2009年2月21日
高台から御前崎灯台を望む
先週の予定を今週に遅らせて実行した。というのも、先週はお得意の扁桃腺炎で寝ていたためだ。今年は手洗い・うがいに加えとっておきの秘策「体脂肪増量」を施している。その効果だろうか、今シーズンは初寝込みだ。このままこれを最後としたいところだが、まさに油断大敵である。運動量に対してやや多めの食事と、手洗い・うがいを徹底して残り少ない冬を乗り切りたいものだ。3月下旬くらいまでは寒い日があるからね。
本日は灯台で有名な御前崎へ行こう。最近はかなり暖かくなってきたが、まだまだ深部の山間走行は控えなければならない。。もちろん路面凍結が怖いからであることは言うまでもない。そういうわけで、管理人にとって海は冬なのである。
まずはいつものように県道56号線を南下して、国道23号線知立バイパスに乗る。うひゃー、風が強いぜ。時折グラッと足元をすくわれるような突風に怯えつつ、順調に岡崎バイパスに合流・・・できないよ。なに？舗装工事中？？まだ完成したばかりなのに何をしてるの？？意味不明だ。出鼻を軽くくじかれて、手前の須美I.C.で23号バイパスを降りて旧道を東進ハイスクール。全く関係ないが、須美の頭に石野真子の「真」をつけてみると、とある事件の犯人の名前となるなぁ。酷いことするものだと思い出しつつ、国道247号線、三河湾スカイラインへと走を進める。
この三河湾スカイラインは先月報告した通り、路面状況があまりよくないが、冬場の貴重な屈曲路である。北海道はともかく、管理人は曲がりくねった道を走行することが好きなんだ。いかに安全に、かつ楽しく走行するにはを考えつつ路面状況などを判断していると、思いっきり集中できてとても楽しい。屈曲路が一段落して、ライディングの事意外一切よそ事を考えていなかった自分に気がつく。世の中で生きていると、どうしても様々なしがらみがあるわけで、それをすっかりと忘れてひとつのことに集中できる、この時間がたまらなく好きなのである。
また、この時間の中でも、特にバイクを寝かしてる瞬間がたまらない。というのも、タイヤのカドが路面を捉えるわけだが、この感覚がなんともスリリングなのである。元ヤマハのワークスライダー、難波恭二さんから
「タイヤの回転方向の中心線付近とサイドウオール側とでは、後者の方が外周の長さは短い。速度は中心線付近を用いて走行していた時と変わらないとすると、当然ある程度「滑り」がないとつじつまが合わない。つまり、自然にタイヤが滑っているというわけです。」
と教わったことがある。なるほど、前述のスリリングな感覚は、この説明を思い出すと納得がいくなぁ。また、サイドウオール側に近いトレッド面を用いるわけであるので、ハンドルに伝わる剛性感も変化するはずだ。うーーん、す・て・き。それにしても、右カーブがしっくりこない。左腕に余計な力が入っているようだ。ニーグリップが甘いのだろう。まあ、どうしても冬場はワインディング路の走行時間が減ってしまうので、感覚が抜けてしまう場合がある。ちょっとずつ修正していこうと試みていると、前後輪がズルズルとあらぬ方向へ滑っている感覚に襲われた。どうやら路面のごく浅いくぼみにタイヤが落ちたようだ。ちょっぴりヒヤッと素肌が喜ぶ香りよ。バン16。因みに前回の報告以後、がけ崩れの復旧工事が完了したので、このスカイラインは全線通行可能になったと付記しておこう。
この後、国1に合流して大学の時に仲良くしてくれたIうえ氏で有名な豊橋を通過。路面電車の線路を横切る地点は毎度緊張しますですハイ。そうしていよいよ愛知を離れ、静岡に進入していくわけだ。昔は潮見坂のカーブにさしかかると海が見えるという様式であったが、現在では無料化された潮見坂バイパスのトンネルを抜けると「でで〜ん」と視界が開けて海が見える。
ところで、ここを通過すると2つのことを思い出す。まずは尊敬する我が親父の若かりし頃の想い出。彼が夜学に通っていた当時、親父の兄貴殿（つまりは管理人のおじさん）の500ccのバイクで、珍しくも女の子を乗せてツーリング中にこの付近でコケたと聴いたこと。そしてもう1つはR1-Z氏の1号機カタハイだ・大変だ・やっぱりだ事件である。詳細は当ページの中田島砂丘ツーリングを参照のこと。
潮見坂バイパスからさらに浜名バイパスへ進んでいく。この区間は数キロに渡り、南側に海岸線を見つつ、それに沿うようにまっすぐの道が続いている。軽くアクセルを開け、セスナなどの小型機が機首上げを行うくらいの速度に加速。おおっと、白黒の車が走ってるよ。危ない危ない。後ろについていこう。
今日は風が強いが良い天気だ。気温も10度超えだろう。日差しは確実に春に向かっていると実感できるほどだ。ところで、海沿いを走行する場合、風上側に自分が居るならよいが、風下側を走行したら必ず洗車しなくてはならない。今日は風上であるので、それほど心配する必要はなさそうだ。そうこうしていると、バイパスも終わりが近くなってくる。この終点付近の右カーブでは富士山が見えるのだが、今日はやや霞みがかかっており、残念ながらあの勇壮かつ繊細な山肌を拝むことはできない。この先の天竜川を渡る際にもう一度チェックしよう。
やっと浜松へやってきたが、御前崎はまだまだ遠い。結構な距離がありますな。この時点で既に走行距離が100kmを越えているではないか。ああ、もっと早くに出発すべきであった。もう12時近くになってしまっている。ともかく、国道150号線に乗り換えて、heading110で走行を続ける。そして天竜川を渡るのだが、富士山は、ああ、見えるよ。すっぽりと雪を被っている。やはり日本といえばフジヤマですなぁ。ところで、ここから御前崎までは単調な直線路プラス時々市街地の中を通過、というあまり距離を稼ぐことができない様相を呈している。代替の道もあるが、並行して通っているのは県道なのでそれほどの差は無かろう。仕方なく国道をトロトロと走っていくと、道案内標識には御前崎までは30km以上あると表示されている。なんだか疲れてしまったので、コンビニで休息する。
店内に入ると、やけにブラジル人と思しき人が多い。ああそうか、浜松はスズキの本拠地だし、そこで働く人たちが住んでいるというわけか。派遣切りのニュース映像が頻繁に放映されているな。ともかく寒いので、暖かい飲み物でも飲んで一息入れよう。この時期、管理人が定番としているものは、「はちみつゆず」ドリンクである。糖分と柑橘系の酸味が美味で、ビタミンCも豊富に含まれているからだ。別にビタミンCを補給したからといって風邪の予防になるわけでもないが、気分の問題である。糖分はライディングに集中するには必要なものであることは言うまでも無い。さらにのど飴も購入しておく。これにより、ライディング中の喉頭乾燥を防ぐことができるし、疲労感を和らげる効果も期待できる。さらには、目下走行中の国道のような単調な道では気分転換にもなる。まあ今回はのど飴としたが、キャラメルなんかも効果大であると報告しておく。因みにキャンプでは、米が炊けるまでの待ち時間などに「魚肉ソーセージ」をがじることが非常に重要である。
休息して体力を回復した後、再び前述したように、単調な街中を通る直線路を抜けていく。非常に疲れる。管理人は単調な道が苦手なのだよ。加えて何か車の流れがゆったりしているので、進み具合が悪い。ところで、まったく個人的な見解であるが、静岡は気候的に比較的温暖である。また富士山をはじめ、風光明媚な場所をたくさん擁している。このためだろうか、人々ものんびり・おっとりしていると感ずる。元会社の同僚で、今は出戻り社員の奥さんである「タニヤン」なんかはその典型であったと思う。さらに、S2000に乗る富士市在住の友人もまた然りである。言い換えると当方のような他県の人間がセコセコしているということか。
ゆっくりながら進んでいくと、時折風力発電の風車、海岸などが見える。これらは単調な走行にそれなりに強勢をつけてくれる。もっとも御前崎に近くなれば、それなりに見るところもあるのだけど、今は我慢時ということか。ところで、これまた関係ないが件の風車、旧竜洋町のそれはドラマウオーターボーイズ�兇濃１謄櫂ぅ鵐箸砲覆辰燭海箸�ある。それだけ。
以前入浴したことの大東温泉を越えて、やっと御前崎市に到着だ。余談だが、この温泉は入浴料が500円に値下げになったらしい。以前は期間限定で500円になっていたが、客の入りが良くなって値下げを決断したのであろう。因みに風呂は洋風であるが、広いのでごみごみしていないし、露天風呂も開放的でよかった。また良い季節には入浴したい。さて、国道もこの辺りになると、海沿いは防砂林、陸側は畑という風景に変わってくる。流れている交通の速度もかなり上がり、それなりに食えるようになってきた。
ここで今日の目的地を発表しよう。御前崎灯台でしょ、ではないんだな。実は今日は表題の通り、21年ぶりに給食を食べにやってきたのだ。ここ御前崎市役所の近所に「がっこーにいこう」という給食のメニューを提供する店があるのだ。ツーリングマップル中部版にも掲載されている。地図を見ながら10分ほど彷徨うと、発見。市役所の通りであるが、案外分かりにくかった。ひとまず駐車スペースにバイクを停めて、入店する。5組程の待ちがあるので、リストに電話番号を記入の上、近くの浜岡砂丘に出かけて時間を潰すことにした。
店から南へ、先ほど走行してきた150号線の立体交差をくぐっていくと、この砂丘がある。おりしも風は強いが、天気は良く、気温もまあまあなので大勢の人たちで賑わっており、駐車場もいっぱいだ。こういう場合、2輪車は非常に都合が良い。邪魔にならない隅っこにバイクを停めていざ、砂丘へ、とその前に。なにやら梅並木のようなものがあるぞ。やや、看板には「河津桜」と説明がある。これは桜並木というわけか。いやいや、こういう情景を見ると、春は確実に近くなってきていると実感できるので、うれしくなってくる。あとひと月も辛抱すれば、いよいよ本格的なバイクシーズン到来だよ。そんなことを思っていたので、きっとニヤニヤしていただろう。もっとも周りの人々は管理人を怪しく思っていたに違いない。
春らしい光景ですな
ひとしきり早咲きの桜を堪能したら、いよいよ砂丘へ。ところで、この遠州灘沿岸は天竜川をはじめとした急流が多く流れ込んでいる。太古の昔から、それら河川の運んできた砂が堆積してこのような砂丘をつくりあげているそうだ。中田島、遠州、浜岡などの砂丘はその代表というわけだ。いよいよ砂丘に足を踏み入れると・・・、歩きにくい。簡単に足がめり込んでしまうから踏ん張りが効かない。ともかく、まずは高い所に登ってみよう。突風に巻き上げられた砂が顔に当たり少々痛いが、なんとか高台へ登る。すると海が見えた。
浜岡大砂丘看板 登りましょう・揉みましょう
ザッブーン△東映（しかも白黒？）という映画の始めの映像みたいにけっこう高い波が押し寄せている。おまけに風も強いので風紋もできているよ。さらに東側には浜岡原子力発電所も見える。最近運転期間を延長するだしないだで、揉めているあれだ。日本海側の敦賀にある高速増殖炉もんじゅ、東海村の原子力研究所、高濃度放射性廃棄物の埋め立て場所、原子力関係にまつわる問題は山積みされているが、何一つ解決できていない。もっとも見切り発車的に原子力を利用し始めたツケが回ってきているだけのことなのであろう。まあ、化石燃料には限りがあり、二酸化炭素の排出による大気中の濃度上昇、それによる地球環境への影響を考えつつも、便利な生活をしていくわけであるから仕方なかったとは思う。加えて管理人はバイクに乗ることでプラスアルファの二酸化炭素排出をしている・・・。種々の問題にちょっと目を向ける機会を得た。因みにこの辺りの砂丘は、毎年ボランティアによる清掃も行われいると二輪誌で読んだことがある。当然の如くごみはほとんど落ちていなかった。
浜岡大砂丘
（遠くに見えるのは浜岡原子力発電所）
砂丘で遊んでいると携帯電話に席が空いたと連絡があった。急いでTDMへ戻り、「がっこーにいこう」へ向かう。最初に来た時は気がつかなかったが、表の看板によるとどうやら14時で一旦閉店となるようだ。丁度ギリで受付していたというわけか。
がっこーにいこうの前にて
（TDMのミラーの辺りに移っている二宮像に注目）
入店すると壁一面はもとより、全ての窓にも習字が貼ってある。また、天井に近い所の壁には長方形のスピーカー、その下に大きな黒板、棚にはテレビ、そして机と椅子は学校で使われている（た？）ものズバリである。店内の雰囲気も学校の教室風味満点だ。席について、ソフト麺ランチ（カレー）600円とミルメーク210円を注文する。ええっと、確か給食費は１食２００円くらいだったと思うので、８割近くは国庫なりから負担されていたということになるのだろうな、ところで、この店のメニューには他にも揚げパンやら、くじらの竜田揚げ、ちくわの磯部揚げなど豊富に選択肢が用意されている。おぬし、伊達ではないな。ん、机の中には教科書が入っているではないか。奥付けを見てみると、印刷が昭和51年となっているので、管理人よりは前の世代の方々が用いたもののようだ（ひょっとしてオーナーのものか？）。教科書を読んで昔を思い出していると、おまちかねのソフト麺とミルメークが運ばれてきた。
説明は不要でしょう
ミルメークについては、少し牛乳を飲んでから混ぜるという儀式に則り、またソフト麺についても半分に割ってから器に投入という様式を採用していただきます。管理人が最後に給食を食べたのは１９８８年３月だったと思う。その記憶を辿りつつ味わってみる。まずは麺につけるカレーソースであるが、管理人はもう少し甘いというか、辛くないものを食べていたように思う。きっと大人向けに整えてあるのだろう。また、かぼちゃのコロッケは給食のものよりも味も食感も良い。やはり温かいものは旨いということだ。そしてミルメーク、キタァー。まさにこの味だ。ところで、管理人は上記の儀式の通りにしたが、中にはほとんど牛乳を飲んでしまってから粉を混ぜ、ものすごく濃いものをつくっていた者がいたと思い出し、思わず微笑んでしまった。
食事をしながら小学校時代を思い出してみると、よくもまああのような放蕩というか、自由な生活をしていたものだと我ながらあきれてしまう。勉強なんてほとんどしていなかったし、忘れ物なんかをしてよく怒られていた。「いつも忘れ物をする者はきまっている！！OO、XX、」と管理人は常習犯であった。そのくせ、家に帰るとそんなことコロッと忘れて遊びにでかけてしまう。もちろん自転車で放浪、そして校区外へ出たことを密告されて怒られるなんてお手のものだった。さらにそれに全く懲りないでまた放浪を繰り返す、最終的に担任もあきれて何も言わなくなったのであった。
給食を食べ終わり、清算をする段になってからオーナーから、バイクで来店したお客をブログに掲載したい旨の意向を伝えられた。もちろんOK牧場である。そして当方もホームページからリンクをしても良いと許可を得たので、ここで報告しておこう。
すっかり子供時代に戻っていた（普段から子供だという噂もある）が、また普通の人に戻って安全に帰宅せねばならない。その前にせっかくなので、御前崎灯台へ寄っていこう。途中で高台から海岸と灯台が見える場所を通りかかる（冒頭の写真）。これまたキタァーというところか。さらに海岸線と同じ高さまで下っていくと、ウインドサーフィンをしている人が沢山見えた。特に今日のような風の強い日はまさにウインド日和だろう。これまた関係ないが、加藤茶のフランケンシュタインで、「ウインドサーフィンが趣味で帆は張らない。なぜなら顔で風を受けて進むことができる」という台詞があったことを思い出した（やっぱり管理人は子供だ）。
御前崎灯台の直下に市営駐車場があるので、そこへバイクを停める。あれ、駐車場の北側には何か建物があったと思うが、すっかり取り壊されて更地になっている。それが何であったかは思い出せない。誰か教えて。何回もクドクドと申し訳ないが、非常に風が強い。灯台に登るのは止めてさっさと帰ることにした。その前に写真くらいは。
御前崎灯台の市営駐車場にて
この後は岬を回って、スズキ自動車の輸出基地を横目に見つつ、やしの木の通りを抜け、国道１５０号線バイパスから県道２３９と繋いでいく。ところで、この国道１５０号バイパスは今夏に開港予定の富士山静岡空港へ接続しているそうだ。寄ってみたいが、寒くなってきたので今回は見送った。さて、県道は国道よりも多少流れているものと期待したが、まったく正反対であった。これも仕方ないとあきらめて、６９号、４１号、４０９号と繋いで磐田駅裏を通過。さすがに疲れたのでコンビニで一服した後、天竜川の堤防道路、県道３４３号、国1、そして姫街道こと県道261号へなだれ込む。
ここまでくればあとはよく知っているルートなので、自動操縦同然に走行を続けていく。さて、ここで国1で帰るか、国道301号の山間部ルートをとるか、選択をしなければならない。今日は暖かかったので、浅い山間部を通る301号は慎重に通れば問題なしと判断。後者を選ぶこととした。だって、市街地走行ばっかでつまらなかったんだよ。それに夜間ワインディングで技量の維持もしておきたいしね。
姫街道を浜名湖沿いに、夕日を見ながら走行し、気賀から国道301号へ乗り換える。まずは宇利峠を越え、友人である梅さん邸の近所を通過。桜淵公園をかすめて山間部に突入。夜間かつ凍結の恐れもあるので、いつもよりも4割くらいはペースダウンして、慎重にカーブを曲がる。なんかしっくりこない。やはりニーグリップが甘いようだ。そんなこんなで凍結も無く、無事に豊田まで降りてくる。まあ、たまには技量維持のためにこういう走行も必要かな。
冬は寒いが、海沿いはそれなりに楽しむことができると再認識できた。どちらかというと、夏は走りありき、冬は目的地ありきのツーリングというスタイルになるのかな。今回は珍しくも目的地をめざして行くというツーリングであった。適宜様式を使い分けて楽しみを拡大していく、それもまたバイクという趣味の醍醐味ではなかろうか。
それにしても、最後に走行距離を計算してびっくり。
本日の走行 357km