2009年11月15日
YGの赤く染まるもみじの前で左にW氏、右に管理人
（俺ちょっと太ったかな？？？）
久々にリポートのネタとなるツーリングに出かた。約1ヶ月ぶりの更新となるが、この間もツーリングには出かけており、開田高原、峰竜太の故郷である下條村などで蕎麦を食べた。特筆すべきは開田高原の「稗田（ひえた）茶屋」である。こちらは昨年も訪れており、その際は我々以外には客がいなかったのであるが、今回は当方他3組も。店主はヒイヒイ言いながら奥で蕎麦を打っており、「俺はこんなに仕事をしたくないんだけどなぁ」という風に見えたのは管理人だけであろうか。
また、下條村の道の駅では1300円でざる蕎麦が食べ放題なのだが、調子こいて6枚も平らげてしまった。その日は当然の如く晩飯が食えなかった・・・。
さて、リポートの本題に入ろう。今日はWRT連合会の不定期ツーリング開催日であり、W氏、R1-Z氏、そして当方の3名で走る予定であった。しかし、無常にもR1-Z氏は休日出勤を余儀なくされ欠席となってしまった。今シーズンも残り少なくなってきたが、残念ながら氏お得意の狼煙走法を拝む機会を逸したわけである。また、氏の薀蓄や絶妙な比喩表現を聞くこともできなくなってしまった。まあ来週は特別宿泊ツーリングが予定されているので、そちらでバッチリと楽しむこととしよう。もっとも、W氏のマシン解説や逸話も前者と甲乙つけ難いほど面白いことは言うまでもない。両方楽しもうというのはあまりにも贅沢な話だ。欲張りすぎですな、管理人。
本日のパイロットは我々連合会の査察操縦士であるW氏で、静岡方面へ向かうプランが提出されている。もちろん承認済みなのだが、集合場所がちょっと問題だ。と言うのも、この季節はいつも利用している香嵐渓のコンビ二周辺が激混みすることが予想されるからだ。さて困ったなということで、旧下山村のコンビニを集合場所にすることに決定した。これならば静岡方面へも行きやすいし、W氏もそれほど無駄な距離を走る必要がないので好都合だ。
ということで、運行前点検としてエア圧とエンジンオイル量を確認しておく。尚オイル量については、先週はエンジンオイルとオイルフィルタを交換しその直後に点検をしていたが、念のためもう一度見ておいたというわけだ。これは以前に注入オイル量が少なくて、エンジン始動時にオイル量警告等が点灯したことがあるので、オイル交換直後は特に注意していることに由来する。
それはそうとして、今日の朝は少し冷え込んだ。吐く息も白く見える。この間北海道から帰ってきたかと思っていたら、既に11月も中旬だ。光陰矢の如しとはまさにこのことであり、残り少ないツーリングシーズンを存分に楽しみたい。ああ、どうせこうやって歳をとっていくんだろうな。3回目の年男も終わろうとしている。
そんなことを考えながらエアポンプで圧搾空気をタイヤに充填していく。気温が下がったせいか、やや圧が落ち気味だ。こうしてこまめに点検をしていると、車両のちょっとした変化も感じ取ることができて面白い。ついでにサスペンションは少しだけ伸びの減衰を緩めて接地感を高めておきましょうか（アバンティ風に）。
Request engine startでエンジン始動許可を受け、7時30分に自宅を出発する。先週のオイル交換が効いているのだろうか、調子良いですよ。ドロドロしたエンジン音を聞きつつ、4輪駐車場を見てみる。自宅駐車場のＦＩＴに朝陽が当り、鮮やかな銀色の塗装面に陽光が細く輝いてかっこよく見える。コイツも既に新車購入から8年が経過しようとしており、フロント懸架装置のジョイントから音がする時がある。この間確認したらゴム製ブッシュにヒビが入っていたので、修理してやらねばなぁ。管理人としては結構気に入っているので、当面買い替え予定は無い。「えー、替えんのぉ〜？」とか言われるが、当面替える気はない。
自宅を出発して、閑散とする早朝の街を抜けていく予定だったが、早くも交通量が多いぞ。やはり紅葉を見に行く人々が早めに活動しているようだ。香嵐渓の集合場所を外しておいて正解だったね、と独り目論見が当ったとニヤニヤしてNISSIN1番出発経路から県道56号トランジション、ルート153号線といつもの経路を走行する。
豊田VORでルート301号線に乗り換えて、そのままheadingは090で進む。松平位置通報地点を過ぎるとちょっと寒くなってきたが、寒さ対策として冬用グローブ、ハイカットブーツ、モモヒキを装備しており全く気にならない。こうして「卵子あります」の看板、オオクワ301を越えて標高を上げていく。それにしても「卵子あります」は何回見ても傑作だ。「卵」だけで「タマゴ」だから「子」が余分だ。読み音だけで判断するとこういう間違いを犯しやすいのだろう。
こうして下山村のサークルＫに到着したが、既に駐車場はバイクの集団や乗用車であふれ返っている。とりあえず用を足して熱いコーヒーを飲みながら珍しい車両がないか見て回る。だいたいはCBR10000、じゃなかった1000などのスーパースポーツかスクーターだ。たまにエイプなどの小型2輪も見られる程度で、特に変わり映えはしない。ただ一台気になったのは久々にVTR1000Fだ。これ結構いいバイクだったんだけど、なんでホンダは生産中止したのかなぁ。まあスーパーバイクレースが４気筒1000�佞砲覆辰討靴泙辰燭�ら仕方ないんだけど、こういう尖っていないスポーツ車の方が公道では結局おもしろいと思うのだが、如何に？え、タンデムかぁ。それは後ろがキツイんじゃあなかろうか。
コーヒーを飲み終わってもW氏が登場しない。連絡があったかなと着信を確認してみると、留守録に「遅れます」と伝言が吹き込まれていた。お疲れなのだろうなぁと思い、TDMをチェックしたりして時間を潰す。するとある集団がちょっとざわついている。どうもメンバーのCBR1000がバッテリー切れでエンジンがかからないようだ。ライトは比較的明るく点灯しているようだが、電子制御の進んだバイクはそれだけバッテリーにも厳しいようだ。押しがけをしているが電気がないとコンピューターが作動しないので、エンジンはかからないと思うが。それともオルタネータが回る時に電流が一瞬多く流れるのであろうか。どうなるのだろうかと興味を持っていたが100m以上押した後、排気音が発せられた。どうやら後者だったようだ。今思えばライトのコネクタを外してから、再度セルを回して始動を試みる方が先だろうかな。
おっと、W氏登場だ。すかさず写真を撮影しておく。自分がバイクに乗っている姿はなかなかわからないので、機会ある毎にこういうサービスをしている。
W氏登場
（きちんとカメラ目線です）
ひとまず挨拶をして、道程を確認する。今日はW氏が先導機長で、冬でも楽しめる道を紹介下さるということだ。9時を回っているということで、ひとまず走行を開始、国道301号線を東進していく。まだ朝が早いし、昨日雨が降ったので路面が悪い場合もあろうかということで、慎重に走行していくことにしよう。
そうしてだいたい法定速度？で走っていると、後方から爆音がしたかと思いきや、次の瞬間にはおよそ120km/h以上と思われる速度で1000ccオーバー車に次々と抜かれた。当方等は過去に痛い経験をしているので、黄色線の追い越しはご法度にしている。
また、速度取り締まりもある区間なので、引きずられないように速度を維持する。特に管理人は北海道でヤラレルという失態を演じているので、もう今年は捕まりたくない。次回更新でゴールド免許になるので、なんとかあと半年は頑張らないといけないのだ。それにしてもこのゴールド免許制度には疑問が尽きない。ゴールド免許保持者＝優良運転者という等式は、果たして成り立つのだろうか。例えば当方のように年間2輪、4輪で1万km以上走行する者がブルーで、免許を取得して以来、一度も運転をしたことのないペーパードライバーが15年間ゴールド免許だとしよう。同条件下で運転をした場合に、どちらが事故を起こす可能性が高いだろうか。答えは言わずとも明白だ。
さて、こうして無理なく走行をしているとまた一台、我々を抜いていくマシンが。スズキのGS1200SSだ。こちらは爆音を出してはいるが、速度はそれほど出ていない。これならちょっと肩慣らしに追いかけてみてもよいかなと思っていたら、W氏も同じ考えを持っていたようで、早速速度を上げていく。するとコーナーで火花が。ありゃ、もう擦ったのというくらいあっけない幕切れであった。
これで氏は戦意喪失してしまったようで、W氏は元の速度で走行を続けていく。因みに昔のエロビデによくあるタイトルは「処女喪失」だ。今や普通のタレントである美保純も「制服処女のいたみ」とかいうタイトルで昔出演していたようだ。さらに言うと、彼女の本名は曽根ちよ美らしい。そんなことはどうでもよいが、旧下山村から新城市へ下っていく。寒さはそれほどでもないので一安心だ。
ところで、新城というと友人の梅さんの居住並びに勤務地であるが、それらのすぐそばを通過して宇利峠を越えていく。そうして奥山林道の入り口がある峠を越えると静岡県に突入する。ここから少し下ると遠くに浜名湖を望むことができ、ツーリング気分が徐々に盛り上がってくる。また、気候的にも温暖になる。こうして国道301号線を下り、三ケ日のコンビニで一旦休憩とする。
コンビ二ではルートを確認する。今日はW氏とっておきの奥浜名オレンジロードを走ることになっている。氏はこの夏も訪れたそうだが、このときは道路脇から草が飛び出てきていて、まったくもって走りにくかったようだ。今日は季節的に草も枯れていることを期待しよう。
それはそうと、W氏はマフラーを交換したようだ。今回はBEET製のややおとなし目の音を発するものとし、前のオーナーがちょん切ったエキパイも含めてフルエキで交換した。購入先は有名な某中古マフラー店で、なかなか出物がないだろうと思い切って購入・装着と相成ったそうだ。
サイレンサーなんか純正と見分けがつかない
このマフラーはよく観察してみると純正とほぼ同形状である。しかし一回り太く、中間部に接続管があるので、音質は低音が響く仕様となっている。またこれにより、排圧が適度に抑えられて低速トルクも出て乗りやすいとのこと。ところが肝心のバンク角が浅いらしく、コーナーでは探りながら寝かしている状況だそうだ。これは思い切った操作が必要なカワサキ車にとっては大きなネガらしく、素早くタイヤに荷重してキャンバースラストを引き出すことが難しくなる。それが不可能で、仕方なく探るように注意しながら寝かしていくが、それでも擦ってしまうというわけで苦労しているとのことだ。W氏の対策としては、取り付け穴を長穴にして上方に持ち上げるというところが現実的だろうとのこと。それはそうと、さっき301号線のワインディング区間で後ろから観察していた時に、当方も「あーーーー、擦る擦る」と思わず叫んでしまったのだよ。
さて、コンビ二を出て、同国道を三ケ日I.C.のところまで走り、県道85号線に乗り換える。ここを2km弱北上すると「奥浜名オレンジロード」の看板が出てくるのだが、この道の入り口にはオープンカーの一団や、数台の2輪車が停車していた。
この手の人たちが集まっているということは、期待できそうな道ということなので、必然的にアクセルを開けていくことになる。おっと、いきなりＭＶアグスタのＦ４が対向車線からやってきた。ピタリと深いバンク角で安定しているように見えたので、そのポテンシャルはダテではないようだ。W氏が言うには「F4もこういう使われ方をされるなら幸せだろうな」と。確かに、価値のわかる人がそれなりの使用方法で乗るならばよいことだ。中には金のみにモノを言わせて全く乗りこなせないジジイが購入し、街中をチョロチョロ走って自慢のタネにする場合もあるようだ。
さて、きまぐれオレンジ、いや奥浜名オレンジロードであるが、みかん畑の中を縫うように通っている典型的な農業用道路だ。今は早生みかんの収穫時期なのであろう、みかん籠を満載した軽トラックが所々に停車している。ただ、この農道は道幅が広く、一部切通しのような場所を除くと比較的見通しの良いコーナーが続いているので、まあまあ安心して走ることが可能だ。また、アップダウンもあり、すり鉢状の下りコーナーでは縦Gも感ずるなどワインディング路としても楽しい一面も持ち合わせている。また、上りコーナーの向こうには時折浜名湖が見え隠れして景色もよい。コーナーも切り替えしのS字になったもの、低、中、高速ものが散りばめてられており、技量維持には最適だ。しかも気候は温暖で冬でも十分に楽しめるとくれば言うことはない。ただ残念なことは、道路設置の目的があくまでの農作業用ということなので、作業車優先であること、そして路面の端1ｍ近くまで葉やゴミ、砂が出ていることだ。調子こいているとエライ目に遭いそうなので注意が必要だ。
途中一箇所、公園のような場所があり、道が一旦途切れる。ここでは一旦停止をするわけだが、前方からはとても珍しいオートバイがやってきた。これはイタリアマーニ社のスフィーダではないか。このマーニ社というメーカーはビモータのような車体製作会社で、自社製フレームに主にモトグッチのエンジンを搭載して商品化している。珍しくもわれらが日本のスズキ製、1200�嫐�冷エンジンを搭載したマーニスポーツ1200Sというマシンも存在する。これはその昔のレーサー、ＭＶアグスタ750SSをモチーフとしているようだ。あと、日本向け52台だけ生産された、その名もジャポーネというマシンまである。全く関係ないが、モチーフといえば、ダチョウのヨタロウ君だ。
それにしてもこの農道、かなり警察に目を付けられているようだ。というのも、2回も巡回車両に遭遇したからだ。また、あちらこちらに「ローリング禁止」と看板が出ている。これもおとなしく密かにやっているうちはよいのだろうが、無茶して無関係の人を事故に巻き込んでしまったりすると警察も黙って見過ごすわけにはいかないというところだろうなぁ。因みに林道なんかでは「ラリー禁止」なんて看板もある。
楽しかったオレンジロード走行はあっけなく終了となり、県道303号線を走りだす。この道沿いには龍ヶ岩洞という鍾乳洞があるのだが、前を通過した際、駐車場は空いていた。何時だったか、高知の龍ヶ洞？という鍾乳洞に行った際、なんか薄ら寒くて圧迫感があった。どうも当方は閉所は苦手のようだ。
そんなことを思いつつ、国道257号線とのテーの字へやってきた。テーの字というとオークラ氏であるが、最近はアタッチメント無しのみで処置をし、テーの字まではやらないそうだ。どうも地肌が荒れてしまうらしい。それはどうでもよいが、ここを左折して少しするとW氏がミスコースしたのでＵターンしようと指示があった。査察操縦士でもミスコースをするということは、当方がミスコース三昧なのは当然の事と言えよう。それにしても氏の「Ｕターンの時にはタチゴケしても根に持たないようにしよう」という発言は傑作だった。
そもそもＵターンはツーリングには大切な技術である。もちろん誰にでもミスはあるのだが、ミスコース後のＵターンで「道を間違えることが悪い」という発想はおかしい。オートバイは全て個人持ちである。それゆえに大きな自由度が宿るのだ。自信がないならスイッチバック作戦で一度道路を横断し、足をついて方向転換する向きに車体をもっていってから走行するだけのことだ。この判断も技術のうちであろう。
さてコースに復帰して、国道362号線とのテーの字（くどい）を左折して、heading060で天竜浜名湖鉄道沿いのきれいな道を走行する。気分よく走行していると、前方に古めかしいバイクが走っているのが目に入ってきた。どうやらCB72のようで、極端に垂れ角の大きなセパレートハンドル、古典レーサー風の半円形のテールを装備しており、ライダーも古めかしいホンダの上着と半キャップヘルメット＆ゴーグルを着用している。
まあバイクにはいろいろな楽しみがあるのでそれはそれで良いのだが、その行動が不可解だ。というのも、我々が近づいていると気がつくや否や速度を上げ始めたのだ。Ｗ氏も「何やってんの倉科カナ？」という動作で後方を走る管理人に合図を送ってきた。こちらも全くその通りであると返しておく。そうこうしていると、カーブに差し掛かる。すると72氏、体だけ内側に入れていてタイヤのキャンバースラストを用いていないので、かなり減速して曲がっている。
どうも72氏は頭の中だけでマン島を走行している型のライダーらしい。そしてその後、赤信号に捕まった。ここですり抜けで先頭に出ておき、シグナルブルーで72より先を走ることに成功。その後72は直線では追いついてくるがコーナーで離れるという様式で走行しており、市街地の方へ曲がっていった。よく解らない。
さて、意味不明のCB72を見送った後はおなじみの国道152号線へと合流するが、えらい渋滞こいている。まあ街中だから仕方が無いと思っていたが、二股の街中を左折して引き続き国道を362号との重複区間もまだ渋滞している。しまった、紅葉のを見に行く人で混んでいるのか。この間に昼の12時を過ぎてしまい、寸又峡はちょっと時間的に苦しいなぁということになった。ここでＷ氏はフライトプラン変更を決断し、ひとまず国道152号線を北上するルートをとる。旅はきままな方がよい、女は無口な方がいい〜♪と東野英心が「あばれハッチャク」の中で酔っ払って歌っていた。また、このよっぱらったハッチャクのお父さんは近所のおばさんに「やかましい」と苦情を言われて、いい加減に謝った後、「女は無口な方がいい〜♪」と歌いながら千鳥足で立ち去るシーンは子供ながらに受けてしまった。一応補足説明しておくが、正確には「女は無口な人がいい〜」である。
国道362号線を右手に見送り、引き続き152号線を北上していく。ここからは船明ダム沿いを走行する快適ルートだ。まだこのあたりでは紅葉はちょっと早い次原かな？という様子である。秋葉山は来週辺りからが見頃あろう。さて少々疲れたので道の駅天竜相津花桃の里で休息する。ここは2輪の駐車スペースを探すことにも苦労するほど混雑していた。
W氏はイの一番にトイレへ走って行った。確かに少々冷えてきた。ここは小規模な道の駅であるが、以前W氏と訪れた岐阜県の道の駅五木のやかたかわうえのような「あばらや」とは違う。表では鮎の塩焼きが焼かれており、ソフトクリームの販売、食事もできるようだ。残念ながらここでもまだもみじの葉は緑色をしているが、見ごろになった時には素晴らしい景色となることは間違いなかろう。今でさえもこれほどの混みようだから、そうなるとこの規模の道の駅はパンクするだろう。
水分のみを補給して北上を続けていくが、ここで重大な問題が発生。W号の燃料がリザーブに入っていることだ。まだ100km近くいけるとのことであるが、如何せん山の中であるからいつスタンドがあるかわからない。ということで一番近いところで燃料補給予定と打ち合わせてある。そういえば以前、リザーブも使いきりスタンドまで200ｍ程のところでガス欠したことがあったっけ。どうもWは早めにリザーブに切り替わるので、まだいいやと思っているうちに事態が深刻になるようだ。あまり早くリザーブに切り替わるのも考え物だ。因みにTDMも空にするつもりなら,リザーブの容量で100km弱はいける模様だ。
少々心配であったこの問題はあっけなく解決した。国道沿いの右カーブの内側に目立たない出光のスタンドを発見、信号で停車したので好都合とそのまま滑り込んだ。因みにTDMは出発時に満タンにしたので、まだまだ15L以上残っている。さて、スタンドに入ったはよかったが従業員が一人しかおらず、また急いで仕事をこなす様子もないので15分ほどま待たされることになった。この間、店に入った順にお客をさばいていってくれればよかったのだが、やんちゃな車が横入りしてきて、さらにそちらを先に給油しはじめた。我々の次に入店した4輪車のドライバーはものすごく不機嫌であった。
W氏支払い中
やっと給油が終了し、W号もガソリン満タンで再出発する。ここからは徐々に標高を上げていくので、段々と紅葉も鮮やかになってくるし、空気も段々冷えてくる。ここへ来てやっと装備が本領を発揮し始めた。それにしても今日はツーリングに出ているバイクが多い。対向車線を次々とバイクが走り去っていく。そういえばVF1000も浜名湖周辺ですれ違ったなぁ。W氏の話では、マシンを購入した店のオヤジがVF1000にたいして「こんなもん売れんでタダであげるよ」と言われたことがあるらしい。あ、全く関係ないけど、今日は離婚記念日、つまりは当方の解放記念日だ。それなりに辛い日々も多々あるが、今の方がやはり楽しい。
そうこうしているとヒョー越林道方面へ行く152号線と佐久間方面へ行く473号線の分岐点に到達した。時間は既に13時を回っており、W機長は日没時間等を考慮して152号線を走る設楽方面へプランを変更する。こういう臨機応変なプラン変更は当方も上手くなりたいと思っている。なぜなら、決めた道を決めた通りに走ることはまず不可能であるし、さらに予定時刻にチェックポイントを通過するなんてことは絶対に無理だ。それではどうするか。道を間違えた、遅れが生じた等のトラブル発生時にいかに上手く対処するかが重要だということだ。地図を見て代替ルートを探る、目的地変更するということを常に当たり前のようにできる、これこそがツーリングに求められる能力である。そう、プラン作成、先導機長とはそれほどに難しい役割をやってのけることができる人なのだ。その苦労を考えると間違っても文句は言えない。つまり、W氏は走りそのものも上手い、ツーリング技術も高い、やはり査察操縦士なのだ。当方なんてまだまだ修行が足らんのだよ、羽毛の諸君。
この後は佐久間の市街地を走り、国道473号線を概ね270で行く。さて、ついこの間まで、ここ佐久間には「佐久間レイルパーク」という退役した電車を展示する場所があった。当方も5年くらい前に見学したことがある。確か0系新幹線もあったように思われるが。因みにこれら展示車はそれぞれ別の場所で再び日の目を見ることになっているらしい。
市街地を抜けると国道は片側1車線となり、時折小さな集落を繋ぐ林間ワインディング路になる。惜しいかな、昨日の大雨で川ができているコーナーがある。また、濡れ葉っぱが広がる場所もあり、ややペースを落とさざるを得ない。それでもできるだけ乾いた場所を探してスイスイとコーナーを抜けていく。ここでも査察操縦士の腕前をマザマザと見せつけられた。W氏も新マフラーのバンク角を掴んできたようだ。
こうしてハリーポッターの看板が掲げてある家を通過して、とうえい温泉到着した。ここらあたりは紅葉も見ごろで、多くの人が訪れていた。さて、駐輪場にマシンを停めて飯を食べることにするが、その横にはHUSQVERNAのステッカーがデカデカと貼られたトラックが停まっている。それを見たW氏が「丁度ハスクバーナのTシャツを着ている」とのことであった。なんという偶然か。
偶然にもハスク
やれやれ、腹が減った。時刻も14時近くだということで、温泉施設に付属の屋台風食堂でラーメンを注文した。因みにこのラーメンは温泉卵入りである。卵子ではないので注意が必要だ。また、当方はこれに加えて五平餅も食すことにする。余談だが、この三河地区は五平餅を名物にしていて、豊田市から東の愛知県で売られている。あの味噌をつけて焼いた香ばしいかおり、うーん良いですなぁ。あとラーメンもどうってこともないが、ちょっと寒かっただけにありがたい。みかんも1個サービスしてくれた。
食事をしながら今日のルートについて語り合う。やはり今日のメイン、奥浜名オレンジロードは大きな収穫だった。また、秋葉山以北の紅葉も良かったなぁ。ああ、CB72の変なヤツもいたなぁ。W氏曰く、「ああいう人に掴まるとエライ目に遭うぞ。延々と薀蓄を聞かされることになる」と。まあああいう人は推測するに、「見せびらかしたい・自慢したい」というところだろう。それにしても今日は変な団塊オヤジに遭遇しなくてよかった。だいたいいつもは「勘違いオヤジ」に出会うものだ。
そうして水分補給していると、チェーンソーアート実演をしているところを発見した。なるほど、これでハスクのトラックがいた理由が解った。それにしても作品はふくろうかクマQだ。ガォー、ワォー。ところでどうやって作品を製作するのか、触りの部分を見学した。どうやら3、４種類の大きさのチェーンソーを使用して荒削り、中削り、仕上げと進め、火をつけて黒色をつけるようだ。そして驚くべきことは来年世界大会があるということだ。おそらくここでしか大会が無いから世界大会と名乗っているだけではないと思うが、いかに・・・。余談だが、以前あるアニメで、「私がOO様の部下で一番優秀なXXです」という台詞があったが、その後すぐに「部下はお前一人だけじゃあないのか」と突っ込まれていた場面があったと追補しておこう。
クマキュー！
ここからは再び国道473号線を西進していく。途中国道151号線を横切り、ハーレー氏が災難を被った仏坂峠への入り口である県道32号線との分岐を過ぎると、道国道は1.5車線の山のワインディング路に様相を変えていく。引き続き、雨の影響で川ができている箇所に注意しながらソコソコの速度でコーナーを切り取っていく。それにしてもライディング技術はまだまだ難しいところが多い。トロトロとコーナーに進入し、なんとなく車体を傾けているだけでは気持ちの良い旋回性を得ることはできない。基本は顔、体、車体である。以下に当方の覚書的にリーンウイズでのコーナリングをまとめておこう。これを実践して不都合が出ても当方は責任は取らないことは言うまでもない。あくまでも当方の覚書きである。
まずはコーナーの状態を確認する為に出口までを見通す（顔）。そしてコーナー外側のかかと・ふくらはぎで車体を引っ張り込む。内側の足はやや後方に引っ込めてつま先立ちに近い状態とする。これとほぼ同時にコーナー内側の腕の力を抜きつつ（肘を下方に垂らす？）、肩を斜め前方20度くらいに軽く入れる。するとシートにはケツ骨を通して荷重が乗る。すると車体が傾き始め、同時に前輪がスッと切れ始める。うまい人はこのままフルバンクまで持っていけるのだろうが、当方は内側のハンドルバーを後方から手を添えて、同時に外側の腕はハンドルの切れに対して＋アルファ程度に追従させていく。これは当方が限定解除時に習った「押しハン」の技術であり、バンク速、バンク角を決めるには有効だ。もちろん最初のきっかけは車体を抱えている下半身が主体となっていなければならない。補足だが、この際骨盤はコーナー外側のわき腹を締めるような動きをすると、車体と一体化しやすいように感ずる。
これならば路面状況に変化があっても車体を起こしたり、またもう少し寝かしたりと比較的自由にバンク角を変えることができる。ということは、やばい状況下になる前に対処ができそうな気がするが、どうだろうか。W査察操縦士の見解も伺いたいところだ。ところで、これはすべて外見的一連の動作と体の使い方を述べたに過ぎないが、こうする目標はなんだろうか。セルフステアとキャンバースラストの最大限の活用であることは言うまでもない。なぜならバイクがコーナーを曲がる根本的な原理はここに集約されるからだ。逆に言えば、これらを自在に使いこなすことができればライディングフォームなんて何でも良いと思う。事実一昔前の500��GPライダーなどは皆、実に個性的なフォームで走行をしていたように思う。E・ローソン、M・ドゥーハン、K・シュワンツ、W・ガードナー、皆写真を見るだけで識別ができたものだ。因みに小排気量のレースではマシンの絶対馬力が少ないせいか、比較的同じような乗り方のライダーが多かったように思う。また、日本人は基本に忠実な人が多かったのではないだろうか。
大きく話しが逸れたが、W氏が気にしていた、「山奥のパソコン教室」の所在地もこの国道沿いと判明し、気分は上々で走っている。こうして林間のワインディング路を楽しんで、また管理人は乗り方の自己点検をして走行していく。そしていつもの大田口からは国道256号線で北上していく。同国道のこの区間は中速ワインディングで構成されており、なかなか面白い。引き続き操縦技術を確かめつつ走行するが、一方W氏は浅いバンク角でも速いコーナリングができるように思い切ったリーンインフォームに切り替えた。するとみるみる速度を上げていってしまい、あっという間に見えなくなってしまった。さすがは査察操縦士である。
茶臼山高原道路が国道257号線と合流するテーの字には道の駅アグリステーションなぐらがある。管理人はどういうわけか今までここに入ったことは一回も無かった。どうも当方がここを通過する時刻が、一番込み合っている時と重なってせいだろう。込み合ったところは嫌いなのだ。今日は既に陽が傾いてきているので、あまり込んではいない。
さて、駐輪場にバイクを停車させると隣に珍しいバイクが。スズキのGN125である。当方が勘違いしていて「これはカタナですかねぇ」と発言したところ、W氏は「いや、確かカタナがGS125だ」と正解を教えてくれた。因みにエンジンは同じだそうだ。え、カタナってGSX-Sじゃないの？と質問がきそうだが、125�佞�GSにもカタナのサブネームが付くモデルがあるんですよ。こういう会話が何のためらいもなくできるところはさすがW氏である。査察操縦士ともなるとあらゆる知識を蓄え、技術を身につけている。当方の6500時間程度の経験ではまだまだ査察操縦士への道は長い。目安は10,000時間程度だろうか。まだ5年はかかりそうだ。
ここでは先日の志賀高原ツーリングについての見解を話し合った。今日はW氏の時間判断でルートを組み替えたわけだが、それが的中してこのままYG経由で帰還すれば丁度よい時間だ。気候やその時点でのプラン消化具合、さらにはその場の雰囲気など多数の要因を考慮して、常に地図を見てルート検討するところにツーリングの醍醐味がある。こうして新しい道が開通していることを発見したり、楽しい道を発見したりすることがまた楽しい。ミスコースして走った所が以外にも楽しかったなんてこともしばしばだ。決まった時間で決まった道を通過していないと都合が悪い、ということは成り立たない。それは無理というものだ。だいたい最初に計画した道順通りに間違いなく走行することさえほぼ無理なことだ。仮にできたとしても楽しいだろうか。それさえ嫌だと言うのであれば「はとバス」にでも乗ることだ。
だいたいツーリングに良い悪いはない。我々WRT連合会のメンバーの中でも厳密に言えばスタイルの違いがある。しかしお互いにプラン提出や先導機長を持ち回りで担当することにより、新たに発見することなどがたくさんある。ここにメンバーで集う意義があるわけだし、お互いの意見を話してバイク生活を盛り上げていく。これが楽しいのであると思う。何もしないで文句は言っちゃあお終いだよ。
さてもう16時近くになってきた。香嵐渓の渋滞を回避する為にこのまま257号線を北上し、153号線を横切ってYGへ向かう。この辺りから紅葉が鮮やかになり始めて、YG周辺は真っ盛りというところだ。国道を左折して暫く走ったレストラン四季周辺はなかなかの見応えである。W氏も思わず停車したことだし、写真撮影を行う。本ページの冒頭のものはその時撮影した写真だ。
W氏、YGにて
ところで、このレストラン四季はW氏がまだ１０代の頃、走り屋時代によく食事をしたそうだ。YGはW氏にとってホームコースであり、幾度と無く走った場所なのだ。当然ライン取りやブレーキングポイント他のノウハウを知り尽くしているわけであり、壇れいのリーンイン走法であっという間に見えなくなってしまった。
こうしてライダーのいなくなったYG休息所手前を左折し、南側のワインディングを砂に注意して走行していく。ここでふと後方を見てみると、タンデムのゼファーがいいペースで追いかけてきている。後ろに乗る人は短パンの女の子であるようだ。こんな寒いところをタンデムとしては速い速度でワインディングを駆け抜けているということは、タンデムライダーはかなりの苦痛だろう。その後の二人の仲に影響を及ぼさねばよいがと余計なお世話を焼いてしまった。そんなことより自分のことを何とかせい！と言われそうだが、当方はもう女性と付き合うことは無いだろうし、仮にそう思ったとしても時既に遅しであろう。何せ今日は離婚記念日だ。
こうしてYG走行を終えて、渋滞のない県道11号線を行き、東海環状自動車道との交点にある御船のコンビニで最終のミーティングをする。ここでは今日の出来事や、先日の志賀高原ツーリングの反省？をした。また、来週の予定などを軽く打ち合わせておいた。
ところで、このコンビニには昔ながらのゾッキーがいたが、W氏の話によると当人等は「自分達はゾッキーではない」と主張するそうだ。爆音も個性の一つだとも言いたいのであろうか。よくわからない。
今日も家まで帰ると300kmを越える走行となった。なんだかんだで丁度良い時間で300kmを周ってくる。これは査察操縦士ならではの力量の高さを物語っている。また、マニアックなマシンや新規開発の機械構造に関する豊富な知識、マシンの特性を把握した乗り方の検討などとにかく学ぶ点が多い。
今後ともご指導をお願いすることとして本リポートを締めようと思う。
ありがとうございました。
本日の走行 310km