北海道紀行3(2008年8月13日〜8月23日)

 

民宿ランプにて、出発前の一コマ(鉄筋造り本館左が第二サティアン)

 

6.6日目(819日)

 

昨晩は楽しいひと時を過ごして、第二サティアンで寝た。ここは20畳くらいの大きな部屋で、テレビ付だ。800円としては良い寝床を提供してもらったとランプのオヤジをたまには褒めておこう。ところで、今日は天気が崩れるということだが、今のところまだわるくなっていない。テレビで天気図並びに予報を確認すると、北海道南岸を低気圧が通過する模様で北の方は辛うじて雨マークが出ていない。よし、早いところ北に逃げるとしようと準備を進める。まずは一昨日補修したザックの様子を見てみる。詰める荷物量を考えておけばなんとか大丈夫そうだ。早速荷物をまとめて、ついでにチェーンオイルを補給し昨日の網走感動市場へ向かう。到着すると他のチャリダーの方々は既に食事の最中であった。本日は海鮮丼を食するも、まあ観光用の朝市なりの味であった。もっとも地元よりは遥かに旨いことは言うまでもなのだが。

 

本日の朝飯は海鮮丼

 

食事中は昨日に引き続き、大阪のチャリダーさんと会話を楽しんだ。彼は自転車旅行という位置付けで北海道を楽しんでおり、一週間程道東を周って空路で伊丹空港へ戻るそうだ。尚、自転車は分解して手荷物として持ち運ぶそうで、バラ積み貨物庫に入れられるものと推測される。大阪氏の今日の目標は、天気の具合を見ながら「40km程離れた斜里町まで行くことができるとよいなぁ」ということであった。

 

そうしてお互いの旅行中の無事を願いつつ出発した。実にさわやかな風のようなチャリダー氏であった。さて、管理人は本日、遠軽を抜けて旭川郊外に至り、さらにできるだけ北上をしたいと考えている。まずは国道39号を一旦西へ戻り、女満別空港へ向かう。空港の入り口にさしかかると、丁度JEXMD80が離陸滑走中で、轟音を響かせて離陸してくところであった。この機体のエンジンはJT8Dシリーズというやや古い、ローバイパス・ターボファンと呼ばれる比較的戦闘機のそれ近い構造を持つ。音としては比較的甲高いことが特徴である。尚、その飛行機は離陸後、右旋回でheading180へ飛んでいった。また、管理人はその流麗さからMD80のようなT尾翼、リアエンジンの双発機が好みである。この他にも同様の飛行機であるMD90CRJなどが日本の航空会社に採用されており、地元の小牧空港やセントレアでも目にすることができる。また、形状は異なるがエアトランセのBEECH 1900D HACSAAB 340Bなんかも飛来していることを期待していたが、空振りであった。そんなわけで空港の周りを一周後、遠軽方面へ向かうことにした。その際にはJALA300600Rが着陸したり、北海道国際航空(エアドゥ)の737400が駐機していたと追記しておく。

 

女満別空港の駐機場(写っている機体はBoeing 737-400)

 

空港ウォッチングを楽しんだ後は国道39号を進んでいく。おっと、燃料を入れておこう。ホクレンで給油すると、406km÷14.5L=28.0km/Lと驚くべき好燃費を記録している。北海道とTDMは相性抜群のようだ。この後は国道39号から333号へ乗り換えてheading270で走行を続けていくが、国道沿いにはあまり何も無く、遠軽の太陽の丘に寄ろうかと思っていた程度だった。しかし、雨が降り出しそうなのでパスし、丸瀬布の道の駅まで走り休息とした。この途中に「安国(やすくに)」と言う地名があり、独りで受けていた。というのも、アニメ一休さんにおいて、主人公一休さんが修行をする安国寺について、「安国寺は貧乏寺」という台詞を思い出したからだ。

 

丸瀬布はSLで有名らしく、9月にはお祭りも開催されるそうだ。ところで、天気が急速に崩れつつある。網走を出た時はまだ晴れ間が出ていたが、丸瀬布ではどんよりと曇っており、行く方向は低く雲が垂れ込めている。どうやらこのツーリング二回目となる合羽の出番となりそうだ。果たしてまったくその通りで、丸瀬布から数キロの地点でポツポツとやってきた。今回はすぐにあきらめて、ツーリング2日目に浦河で購入した合羽を装着する。この合羽は軽量素材を採用しており、確かに着ている感覚が薄い。なかなか「よいではないか、ヒヒヒ。アーレー」とエロ悪代官の如く独り言を言って雨の憂さを晴らす。降り方もだん・だん・だだんだん、ミラバケッソという感じで強くなってきた。幸い国道に平行して白滝から北見峠の向こうまで、暫定無料供用中のバイパス路があり、なんとか無事に峠を越えることができた。

 

峠の向こうは雨が上がっており、対向車線を走る車も濡れておらず、二輪ライダーも合羽を着ていない。これは運がよいぞ、と愛別町で合羽を脱ぐ。まったくの余談だが、この愛別町は昔北陸航空という会社が保有していた愛別飛行場がある。その昔本気で訓練を受けようと考えていた際にここも候補であった。もしも実現していとするなら、今頃はJ-AIRCRJかエアコミューターのダッシュ8の限定型式の訓練中だったかなぁ?と勝手な想像を巡らした。

 

ボヤボヤしていてまた雨が降っても嫌なので、さっさと比布へ抜けることとする。比布と言えばエレキバンであるが、その昔、エレキバンの社長が若かりし頃の樹木希林と出演するテレビCMで一躍有名になった場所だ。その際には比布駅がロケ地になったそうなので、一つ行ってみることにしよう。ところが、方向を間違えて一旦塩狩峠に来てしまい、また戻るというミスを犯し、時間を無駄にしてしまった。ところで、比布駅の近くに蘭留なる駅もあったので、面白い駅名だと写真を撮ってみる。

 

                        

                                                らんる=乱流と解釈し、体言してみました                                ピップ 

 

果たして比布駅に到着したが、別にたいしたこともなかった。むしろ蘭留の方が面白いかも。ただ、駅のすぐそばにライダーハウス「比布ブンブンハウス」があり、非常にきれいであったと特記しておく。そういえば昼飯を食べていなかったと気付き、時間を見るともう13時を回っている。朝から旨いものを食べたので昼はコンビニで済ませるべくセイコマを探すが、見つからないのでセブンイレブンでオニギリやサラダを購入して食べる。このとき国道を白バイが走っていた。今回北海道に来て初めて見た、かつ唯一のものであった。余談であるが、北海道ではコンビニの寿司なんかが結構いけるときがある。ネタなどにおいては、比較的良いものが手に入るのであろう。

 

腹を満たしたところで今日の宿泊場所を考える。比布のブンブンハウスも良いが、この時間からでは近すぎるし、だいいち明日は天気も回復するようなのでキャンプとしたい。そういえば放浪のページを主宰しているローホーさんが、森林公園美深アイランドが良いキャンプ場とリポートされていたことを思い出した。ここからなら丁度良い時間に到着できるし、さらに北に位置するので天気もさらに回復する可能性が高い。あと温泉も併設されているとくれば迷うことなどない。ついでに0円マップを見てみると、途中の和寒はかぼちゃの生産が盛んで、そこにあるかぼちゃ王国という施設ではかぼちゃソフトクリームがあるということを発見し、寄ってみたくなった。早速国道40号を北上して、先ほど引き返した塩狩峠を越える。ここは有名な三浦綾子の小説の舞台であり、記念館もあるそうだ。一度見ていく価値もあると思うが、時間的に苦しくなるとつらいし、ゆっくりと展示を見たいので今回はパスして、北上を続けていく。

 

塩狩パークにて(気温は22℃)

 

天気はいまひとつすっきりしなく雲も多いが、低いものはなく、所々晴れ間も見えてきているので恐らく雨は降らないだろう。そう思っているとわっさむのかぼちゃ王国が見えてきた。ここは建物の色がかぼちゃ色なのでわかり安めぐみ。駐車場にTDMを進ませると、なんと今回の渡道では初めて自分の機体以外のTDM900に出会った。年式はそちらの方が23年は新しく、イモビライザーも装備されている。ぜひオーナーに会い、いろいろと自分の機体と比較すべく話を聞いてみたいと思ったが、どうやら店の中に入っているようだ。少々気温が低いが、ソフトクリームを食べるべく店内に入る。建物はログハウス調のもので、土産売り場とかぼちゃ料理が食べられるスペースと分けられている。またマスコットのかぼちゃ君(管理人の勝手な命名)もいる。早速ソフトクリームを食べると、かぼちゃの甘味がなんともやさしいおいしさであった。クリームもややオレンジ色がかっているので、かぼちゃをしようしていることが一目瞭然だ。

 

                    

                                                       わっさむ かぼちゃの王国全景                     カボチャソフトクリーム(バックにTDM2台とセロー)

 

再び表に出て、並んでいる2台のTDM900をカメラに収めておいた。するとオーナーが現れたので、挨拶をして少しTDMについて話をするが、今日の宿探しに忙しいようだったので短い会話で切り上げた。このTDMのオーナーは稚内から南下してきたようだが、雨が降っていたと話していたので少々キャンプが心配になったが、雨ならテントでゴロゴロするのもよかろうと考え、予定変更はしないことにした。

 

さて、この先名寄を通過するが、名寄というと智恵文のひまわりだ。今年はあまり規模が大きくないということだが、2006年に初めて訪れた時の花の鮮やかさが忘れられないので、またまた寄り道していこう。今回は前回のように道に迷うことはなかろう。

 

だいぶ陽が傾いてきて寒くなっているので、名寄バイパスを通って先を急ぐ。記憶を頼りに走っていくと、ありました。うーん、たしかに規模が縮小されているぞ。それでもかなりの本数が咲いているので、ゆっくりと写真を撮ったり歩いたりしてひまわりの花を楽しむ。やはり、植物っていいですなぁ。天気がイマイチなので絵になる写真はないが、それもそれでよいではないか、ヒヒヒ(くどい)。

 

智恵文のひまわり。いつみても素晴しい。

 

ひとしきり楽しんだ後、元来た道を戻ると「展示会会場」の看板を発見。ダートをゆっくり走っていくと、そこにもひまわり畑があった。こちらは数多くの種類のひまわりが咲いている。え、これもひまわり?というものから、こんな色もあり?というものまで、様々だ。

 

                    

                                                          これもひまわりです                                  こんな色もあります

 

さらにこの辺りを走っていると、レンゲが一面に咲いている場所を発見。

 

レンゲも咲いておりました

 

智恵文を一通り楽しんだ後は、キャンプ場に向うだけだ。美深のセブンイレブンにて、みかん缶やキャラメルマキアートの粉末、のど飴などを求める。また、南坂精肉店では100gで160円のジンギスカンを購入した。こちらは地方発送もしているらしいと追記しておく。ところで、今日の晩飯は焼肉だ。いつもはレトルトカレーなんかで済ましているがたまには違うものをと考え、思いついた。もっとも、コッヘルセットにフライパンがあったので、それで焼くのみなんだけどね。

 

森林公園美深アイランドは道の駅美深の裏にあり、美深温泉も同敷地内にあるのでとても便利だ。またチョウザメの養殖場もあると付け加えておく。早速受付を済ませた後テントを張るわけだが、ここもそれほど混み合っていないので隣のテントともゆとりをもって設営ができた。尚、そのお隣は新潟からのXJR1300の方で、タイヤが減ってしまい渡道後に交換することになったと話していた。確かに、真っ直ぐの道を荷物満載で、高速並みの速度で走行するわけだからそういうこともあろう。かく言う管理人のTDMもだいぶ消耗してきている。

 

疲れているし、閉まっても困るのでまずは温泉に出かけよう。こちらの温泉は400円とお値打ちで、湯船も洗い場も広い。ゆったりと温泉を楽しむことができる。バイクに乗って少し冷えた、かつ疲労した体を温泉でほぐす、これはツーリングの醍醐味だ。今日はさらにジンギスカンも待っている。つまりツーリングの三大要素「長い距離、温泉、旨いもの」全てが揃うことになる。ああ、至福の時間。バイクツーリングって最高。北海道万歳!!ちょっと調子こいてのぼせてしまったので、休息室にて横になる。ついでにテレビでニュースや天気予報もチェックしておこう。なんか相撲界で大麻を吸った者がいるということで、大騒ぎになっていた。その後の天気予報では、明日は天気が回復すると伝えていたので一安心だ。

 

 温泉を出て、テントに戻ると向かいの人はもう寝ていた。毎度ながら思うのだが、ライダーは本当に早寝早起きを徹底している。まったく関心することしきりだ。管理人はどうもダラダラして遅く寝て、結局撤収が遅れ、走行時間が押してしまいまた遅く寝る。なんてことを繰り返してばかりだ。意志が弱いんだろうなぁ。まあ、ボツボツといきましょう。ということで、お待ちかねの焼肉だ。まず米を炊こう。それを待つ間はいつもの「魚肉ソーセージ」で胃の具合を整えておくことは言うまでもない。今日はなんだかキャンプを楽しむ余裕がある。いままではこなすだけで必死だったが、少し要領を得てきたようだ。おっと、いい具合にオコゲができたぞ。いよいよジンギスカンの登場だぁーー。肉屋で購入する時にタレをつけてもらったので、良い塩梅につかっているようだ。ジュ〜といい音、いい匂い、周りのひとも注目しているかも??

 

ジンギスカンで夕食中

 

うまい。今回のツーリングではジンギスカンの旨さを知ってしまった。いやぁ、何でもっと早く気がつかなかったんだろう。もったいないことをしたものだよ。

ああ、腹もいっぱいだ。今日も楽しかった。雨が降ったことなんてとっくに忘れていたのかもしれない。明日は最北端をめざしてみよう。そんなことを考えつつ眠りに就いたのであった。

 

本日の走行 350km

 

7日目(8月20日)へ続く