2008年4月12・13日
道の駅和良にて
管理人は会社員である。組織に所属するということにより、種々雑多の事に煩わされるという事実は吟味の結果を待たずとも明白のことと思うが、たまには良いこともある。管理人の所属する会社には下呂温泉に別荘形式の保養所があり、破格の値段で宿泊することができるのだ。もっとも、全てセルフサービスであるが、設備は整っているので文句は無い。
今回、おなじみのオークラ氏が手配を整え、メンバーの人選・日程調整を行ってくださった。管理人はそのメンバーの一員として、恩恵のあずかった次第である。
この場をもって、改めて氏にはお礼を申し上げる。また、メンバー各位にも、管理人のクダラナイダジャレに付き合っていただいたので、感謝を申し上げたいと思う。
ありがとうございました。
当日は17:00現地集合であったので、管理人はR1-Z氏と相談し、ワインディングを堪能しつつ、下呂へ向った。ところで、R1-Z氏は今年に入り業務が多忙で、当日は久々の息抜きとなったこと、また都合により現在は2輪車を降りているので、今回は4輪CIVICで管理人のTDMと走ったことを付け加えておく。
R1-Z氏といつもの場所に9:00に集合としていたわけだが、その前に燃料補給をしておいた。例の暫定税率の期限切れにより、ガソリン代が突然安めぐみとなっていた。近所の行きつけはレギュラーが116円であった。ちょっとオ・ト・ク。
空タンクでも2000円で釣りが戻ってきそうだ(今回は半タンク)
給油で多少良い気分であったが、突然T社美っ津に左カーブでインをつかれた。まさかそのような事態になるとは思いもよらなかったので、TDMと私は行き場を失い、危うくガードーレールにぶつかるところだった。頭が沸騰して、美っ津のヴァヴァー(婆)にアピールしたことは言うまでもない。しかし、よくよく落ち着いて考えてみると、これは、左カーブにさしかかったので左に寄りつつ、最小限のバンク角で抜けようとした際の出来事だった。管理人がメリハリをつけすぎたことが原因と言えよう。
氏と合流後、まずは近所の定食屋で朝飯を食べつつブリーフィングを行い、フライトプランの作成にかかる。今回は走り慣れた道の駅平成、金山湖、馬瀬村経由で下呂温泉を目指すこととした。プラン承認。それにしても、R1-Z氏は相当の激務をこなしていた模様で、残業時間も3ヶ月連続で3桁に乗せていたそうだ。管理人も同様の経験があるが、さすがにキツかったことを思い出す。
飯を食べつつ、この夏の計画について思いを巡らせる。ところで、管理人は今年は北海道上陸を画策している。これを聞いてか聞かぬか、R1-Z氏も2回目の北を目指したいという意向を発表された。R1-Z氏も会社員であるので、先に述べたような種々雑多のことに悩まされているわけだが、今回は機体の調達から北の大地上陸を目指したいということだ。行き先は風向き次第とはいえ、やはり道東方面となるはずだ。この道東とは、北海道らしさを堪能することができる、北海道中の北海道と言えよう。帯広、屈斜路湖、納沙布岬、羅臼、野付半島、網走、、、考えるだけども風景が浮かんでくる。なんて偉そうに言っているが、管理人も道東は14年前に一度(二度?)行ったきりだ。キヲクをたぐり寄せ、再訪を是非に実現したい。金策、日程調整はもちろん、交通安全、機体管理等、抜かりの無いように心がけたい。
一通りの話が終わり、R1-Z氏のCIVIC先導で出発する。まずは「アイ子16歳」でお馴染みのバス停を通過し、国道41号線に乗り、heading000。上空にはセスナ172と思われる軽飛行機、J-AIRのCRJ-200ER、などが通過する。ところで、先週三菱重工が国産初のジェット旅客機MRJの事業化を決定したが、この100席前後のジェット機の区域は先述のCRJを製造するカナダはボンバルディア社、ブラジルはエンブラエル社の寡占状態となっている。さらにここには最大手のボーイング、エアバスなどもそれぞれ737-600、A318、319を商品化しており、ロシアはスーホイ社、中国メーカーも参入するという超激戦区だ。日本の底力を世界に見せつけてやるためにも、また一人の航空ファンとしても応援しているが、自動車最大手のT社がこの事業に絡むということも発表されている。これが足かせにならねばよいがと懸念もしている。
国道41号からは一瞬国道248号に乗り、平成こぶし街道で北上を続ける。途中、道の駅平成に立ち寄りソフトクリームを食す。ここはオルゴールの音楽が流れ、山々からは鳥の声が聞こえ、非常に平和な空気が流れているので管理人はかなりのお気に入りだ。最近はパン屋までできており、焼きたてのものも食べることができる。
道の駅平成の1コマ。手前がパン屋(クレープもあるのか。一度試したい)
そのような雰囲気の中、ここでは北海道に行くために必要な物理的要素、人間的要素について語り合った。物理的要素は比較的容易に満たすことが可能であろうが、人間的要素はそれなりに障害がある。まずは2輪に長距離(最低でも100km以上)は乗ることを苦に感じないということだ。次にはキャンプやライダーハウスを楽しむことができるという気質、それなりの体力、等々挙げていくと、なかなかの数にのぼる。こういった要件は金で解決する問題ではないことは明白だ。行動に移すかどうかは本人次第だ。
さて、平成こぶし街道からはほほえみの湯でお馴染みの上之保を抜け、その後一度国道41号線に乗り換える。さらに国道256号で西へ向かい道の駅和良に到着。この辺りまで来るとまだまだ桜が満開で、二週連続の花見と相成った。考えてみると先週もオークラ氏の主催で花見であったわけだから、二週連続で氏の世話になっている。お手数をおかけいたします。
道の駅和良では、満開の桜のもと、コーラで一杯やったわけだが、ちょっとした出来事があった。真紅のLOTUSエリーゼが停車していたのだ。ロータスと言えばブリティシュグリーンの機体が多く、この色は珍しい。R1-Z氏と観察していると、隣に停車してあるホンダライフと全長は大して変わらなささそうだ。車高はライフの半分くらいだろうか?幅は1m80cmほどと思われる。タイヤはブリジストン製(商品名は忘れた)で、LTSと刻印が入っている。どうやら汎用品ベースとはいえ、専用設計品のようだ。社内をガラス越しに見てみると、簡素なオーディオのみと最小限の装備しか積んでいないマットも敷いていないので、床面はアルミ板丸出しだ。この軽量な車体にTDMと同じヤマハ製、2ZZ-GE エンジンをミッドシップ搭載してある。コーナリング性能は推して知るべし、こんな4輪にタイトコーナーの連続するワインディングで乗り込んだらさぞかし痛快であろう。このようなマシンを見ると血が騒ぐ。おっと、公道では冷静に。
真紅のエリーゼと共にR1-Z氏。 管理人とTDM900
後方のライフとの大きさ比較が興味深い
道の駅和良の時点で、15:00近くになっていた。そこでここから国道256号線を戻り、岩屋ダムへと進路をとる。この岩屋ダムもR1-Z氏と管理人にとっては走り慣れた屈曲路だ。というのも、この先の上流に美輝の湯という温泉施設があり、ちょいちょい連れ立って赴いているからだ。ところで、この岩屋ダムには2つある。手前の第二ダムと奥の金山湖と呼ばれるダムだ。第二ダムの湖畔には集落があり、桜並木が続いていた。爽やかな春の空気に満開の桜、ヒラヒラと散る花びらの刹那よ。と日本的情緒に浸っていると、いよいよ屈曲路が始まる。岩屋ダム湖畔路は中、低速コーナーが多く、左、右とまさに花びらのようなヒラヒラとした切り替えしを楽しむことができる。路面状況もなかなか良く、特に後半は工事が終了したばかりで、デコボコが少ない。ちらりとミラーを見遣るとR1-Z氏のCIVICが徐々に小さくなっていく。管理人は直線加速以外はさほどスロットルを開けているわけではないが、やはりここは2輪の加速性能が4輪のコーナリング性能を大きく上回っていると言えよう。これはTDMのお陰であり、管理人の腕ではないことをここで自白しておかないと、詐欺になってしまう。
ダム湖の屈曲路が終わる馬瀬大橋を越え、さらに美輝の湯に続いている馬瀬川沿いの屈曲路へと進入する。こちらも路面状況は良い。また、ダム湖沿いのコーナーよりも、やや速度域の高いコーナーが続く、なんとも血が騒ぐ道だ。もっとも、騒ぐのは血だけで、頭は冷静でいないとえらい目に遭うことは間違いない。慎重に行こう。R1-Z氏の姿はもう見えない。見通しの良いコーナーの遠くに時々見える程度だ。この辺りへ来ると、管理人も勘が戻ってきて、5000r.p.m.前後を使用して鋭い、いや暴力的加速を楽しむ余裕が生まれてきていた。ぐんぐんと目の前のコーナーをちぎっては投げた。
美輝の湯を越えた所からは(人間とエンジンの)冷却区間で、ややペースを落とし、風景を楽しみつつ走行する。そして、国道257号線に乗り換え新日和田トンネルから馬瀬村市街地へと下る。ここでBMWの軍団に遭遇。おおよそ30台位のK100?とすれ違う。それにしても同バイクはコーナリング中も安定している。あれだけ安定要素が多いにも関わらず、それなりに低速コーナーも速い。基本的にこれは、エンジンの重心と車体のロール軸が近くにあることが大きく影響しているらしい。そんなことを考えつつ、国道41号線沿いの川向こうの県道88号線をくだり、下呂に到着した。
17:00集合だったわけだが、一時間程の余裕がある。下呂と言えば温泉だが、温泉街の中心にあるタダで入れる露天風呂をご存知だろうか。これは、同所の橋下の河原にある。ということは=丸見えというわけだ。R1-Z氏は「足のみにしておく」ということだったが、川沿いの桜は満開、この上ない開放された場所で入る風呂、しかも天下の名湯下呂温泉、入らないわけにはいかない。素っ裸で入ってきました。そうこうしていると、橋の上にバイクの姿、オークラ氏の登場だ。手を振って合図をすると管理人を認識したようで、こちらに降りてきた。かなり寒かったようで、やや震えていた。温泉を目の前に入浴したいのはやまやまだが、タオル等を持っていないということで断念しておられた。
尚、下の写真で、湯船にブルーシートが敷いてあるが、これはキンカクシの役目を果たしていることを追記しておく。
到着したばかりのオークラ氏と素っ裸の管理人 こちらはR1-Z氏と共に
オケをかぶっているところがイカシテる 氏は裸ではないので隠す必要は無い
河原の温泉で遊んでいたら17:00になったので、集合場所のスーパーへ。ここで原点ツーリングに登場されたOLD氏ペアと合流。
全車集合、手前後ろからOLD号、奥はR1-Z号、前奥はオークラ号
晩餐の食材を買うが、圧巻は飛騨牛のカルビ600g、霜降り入りまくりの逸品だ。これに地元名産のケイチャン、タンなどを加える。酒を購入しようと思っていたが、いつもの酒屋が潰れていたので、10分程離れたゴリラなる店に向う。途中、こいのぼりが川におよいでいる所を発見した。
管理人の家にも昔あったそうだが、全く覚えていない。残念だ。
元気に泳げよこいのぼり
後方より走行中のオークラ氏と満開の桜
しかし、ゴリラなる酒屋も潰れて、更地になっていた。幸運にも隣にバローがあったので、こちらで酒を購入。
ここで、集ったメンバーをおさらいしよう。主催者オークラ氏、管理人の兄貴・仲間であるR1-Z氏、OLD氏、OLD氏彼女、そして管理人の計5名だ。因みにOLD氏は管理人の通うスポーツジムのバイト学生であり、アルテッツアを所有している。本人曰く、維持費が大変だそうだ。
宴会が始まり、鉄板に肉、野菜がどんどんとのせられていく。カルビはもちろん、ケイチャンのニンニク風味がなんともいえない。管理人は酒は飲まないが、他のメンバーはグビグビやっている。オールド氏彼女はあまり強くないようだが、同様に飲んでいる。R1-Z氏もだいぶ廻ってきたようだ。ところで、OLD氏の彼女は今年度就職したばかりで、いろいろと苦労しているそうだ。自分にもそれなりに覚えがある。ここで、最年長のR1-Z氏が彼女にアドバイスをするという意外な展開となった。もっとも、R1-Z氏はかなりの苦労人であり、この手のアドバイスを実体験を基に行っているわけで、含蓄がある。管理人が兄貴と思っているのはそのためだ。一方その間、オークラ氏と管理人は温泉に入る。氏と温泉に入るのはあまり機会が無いので、こちらもじっくりと講義を受けた。内容については「男の生き方」とでも題することがふさわしいか。もちろんダジャレ全開であることは言うまでもない。お味噌汁、ん赤だしの件がおかしくてかなわなかった。そんなこんなで夜は更けていく・・・。
明けて13日、今日は夕方から雨になる可能性があるので、早々に帰路に就く。朝飯をガッツリと食べ、しっかりと掃除し、保養所を後にする。帰りも3隊に別れて各々の道を行わけだが、管理人の隊はまず国道257号線を南下し、国道256で西進、道の駅白川にて休息。この区間も桜が満開で、桜のトンネルをずっとくぐってきたか、という錯覚に陥っていた。日本人でよかったよ。さらに県道に乗り換えて中の方峠を走行する。この中の方峠は先日伊那カツ丼ツーリングの主催者W氏から教わった道で、超快速路だ。事実昼間にもかかわらず、数台の車とすれ違っただけだ。さらに路面状況もかなり良いときている。峠の頂上付近のアピンカーブの連続で、存分にTDMのトラクション性能を楽しむことができた。峠の南側に降りてきたら徐々に気温が上がってきた。この空気の変化に気が付くことはバイク乗りならではで、いくら金を払っても手に入れることはできない感覚だ。
さらに下ってきて、これまたお馴染みの道の駅らっせいみさとにて休息。さてここで、R1-Z氏のCIVICの燃料が怪しくなってきた。8年ぶりに買いかえたツーリングマップルを開くと、出光とモービルがあるので狙いを定めるが、どちらも不発であった。そこで打ち合わせていたように国道19号に進路を変更。19号に出るや否やいきなりエネオスがあったので、事なきを得た。その後再び19号を離れ、山間の道を行くこととするが、如何せん道が解らないし、太陽も出ていない。そこで管理人お得意の計器飛行(ただコンパスを見るだけ)に切り替え、初めての道を走り、国道363号沿いにある日帰り温泉施設、バーディ曾木の近所に出てきた。
ここまでくれば、後は何も考える必要は無い。管理人の準地元である瀬戸を抜け、帰宅。最後少しだけ雨が降ってきたのが残念だった。
今回のツーリングはかなり余裕のある日程であった。走行距離は320kmと日帰り規模であるし、温泉あり、旨い飯あり、布団で寝ることができると至れり尽くせりだ。それでいて破格の値段。メンバーは上記のようにとても楽しい方々、普段煩わされているのだからたまにはこんなこともしてみたい。まさにそんな欲求をしっかりと満たしてくれるツーリングであった。
ところで、管理人は今夏、3回目の北海道を計画している。敦賀から苫小牧に渡り、道東を中心に攻め、富良野に寄ろうと考えている。R1-Z氏も仕事の都合次第で参加予定だ。もち、管理人も同様だ。
また行けるといいな、北海道、そんなことでこのツーリングをしめようと思う。お疲れ様でした。