伊那ソースカツ丼ツーリング

 

2008年3月29日

 

巨大カツ丼を食する管理人。右はCBR氏

(W氏撮影)

 

0.序

 

2008年の冬はわりあいと寒い冬であった。管理人は防寒体制を整えていたが、なぜか2月半ばから一ヶ月程風邪らしい症状が続き、喉の腫れがひかなかった。自ら鏡で観察してみると、ブツブツと腫れ物がいっぱいできており、赤くなっている。素人でも様子がおかしことが一目瞭然だ。

そんなわけで今年は、3月も終わりというのに未だまともに走っておらず、本格的な走りは本日が二度目であった。

ところで、今回のツーリングは私が最年少メンバーであるグループの主催である。このグループへの所属のきっかけは同業のアフリカ氏の紹介であるが、本人は家庭が多忙のため、現在は2輪を離れている。しかし、他のメンバーの方々もとても楽しい方々なので、いつも笑いの絶えないツーリングになる。この場を借りてお礼を申し上げておくこととしよう。

 

1.集合

 

 さて、季節の変わり目は服装の選択が難しい。というのも、一日の気温差が大きいだけではなく、地域による差も大きいのだ。ここのところ暖かい日が続いていたので、モモヒキ無し、グローブはヘタレ冬(今年引退した冬用グローブ)仕様、ジャケットは冬用、首巻きは無し、という折衷案を採用した。これが後になってちょっとした事件を巻き起こす。

集合場所はいつもの旧藤岡のサークルKで、時間は午前7時30分。おりしも前日はエアロビクス1時間30分をこなして、午後11時頃に帰宅していたので、就寝が0時と遅くなってしまった。しかし遊びとなれば多少時間が早くても、確実に目が覚める。結局午前6時過ぎには起床し、タイヤ空気圧等のチェック後、集合場所へ向けて出発。「やや寒いか」と感じたものの、3月に入ってからの暖かさを考え、大丈Vと判断。指定時間の5分前に到着した

 

  集合場所で語らうハーレー氏(奥)とW氏(手前)

 

既に集合場所のコンビニにはハーレー氏とW650氏が到着しており、いつものように挨拶を交わし近況(主には自分のマシン)を報告するという儀式を行う。W氏はメーターの取り付け角度を調整したが、配線の要求長が変わってしまい、断線を起こしてしまったとのことだ。ハンドルを切るとタコメーターが不作動になるようだ。もっとも、速度計の方は全くの不作動であったと付け加えておく。

そうこうしているとCBR600氏も登場。氏は先日九州ソロツーリングを行っており、その報告を聞いた。今回は昨年の管理人と同様に、新門司に到着後、長崎、阿蘇方面を回ったそうだ。氏は昨年は宮崎などの南を回ったそうで、概ね九州は周回したらしい。管理人もはやいところ南を回りたい。

ここで九州に渡るフェリーが話題になった。氏と私は往路は名門大洋フェリーを利用した。このフェリーはどうも柄が悪くないかと思っていたので、CBR氏に尋ねたところ、「言われてみればそうだ」と思い当たるフシがあったらしい。もっとも、管理人のように「この会社はなるべく利用したくない」というほどではなかったようだ。

 

 ややハイテンションに先日の九州ツーリングを語るCBR氏

 

2.らっせいみさと

 

 そんなこんなで、W650氏を先頭に出発。国道419を北上し、瑞浪のコマイヌを右折。国道363号、県道20号、そしてらっせいみさと道と勝手に呼んでいる県道66号に乗る。氏は我々の中でも一番道を知っていると思われる。現に管理人も氏からかなりの道を教わった。この県道66号も同様で、国道19号が中津川以南で混んでいる場合に使用するというか、ほとんどこちらばかり使っている。

らっせいみさとは道の駅であり、我々が愛用する重要ポイントだ。というのも、ここは距離的、場所的に我々のスタイルでツーリングすると休息したいと思う場所に存在しているからだ。特に大きいものではないが、必要十分な設備を備えており、知る人しか知らない、やや穴場的存在なのかもしれない。

それにしても、ちょっと寒い。今日は真冬と同じ装備で正解だったようだ。モモヒキを装備から外した自分が情けなし。しかし、この場ではまだ問題はそれほど顕在化していなかった。気温も10度前後あり、陽が上ってくればもっと気温が上がるだろうと思っていたからだ。しかし、考えてみるとこれから標高をぐんぐんと800m近くに上げているわけだから、この時点でモモヒキの調達を行うべきであった。通算で走行時間を5500時間数えているが、まだまだ良く解っていない。

 

 ハーレー氏自慢のマシン。サビサビだったとはにわかに信じ難い。

 

ところで、ハーレー氏が購入したバイクの元オーナーはアメリカ人の兵隊さんで、機体は佐世保かどこかの基地に無造作に保管されていたものらしい。海辺にバイクをおいた=錆びるという何かの替え歌がそのまま当てはまり、最初はかなりサビサビだったそうだ。しかし、氏はかなり高い洗車技術を持っており、前述のバイクは傍から見ると全くのピカピカバイクにしか見えない。これには秘策が隠されており、磨いていも光らない部分はメッキカバーを装着しているのだ。それが縁で、結局フルカバー化されている、見目に眩しいハーレーの完成というわけだ。

 

3.オオクワ

 

らっせいみさとからは不肖管理人が先導に入る。県道66号から国道19号へ乗り換えるわけだが、この区間は同国道しかまともな道がないので、いたしかたない。次の休息は道の駅大桑であるが、オオクワといえば、W氏の近所のオオクワ301だろう。私はオオクワと聞いた瞬間に反応してしまった。W氏は最初事態を飲み込めないようだったが、こちらが事情を説明したら納得していた。どうやら管理人は笑いのツボが他の人とズレているらしい。

さて、この区間の19号は中津川までは概ね片側2車線が確保されているが、それ以降は1車線になってしまう。当然トラックの通行が多いのでノロノロ走行になってしまうが、この日はスピード違反でやられそうなくらいに流れが良かった。Wやハーレーは案外ノロノロでも気にならないらしいが、CBRはちょっと辛いらしい。TDMは本人の気分次第というところである。というのも、TDMのライディングポジションは殿様乗りに近く、エンジンも1800r.p.m.回っていれば問題は出ない。そうすると6速では約50km、5速ならば42km出ていればよいことになる。これはノッキングすれすれの数値であるから、実際は6速では60km弱、5速なら50kmくらいが望ましい。以上のことから一般的な山の国道なら十分に対応できるというわけで、それに対して、ライダーの気持ちの上で許せるかどうかということなのである。

国道19号を走って道の駅大桑にやってきた。ところで、この19号線は中仙道として有名だ。また冬には名古屋圏から信州方面のスキー場へのアクセス路になり、距離毎に計算すれば道の駅は多いのではないだろうか。また施設も大型のものが揃っている。

 

                

                 雪山をバックにハーレー氏(ちょっと恥ずかしいなぁとは本人談)                          イソベを食すハーレー氏。(食べにくいらしい) 

 

ここには午前11時前に到着した。ちょっと小腹がすいてきた。管理人は我慢していたが、ハーレー氏はこういうところのB級グルメに詳しい。今回も「飛騨牛まん」なるものをご存知であった。氏は到着して用を足すと、早速建物の中で探し始めた。やや迷って発見したわけだが、なんと1個450円もすることが判明。食べてはみたいが、現実的な値段でないのでパスされ、イソベにされた。このイソベがまた食べにくそうであった。管理人はというと、あたたかいココアを購入したつもりが、誤って冷たい氷入りを買ってしまった。ナンタルチア、サンタルチア。結局食堂のお茶で我慢することとなり、ハーレー氏と私は後味があまり良くない大桑であった。

ところで、この辺りまでくるとかなり気温が下がっており、また遠くに見える山々は真っ白に雪を冠している。W氏はこのあたりから「いやな予感」ということで、かなり寒くなることを予想されており、全くその通りになったとここでは軽く触れておこう。

 

4.権兵衛トンネル

 

道の駅大桑を出発し、再び先導をW氏に任せていよいよ伊那市へ向う。おいちょっと待て、ソースカツ丼って駒ヶ根市じゃあないのか?と突っ込まれそうだが、うまいうどん屋が香川県だけでなく、その周辺にもあるようなもので、伊那市にもうまい店があるのだ。余談だが、管理人は徳島県鳴門市という香川県と徳島県の県境の町に住んでいた。その時にうまいうどん屋がいくつかあり、週に3から4回は食していた。

塩尻市に入り、もう数十km走れば市街地というところで、国道361号、通称権兵衛街道に乗り換える。ここはつい最近まで難所とされて、強烈なつづら折れと荒れた舗装路で有名であったが、権兵衛トンネルの開通であっさりと伊那方面へ抜けることができるようになった。時間にして20分くらいとおよそ4分の1くらいになった。管理人は不幸にも旧道は知らないので、地図をみて想像するのみだが、ほんとうに強烈だ。トンネルに入る頃には気温も一桁8度と表示されており、参った。さらに標高を上げ、トンネルとトンネルの間では6度と強烈だ。新道も管理人としては強烈に印象付けられる結果と相成った。この新道はほぼ直線なので、大いに速度超過をしてしまう。トンネルを抜けた脇には「呼び込みポイント」がいくつもあるので、シーズンには必ず取り締まりがあるものと思われる。やられたら即免停間違い無しだ。きをつけろ!

トンネルを抜けて、標高が下がってきた(といっても800m台)ので、やや暖かくなってきた。しかし、一桁は間違いない!ハーレー氏が燃料補給ということで、管理人もついでにモモヒキの調達を決定した。ガソリンスタンドの向かいにコンビニがあり、探したが置いていないとのこと。結局距離的には近いということで、本日のメインエベントのカツ丼屋まで直行となった。またこの頃になると、寒さで肩がいかってしまい、無駄なを入れたままの走行となったことを付け加えておこう。

 

5.そしてまつくぼ

 

 カツ丼まつくぼの外観。普通ですな。

 

ついに到着。まつくぼ。まつくぼといえば、管理人の中では予備校時代の世界史の講師だ。知念も強烈だが、まつくぼも印象深い。また、このときの友人で塩田君という人がいた。彼はマツクボ先生に似ていたので、一部の人は彼にまつくぼとあだ名をつけていた。そんなことを思いつつ、カツ丼大盛りを注文した。因みにこの店はCBR氏の紹介であった。氏は今日は帰宅後に家族と飯を食べにいくそうだが、ご子息の要望でとんかつらしい。氏の苦労や図り知れず。

混んでいたせいか、注文して15分以上は待ったと思う。寒いし、腹減ったし、かなり消耗してたと思う。大盛りのカツ丼は器からはみでているぞ。しかも5cmはあろうかと思われるカツ。食べてみると、あっさりとしたソースに、これまた油身の少ないカツで、わりに楽に平らげた。ご飯とキャベツ、カツの割合は6:4:1というところか。この数値からも、いかにカツがでかいかお解りいただけよう。これで1500円とはお値打ち価格。一度立ち寄ることをお薦めする。

 

 カツ丼を前に満面の笑みがこぼれるW氏(右)とハーレー氏(左)

 

カツ丼を食べつつ、昨今のバイク事情について語り合う。CBR氏はBMW購入を画策しているらしい。W氏はなかなか嗜好に合うものがないので、当面はWだそうだ。ハーレー氏は現状のマシンが結構気に入っている様子なので、買い替えはないらしい。管理人も同様だ。この中で、22年排ガス、騒音規制が与える影響について話題になった。現状のラインアップは寂しい限りなのは言うまでもないが、空冷はいよいよ無くなる可能性が高い。XJRはインジェクション化等でとりあえず17年規制は生き残ったが、次回は厳しいだろう。また、スズキの最後の油冷の砦、GSX1400も終わりが確定らしい。ホンダのCB1100の復刻も絶望だそうだ。社会的事情が厳しいことは100も承知だが、なんとかならないものだろうか。あと、消音器がやたらとでかいことも、どうもいただけない。

 

6.帰宅

 

まつくぼを後にして、帰宅の途に就くが、その前にモモヒキの調達だ。CBR氏も購入ということでいろいろ迷ったが、二枚組のもろオヤジが好みそうなものを購入した。寒さで背に腹はかえられない。見かけよりも暖かさだ。そういえば、今週は管理人も35歳になった。歳をとってだんだんと若さを失っていることは明白だ。

ところで、ズボン下を履くと必ずやりたくなることがある。「フェンシング」だ。モモヒキはフェンシングの衣装に似ているとは思われないだろうか。管理人はひとりでこんなことやっています。

 

 モモヒキを履いてフェンシングをする管理人(ザルで顔面保護網に注目)

 

鼻で笑ってやって欲しい。エアロビクスのH口先生に見られたら、「イメージと違う」と言われそうだが、こちらが本物の管理人です。

帰りは国道153号線に沿って通っている広域農道を南下する。この道はりんご畑の中をアップダウンを交えて通るなかなか良い道だ。交通量も少なめで、信号もあまりない。とはいえ、昨今は交通量も増えてきてしまって残念だ。

途中でコンビニにて休息をする。どうも寒いので、トイレが近い。それにしても、ズボン下恐るべし。メチャメチャ暖かいぞ。膝の部分は当て布がしてあって、言うこと無しだ。CBR氏も大絶賛。最年長ハーレー氏より、もう手放せなくなるぞとのお言葉。その通りだよ、ヤマトの諸君。それにしても、この時期の長野は南部といえども冬の装いだ。遠く南アルプスは雪山が連なっており、桜の開花もまだ10日程は先かもしれない。

 

                

                               遠く南アルプスを望む                               コンビニにて談笑する図(左からハーレー氏、CBR氏、W氏)

 

さらに南下して、飯田市街南部からは国道153号線で南下し、昼神温泉をかすめ、寒原峠、冶部坂、平谷と降りてくる。気温は相変わらずの一桁台だ。途中で平谷の道の駅で休息。陽も傾いて寒いぞ。

そして最後はできたてホヤホヤの153号足助バイパスを通過、香嵐渓で解散となった。

次回はGW前半が予定ということだ。是非参加したい。

話は逸れるが、帰宅途中に枝下(しだれ)という地名の場所がある。そこはまさにしだれ桜が有名な、ちょっと隠れた名所だ。もっとも、管理人はしょっちゅう通っているので、気にしてはいなかったが、今回は丁度その桜が満開であったので立ち寄ってみた。

 

 しだれ桜とTDM900

 

7.まとめ

 

今回のメンバーは、飛行時間が豊富な方ばかりで、話題も豊富で非常に楽しい。管理人は最年少で、5500時間といえど、一番少ない部類になってしまう。今後も末永くお願いしたいものだ。

あと、季節の変わり目は「想定温度」を考える必要がある。これは一番寒い場所が何度になるか、と推測するものだが、W氏は今回は5度と想定していたそうだ。事実権兵衛トンネル付近では6度とこれに近い数値を記録していた。山の斜面はバンバンに雪も残っていた。経験豊富な氏には舌を巻く。実は管理人がウエアの選択を誤る理由に、この作業を怠っていたことが挙げられる。管理人は地元の温度しか考えていないんだから。大体標高が100mで1度マイナスと考えてよいのではないだろうか。

次回はうまくやりたいものだと思いつつ、今回のリポートを終了しよう。

 

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