2009/05/30
左からR1-Z氏、実質初登場のFazer氏、W氏
@大田口休息所
今年はシーズン入りしてからは、毎月W氏とツーリングに出かけている。幸いにも今までのところ、中止どころかツーリング開催日はほぼ快晴ばかりであった。しかし、今回は様子が違う。というのも、週の初めから週間天気予報はずっと雨だ。「まあ、いつもこんなもんよ。そのうち予報が変わるさ」と思いつつ火、水、木と日が過ぎていく。しかし、そうは問屋が卸してくれず、金曜になっても雨の印に変化はないではないか。大和撫子7変化。これは「ヘンゲ」である。ああ、若き日のキョンキョンもオバサンか。俺もおじさんになるわけだ。全く関係無いのであるが、昨年の北海道ツーリングでエンジン付きの汽動車に乗った場所は「ペンケと仁宇布」の間の区間であると追記しておこう。
そんなことはどうでもよい。一方、今回の企画担当機長のR1-Z氏は多忙な日々を過ごされていたにも関わらず、フライトプランの作成とメンバーへの連絡といった機長業務を、当ページ掲示板を通じてに積極的にこなしていた。これはもちろん氏の「やる気」の表れであることは言うまでも無いのだが、タダでさえ本業で忙しい中を遊びの業務までキッチリと遂行するとは、よほど楽しみにしていたのであろう。
しかし、彼の努力に対して無常にも当日の天気予報は曇り一時雨、降水確率30〜40%であったので、予定していた三重、滋賀方面のフライトはキャンセルせざるをえなかった。それどころか、一時はツーリングそのものの開催も危ぶまれた程であった。しかし、県内であれば走行可能であろうと機長が判断し、プラン提出は随時ということで決行となった。だいたい天気なんてものは女心と同じくらいに解らないものだ。走っているうちに好天に恵まれることもしばしばあるからね。
そうと決まると関係機関へのプラン変更連絡を行う必要がでてくる。まずは集合場所の変更連絡を伝達。詳細としては、最寄の駅に実質初参加のFazer氏、R1-Z氏、そして管理人が集い、その後足助のサークルKでW氏と合流することとした。
集合時刻に最寄の駅へ行ってみると、既にFazer氏が到着しておりタバコを吸って一休みしておられた。氏とは約1年振りに顔を合わせたことになる。暫くするとR1-Z氏も登場。とりあえずはW氏と合流するために、足助のサークルKを目指す。
この時点では天気はまあまあで少々暑いくらいであったが、山間部に入っていくに従い雲が厚くなり、集合場所のコンビニ到着直前に雨が落ちてきてしまった。早くも走行キャンセルかと思ったが、W氏と合流してプランを話し合う段になり、既に気象情報によりこの雨は一過性のものであると把握していた。さすがは査察操縦士である。細かいところまで気がまわるということは、いままでの走行時間の裏打ちであろう。本人は査察操縦士なんてものではないと謙遜されていたが、やはり私のようなデキソコナイのどこかヌケた機長とは大違いである。
ところで、Fazer氏とW氏は初顔合わせなので、不肖管理人がお互いを紹介する。W氏は早速Fazer氏のズボンについてツッコミを入れていた。そうなのだ、氏のズボンは皮製のジーパンタイプで、しかも撥水機能がある。使用者の弁では「1時間ならカッパはいらない」ということだ。さらに、手入れも簡単で、撥水性が落ちてきたら専用の洗剤で洗濯をすれば復活するというから驚きだ。そもそも皮製品で洗濯できるとは。さらに裏地は肌触りのよいものが使用されているということだ。実はこの製品について質問をしたW氏、以前購入を検討していたのであるが4万円近いその値段にひるんでしまったそうだ。Fazer氏曰く「いいやつを買っておけば長持ちする」と。まさしくその通り。恐れ入り屋の鬼子母神、オーソレミーヨのイタリア人。
そんなこんなで、W氏の情報通りに雨も上がったので、出発準備を整える。しかし、本日の機長であるR1-Z氏は今まで一週間練ってきた計画が一発でご破算になったのであるから、ショックも大きかったのであろう。プラン未提出というとであった。一方管理人はというと、すっかり乗客気分で何も考えていなかったことはいうまでも無い。そこで査察操縦士のW氏が、稲武方面へ雲が流れているので420で設楽へ抜けようとプランを提出された。当然承認ということで氏の査察の下、管理人が先導機長を勤めて大田口へ向かった。
香嵐渓の橋を越えてすぐに斜めに右折して国道420号線に乗り換える。この道は中高速コーナーの連続であり、基本は林間を縫うよう通っているが、時々森を抜けて川と並走する気分の良い道だ。ただ、時々コケが生えていたり、杉の葉が路肩に堆積していたりするのでスリップに注意というところだろう。
ところで、先日管理人のTDMはついにフォークオイルが漏れてきてしまったので、2年振りにYSP天白に修理を依頼した。累積走行距離も52,500kmと長大になりつつあり、今後100,000kmを目指すということでステムベアリングの交換もお願いした。1週間後、修理が完了して車両を受け取りに行った際、店長に修理時の部品の状態を確認すると「ベアリングにやや錆びが出ていて、少々レースに打痕があった」という説明がなされた。また、「インナーチューブ等に問題は無かった」とのこと。果たして、減衰力向上、ステアリングの切れがスムースになったのは言うまでも無い。また、引き取り後、帰宅してすぐにダストシールを外してオイルシール直上にシリコングリスをたっぷりと塗りこんでおいたと追記しておこう。
こういうわけでマシンは整備されており、新車に近い性能を出している。しかし、如何せん管理人の右かかとのホールドが甘い(隙間が空いていた)せいでコーナリング時にどうしても過大にハンドルバーを押さえてしまう。結果マシンのセルフステアを妨げてしまい、気持ちよくコーナーリングできないでいたが、暫く意識して走行した甲斐があり、左右の足がしっかりとバイクをホールドできるようになった。結果車体の中心に乗ってバンクを徐々に深くしていくことができるようになったわけだが、こうなってくると整備の効果もよく感ずることができるようになってくる。前輪がクルクルと踊り、機首はコーナ出口を素早く向く。ただ、きっかけの倒しこみが遅れてしまい、どうもまだしっくりとこない。これは目線が近いせいだろうと意識して改善を図っていった。どれも基本事項ばかりであるが、これらが一番大切なんだなぁといつも実感している次第だ。
ここでちょっと耳寄り情報を。国道420号線と257号線が設楽町内で合流しているのだが、ここは420号線側が一旦停止をしないといけない。ところが、これを指示する檀れいの三角の赤い標識が見えにくい位置にあり、通過してしまう方がしばしば見受けられる。それを知ってか知らぬか、某国家機関が取り締まりをしているのだ。具体的には交差点の南70mの257号線路肩(小さな橋のたもとの見えにくい所)で違反者がいないかを見張っている。そして、257号線を稲目トンネル方向へ200m程いったところにある待避所で捕まえるというわけだ。いったい何の為の取り締まりか?危険箇所ならお前らが立って交通整理するのが筋というものだろう。明らかに取り締まりの為の取締りである。事故防止なんてことはまるで考えていないのであろうと推測される。プンプン(怒)。
幸いにも今日は取り締まりが行われていなかったが、慎重にこの交差点を過ぎ、田峰の交差点を左折して国道257号線の走行を続ける。因みにここを右に曲がってさらにその先で左に曲がると、ハーレー氏が諸手を上げて吹っ飛び、岩を背後に火花を上げて滑走するCB750F(ボルドール仕様)に追いかけられて、恐ろしい思いをした仏坂峠であることをお忘れなく(忘れる筈もない)。
楽しみにしていた大田口手前のワインディング区間を遅い4輪車に邪魔されてしまい、メンバーは少々不完全燃焼気味で休息所に到着する。何回も本ページのリポートに登場していてくどいようであるが、ここは畳の床がある休息所である。もっともあまり利用することはないが、キャンプツーリング中などはかなり有益に使用できることであろう。
さて、一服して皆で話しをするが、ここでもFazer節が冴え渡った。氏は先のG.W.にR1乗りの方と九州ツーリングに出かけられたそうだ。そしてその相棒の実家が長崎であるので、彼は帰省も兼ねていたというわけだ。つまりは、そのついでにやまなみハイウエイ等を満喫するという計画であったのだが、計画当初からいろいろと双方折り合いをつけることがたくさんあったらしく、例えば、おりしも総理のバラマキ景気対策モドキで、ETC搭載車は主要高速道路の料金が均一1000円ということで、そのR1氏が車載機を誰かから拝借してマシンに接続。やる気満々で往復高速走行を企てていたそうだ。しかしFazer氏はとんでもないとR1氏を説得して往路をフェリー利用に変更したとうことが、あったらしいのだ。氏は「この段階から2名で行くことに無理があった」と分析されていた。やはり長距離ツーリングはよほど嗜好の合う人でないと辛いものになってしまうようだ。
こうしてFazer氏一行は関西汽船のサンフラワー号で大分に上陸。そこからやまなみハイウエイへと意気揚々と乗り込んだのであったが・・・、R1号にトラブル発生。どうやら接続したETCが原因(おそらくプラス線がフレームに短絡したと思われる)で、バッテリーが沸騰直前、加熱チンチンになってしまったそうだ。このままでは走行不能ということで、結局大分の赤ダンにレッカーされてやまなみは走ることができなくなってしまった。さらにトラブルが収束して19時過ぎに走行可能になると、R1氏が高速で長崎行きを強行したらしく、トラブル等でヘトヘトになっていただけにカチンときたFazer氏。主催者は普通ならどこか泊まって、温泉で卵やら芋やらを蒸して食べたりして楽しむ、という柔軟な計画変更を考えるべきであろうが、R1氏は一刻も早くに実家に到着することしか考えていなかったようであったと怒り心頭。結局その翌日が雨、その翌々日に周辺を走って終了。Fazer氏は復路のプランをキャンセルして、フェリーの一等客室で帰還されたそうだ。
Fazer氏は「だいたい高速で往復しようと言い出した段階から2名で行くことに無理があった」と分析されていた。やはり長距離ツーリングはよほど嗜好の合う人でないと辛いものになってしまうようだ。
参加者の相棒達
(手前からFazer号、W650号、TDM900号、その後ろにR1-Z号)
この一連の出来事を饒舌に名古屋弁で、切れ味鋭く話されるFazer氏。まだまだ続編があった。
発端は管理人が三脚にカメラをセットして撮影したところから始まる。九州ツーリングの際、同行したR1号が故障したのは前述の通りであるが、その方がタンクバッグにカメラを取り付けて、良いワインディング毎に動画撮影をしたそうだ。それは別によいのであるが、その準備で時間と道が消費されてしまい、結局気持ちよく流す時間が減ってしまったとのこと。さらに、「どうせ自分が映っているわけではないので、たいして価値は無い」と一刀両断。確かにその通りである。Fazer氏の初九州はかなり不満の残る結果であったようだ。
ひとしきり話をした後、今度はW氏先導で引き続き257号線を北上する。そしておなじみの笹暮もみじ街道へタイヤを進める。ここは前回のツーリングでも走行した道で、今回はその時とは逆に上りで攻めることになる。国道を離れて同街道に乗り換えるや否や、W氏が加速し、R1-Z氏も負けじと狼煙走法を開始する。管理人はその後ろを前述のマシンのホールドと目線を確認しつつそれなりの速度で走行、さらにその後ろをFazer氏というフォーメーションで行く。こういうワインディング路のR1-Z氏はまるで人が変わったかの如くに加速し、コーナーをカッとび色の瞳に〜ぃ、20世紀のぉ〜ジャンヌダークよぉ〜という感じである。R1-Z氏は男だからアレクサンダー大王か?まあよい、さすがの査察官W氏もかなりのプレッシャーを受けるようで、W650の能力を最大に引き出すべく、独自に開発したフロント19インチでも曲がっちゃうよ走法で対抗する。もちろんステップガリガリ、エキパイブラケットズリズリで、火花をパシパシ飛ばしていたそうだ。もっともこの火花が10000ボルトかどうかは測定することはできないと付記しておく。
さて、折元I.C.から茶臼山高原道路へ乗り換えてで茶臼山山頂へ向かう。ここは観光道なので家族連れの4輪が多く走行している。従って前述のような走りはできない。ところで、この道は一昨年?から無料となっているが、整備状況が良く、景色も見えるので、のんびり走るには都合が良い。ただよそ見には注意する必要があろう。4輪がいなかったら、ここも楽しいワインディングであることは言うまでもない。
休日でさらに、名物の芝桜が満開と聞いていたので混んでいるかもと思っていたが、駐車場入り口のみで渋滞していただけであったから、リフト下の駐車場にすんなりと進入することができた。ところで、駐車場には3、40台のバイクが駐車してあり、なぜかいつもKTMデュークがいる。地元の方が走りにきているのだろうか。
Fazer氏もワインディングを楽しまれたようで、「九州なんぞ行かなくとも、良いワインディングはいくらでもある」と発言された。どうも氏は走りメインのツーリングがお好きなようだ。前述の九州ツーリングでは「帰りは高速」という予定だったが、「高速は退屈だ」とこれまた的を得た発言。要するにR1氏は盛んに宣伝されている休日1000円を利用したいだけで、それ以外に目的は無いということを言いたかったのであろう。確かに、実際タイヤの消耗、体力の消耗、ガソリンと考えるとフェリーに軍配が挙がることはいうまでも無い。極めつけはフェリーは寝ている間に目的地に到着するという事実である。何事も全体を鑑みて、楽しいかどうかが問題なのである。安けりゃいい、高けりゃいい、という指標だけでは全く意味がなくなってしまうのだと。
また、茶臼山を上ってくる際に、W氏が道端でGSXR-1000のライダーがカメラを構えていたことを発見していた。彼をWEB上で見たことだあるというのだ。そういえば、前回のツーリングでもプロアームでクラッチが滑っているCBR250のオーナーも見たことがあるとおっしゃっていた。氏は雑誌などの媒体を細かくチェックしているようで、どれそれのバイクのテールランプは何々と同じなど実に細かい部分までご存知だ。感心しきりである。お、W氏から以下のようなメールが写真添付されて入ってきたぞ。
昨日のツーリングの途中、茶臼山高原道路にて写真のGSX-Rのオーナーがカメラを構えている所を見かけたのですが、右側に写っているのは我々ではないでしょうか?携帯では写真が小さくよく見えないのですが、リュックを背負っているのは管理人さんでは?
写真は撮影者のものであるから省くが、確かに私だ。決め手はヘルメットの色、上着の色、背の高いバイクである。まさか我々の一団が背後に写っていたとは・・・。思わず声を上げてしまった。周辺住民から怪しい奴だと思われているかも。
茶臼山の駐車場にて談笑
さて、十分に休息を取った後、フライトプランを協議して平谷で昼食と決定。早速茶臼山の北側を管理人の先導で、県道46号線を長野方面に下っていく。こちらは根羽村方面ほどではないが、そこそこ勾配がありかつ切り返しのS字カーブをいくつも抜けていくダイナミックな道だ。上りも楽しいが、この道に限って、管理人の場合は下りの方が好きである。特に下りのS字はフロントタイヤに加重が乗りやすいので、楽に乗ることができる。その分速度も出ているから普段よりもワイドなラインを描くのであるが、その様子がちょっとラグナセカサーキットっぽい。もっとも管理人の頭の中だけでそういう絵を思い浮かべているだけなので、本当の姿ではないと注記しておく。
売木村に下りてから、村の中心部で国道418号線を使い、heading270で平谷峠を目指す。こちらも中速コーナーを主とするダイナミックなワインディングで、なかなかどうして走りを楽しむことができる。先の県道は下りであったせいかノート、R1-Z号のエンジン音がそれほど耳に入ってこなかったが、ここは上りなので目一杯回しているようだ。もちろん当方はコーナー突っ込みから出口まで負けっぱなしであるが、それらを繋げる直線では2倍以上の馬力差を活かしてなんとか面目を保つ、といういつもの展開だ。それを埋めようとまたR1-Z氏がさらにコーナーで詰めてくるので、シフトダウン時の排気音たるやまるでレーサーだ。氏の話しでは1速まで使用して当方を追いかけているらしい。そうなってくると管理人も5000rpm以上まで回して対抗する。TDMはこのあたりからエンジン音がルルルからブィーンと4気筒エンジンのそれに近くなる。振動も収束するように細かく、小さくなる。どうもこの辺りをスポーツ走行で使用するように設計されているようだ。
結局このバトルは平谷峠を越えて暫く続き、平谷の市街地手前で終了。やれやれ、毎度のことながら楽しい。この展開をW査察操縦士はきっと楽しんでおられることだろう。勝敗は圧倒的にR1-Z氏の勝利であるが、そんなことはお互いに気にしてはいない。あくまでも趣味で楽しんでいるのであるし、ここは公道だ。競い合って何の得にもならないことを皆がよく認識している。そういう仲間であるからこそ、こういう楽しみ方ができるのだ。
よいペースで飛ばしてきたので、メンバーもそれなりに疲労してきたようだ。時刻も12時半と昼食に都合がよいので、飯にする。R1-Z氏の情報で、温泉の建物にあるレストランが比較的安く、けっこういけるというのでこちらへ4人でなだれ込む。管理人はさっぱりとざるそば、W氏は情報収集にソースカツ丼、残る2名はサービスランチのハンバーグである。
ここではFazer氏の口からは、九州紀行のさらに続編、長崎ちゃんぽんについて語られる。氏が長崎ちゃんぽんを食そうと地元の旨い店について尋ねたところ、前述のR1ライダーはよりによって愛知にも店がある、チェーンの「リンガーハット」を指定したそうだ。もっとも味がこちらとは違うそうだが、それにしてもチェーン店とは味気ない・・・。だいたい地元に1軒くらいうまい店やなじみの店がありそうなもんだ。とFazer氏ご立腹。
そんなことから、地元のラーメン屋で旨いと評判の店についての議論へ発展する。管理人は有名店らしく行列もできているがそれほど旨いと思わない、逆に有名でなくとも旨い店があるはずだと発言すると、Fazer氏も納得のご様子で、シアトルマリナーズのイチローもテレビで、有名ではなく旨いかどうかが重要だと言っていたと教えていただいた。W氏も結局食べなれたものがうまいんだよなぁと続いて、Fazer氏はさらに「テレビで旨いだのなんだのと言っているが、どうせまともな味覚を備えていない芸能人がうまいとか言うもんで有名になって人が集まり、旨いということになるんだろ」とこれまたストライクな発言。ダメ押しにR1-Z氏も某料理番組の司会が正直旨くないものもあったと告白したことがあるよと言って一同大爆笑。そうなんだよなぁ、食べ物に限らず有名なもの、売れているものが良いなんて保証はどこにも無い。その人の好みに合うか、本当に役に立つか、2輪や4輪で言うならば、本当に楽しいか、ここが重要なんだよ。これを取り違えてしまうとおかしなことになるという事実は、現代の世の中を見るとすぐにわかることだ。
道の駅平谷にて
(背後の雲がこの後の運命を示している)
天気も良くなって暑くなってきた。場所をバイク置き場脇のベンチに移してライディングの話で盛り上がる。Fazer氏がどうもコーナーではマシンが自分の予想よりも先へ行ってしまい、オソガイので乗りきれないとのこと。実は当方もRFに乗っている時は同じ気持ちであった。4気筒車はアクセルを開けると自分よりももう一歩前に行こうとする=エンジンが回ろうとしてライダーを急かすので、そういう感覚に陥りやすいと指摘。これは4気筒車の構造上の特性で、クランク一回転におけるシリンダ内の燃焼間隔が短いのでドンドン回っていってしまうということに由来しているのであろうと思われる。また、ピストンやコンロッド、バルブなどの往復運動する部品も2気筒にくらべて軽量なことも見逃すことはできないだろう。一方2気筒車はクランクは軽量だろうが、それら部品が大きく、重くなりがちなのでアクセルを開けても極わずかに「溜め」が発生するのであるが、これがライダーにとってありがたいのだ。つまりコーナリング時にこの溜めの間に向き換えして、コーナー脱出は強大なトルクを利用しやすいというわけだ。さらに、エンジン自体の容積が小さいので、重量が分散していないことから4気筒に比べてリーンも軽いのだよ、ヤマトの諸君。
平谷を後にして、国道418号を矢作へ向けて走行再開。天気は上々で、この様子では矢作も堪能できそうかと思っていたが、どうも磁方位230度に見える雲が怪しい。とりあえずは418号のワインディングに神経を集中させていく。ここは1.5車線の中央線無しであるが、連続する低速コーナーが魅力である。ただ、道路中央付近の砂と、山側から染み出ているいやらしい湧き水には注意が必要だ。引き続き管理人が先導役機長のフォーメーションであるが、R1-Z氏は少々お疲れなのであろう。平谷峠の走りはなりを潜めている。一方管理人は今日のテーマであるかかとのホールドに注意して走行していく。当たり前のことであるがコーナリング時にリーンウィズのフォームをとる場合、コーナー内側も外側もしっかりとタンクを締めている必要がある。これを怠るとバイクが傾いてくれなく、結果マシンのハンドルが切れてくれない。管理人の場合、最近右コーナーでこの現象が出ていたので、しっかりとその辺りを修正しておいた。
万光寺の前を通過して、国道257号線を南下しているといきなりの大雨に見舞われた。さて、目の前に桜並木があるのでそこで合羽を着るか、いや待てよ、この先にトンネルがある。ここは機長判断の的確さを問われる場面である。頭の中では「♪あんなったなぁ〜らどうするぅ〜」というフレーズがクルクルと回っている。結局後者のトンネルの方がよさそうだとして、トンネル出口にて停車した。幸いにも軽くウエットな状態で済んだが、あと1分遅かったらびしょ濡れであったことだろう。しかし、Fazer氏は前述の装備のおかげで全く問題なしのようだった。
さて、通り雨であることを願いつつ15分程待ってはみたものの、ちょっと小降りになっただけであるし次々と雨雲が流れてきているようなので、各自合羽を装着し始める。しかし、なぜかいつも合羽を準備すると雨が止んでしまうのだ。やはり今回も合羽の準備をしている間に雨が止んでしまい、走行を再開した時にはすっかりと雨が上がっていた。いつもこうなんだよなぁと苦笑いしつついよいよ最後のワインディングであるYGへ進入していく。
通り慣れたワインディングであるが、路面がウエットであるので大きくペースダウン。ところで、雨は結果として通り雨であったのだが、さらに急速に天候が変わったと思われた。というのも、路面からはモクモクと湯気がたっているからだ。丁度冬の部活でヘトヘトになるまで走らされた時の様だ。また、YGは砂が浮いていて、橋もかかっている。そこが濡れているので、当然結構滑るわけで要注意だ。しっかりとブレーキングして、ゆっくりとバンクし、緩やかに加速していく。雨の日はそれなりの走りでも楽しめるものだ。
休息所到着し、東屋にて一服する。だいたい合羽を着ると雨が止むということは、もう少し待ってから行動せよということなんだろうけど、どうもその辺りがうまくかみ合わない。という話題に始まり、続いてFazer氏のサーキット走行会参加記が披露された。毎年秋になると販売店から走行会の案内が出されるのであるが、内容としては鈴鹿のフルコースを30分×2本走行できるそうだ。これにFazer氏は2年連続で行かれているそうで、一番初めの時はとにかくメチャクチャに道路幅があるので、どこを走ったら良いか解らないということであった。また、ちょっとミスっただけでドンドンと抜かれて散々な目に遭い、もう帰るかとショックを受けてしまったそうだ。しかし、2本目は指導員から「前の人はあなたよりも遅いから、抜いてもいいよ」と耳打ちされたので発奮して追い越したそうだ。この追い越すということはすごい楽しいと言っておられたが、まさにその通りだろう。管理人もミニバイクレース時代にブレーキング競争で、何度か前走車を抜かしたことがあるので、うんうんとうなずいて聞き入った
藤棚にマシンを避難
ところで、鈴鹿のフルコースで30分を2本と聞いて「たったそれだけかよ」と思ったら大間違いだ。かなり気合を入れていかないとクタバッチマエ、アーーーーメンとなってしまう。シュガーである。話しが逸れたが、そのついでに。当方がまだ若かった15年くらい前に前述のミニバイクレースをしていた時の事。レースは1時間を2名で走行するというものであった。だいたい最初の5分くらいはスタート直後の混乱でまともに走れない。その15分後くらいが一番タイムが出やすく、残り10分はバテバテで転倒しないようにするのがやっとである。ライダー交代で2番手を送り出して一息つくと汗ダクダクだ。そう、オートバイはスポーツなのである。管理人も久々にツナギを出してきて、参加・・できるかな?
路面も乾いてきたので、山を降りることとする。まだ所々濡れているが、下るにつれて走行ラインはドライ路面となった。メンバーは皆一安心というところで、本日最後の走りを楽しんでいる。が、ここでハプニングが。先導機長はこの区間も管理人であったが、その前に某社のゴツンとナントカという4輪車が走っている。ここまでは別にどうってことないんだけど、なんかわざと路肩の水溜りに乗り小笠原しぶきを跳ね上げていると思われる奇行をとっている。なんだかムカつくなあ、と信号ですり抜けて前に出る。その際にチラッと運転手の顔をみるとなにやら抜かれて不機嫌そうな顔をしている。ここは鋭い加速で逃げるしかないなと思っていると青信号に変わった。5000rpmまで使用して加速し、ミラーを見てみるとどうも様子がおかしい。R1-Z氏が一瞬出遅れた模様で、ゴツンとナントカが中途半端に前に出ていて、その後ろのW氏と並んでいる。R1-Z氏は何とか前に出た模様だ。
これはまずいことをしたなと思ったが、まあ4人いるからゴツンとナントカのドライバーくらい、それこそナントカなるだろうと思って走行を続ける。W氏もうまく前に出ていたが、Fazer氏は4輪車の後ろから様子を見ているようだ。その後、一応我々との間に一台4輪車を入れておこうと中央線のなくなる区間でさらに前の4輪車に追い越しをかけておいた。後方のR1-Z氏とW氏も同調してきているので一安心。その後ろのFazer氏も視界に入っているので問題なしだ。
このフォーメーションで猿投のサークルKまで走り、一旦停まった。話題は当然このことになるが、Fazer氏の話ではゴツンとナントカのドライバーはかなり熱くなっていたようで、右に左に蛇行していたそうだ。そこで私が「4人いるから大丈夫ですよねぇ」と振ったところ、「俺は知らん顔するよ」とFazer氏。そんな殺生なぁ。もっとも、その「ゴツンとナントカが、運転ミスでどこかにゴツンと突っ込むことは期待するけどね」とユーモアのセンスを披露されるあたりがニクイ。
さて、次回開催はは梅雨明けの7月終わりか8月にということで皆同意。尚、Fazer氏は有給を取得しないといけないそうで、平日でもいいよとのこと。羨ましい限りである。梅雨明け後は暑いので、やっぱり長野方面かな。開田とか、白骨温泉とか、高山あたりも捨て難い。もちろんワインディングバンバンでいきたい。
なんとかかんとか終了したが、雨もほんの少しの区間だけ合羽を着ただけで済んだので、結果オーライだ。翌日は朝から雨であったから、日曜日に延期していたら、梅雨明け後になってしまうところであった。
また、今回Fazer氏も加わり、W氏を中心として最高7人のメンバーが集うこととなる。全員でツーリングに出かけることは難しいだろうが、その都度予定の合う方々と楽しいツーリングに参加させていただきたいと思う。
さて、私事であるが、今年も北海道を目指したいと思うようになってきた。しかもKDXで。W氏は「地獄かもよ」とおっしゃるが、その通りだろう。まあKDXなりの楽しみ方で未舗装路を走り、礼文、利尻の離島にも行ってみたい。フェリー代等を考えてKDXを選択するわけだが、荷物の積載方法などを検討する必要があるので、そちらも随時報告していくつもりだ。
本日の走行 200km