2009年5月2日
YG休息ポイントにて、笑顔の参加者達
（左からR1-Z操縦士、W査察操縦士、管理人、SRX操縦士）
4月末からずっと好天が続いており、気温も25度近くになることあった。そんな中GW初日を迎えたわけだが、当然ながら連休中はどこかに走りに行きたいねと各々考えていた上に、W氏が良い道を発見したということもあり、今回4人が集うこととなった。メンバー詳細について、まずは今回のフライトディレクターであるW氏、昨年春の白骨温泉以来の参加となるSRX氏、おなじみ（G.B.）R1-Z氏、そして管理人である。
W氏の走行計画によると、今日は新たに発見した広域農道を含めて、低速から高速までのワインディングを繋いで走り倒そうという楽しみなものだ。そのようなわけで今回、管理人は勝手に本ツーリングを「技量維持ツーリング」と名付けた。そしてついでにW氏保有の「推定でおよそ10,000時間に上る飛行経歴」並びに「A.I.ツーリング研究所？の認定査察操縦士資格」を考慮し、氏からいろいろと話を聞いて、各人が自分の走りについて考えるというライディング理論的要素も取り込むことも楽しかろうと「査察」の文字も加えたのである。
もちろんそんな堅苦しいわけではなく、各々の速度で楽しく走行し、皆でいろいろと話し合って技量向上をしましょう、といういつものツーリングである。ただ管理人が個人的に大げさなネーミングをしたまでであることをここで告白しておこう。
当日はいつものコンビニその２に8時集合と決定。7時30分に管理人宅を出発するくらいでよかろう。そう思っていると、R1-Z氏からマシンにトラブル発生の連絡が。どうやら大型車相手にコーナー速度を高める為、頻繁なギアチェンジを繰り返していたことから、エンジンから生えているミッションを動かすシャフト（＝シフトフォークが刺さっているシフトシャフト）と接続されているシフトリンクをねじ止めしてある部品がバカになりかかってしまったとのこと。とりあえず氏に7時に自宅に寄っていただくこととした。
管理人宅で点検すると、シフトシャフトとリンクのネジ止め部がガタガタになっている。因みにこのシフトリンケージを含めたステップが社外品であり、かつ造りがイマイチであることが原因のようだ。機会あれば純正に換装も考慮するかということだが、今日はなんとか走ることができるようにしなければならない。
そこで詳しく原因を探ってみると、ははぁ、なるほどね。そういうことか。どういうこと？つまり、純正品ならば、通常シフトシャフトとリンク接続金具には縦溝が切られており、さらにその金具には切り欠きが入れてある。そうすることによってネジで締めた際、さらに溝同士がかみ合って締結が強化される。しかし、この社外品は切り欠きは入れておらず、ネジの山のみで無理やりにシフトシャフトの溝に接点をつくり、部品を締結している。そのネジの溝が磨り減ってバカになっていることがトラブルを引き起こしているようだ。まあ、モノにもよるが、社外品ってこんなもんかな。
その後、丁度合うネジを発見してなんとか現状復帰するが、しかし、ゆくゆくは中古部品屋の「単友」の世話にならねばならないのかと少々うな垂れつつ集合場所へ向けて出発した。因みにうな垂れなければならない理由であるが、それは前述の単友の接客態度に大きく依存している。そうそう、以前管理人が兄の友人とスズキのオフロード車「ハスラー」のシートがないか探しに行ったときのことだ。
兄の友人：ハスラーのシートってありますか
単友のオヤジ：（目をひん剥いて即答）ない
そんな接客ってあるか？一応商売なんだから「すいませんねぇ」とか言えばいいのに、「（即答で）ない」はそれこそないだろう。しかも「目をひん剥いて」言う必要があるのか。それでも中古部品を探している時は、その豊富な在庫を誇る単友に頼らざるを得ない。この無念さ、ああ、自己矛盾の境地である。
さて、出発したはよいが、R1-Z号の修理に手間取って時間に遅れてしまった。さらにTDMに燃料があまり入っていなかったので、途中で燃料補給する必要もある。そんなわけで、スケートの浅田真央ちゃんがひいきにしている御菓子屋の前を通過し、数キロ走ったところにあるスタンドで燃料を補給する。ついでに燃費計算をしてみると、440�劼�18.4L＝23.9��/Lとまずまずの記録だ。しかし、W氏と連絡がとれない。また、メールを確認すると、SRX氏より家を出た旨の連絡が入っていたし、R1-Z号も問題無しとのことであったので、とりあえず集合場所へ急ぐこととする。
そうして、20分ほど遅れて集合場所に到着するも誰もいない。W氏にもう一度連絡してみるも繋がらない。？？？と思っていたら、隣のガソリンスタンドからSRX氏、続いてW氏も登場。燃料補給と空気圧調整をしていたようだ。そういえば、SRX氏は前回の白骨温泉ツーリングの時、空気圧不足で切れ込むような操舵感を覚えてやりにくいということがあったなぁ。今回はW査察操縦士の提案で、SRX操縦士の機体コンディションを整えたようだ。
なんとか全員が集合したのでブリーフィングを行う。飛行管理者のW査察操縦士から今日の予定について簡単に紹介があった後、いつものアホな話が始まる。最初はやはりWGPライダーの名前ネタであった。ポンスはもはや伝説になりつつあり、アルベルト・プーチや、W氏のお気に入り、ディディエデ・ラディゲスがメインであったと報告しておこう。尚、今本稿を執筆中にトロンテギってのもいたなぁと思い出した。
またW氏は先日、ステップガリガリをなんとかするため、ついに車高調整機構付きのYSS製リアサスを装着していた。目一杯ではないが、5mmくらいはリアまわりが上がったそうだ。実際に試走して効果を確認したところ、ガリガリがカリカリになったらしいので、今日の走りが楽しみである。
新リアサス装着のW650
（下端にある車高調整機構に注目）
さて、一通りの儀式も終わったので、機長役のW氏先導で走行開始。まずはいつものように、道の駅らっせいみさとを目指す。道順としては国道418号線を磁方位360でシーサーならぬ瑞浪の狛犬へ。一瞬だけ国道363号を走って、県道20号、そしてheading090で通称らっせい街道こと県道66号を行く。この県道20号と66号の交差点には、度々登場するラーメン屋のあきん亭がある。まだ開店はしていなかったが、新装後も繁盛している様子であったと付け加えておく。
ところで、らっせい街道も少し混んでおり、ナガノトモヒサ率いるアーモン軍団ならぬ軽トラ軍団等に前をふさがれた。同街道は真ん中破線の片側1車線道路であるし道幅も広めなので追越しは簡単だが、目の前の4輪車を抜いたところでまた次の遅い車が走行していることは明白だ。そういうことで、余程の場合以外は追い越しは封印という機長判断でゆったりとらっせいみさとに到着。
各々用を足したり、飲み物等を調達して会話を楽しむ。思い込みについてというテーマが登場したので、管理人はすかさずG.B.の話を蒸し返して面白がる。SRX氏は内容をよく知らないようなので、当事者のR1-Z氏が説明。管理人は課長の役をして盛り上げる。「最近コーヒーの減りが早いんだよなぁ」という台詞を身振り手振りで表現したり、、「出勤してきてG.B.、10時の休憩G.B.、昼飯食ったよG.B.、3時のおやつだG.B.、ああ残業かG.B.」とくだらない自作の川柳を言ってみる。また全くの別件であるが、W氏も思い込みで仕事の伝票を詰め所に置きっぱなしにして1年後位に怒られたことがあったらしい。思い込みって怖いものだ。
WGPライダーネタでは前述のディディエデ・ラディゲス、アルベルト・プーチに加えブルーノ・カサノバも登場した。ところで、W氏は運転免許で飯を食っておられるのだが、このご時世では違反＝解雇になることもあるらしい。ここ最近だけでも5人ほど憂き目にあったと言っておられた。
違反つながりでもう1つ重要な事件。2001年の清里ツーリングだ。この時は管理人とW氏他3名の合計5人で出かけていたが、アフリカ氏とW氏の間にトラックが入ってしまい、それを追い越そうとCBR（当時はXJR)氏、管理人、ハーレー（当時はブラックバード）氏がハミ禁の国道18号の反対車線に出たその時、影に隠れていた白バイが出てきて「プゥ〜」と間抜けだが、非常に腹立たしいサイレン音を響かせて登場、御用となったというわけだ。この際、規則は変えようがないので、仕方なく3人とも切符にサインはしたが、誰か（多分管理人）がイヤミを言い始めたことを皮切りに、温厚なハーレー氏もここぞとばかりに悪態つき大会に参戦。白バイ警官に「地元の警察と言うことが違う。聞いてみるで一筆書け」などと詰め寄ったりしていた。もちろん当方も管理人大爆発'01という感じで「成績良くなって嬉しかろうに」などと毒ついて、タダでは違反を受け入れることはなかった。そんなこんなで10分くらい言いたい放題に悪口を言っていたが、ハーレー氏は警官が怒りでワナワナと手を振るわせ始めたところを見逃さなかった。
また、ハミ禁違反といえば、先日の管理人が遂行した「黄色線に半分乗っかり！ハミ禁逃れ走法」も話題に。あれは追い越しはしたが、はみ出して無いもんね。黄色線は中央線をはみ出し禁止の意味なので、問題ないのだよ。ヤマトの諸君。警官に止められても、「何のことかね？」で済んでしまうというわけだ。間違っても「古代、俺の負けだ」と言ってはならないと助言しておく。
そういうことで、次の休息地点やルートの確認をして走行準備を整える。管理人が今日は通らない「中の方峠」の名前をだしたところ、W氏はインリン峠と命名していた。インリン様が泊まりに来た村に同峠があることは先日記載したが、峠の名前変更？知らなかった。当然次回からは使用させていただくことは言うまでもない。ところで、全く関係の無い私的な嗜好の話だが、管理人はM字開脚は好きだ。しかしMではないことを付け加えておく。
走行再開で、らっせい街道から国道19号へ航路変更を行う。なんだかやけに混んでいるぞ。TDMは冷却ファンが回りっぱなしだ。W氏は長時間アイドリングを嫌ってエンジン停止。確かに、空冷エンジンはきついだろう。ところで、この渋滞の原因であるが、丁度恵那と中津川の境目あたりで片側2車線から1車線に移行する部分があり、さらにこの連休で交通量が増えたことによると推測される。まあ工事中なので、そのうちこういうこともなくなるだろう。
渋滞を抜けて中津川市街地を通過。恵那山が大きく見えるようになってくる頃に県道7号線へ乗り換え、馬籠を目指す。この道は結構うねっており、また高低さも結構あるため技量維持には好都合な道だ。おおっと、早速W氏はステップを擦っているぞ。しかし、先に記したようにリアサスを車高調整機構付きのものに変更して、リア周りの車高を高くしたおかげか、擦りっぱなしではない。
全くの余談であるが、馬籠には詩人、島崎藤村の生家が記念館として残っている。ここは有名な「まだ上げ初めし前髪の・・・」の舞台であるようだ。そうね、初恋ってのは人生のうちで一回きりだから、それを詩で残したということは意味があるのかもしれない。さらに全く関係無いのであるが、昨年亡くなられた飯島愛のパロディで「飯島恋」なる女優もいたと追記しておく。
歴史のある馬籠を今回は素通りさせてもらい、県道7号から国道256号へスイッチする。ここも中速コーナーが連続するワインディング路である。清内路というちょっと変わった名前の村を通過していくのだが、ここで危険なハプニングが起きた。事の顛末であるが、左の登りコーナーを抜けるとガソリンスタンドあり。前にローリ寺西が停車しているので、右へよけて左車線戻るという状況があった。まさにその時に突然次の右コーナーから4輪が現れて我々の正面にはばかった。W氏あわててブレーキ、2番手管理人TDMもやや急制動、3番手R1-Zもリアタイヤロックのフルブレーキ。なんで反対車線走ってるの？その車の運転手は軽く「わりい」という感じで合図をして、そのスタンドに入ってくではないか。頭にきたので、管理人はホーンを鳴らしてやった。
その後も256号線はあまり良いことがなかった。前が詰まっている。どうもミニヴァン（某モウロク自動車評論家風に）タイプの4輪車が先頭におり、また、道路自体もハミ禁の黄色中央線なので抜き去ることが困難というわけだ。結局仕方なくトロトロと峠を越えた。
仕方ないことは理解しているが、トロトロ走るのは非常に疲れるということで、昼神温泉でションベン休憩とする。ここで先の出来事を話し合う。W氏はスローモーションで4輪車が向かって来るように見えたそうだ。ちょっとヒャリ程度だったが、残像が頭に残っているとのことであった。
この形は？
ここでW氏のマシン購入店の話が登場。購入時の話は今回は割愛するが、先日車検に出しに行った際のやりとりはまさに漫才だ。自分が欠陥のあるものを売っておいて、車検時にW氏がそのことを尋ねたら「こりゃあかんぞ」と指摘されたそうだ。いやいや、売ったのあんただよ。その言葉そっくりそのままバイク店の店長に返してやるよ。
談笑するの図
ここからは管理人が機長役の先導をし、W氏が後方から査察を行う。まずは昼神温泉を抜けて、国道153号線へ合流。いつもならば右折していくところを、今回は珍しくも左折して飯田市街地方面へ向かう。さらに最近開通した三遠南信道の飯田山本I.C.と天竜峡の無料区間を走行する。因みに現状では、ここは一般国道の151号線の扱いとなっている。また、この区間は交通量も非常に少なく、路面もきれいでミューも高そうな外観である。
天竜峡から国道151号線を南下していく。すると飯田市から下條村へ入っていくのだが、そのとたんに「峰竜太のふるさと」の看板が至る所に立っている風景を目にするようになった。ああそうか、あの人この辺りの出身だったのか。当方はその程度の認識であるが、地元の人はなんとか彼にすがって村おこしをしようという意気込みのようなものを感じた。
そうするとまもなく、道の駅信濃路下條へ到着する。査察は一旦ここで終了。特に指摘もなかったので合格ということにしておく。ところで、峰竜太の件であるが、ここへ来るとますますひどくなっているではいか。あらゆる商品に峰竜太の名前が併記されているぞ。ここまでくるとかなり興ざめという感が否めない。そんな無理にこじつけなくてもよいのではと思うのは、管理人だけではあるまい。
何でもかんでも竜太におまかせ
ここは今まで立ち寄ったことはないが、隣のコスモスの湯を訪れたことがある。ここは泉質はこまどりの湯と同じ系統のアルカリ泉であり、冷泉なので沸かしているという典型的な温泉だ。珍しくも北側に向いた露天風呂があり、南アルプスと飯田の街を一望できるなかなか良い温泉であったと記憶している。その際はこちらの道の駅は大したものは無かったと思っていたのだが、随分と発展しているではないか。おりしも昼飯時ということで、昼食をとることにする。
メインの建物に入り、食事処を探すと2階のようだ。階上へ行き食券売りさばき機を見てみると、そば中心のメニューが10種類ほど用意されている。その中から「そば食べ放題1300円」のメニューを発見する。開田高原のまつばでもざるそば2枚で1300円くらいの値段がついているので、食べ放題1300円とは随分と安い。結局SRX氏以外は皆これで妥結した。
座敷の一画を陣取り、ここまでは少々不完全燃焼気味であると話し合う。特にW氏の先のガソリンスタンド前での一件がどうも気持ち悪い。本当にきOがいが運転しているかと思われる動きだ。あるいは、交通量の少ない地方の人はあまり厳密に交通規則を意識していないことも考えうる。というのも、管理人が四国の徳島在住時、右折車は左に寄って停車、その後ウインカーを出す、また右折は右の縁石にそってそれなりの速度で曲がるということが平気で行われていた。また、間が空いている場合は躊躇せず割り込めなんてものもあった。もっとも、地元にも他県では考えられないような地元ルールがあり知らないうちに実践しているとは思うが、今日の一件はマイッタ。
そんな事を話しているとそばが運ばれてくる。まずは2枚ずつであったが、「ドンドンお申し付けください」と言われたので、まずは目前の2枚をズルズルと平らげる。このくらいは楽勝だ。2枚追加ね。3枚目くらいまではスルスルと胃袋に入っていくも、4枚目はちょっと飽きてきた。だいたい腹も一杯だ。食べ放題って言ったって、このあたりが限度だろう。
さて、食べるとしますか、R1-Z氏 ざるそば
ここからは再びW氏が機長役の先導を務める。主要国道とはいえ、静岡の端の国道なので車も少ないと思いきや、さすが連休初日だ。点々と並んでいる様子が遠くまで見える。仕方ないのでタラタラと走行するが、腹一杯で陽気も良いせいでややボーっとしてきてしまう。もっとも眠くなるほどではないのだが、気を引き締めていく必要があろう。それはそうと、こういう場合はR1-Z氏が真っ先に眠気に襲われる場合が多い。その判断基準であるが、最初はややフラフラとヨーの制御が変になる。さらに車間距離が一定でなくなり、減速後の加速が遅れて大きく遅れをとることがしばしば見受けられるようになったら「きたな」と解るのだ。果たして、今日に関してはそのようなことはなさそうだ。むしろ自分のことを気にすべきだろう。
なんとか151号線を走りきり、道の駅信州新野千石平から国道418号線に乗り換える。このポイントはよく利用しているが、今回は通過する。しかし、様々なバイクが停車しているので、どんなものがあるか観察眼を働かせてみる。最近は外国車が多いなぁ。ドカやBMWあたりは急激に数が増えている。ハーレーは台数的にはあまり増えたと思わないが、どうもおかしなものが増えたように思われる。
そう思いつつ峠を越え、茶臼山へ向かう県道46号に乗り換える。ここからは中速コーナを中心としてワインディング路なので、目も覚めてくるぞ。W氏は切れ味よい走りでR1-Z氏と共にグイグイと先へ行ってしまう。一方管理人はというと、一人旅で時々SRX氏の様子をミラーで確認しながら自分の速度で走行する。どうも今シーズンは腕の力が抜けていないので、向き換えがうまくいっていないように感ずる。もっとカクッとバイクが勝手にハンドルを切ってくれるんだけどなぁ。ニーグリップが甘いんだろうか。
さて、山頂付近で遅い車につかまって速度を落とすも、「ワンと鳴くかえる」の看板から、茶臼山山頂へ向かう道路へ進入する。ここは牧場などの中を縫うように通り、さらにアップダウンもある低中速ワインディング路で超快走路だ。しかもブラインドコーナーが少ないので、わりと思い切って進入ができる。もうちょっと乗れているともっと楽しいのに今ひとつ乗り切れていない。
あっけなく山頂へ到着したが、登山路下の駐車場は満車であるので、スキー場下の駐車場にて休息をとる。いやーそれにしてもすごい数のバイクや車だ。バイクなんて冬の間はさっぱり見かけなかったのに、どこからこんなに出てくるのだろうかと不思議に思われてくるくらいだ。その中に
ドカが数台混じっていることは不思議ではないが、なぜかオーストリアはKTM社のデュークがなぜか二台もいる。この車両は普段走行しているところをあまり見かけないのであるが、実際にエンジン音を聞いてみるとガタガタと結構うるさいのには驚いた。W氏は「乾式クラッチか」と思ったらしい。一方ドカはいつもの乾式クラッチサウンドを響かせて駐車場を出ていくが、ハンドルの切れ角がすごく少ないので、皆小回りができず、車体を立てて大回りして苦しそうに転回していた。
ここで本日のメインエベントである、W氏がサスペンションセッティング中に偶然発見した奥三河広域農道のフライトプランが明かされる。まずは茶臼山へのもう一本のアクセル路である県道46号線の西ルートを下り、根羽村役場手前で左折、県道10号で更に南下。やや高速のコーナーを連続して通過していると、茶臼山高原道路下をくぐる。ここからは何回も左右へうねる深いコーナーを伴う道だ。切り返しのところで一瞬バンクがなくなるので、スッと接地感が抜けるところがいかにもS字カーブという趣だ。
ウネウネ区間を抜け、県道80を1�卍�走行したら、いよいよ奥三河広域農道 笹暮もみじ街道の登場だ。ここはまだ開通後間もないようで、車両の通行量は非常に少ない。路面も非常にきれいで下手な国道なんて目じゃあない。ミューはさほど高くはなさそうだが、素人が楽しむには十分であろう。またカーブは緩やかに曲がる超高速仕様であることも忘れてはならない。
さて、北側から進入すると、最初の1�卍�は直線路だ。W氏はスイッチが入ったようで、650ccのエンジンを一杯に回して加速していく。コーナーも誠にもって自然に進入したかと思いきや、シュッと見えなくなる。もうこの段階でアクセルを開けて加速しているようだ。当然れいのステップは火花を放っており、まさに金麦が新しくなったよぉ〜というところだ。余談だが、会社のエロ上司は檀れいをTVで見て「お、きれいな人だな」と言っていた。当方が、「こういう方は好みですか」と尋ねたらいつもの返事で「オウ！」とややテレ気味に答えていた。一方TDM号を操縦する管理人であるが、しっかりと減速して緩やかに加速しないと恐ろしくて敵わないし、どうも高速コーナーは寝かすきっかけが掴みにくい。こういうときは極々軽い逆操舵が有効なのだろうかなとか考えつつ必死に前を追う。
R1-Z氏も狼煙作戦で必死にW氏を追うも如何せん査察操縦士には追いつけなかったようだ。氏も2006年にヤマハ式3XC型の機長格操縦士となり、現在走行2300時間を誇っている。それでも追いつけないとはよほどW氏が速かったと言えよう。一方TDMの後方を走行するSRX氏であるが除々に勘を取り戻しつつあるようだ。ちょっとずつ乗れてきていて、着実に後ろから追い上げてきている。
国道257号線との合流点でとりあえず広域農道は終了。ここでこの区間の走りを皆で語り合う。W氏は「あれ以上はフレームがヤバイよ」って、もうステップが十分ヤバイことになっておりますよ。なんであんなに速いのか。氏の走りを分析しようとタイヤを見てみると、フロントはを目一杯カドまで使用しているし、ややタダレ気味だ。リアは少し残っていて、さほどザラザラでない。どうやらコーナーの進入速度を高くするためにあまり減速しないで、フロントタイヤのグリップを最大にして旋回力を出しているようだ。なるほど、確かにあまりテールランプは点灯していなかった。そうか、一旦向き換えしてしまえば、あとはW650のトルクを活かして旋回状態を維持、コーナー出口で全開というようにしてコーナー全体の速度を高めているということか。それにしても、フロントタイヤを路面に押し付け気味にキャンバースラストを引き出しているということだから、スーパースポーツ車のようなスタイルだ。これはWのバンク角の浅さにより、ステップが擦るのでこのような様式を用いているのだろう。おそらくメーカーの設計者が想定している使用方法ではないはずだ。
広域農道終点にて� 々�域農道終点にて��
対してR1−Z氏は管理人の影響を受けて時間数を伸ばしてきたということもあってか、リアタイヤに加重してアクセルを開けることでキャンバースラストを引き出して旋回、というどちらかというとオーソドックスな大型バイク乗りが用いるような様式だ。ただ、R1-Zは車両重量が大型車に比べれば圧倒的に軽く、コーナー突っ込み速度が猛烈に速い。ラインの自由度も高いのでアクセルも早い段階でワイドオープンが可能だ。いやリアタイヤを主に旋回するためにはワイドオープンする必要があると思われる。氏の走法は車重の軽さと適度なパワーを目一杯まで引き出した芸術品的なものだ。これにより大型車を相手に互角に戦うことができるのであろう。ところで、管理人はどうなんだと突っ込まれそうだが、私の場合はコーナはしっかり減速、それなり旋回、直線でアクセルを開けてなんとか面目を保つ「バイクのお陰走法」であると追記しておこう。だって、TDMはアルミツインスパーフレームに160のラジアルタイヤ装着。エンジンもフューエルインジェクション付きDOHC5バルブヘッドを持ち、鍛造ピストンを採用だ。まさにバイクの性能で腕のなさを補ってくれているからね。
ここからは再び管理人が機長役で先導する査察フォーメーションだ。国道257を北上して、稲武で153号を横切ると4輪車が少なくなり快走ルートへと変貌する。時々砂を扱っている場所があるので、路面には要注意だ。そしていよいよ本日の最終ワインディングであるYGこと矢作ダム湖畔ワインディングのはじまりだ。最初は中速コーナーメインであるが、学校のある集落を過ぎると森のようになり、道幅も狭まり、カーブのRも小さくなる。相変わらず路面には注意が必要だ。無理はいかん。
こうなってくるとTDMの優位性が脅かされる＝管理人の腕のなさが露呈してくる。各コーナー入り口ではR1-Z氏がラインを変えて機体の黄色い鼻を出してきているではないか。当方はコーナー後半から次のコーナーまでの短い繋ぎ区間のみが勝負とスロットルを多めに空けて加速。6000rpm以上を使用して、なんとか後方を引き離すも、次のコーナーでまた同じだ。きっちり減速をして寝かしこみ開始。するとブァンブァンと2スト車特有のシフトダウン音が耳に入ってくる。おっと、かなりやる気モードに入ってしまったようだ。こちらもマージンを残せる範囲で応戦することが礼儀であろう。しかし有り余るパワーを制御することは簡単ではない。エンジンをパーシャル状態へもっていくが、あせってアクセルを開けてとギクシャクする場面も。そう、スムースにスムースに操作するよう注意する。そんなことをしていると、いきなりアクセルワイドオープンの2スト車はすかさず並んでいる。エンジンがすぐに吹け切るために矢次早にシフトアップしている。ヒョットシテ1速使ってますか？あらら、前方に2台一組で走行している方々が見えた。しかし彼らはすぐに道を譲ってくれた。サンクス・ありがと・サークルK。そんなこんなで久々にやや熱くスポーツ走行モドキをして楽しんだ。
熱き走行を終えてYGの駐車場に滑り込み、クールダウン。ここには藤棚があり、藤の花が見頃を迎えている。W氏は若かりしころからレストラン四季のから揚げ定食を食べて、一日中YGを走り回っていたそうだが、藤の花をゆっくりと観賞することは今回がはじめてだそうだ。そうね、若い頃は気ににならなかったことでも、それなりの年齢になると良さがわかることもあるもんですな。昨年の北海道ツーリングでの、網走は能取岬の夕日が良い例の檀れいだ。
藤棚を背にW氏とSRX氏
それにしても、やってくるライダーはみなおじさんばかりだ。我々はまだまだ若いと断言できよう。確かに、20代のライダーって最近あまり見かけないですなぁ。2輪業界にも高齢化の波が少しずつ押し寄せているようだ。
こうして本日の行程は全て終了し、各々帰路に就く。W氏とSRX氏は途中まで同じ方向へ、管理人とR1-Z氏はいつものように飯を食ってから解散と相成った。ところで、今日は「ハンバーグのみき」さんで食事したのであるが、R1-Z氏はこの店の評判を大学の頃から聞いており、20年以上経った今、ようやく実際に足を運んだとのこと。人生はやりたいことがあっても、なかなか実現しないことがあるんですよ。
ハンバーグのみきにて
随分と長いリポートになってしまったが、これも参加者各位が様々な話題を提供して下さった証ということで、大変嬉しく思っている。また機会があればご一緒したいものだ。
本日の走行 300��