2011年8月19日〜8月29日
逆光線ですが、旭ヶ丘キャンプ場のロータリーにて
昨日は温泉で暖まってから食事をし、早々に寝袋に入ったので気持ちよく眠りに落ちたのだが、朝方猛烈に寒くて目が覚めた。そうだよ、お盆を過ぎたら地元でも涼しくなるのだから、北海道なら寒くて当然だ。そこで、ジャケットやらそのインナーやらを寝袋にかけて、再び眠る。ちょっとは温かくなったかな。
そう思って2時間くらい再び熟睡することができ、5時40分頃起床。昨日購入したスティックタイプのコーヒーを入れて、カロリーメイトをかじる。目の前には羊蹄山が朝日に照らされて、くっきりと青い空に浮かび上がっている。そういえば、2006年、昨年共にこの近辺を走行しているのだが、共に雲がかかっていてその姿を見ることができなかった。つまり、羊蹄山の美しい姿を目にしたのは、実に初回の渡道の時以来、17年ぶりということになる。
そんな美しい姿を見ながらゆっくりと朝食を摂りつつ、フライシートの濡れ具合を確認する。どうも湿度が多かったせいか、特に内側の濡れが酷い。そこで、食事が終わった後によく雑巾で拭いた後、陽の当たる場所へ広げて乾かしておく。また、テント本体は工事用シートの上に設営したおかげで、ほとんど濡れていなかった。この作戦は結構昔から行っているのだが、なかなか都合良く効果が出ている。
こうして、テントを片づけて荷物をまとめ、撤収は完了。横にいる、古いBMWのGSに乗る薀蓄垂れオヤジの話を聞き流しつつ、TDMに荷物を積載していく。いつも思うのだが、TDMって本当に良いバイクだ。荷物は積めるし、そこそこ走るし、燃費は良いし、カツヲ風味のほんだし。
寒かったキャンプ場が、今は陽が出て暑いくらいだ。そんなことを思いながら出発する。うっすらと雲がたなびく羊蹄山を右側に見ながら、国道5号線、道道478号線と繋いでいくのだが、この辺りは道が真っ直ぐだし、周りは原野か牧場・畑なので見通しも良く快走したいところだ。ただ、こういう時に限って警察の取り締まりに遭遇したりするから、用心して35ノット程度を維持していく。
さて、この、羊蹄山の周囲を囲む道路には、羊蹄山の撮影地点がいくつも設けてある。それぞれの地点にそれぞれの羊蹄山があるところが、なんとも面白い。当方もそのうちの一つでマシンを止めて、パチリ。
火山ではありません
京極と言う名前の町で針路を180へ変えて、国道276号線で走行を続けていると目の前に遊園地が出現した。しかも開店ガラガラである。ここは留寿都リゾートというスキー場やリゾートホテルなどが一体となった施設である。夏は遊園地、冬はスキー場として宿泊施設を回転させている者と思われる。
そうそう簡単に儲かるものではないだろうが、努力しているんだなぁと経営状態を心配しつつ、道の駅230ルスツへ入り休息する。ここは、近くを通る際に寄ることにしている場所である。理由は簡単で、故ジェット浪越こと、指圧の神様である浪越徳次郎氏の銅像があるからだ。「mixi」の表紙写真にしているので、マイミクの方はご存じと思うが、あれはここで撮影した写真だ。
ところで、故浪越氏はもともとは香川県で生まれたのだが、両親と開拓者として7歳の時にこの地に移住したそうだ。そして、寒さからくる母親のリュウマチの痛みを和らげたいと指圧によるマッサージを考案したそうだ。そして大成した後、新婚旅行で日本を訪れていた故マリリン・モンローをマッサージし、胃痙攣を治したという逸話もある。これはつまり、マリリン・モンローに触れたということだ。なんとうらやま、いや、胃痙攣を治療したその技術が凄い。
そんなことはつゆ知らず、浪越氏が「元気が出るテレビ」に出演し、ジェットコースターに乗せられて表情が固まった姿を観て爆笑していたこともあった。
馴れ馴れしく肩を組む管理人
くだらないことに執念を燃やした後、水分補給をしてトイレに向かう。スッキリした気分でTDMに戻ると、近くにZZR1400が停めてあり、オーナーと思われる人に会釈をしたが、「何お前？」と言う顔で無視された。よくよく見てみると地元のナンバーなので、「本州から来たバカタレか」とでも思っていたに違いない。そうです、当方に限っては本州から来た「変態」です。なんか文句あるか？
この後も国道230号線を下り、洞爺湖の直前で道道132号線へ乗り換える。そして、ここでホクレンのスタンドを発見したので、燃料の残量は十分だが、旗を一つ手に入れるために入店する。すると店員が勢い良く出てきて、キビキビとした動きで給油作業をしてくれる。その間に「確かここは旗があるスタンドだと思ったのですが」と切り出し、周りを見てみると「フラッグ完売」の看板がデカデカと掲げられているではないか。
店員の話では、この「YELLOW AREA」では函館の方にかなり余りがあるが、札幌近郊にはもう残っていないとのこと。ただ、余っているところから融通してもらうように手配をしているということだった。さらに、他のエリアでもほぼ完売とのことだった。別にフラッグを集めているわけではないが、やっぱり一本くらいは立てていないと気分が出ないし、ホクレン主催のフォトコンテストにも応募できないじゃあないか。
因みにここでの給油料はおよそ８Lで、燃費は27km/Lを超えていた。通常地元でツーリングをすると、だいたい23km/L〜25��/Lの数値が出てくるので、この数値はかなり良い。当方はこういう数値のことを「北海道燃費」と命名して、通常燃費と区別して考えている。つまり、上記数値は北海道燃費としては「普通」ということである。
こうして道道578号線に乗り換えて、洞爺湖を左に見ながら1.5〜2車線の林間のワインディングを快走していく。北海道の直線はもちろん楽しいが、ワインディングも道幅が広いので大好きである。おっとっと、そんなに道路の真ん中を走ってくるなよぉ。びっくりしたなぁ、もう。道幅が広いせいか、4輪車がどうもこちらへはみ出し気味でブラインドコーナーを出てくる場合がある。こっちは結構左に寄ってるんだけどなぁ。
また、湖畔にはキャンプ場が点在しており、なかなか良いサイトも見受けられる。そういえば、17年前は仲洞爺キャンプ場のトイレ前にテントを張ったっけ。とても混雑していたので、そこしか空いていなかったし、発電機やカラオケ装置を持ち込んで大騒ぎする家族連れもいた。こんな静かな良いサイトなんだからそのように使えば良いものを、と当時の管理人は思ったのだが、今でもそう思う。
こうして洞爺湖温泉の市街地を通り抜けていく。途中で足湯にでも立ち寄ろうかと思っていたが、結局昭和新山を右手に見て壮督から、国道433号線、道道931号線と細かくルート変更をしながら海沿いの国道37号線でheading120で走る。このエリアは2006年にR1-Z氏と渡道した時以来の訪問だ。あの時は室蘭の西側にある虎杖浜のライダーハウスで宿泊した。「若湯温泉」という名前だったと思うが、今はもう辞めてしまったようだ。ご主人もそれなりにお歳だったからだろう。
そう考えつつ先へ進んでいくと、室蘭の市街地へ入る白鳥大橋が見えてきた。当方としては明石海峡大橋や瀬戸大橋を見ているのでそれほどでもないが、北海道ではかなりでかい海上橋であることは間違いなかろう。それを表すかのように、手前には橋を見るための展望台も整備されている。納得。
こうして海上橋を優雅に渡りつつ下方を見てみると、なんとエネオスのマークを付けたタンカーがタグボート５隻程に押されていて、まさに接岸するところを目撃した。当方が北海道に乗ってきたフェリーもかなりでかいなと思っていたが、タンカーは余計なものが無く平べったいせいもあってか、実際の数値はわからないが２回りくらい幅広に見えた。なかなか見ることができない光景だったので、なんか得した気分だ。
室蘭市街を道道699号線、市役所辺りから919号線へルート変更して地球岬へ機首を向ける。ここも2006年以来、通算では3回目の訪問となる。前述の通り、この時はR1-Z氏との渡道だったのだが、氏の中ではベスト3に入るお気に入りスポットだったと思う。その氏であるが、06年の初北海道以来渡道できていないので、また諸条件が整った際にはご一緒したいものだ。
さて、地球岬へ到着したのだがちょっと天気が怪しい。もともと今日はそれほど晴れていないのだが、ちょっと湿気っぽく、雨が降りそうな匂いがする。ここで降られては嫌だなぁと思うが、展望台へ上がっていく。幸いにも視界は良好だ。
お馴染みの灯台
また、ここには「幸福の鐘」と呼ばれる鐘があり、恋人同士なんかで威勢よく鳴らしているのだろう。カランカランと響く鐘の音が鳴り止むことはなかった。どうぞお幸せに。と思っていたら、韓国？からの旅行者の御一行でした。
それはそうと、北海道に来れば大抵の絶景ポイントからは水平線なり、地平線なりが丸く見えるものだ。ここも御多分に漏れず、緩やかなカーブを描く空と海の境目が見え、どことなしか不思議な感覚を覚える。遠くにうっすらと見えるは渡島半島だろうか。これで空が完全に晴れていたら最高なんだけど、雨が降ってこないだけでもヨシノちゃんとしよう。
大海原を楽しんだ後、ちょっと腹が減ったので「毒まんじゅう」を売っている並びの売店でツブ貝の串焼きを食べることにする。なにやら威勢がよかったので、ついついその店を選択してしまったのだが、実際に出てきたものは・・・。作り置きのものをガス火で1分くらいあぶって、市販のタレを塗っただけのものだった。なんじゃこりゃ、せめて十分に加熱しなおすくらいのことはして欲しかった。こういうものは、やはり漁港に近い場所で食べるべきだろう。良い勉強になりました。
さて、いつもは灯台の方ばかりに気が取られてしまい街の方を見ることができないのだが、今日は忘れずに、先ほど渡ってきた橋や、地元にもある同じ会社の製鉄所を見おろす。このネタになるといつも同じことを記載している様な気がするが、当方の父親が名古屋製鉄所に勤務しており、1980年代後半にはこの室蘭の製鉄所から配置転換でやって来た人がたくさんいたことを想い出す。当然ながら製鉄所の社員の子供も一緒なので、一気に何十人も転校生がやって来て驚いたっけ。普通は年間に1人か2人、多くても5人位が相場だったからね。
コントラストが薄いですが、橋や風車、タンカーが見えます
今日は上記の虎杖浜で食事を摂る予定にしているので、道道919号線のワインディング路を慎重に走行していく。別に国道に下りてビューんと行ってしまえばそれまでなのだが、当方はこういうあまり交通量の無い道を通る方が好きである。あれ、今地図を見返していて気が付いたのだが、潮見公園に「鳴り砂海岸」というものがあるらしい。歩くと音が出ることからこの名がついているのだろう。また次回寄ってみようかな。
こうして国道36号線に乗り、周りの車に合わせて、海岸沿いを40ノットで航行していく。ここは道幅も広くて交通量もそれほど多くないのだから、もっとぶっ飛ばすこともできよう。しかし、免許が重くなってしまった今では、いやいや、安全の為にも適正な速度を維持するべきだろう。
登別やオロフレ峠への入口である道道2号線の看板を見送り、国道を離れて海沿いの市道をウロウロしてお目当ての店である、「海鮮工房 虎杖浜」を探す。なかなか見つからないので「登別マリンパーク」の方まで行き過ぎてしまったり、漁村内をウロウロしたりとかなり時間を費やした後、虎杖浜の入口にやっと店を探し出した。なんだ、もっと手前から市道に入れってことか。
いい加減腹が減ってしまったので、さっさと0円マップに掲載されていた「タラコ丼」を注文する。そして地図を見ながら今後のルートを検討していると、10分程で料理がやってきた。おおー、こんなにたくさんのタラコを一度に食べたことがないのでビックリ。ただご飯の量を大盛りにしておけば尚良かったと後悔した。
海鮮工房 虎杖浜の店舗 タラコ丼のセット
早速ガブリとタラコをかじり、ご飯をかき込む。んー、タラコって本当はこんな味なのね。たまにスーパーで売っているものとは全然違う。魚卵にもいろいろあるが、いくらとはちょっと趣が違う。トロトロ感が少なく、代わりにプチプチ感、味にコクがある。また、新鮮なものを使用して塩漬けにしているのだろう、生臭さは皆無であった。
ちょっと塩辛いので、大根のたくさん入った薄味の汁で口の中を整えて、タラコを昆布で巻いて軽く揚げたものにも箸をのばしてみる。おお、なんかこれの方が当方の好みだ。昆布とタラコの味がお互いに混ざり合って、何ともかんとも言えない良い味が生まれてくるではないか。こいつは良い。ただ、メインのタラコはちょっと塩味が濃くて、だんだん飽きてきてしまった。幸いにも25％程イカが入っていることが救いだ。別な言い方をすれば、そういう風になることを計算して薄味の汁物をつけ、イカも丼に乗せてあるということか。あるいは、ご飯をもっとあれば最後までガツガツと食えただろう。見た目にも、味的にもご飯大盛りと言わなかったことに後悔。
食事後に入口にある売店で商品を吟味してみると、「今漁港から水揚げされたよ」と言わんばかりの魚、イカや昆布などの加工品が並べられている。例のたらこの昆布巻きも売られているのだが、ここで土産は早すぎる。機会があれば、ここで土産物を調達するのもよかろう。
腹は膨れたが、やや物足りない。そこでこの先の白老にある「マザーズ」にでも寄ってみようかと考える。地図に従って国道36号線を流れに合わせて走行していく。そのうちにだんだんと雲がとれてきて、暑い日差しがもどってきた。また、苫小牧の街が遠くに見えており、その先も雲が無いのでこの先も天気は安心だ。
そう思っていると、「マザーズ」を通過してしまった。しかし、この辺りまで来るとやけにでかいトラック、トレーラー、そしてトレーラーの頭などがビュンビュンと飛ばしており、急に停車することがためらわれたので、このまま走行継続とした。ところで、これだけ交通量が多いのは、やはりフェリーターミナルがあり、荷物の搬出・搬入が多いからだろう。
こうして苫小牧市に入り、やや渋滞気味の道路を走行していく。すると、道端にFZ-1氏を発見した。ホーンを鳴らして手を挙げると、返事が返ってきた。彼はどちら方面へいくのかな。当方もこの先のルートを検討する為、セイコマに入り水分補給をする。タラコの塩分で口が渇いたのだろうか、はたまたこの暑さのせいだろうか。
牛乳を飲みながら、今回は襟裳岬方面へ行くことに決定する。そこで、道道259号線で沼ノ端I.C.から無料供用区間の国道235号線バイパスを通り、厚真I.C.を通過する。ここは帰路のフェリー出航地である苫小牧東港があるのだが、今日は月曜だから乗船する土曜日まではまだ丸々5日以上あるな。そして、次の鵡川I.C.でバイパスを下りようか。というのも、今回は快走ルート印が付いている道道もちょっと走ってみようと考えているからだ。
こんな風にブツブツと計画を立てていると、小さい女の子がお母さんとやってきて「大きなバイクがあるよぉ〜」としきりに訴えている。すると母親が「あのお兄さんのだよ」と当方を見ている。あ、どうも、変態です。そしてその母親曰く「この子、オートバイとか大好きなんですよぉ」ということだったので、「よーく見ていってね」とその子に言ってみた。すると、恥ずかしいのだろう、反応がイマイチだった。おかしいなぁ。10歳以下の女の子には概ね好かれるんだけど。今日は不発か。残念。もっとも、それ以上になると全くダメなことは再三申し上げている通りである。
ということで、上記飛行計画の承認を受け、鵡川I.C.から接続する道道74号線に乗り換えて、ほぼ交通量が無い道を40ノット維持で快走していく。ところで、この辺り一帯は競馬馬の産地であり、所狭しと牧場がある。さらに、非常に良い体格の馬が悠然と歩いたり、草を食べたりしている姿が見える。なんか視線を感じるなぁと思っていたが、これは、馬はかなり臆病な動物で、バイクが通過する際に必ずと言ってよい程にこちらを振り向いているからだ。
馬に注目されつつ、この後道道59号線西向きへ乗り換え、一旦国道237号線へ平取で合流する。そして道道80号線で市街地を走行していくと義経神社を発見した。ここにも義経の伝説があるのか。昨日は弁慶で今日は義経である。
また、帰宅後この神社について調べてみると、平取町のオフィシャルページに以下の記載があった（以下引用）。
蝦夷地探検の命を受けた近藤重蔵らにより、寛政11年に義経の御神体が安置され祭られたのを始めとする古い歴史のある神社。
初詣はもちろん、毎年8月には義経神社例大祭も行なわれるなど、町民に厚く崇敬されています。
以上引用
また、平取町の商工会のページには（以下引用）、
義経神社は源義経公を御神体としており、この御神体は近藤重蔵らにより寛政１１年（１７９９年）この地に安置されたのが始まりとされています。 明治９年（１８７６年）
に村社の指定を受け名実共に平取義経神社として全国にその名を広めました。本神社にまつわる義経伝説には、義経公はこの地を訪れアイヌ民族をこよなく愛し、農耕
や舟の作り方、操法、機織り等の技法を伝授したことから、住民は義経公を慕い「判官様」または「ホンカンカムイ」と呼んで尊崇したと伝えられています。
以上引用
朝廷の策略で実兄である頼朝に追われ、奥州平泉、さらに当時蝦夷地と呼ばれていた北海道まで逃げてきた義経が、結構多くの伝説を残しているようだ。これらを考慮すると、中国へ渡ってチンギス・ハンになったということも、あながちでっち上げとは言えないのかもしれない。
歴史に思いを馳せながら、これまた義経の名がついた、道道80号線の義経峠を通過する。ここには看板が立っているだけで、他に施設のようなものは見られなかった。
さて、義経峠を越えた道道80号線はほとんど交通量が無く、1台の営業用のバンとダンプを追い越したのみだ。つまりは、この広い道をほぼ独り占め状態なので40ノット維持で快走していく。直線ばかりでつまらなかったので、ワインディング路は非常にありがたい。それにしても周りは馬の牧場ばかりだ。牛の牧場は良く目にするが、馬の牧場はずっと少ない。それがこの辺りには集中的に存在しているということだ。
牧場の道を快走
天気もすっかり回復して暑くなってきたので水を飲みたいので、とある牧場の前で休息する。以前弟子屈の馬牧場に立ち寄った際は、馬たちが自ら寄ってき鼻息を荒くしていた（それが馬にとっては普通だ）ので驚いたが、今回は悠然と水を飲んだり草を食べたりしている。
しかし、よくよく観察しているとハエかアブの類が始終馬の体に止ろうとしているので、それを嫌った馬がシッポを振って追い払っている。さらに、腹に止まったものについては後ろ足を使っているのだが、その時の足を地面に降ろす威力たるや、「馬に蹴られて死んだ人がいる」という話も頷けるほど強力だ。運が良くても骨の一本や二本は覚悟せねばなるまい。
草を食べる馬と道路標識
（管理人による合成写真）
馬たちを驚かさないように、少し離れた場所でTDMのエンジンを始動する。それでも馬は敏感に反応していたので、さらに控えめに慌てず素早く発車する。おっと、なんで牧場に不釣り合いな外車が対向車線を走っていった。あれ、まただ。たぶん馬のオーナーが運転しているんだろうな。当たり前だが、競馬って主宰者や馬主が儲かる仕組みになってるからなぁ。
さて、今日も陽が傾いてきたので宿泊について考える。この辺りにはスイカップ、いや違った新冠のライダーハウス「ブルートレイン」、そして新ひだか町の「緑のふるさと温泉の森キャンプ場」の２つの選択肢がある。ライハは自分だけならばとても便利だが、そんなわけにはいかない。天気も大丈夫そうなので後者のキャンプ場を選ぶ。
こうして静内の市街地で買い物をしてから国道235号線で目的地へ向かう。ここは近くに温泉もあるようなので、都合が良いと思っていたのだが・・・。現地に到着してみるっと、温泉がつぶれてるぅ〜。マップルではなく0円マップを見てみると、温泉は休業中の旨記載があった。なんだよ、こんなことならブルートレインの方が温泉も近いしよかったか、と思ったが、こちらも営業未定と記載があった。結局のところ手前の新冠でキャンプした方がよかったということか。
なんだか疲れてしまったので、今日はここでキャンプすることにしよう。幸いにもキャンプ場は広く、きれいに芝が刈られており、人数も少ないのでバイク乗り入れも可ということだった。
こうして管理棟でなぜか315円ではなく、310円を支払いテントを設営する。昨日もテントだったので今日は幾分慣れてきたのだろう、手際良く設営が完了した。その後、直ぐに新冠の街外れにある「レ・コードの湯」へ向かう。
潰れた温泉施設を恨めしく思いながら国道へ出て、海風にあたりつつ沈みゆく夕日を見ながら走行していく。んーなかなか演出の効いた1日の終わりだ。
そしてレ・コードの湯に到着し、500円を払って入湯する。ああ、この至福のひと時。なんとも言えない充実感。これこそツーリングの醍醐味である。いやぁ〜、今年も北海道ツーリングへ来れてよかったなぁ。ちょっとヌルヌルしたお湯の露天風呂で腰や足を指圧で自己マッサージしてくつろぎ、星が見え始めた夕空をみて独り悦に入る。
すっかりと良い気分になって湯からあがり、脱衣所でのぼせ気味の体を冷ましているとなんだか視線を感じた。何のことはない、防火のポスターの女の子「忽那汐里」ちゃんがこっちを見ているだけか。
ところで、この温泉施設の名前「レ・コード」の通り、ここには廊下にレコードが展示してある。新冠はレコードの街として、活性化を図っているそうだ。そして、数キロ離れた所にはレコード館という施設もあるようだ。
そういえば、当方の自宅にもEP、LP合わせて2，30枚程レコードがある。アイドルものもあれば、当時ファンだった杉山清貴＆オメガトライブもあるよ。後は兄貴のコレクション、佐野量子ものである。あの人歌も歌っていたのですよ。
展示されていたピクチャーレコード
（ビートルズのものも見える）
また、この展示の前にはなぜかカキやイカのフライなどが売られていたので、晩飯に購入した。
すっかりと暗くなった国道をキャンプ場へ戻るのだが、本当に真っ暗なので入口の看板を見落としそうだ。そう思っていたら本当に見落としてしまい、1�卍�引き返してからやっとテントに戻ることができた。
この後、昨日のようにご飯を炊いて、先ほど購入したフライで晩飯とする。
セイコマで買ったフキと温泉で買ったカキとイカのフライ
明日は襟裳岬から道東へ入れると嬉しいなぁ。天気予報も悪くないようなので、安心して眠ってしまった。
本日の走行 300km