2011年8月19日〜8月29日
フェリー 「はまなす」のロビー
8時にフェリー内のアナウンスで目が覚める。ちょうど良い時間に起こしてもらった形だ。当方は大抵は自分で決めた時間に起きることができるのだが、この日はかなり疲れていたようだ。アナウンスが無かったら、もう1時間は余分に寝ていたことだろう。
そして食欲があまりないのだが、朝飯を食べにレストランへ行く。そしていつものように、レストランの朝食メニューはバイキング形式で、和食と洋食が用意されている。今日はコーンフレークを中心に果物、野菜、卵など軽いものを皿に盛っていく。いつもなら和食と洋食を各々一人前ずつ食べるのだが、今回はこれくらいにしておこう。ただ、少し食べたら食欲も出てきたので、パンや魚なども追加しておいた。ツーリングは体力勝負なので、スタミナをつけておかないといけない。
その後はお決まりの風呂に行き、体から目を覚ます。新日本海フェリーの舞鶴‐小樽航路は新型の船なので、湯船も洗い場も広くて使いやすい。一方敦賀‐苫小牧東航路はやや旧式の船なので、ちょっと装備が良くなく、食事の質も落ちる。これは前者が電動モーターとディーゼルエンジンのハイブリッド駆動方式であるから燃料費が幾分か安く済み、こういうサービスに経費を使える一方、後者はディーゼルエンジンのみで走っているので、こういうところで経費を節減しているのだろうと推測された。
その広い湯船に浸かりながら大海原を眺める。今年もこのような時間を得ることができたことに感謝し、その時々を楽しもうではないか。やはり北海道ツーリングは格別である。なんかボーっとしてきたのでのぼせる前に上がり、少々体を冷ましてから展望デッキで椅子に座りながらマップルや0円マップを見て過ごす。今年はどこへ行こうかな。
しばらくすると、昨日乗船待機場所でお会いしたFZ‐1氏が来られて、相席となった。そして、お互いに旅の情報などを交換して交流を深める。この方は当方と同じ独身者であり、こうして毎年自由の時間を楽しんでおられるということだ。
おすすめの場所を尋ねられたので、ナイタイ高原、多和平、オンネトー、などについて話す。すると、船内ビンゴ大会が開催されるということで、多くの人が集まってきた。当方はくじ運がたいして良くないのだが、FZ-1氏は社内でも有名なくらいによく当たるそうだ。
そんな感じでゲームが始まる。案の定、当方はなかなか開かない。一方FZ-1氏はさっそくリーチになっているではないか。因みに商品は船内で使用できる3,000円分の商品券、レストランで使えるドリンク、ソフトクリーム券、新日本海フェリーの絵葉書などである。当方は絵葉書が欲しいと思っていたのだが、リーチになっただけで終了してしまった。因みにFZ-1氏は3面待ちでリーチになっていたにも関わらず、ビンゴになることはできなかった。
こうして昼食の時間になったので当方が飯を食いに行こうとしたら、FZ-1氏がカップラーメンを分けてくれると申し出があった。「そんな、悪いですよ」と思ってはいたが、せっかく勧められて断ることもできないので頂くことに。久々に食べたカップラーメンはおいしかった。
また、食事中に今日の夜はどうするのかという話題になり、ライハの「渡り鳥哲也」を予約することを話す。すると、「電話が通じないこの時間に、どうやって予約するのか」と尋ねられたので「船内の公衆電話は衛星通信だから、音声が遅れるが通じますよ。因みに当方はテレホンカードも持参している」と答えたのだが、これは案外知られていないことのようだった。FZ-1氏は「初めて聞いた」と半ば当方のマニアぶりに呆れていたようだった。ああ、当方は自他共に認める変態なので、むしろ嬉しかった。というか、船の公衆電話ってほとんど利用されていないのね、とこっちが驚いた。
ところで、衛星通信というと、昔職場にいた衛星氏（仮名）を思い出す。彼女はかなりの天然素材で、おっとりしている。そういえば、当方の机がある事務所から違う場所へ出ていて、用事があり電話をした際、こんなことがあった。
衛星氏：（0.4秒ぐらいの間があって）はいOOXX社です。
管理人：管理人ですけど、お疲れ様です。
衛星氏：（0.4秒ぐらいの間があって）お疲れ様です。
管理人：S本さんいますか。
衛星氏：（2秒くらいの間、多分S本氏を探しているのだろう）いませんよ。
上記のように受け応えの間に必ず間があるので、当方等は裏で彼女のことを「衛星通信」と呼んでいた。それもそうだが、「XXさんいますか」、「いませんよ」って回答はないだろう。いるいないを確認したいんじゃあなくて、その人と打ち合わせをしたいのだから。「ちょっと席外してまして、こちらから折り返し」とか言って欲しかった。まあ、ガサツな職場の雰囲気に癒しをもたらしてくれていたので、今となっては良い思い出だ。
話を戻して、地図だけで道がわかるのかという話題になり、「時計やコンパス、太陽、星の位置、さらには道路番号などを総合的に利用すれば、大間違いは無い」という当方の回答にも、またまた驚かれてしまった。そして、先の船舶衛星電話の件とまとめて「自称、積極的アナログ人間」を標榜していると宣言した。その理由であるが、自動車のAT、MTの話を引き合いに出すと解り易いと思う。つまり、MTを運転できるから、自動車用エンジンとトランスミッション、動力伝達盤などの関係が理解できるわけで、その上に、ATはトルクコンバーターが動力伝達やトルクの増幅・伝達を行い、トランスミッションを自動で切り替えていくという、一連の動作が自動化されたものとわかるのだ。
こうして我々が搭乗したフェリー「はまなす」は定刻の20時30分に小樽港へ接岸した。ところで、最近は接岸前から車両甲板へ立ち入りが許可されるのだが、これは特に何のメリットも無いような気がする。というのも、結局は暑い車両甲板で4輪車の排ガスを吸いながら接岸を待ち、その後バイクの固定が外されるからだ。つまりは客室で待っていた方が良いと判断されうる。次回からは接岸後にバイクの所へいくことにしよう。
さて、上記のように、今晩は小樽の郊外にあるライダーハウス「渡り鳥哲也」へ泊ることにしてあり、件のFZ-1氏も同宿だ。そこでナビを搭載したマシンを駆る、氏の先導で現地へ向かう。
走り出して感じることは、やはり空気の冷たさである。しかし、なんだか今年は湿度が少し高い気がする。昨年はもっとサラリとしていたように思うが。そんなことを考えつつ、トンネルを２つ超えて右手にスーパーが見えた。そして山の斜面には回転灯が回っている。お、あれだあれだ。
先導のFZ-1氏も当方と同じタイミングで発見したようだ。そして、やや急な斜面を上っていくと、渡り鳥哲也に到着だ。到着後間もなく、家主さんが出てきた。この対応の早さは昨年通りだ。そして料金が前払いなので、ここで1,500円を支払っておく。
今日ご一緒させてもらうライダーが先に到着しているようで、駐車場には5、6台のマシンが止めてある。
さっそく荷物をマシンから降ろして、ライハスペースがある二階屋根裏部屋へ持っていく。ちょっと面倒だが、これをしておかないと盗難に遭うこともあるらしい。また、その時に、家主さんに今日の小樽の天気を聞いてみたら、結構雨が降ったとのこと。おお、危ない危ない、上陸時に降っていなくてよかったよ。
この後、家主さんに旨い回転寿司屋「和楽」の情報を聞き、FZ‐1氏と元来た道を戻る。やはり荷物を降ろしたバイクは軽い。そう思っていると、フェリーターミナルを超えてすぐの場所に「和楽」を発見したが・・・。既に閉店しているぅ〜。21時までってそりゃないでしょう。仕方ないので、その向かいにある「トッピー」なる店に入る。
こちらの店も22時閉店なのでお客もまばらで、「本日のおすすめ」と書かれた札の中にも売り切れのものがポツポツと見うけられた。しかし、北海シマエビ、ツブ貝、さんまといったこの時期ならではのネタを堪能することができたので、まあこんなもんでしょう。明日からは旨いものをどんどんと食うぞ。
回転すしでもネタが良い
こうして、やや慌ただしい北海道上陸初日は終わり、23時過ぎには就寝。因みに、周りのライダー達はかなり疲れていたようで、とっくにお休みになっていた。遅い時間に戻り、ご迷惑をおかけしました。
本日の走行 10��