、流れが悪くなったことが大きな理由である。便利な道が完成することは良いことであるし、それを利用する人が多くなることは道路行政としても喜ばしいことだ。しかし、それにより、利用価値が下がってしまうのでは意味がない。何か良い方策はないものだろうか。
そうこう考えていたら飯田市までやってきた。ここからは国道153号線に乗り換える予定だが、ちょっと前から三遠南信道の看板がやたらと出ている。しかも無料と書いてあるし、中央道.に接続してあることをうかがわせる表示もしてあるので、ものは試しと早速利用してみる。国道151の正規のルートを外れて進入していくが、現状この道の扱いも国道151号線のようだ。果たして数km走行すると中央道の手前で山本I.C.なるものがあり、そこを降りて国道153号線に合流した。地図で確認すると、2007年版マップルには掲載されていないことが判明した。
この三遠南信道も建設開始が叫ばれて長いこと経過するが、暫くは国道152号線の地蔵峠横のトンネル以外が建設されて以来、進展が無かった。ここにきてようやく予算が下りたということだろう。この道路、ちょっと気になったので調べてみることにしよう。国道交通省中部地方整備局飯田国道事務所のページによると、
「三遠南信地域では、かつての秋葉街道や天竜川の代わりとなる「三遠南信自動車道」の整備が切望されています。三遠南信自動車道は、長野県飯田市の中央自動車道を起点として、静岡県浜松市北区引佐町東黒田の東名高速道路までを結ぶ延長約100kmの自動車専用道路です。三遠南信自動車道の整備により、失われた地域の交通流を取り戻すとともに、県境を越えた広域ネットワークが形成されるものと期待されています。」
と記載があった。つまりは中央道と浜松を、静岡県北部と長野県南部を経由して結ぶというもののようだ。その一部が点々と開通しており、今回この中央道から天竜峡までが開通していたようだ。さて、国道153号に乗ればあとは自動操縦の如く何も考える必要はない。いつもの広域農道との合流点を横目に進んでいき、国道256号との分岐点を通過。そのまま冶部坂の方へグイグイと勾配を登っていく。いまでこそ片側1車線+時々登坂車線で快走であるが、25年くらい前までは1.5車線の道路であったそうだ。所々にその面影を見ることができる。ところで、その更に前の出来事。若き日の、そして後に日本の誇る初のレギュラーF1ドライバー、我らが中嶋悟氏がこの辺りで腕を磨いたということは有名な話だ。雨の日、雪の日関係なく、頻繁に練習していたそうで、路面が悪くて仲間が往生こいているところをスイスイとコーナーを抜けていったらしい。1989年の最終戦、大雨のオーストラリアGPでの活躍時はまさにこの道で鍛えられた技術を駆使していたのだ。また、当時彼の実兄が経営するガソリンスタンドで働いていた時、配達時に、紐で縛っていないドラム缶を何本もトラックに積んで山道を、これまたわけなく走っていたという逸話を新聞で読んだことがある。やはりこういう努力を惜しみなく実行できることが天才の証なのであろう。もっとも、それも1年程で自ら終わりとし、舞台をサーキットに移してプロのレーシングドライバーとしての活躍が始まるわけである。その理由について彼の自伝によれば、「公道では最低限守るべくルールには従う必要があるし、人を見れば減速しなければならないなど制約だらけの場所ではスピードが追求できなく、嫌になった」ということだ。その際丁度ガソリンスタンドのお客からの紹介で、サバンナRX-3のレーシング仕様車を購入。アフターサービスも売主である碧南マツダから「出世払い」という形で提供を受けていたらしい。ここの社長は見る目があったのだなぁ。そうして休みの日は必ず鈴鹿へ出かけて練習したそうだ。偉大なF1レーサーでもそのような若き日の熱い想いを持って練習していたんだと感心して平谷まで降りてきた。
平谷の道の駅はいつも込んでいる。昨年頃から駐車場などが拡張されてさらに人の入りがよくなったようだ。今日はなんとなく寄る気にならないので、朝走ってきた国道418号へ再び乗り換える。最初にも記したが、平谷の街近くは中央線が破線である片側2車線の快走路なので気持ちの良い速度で流していく。すると前方に乗用車が走行しているので、加速して追い越しをかけた。するとなぜか乗用車が加速して、こちらを睨んでいるではないか。まあ相手は2000�嫐に�のミニヴァンだし、運転手はヴァヴァーなのでギアを落として加速するなんて芸当は知らないだろう。チョチョイとスロットルを開けて一気に片をつけておいた。その後もクルクルと向きを変えるフロントタイヤに導かれ、トントンとエンジンを回してそれなりに旋回性を楽しみつつ、万光寺のある横道地区へ戻ってきた。入り口では人が立って迂回してくれと言われた。どうも春祭りが行われているようで、法被を着た人々が楽しそうにしていた。こういう山の集落ではまだまだこういった行事が残っているようだ。当方の出身地は昭和40年代にできた町なので、こういった風習はないと述べておこう。
この後はYGへ向かって行くが、行きと違って今度は右カーブが多いのでこれ幸いと顔、体、車体を実践していく。うん、ちょっとだけ勘が戻ってきた倉科カナ？楽しんでYGを終えると広場にSP2号を発見。停止して挨拶を交わす。そういえば今期初対面だな。あと、KTM氏とGSXR氏というご友人もおられた。彼らはスポーツ走行メインなので、当方はあまり話しに加わらずに話しを聞いていた。
SP２号とKTMスーパーモトR、そしてGSX1000R
ところで、このKTMはスーパーモトRというマシンでシリーズ中でもっともスポーティなものとされている。当方は実車を見るのはこれが初めてなのでじっくりと観察させていただいた。どうやらエンジンはV型で挟角は90度のようだ。DOHCのヘッドを持っているが、シリンダブロックに対して非常に小さく搭載してある。フレームはパイプのトラスフレームでありちょっとドカっぽいが、上下の幅が3倍くらいはある。そういう意味では剛性よりも限界時のコントロール性重視という思想で設計されているのかもしれない。なにせモタードだし。サスペンションは昔から一貫して（ホ）ワイトパワー製だ。ん、スイングアームに直付けしてある。その割にはストローク部分が小さいな。なるほど、だからこのように寝かしてマウントしてあるのだな。しかもアームは相当長い。よくよく見ると、かなりの前輪加重車のようだ。やはりモタードはリアタイヤがスライドすることを前提につくられているのだな。とひとりでうなずきつつ納得。
ところで、SP２殿は当ページをよくご覧になられているようで、誠にもってうれしいことである。また、リア回りのことを記載するときには「リア・ディゾン」、当たり前のことを確認するときには「ヤマトの諸君」、困った時は「何のことかね?」とくだらない句を間投詞のように文章中に用いているが、それを気に入っておられるようだ。今後もくだらないことをドンドンと記載して参りますので、どうぞご期待して長州力。
他の3台の方々と共にYGから下っていく。丁度夕日が落ちていくところで、長い影が路面に落ちていた。この光景は寂しいのだが、なにか一日の終わりを実感することができるので好ましい。いつもの交差点で他の方々を別れて一人で自宅へ向かう。もうライダーたちは家に帰ってしまったのだろうか、ほとんど見かけなくなっている。そんなわけで今日も何事もなく帰還に成功。無事これ名馬を実践し続けて目指せ10万km。あ、温泉に入ることを忘れていた。これはまた後日にでも。
本日の走行 380km