原点回帰ツーリング 

(2007年9月23日)

国道150号をHeading 090の図

(手前が管理人、奥はCOUGAR氏)

撮影はOLD氏

 

管理人のオートバイツーリングの原点はNS50Fによる信州松本ツーリングに遡る。当時浪人生だった管理人は1万円で累積走行距離15000kmのNS50Fを兄から譲り受けていた。そして、一足先に同地の大学に通う友人の下宿に遊びにいくことになった。おりしも予備校は夏季集中講習前の休み中で、丁度良い気分転換となったことを今でも鮮明に思い出す。友人の下宿は浅間温泉という温泉街にあり、そこを拠点に軽井沢、浅間山、高瀬ダム(黒部ダムの近所)、Mトウハップでおなじみの白骨温泉と1週間で2000km程を走行した。

そう、管理人は原付からツーリングの楽しさ、ノウハウ、辛さを学んだのだ。その後なんとか大学進学を果たし、VT250F、GPX750R、RF900、TDM850と大きいバイクに切り替えていき、足が長くなり、原付のツーリングはからは1995年5月以来遠ざかっていた。この件に関しては、当ページの記憶の中のバイクたちを参照願おう。

 快走するCOUGAR氏の後ろ姿(OLD氏車載カメラより)

 

さて、このツーリングの企画者は前出のCOUGAR氏だ。彼は最近MONKEYを通勤用の機材として購入し、走りたい盛りだ。管理人にも覚えがある感覚だ。実は、彼は野宿ツーリングを企画していたのだが、管理人の勝手な意向で日帰りの御前崎ツーリングに変更してもらった。COUGAR氏にはいささか申し訳ないことをしてしまった。本当なら付き合うのが筋というものだが、テント無しの野宿は自信がなかったのだ。COUGAR氏、申し訳ない。この場を借りてお詫びをする。尚、COUGAR氏は画伯でもあらせられる。詳細は彼のページhttp://www.me.ccnw.ne.jp/couger/を参照されたし。

そのような訳で、今回はトレーニング用として購入した機材、KDX号でツーリングとなった。排気量は125ccだが、道路運送法でいう原付2種、道路交通法の普通自動二輪小型にあたる。一応原付でのツーリングということで「原点回帰ツーリング」と銘打った次第だ。KDX125は購入後2年半を過ぎ、オフの200km〜300kmツーリングは何回か敢行しているが、実は今回のようなロードの長距離ツーリングは初めてだ。かなりワクワクしていて、久しぶりに寝れない前夜を過ごしてしまった。

当日は400km近い距離が予想されたので、これまた管理人の意向で朝の6時集合とした。今回の参加者は前出のCOUGAR氏、管理人の通うジムのバイト学生OLD RIVER氏(機材はNS-1)、そして管理人の三名。空はどんよりと曇っており、やや湿っぽい朝だったが、天気は回復傾向ということで決行された。まずは全員集合後、コーヒー片手にブリーフィングを行い、飛行計画を練る。コンビニ集合にしたのはこのためだ。参加者が皆わかりやすく、広い駐車場があり、かつ朝飯を購入できる。まさにコンビニのコンビニ的使い方と言えるのではなかろうか。飛行計画ではHeading090、270、090で国道153、301で山越えをし、150で海沿いを行くことになった。

MONKEYを先頭に301を走る。なかなか、MONKEYは思った以上に快走する。きっちり60km/hは出ている。屈曲路も軽快だ。COUGAR氏は4輪で相当の時間数を稼いでいるものと思え、今後のステップアップが待ち遠しく感じる。一方、OLD氏はNS-1で淡々と追ってくる。途中、何度か道の駅等で休憩を挟み、水分補給をする。九月も末というのに、この暑さはなんだろう。首をひねりたくなる。もっとも、寝違えたせいか、首が本当に痛いのは参った。モンキーは8インチのタイヤを履いており、全高も1m位?だろうか。さぞかし地面が近いことで迫力のある景色が見えているものと想像できる。管理人は12インチタイヤのNSR50でレースをしていたことがあるが、かなりの迫力があった。ひざスリもわりと簡単だったし、つま先スリが常であった。そんなことを想像して走っていたが、御前崎まであと数十キロメーターという頃になるとかなり疲労がたまってきた。きっと腹が減ってきたせいだろう。そんな中で走行を続け、海が見え、岬が見えて潮風が心地よく当たるようになった時は本当に嬉しかった。まさにツーリングの醍醐味といえよう。さて、昼飯はなぶら市場内の食堂でかつをを食べた。COUGAR氏はマグロ、OLD氏はシラス丼と海の幸満載であった。これもツーリングの醍醐味だろう。因みに「なぶら」とはかつをの群のことを言うらしい。ムンムンムレムレワキの下。〆にソフトクリームを食べる。ツーリングにはソフトクリームが欠かせない。糖分補給は重要な任務だ。さて、帰路の飛行計画だが、温泉に立ち寄ることになった。管理人は「ゆらん」という温泉のガイドブック兼シール帳をもっており、そこに掲載されている八扇の湯に入湯、ケーキ入刀、陥没乳頭。海沿いの温泉で広い露天風呂を有しているなかなか良い温泉だ。温泉に浸かり、道程について語る、おバカな話で盛り上がる、これもツーリングの醍醐味。いやはや、今日のツーリングはまさに原点を思い出させる基本に忠実なものだ。

 嬉しさのあまりピースを出す管理人(OLD氏車載カメラから)

 

温泉に入って体力を回復させた一行は、北に針路をとり、浜松市街地を抜け、257号線を行く。この道は山間部を通っており、楽しい道だ。夜間走行になってしまったのは惜しかった。KDXは約100kgの軽量な車重と22psのハイパワーで軽快に走行できた。オフ車はロードでも扱い易く、速いのは今や常識だが、改めて実感できた。COUGAR氏は良いラインを描いてコーナーを抜けていく。先ほども記したが、ステップアップを望むのは管理人だけであろうか。更に420をHeading270で繋ぎ、車で有名な某市に入った。家はもう近所だ。この道もなかなかの屈曲路で、TDMでは幾度となく走っている。KDXで走るのも悪くない。軽量な分だけ扱いやすい。

さて、晩飯にと近所のラーメン屋で本日の締めを行った。COUGAR氏は日当たりの最長距離(370km)を樹立、OLD氏はなんと人生初のロングツーリングだったそうだ。そして管理人はKDXでの日当たり最長距離更新となった。1回給油で、燃費は20km/Lというところだろう。TDMの方が3〜4km/Lは良い。2ストローク車衰退の一因を垣間見た気がした。燃費といえば、4スト50ccのCOUGAR氏の機材、MONKEYは80km/Lと桁違いの数字をあっさりと出しているのには今更ながら驚いたことを付け加えておこう。

まとめになるが、原付でトコトコと走るツーリングもまたオツなものだ。普段見えていない景色を楽しみながら走ることができた。また、この世界に足を踏み入れたばかりの2人と共に同じ時間を共有できたことも特筆すべきことだ。時間数を稼いでいるライダーとはまた違った観点でツーリングを語る、その内容は目からウロコであった。今後ともこのような関係を大切にして管理人のバイクライフをより豊かにしていきたい。最後になるが、写真を提供していただいたOLD氏にも感謝。また走りましょう。

 

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