2012年1月8日
遠州灘を背に、微笑ましい親子とTDM
アホみたいに寒い日が続いておりますが、アホみたいに走ってます。今年もたくさん乗りたいものです。さて、実際には元旦に近所をひと回りしているので初乗りは済ませているが、初ツーリングは8日に行った。ともかく寒い日であったが、この晴天を見逃す手はなかろうとTDMに火を入れる。
最近は生活様式を維持しようと24時には就寝し、8時頃には起床している。「おー良い天気ではないか」と喜んで新聞を取りに外へ出ると、メチャクチャ寒いじゃないか。出かけるの止めようかと思うが、10時頃に重い腰を上げてTDMのエンジンを始動する。おや、セルモーターの回転がかなり重いぞ。しかし、そこは電子制御燃料噴射制御車であり、4、5回転クランキング後、エンジンが回り出す。
水温の針が少し動いたことを確認し、走行開始。ところで、暖機運転はエンジンだけとお思いの方はお見えではなかろうか。実は暖機はバイクという機械そのものを暖めることである。つまり、エンジンはもとより、ミッション、サスペンション、タイヤ、各ベアリング等をゆっくり動かして暖めるということだ。たまにエンジンだけ暖めていきなり速い速度で走り出す人を見かけるが、これは非常に危険だ。特に冬場はタイヤが冷えているのでグリップが弱いことが多いので、転倒の危険性も高い。
話は変わるが、親友の梅澤さんから聞いた話を紹介しよう。大学時代にゼファー400に乗っていた同じ学科だった「オカジ」という女はエンジン始動直後に走り出して、そのまま通常運転していた。らしい。もちろん、こんなのは問題外である。さらに傑作なことは、「バイクをとても大事にしている」と豪語していたことだ。梅澤君はこの件について、「いじめているとしか思えない」と評していた。本当に彼の言う通りだ。
さて、2、3�劼罎辰�り走行してだいたい各部の動きが良くなってきたことを感じ取り、速度を上げていく。まずは燃料を15ポンド補給し、県道57号線で南下する。そして豊明NDBでheading140へ変針して国道23号線知立バイパス、岡崎バイパスと繋いでいく。この道は冬場のツーリングで使用するの定番のルートだが、タイヤの中央のみが減ってしまう。そこで、岡崎バイパス終点から旧三河湾スカイライン、現県道525号線の坂野峠と国坂峠間で久々のワインディング路を楽しむ。といっても、ここは最高で標高400mであるし、日陰も多く、路面に流れている湧水が凍り付いている場所もあるので、ペースはそこそこだ。立ち上がりでは先の路面が完全に見えてからアクセルを開けるという自制心を持ち続ける必要があろう。
国坂峠からは県道368号線で南下し、国道247号線、そして再び国道23号線へ乗り換えて豊川橋を渡る。ここまでくればもう渥美半島の入口だ。なんでここへ来たのかって、それには理由がある。実は渥美半島では観光客を呼び込もうと、地元の食材を利用した丼を各店で提供する運動を展開中なのだよ。その加盟店は22店で、期間は今年の年末までである。そして、各店で配布される「渥美半島 どんぶり街道手形」に食事をする毎にスタンプを押してもらい、最低で10店回れば景品がもらえるようだ。実現の可否はともかく、この地域は海の幸はもちろん、農業も盛んなので野菜も豊富に収穫されている。これら食材をふんだんに用いた丼とは何とも楽しみである。詳細は田原市観光協会のページにある、「どんぶり街道」という項を参照願いたい。
件の国道23号線を大崎西I.C.で下りて、国道259号線へ乗り換えてキャベツ畑の中を進んでいく。今日はとても寒い日だと述べているが、ここ田原市は多少はマシだ。時間的にも昼12時をまわって、気温も10度近くになっているようだ。
さて今日はどの丼を食べようか。一旦コンビニで暖をとりながら検討してみる。渥美半島の名物である「大あさり」は定番であるが、いつも同じでは能がない。「グリル華」さんの「あなご天丼」に決定し、地図を見て店の位置を確認する。どうやらここから数キロ離れた「船倉橋西」交差点の近くのようだ。前方に注意しつつもキョロキョロしていたら、その店はすぐに見つかった。
店内に入ってみると地元の喫茶店のような雰囲気で、愛想良く中央の大きなテーブルに通された。1人なので相席のような形になることは仕方なかろう。そしてもちろん、あなご天丼を注文するが、「材料費高騰の為、あなごは一本とさせていただきます」って、俺は前述の手形に掲載されていた写真のような、2本のそびえ立つようなあなごに引かれてやってきたのにそりゃないだろうよ。やられたよ。
あなご天丼 菜の花のサラダ
そう思ったが、しばらく待って丼が運ばれてくると、「あなごは1本でよいな」と思った。どうですか、このボリューム。さっそく頂いてみると、あなごは下ごしらえがイマイチなのだろうか、ほんの気持ち泥くさい。ちょっと残念だ。しかし、周りの芋、ナス、大葉、白身魚（キスか）、アジ、そしてこの辺りの特産であるウズラの卵（卵子ではない）があまりにも旨すぎだ。また、今日は丼セット1,400円を注文したので、ブロッコリーのポタージュ、菜の花のサラダもついている。こちらも量、味共に文句無い。メイン以外が全部旨いとは何たること。よくわからない状況に残念だ。
食事を終えた時点では時刻が13時過ぎだ。この時期は日没が17時なのでまだまだ走行時間は残されている。そこで、伊良湖まで行くことでプラン承認.。国道259号線をheading230でのんびり行く。御存知の通り、昨年の免許皆伝により安全運転を強要される？ような形になったので、速度は37ノット維持としておく。
風は強く冷たいが、日差しはやさしく感ずる。国道の両脇は野菜畑が広がり、農家の方が忙しそうに働いている。さっき食べた野菜はこういう方々のおかげで旨く食べることができるんだなぁ、と感謝しつつ伊良湖を目指す。ただ、スプリンクラーから噴出される水が道路まで勢いよく飛ばされてくることには参った。
すると、大きな菜の花の咲く用地が見えてきた。ここまで来ればもう伊良湖はすぐだ。その菜の花であるが、まだほとんど咲いていない。因みに今日からは「菜の花まつり」が開催されているのだが、これでは見ごろはまだまだ「先」だ。関係無いが、日曜ドラマ「仁」のヒロインは「咲」さんだ。この年末に視聴したのだが、「綾瀬はるか」ってけっこう好きかも？端役で出ていた「水沢エレナ」という人も個性的でよろしい。
そう思いながら道の駅クリスタルポルトはパスして半島の南側に回り、国道42号線をheading090で走行開始する。この区間は断崖の一番上にリゾートホテル、その下を道路が通り、その下はキラキラと輝く凪いだ海という構成になっている。遠州灘は外海なので結構荒れることがあるのだが、今日は穏やかだ。
おっと、高台から恋路ヶ浜を見渡すことができる場所へ到着だ。数台しか駐車できない小さな駐車場の端へバイクを停めて、景色を眺める。うーん、こりゃ風光明媚というか、なんだか癒されますなぁ。ここから道路脇に設けられた階段を下りていくと、「島崎藤村」の詩で有名な「椰子の実」の碑がある。
椰子の実の碑
この辺りは椰子の木が植えられているのだが、どうやらマリアナ諸島から流した椰子がここに到着した記念植樹のものらしい。マリアナ諸島って、ここから3,000�劼藁イ譴討い襪犬磴鵑�。そんなところから流れてくるんかぁ、って中学の時に国語の時間に教材として登場したような気がする。教科書で読むと味気無いが、こうして現地に立ってみるとこの詩の意味が吹いてくる風に教えられるようだ。
さらに海岸まで下り、波打ち際の方まで行ってみる。なんだろうか、人間は海から上がってきた生物の進化形なので、こうして海を見ると心が洗われていくような気がして落ち着く。しばし陽の光で輝く水面を見つめて柄にもないことを考えてみる。
恋路ヶ浜にて
ちょっとだけロマンを感じてから再び走行を開始、右手に穏やかな海を見つつTDMの鼓動を楽しむ。2011年の内に積算計に80,000kmを表示させたかったが、残念ながらあと数百�丗�りない。ちょっともどかしいが、あまりの寒さのせいで最近乗れていないから仕方なかろう。おや、今年の菜の花まつりのメイン会場はこの国道42号線沿いに移されたのか。まだほとんど花が咲いていないのでここはパスして、交通量も少なく、快適な国道の走行を続ける。すると、途中で満開の花畑を発見した。さっそくマシンを止めて、眺めてみる。本リポートの冒頭の写真がここだ。
こんな真冬なので、黄色が眩しい。まるで初恋の人だ。
この後は六連交差点から県道503号線で飛ばし、259号線、さらに23号線へと繋いで渥美半島を後にする。豊川橋付近はいつものように流れが悪くなる。この先に既に完成している高架橋が共用されて、開通して岡崎バイパスと繋がればかなり便利になるだろう。因みに、この国道23号線の浜松側は国道1号線の浜名バイパスと連結される予定で、現在一部開通・共用されている。
こうして再び、国道247号線、そして県道368号線で往路も通過した国見峠を越えて国道1号線へ乗り、帰路についた。おっと、明日もツーリングだから楽しみである。
本日の走行 250��