2011年7月10日
中部国際空港に飛来したボーイング787-8型 試験2号機
（それにしても主翼の長いこと）
「管理人はバイクばかりに気をとられている」と思っている方々が大勢いらっしゃるようだ。雨の日には「今日もバイクで来たのですか」と聞かれるが、雨の日にバイクに乗ることはめったにない。バイクが傷むことを懸念してのことなのだが、移動はいつもバイクと思われているらしい。
でも、当方乗り物全般が好きなんですよ。特に複雑な機構を持つものを特に好みます。そういうわけで、「飛行機も好きなんです」ということだ。
それはそうと、今月4日にアメリカのボーイング社からはるばる太平洋を越えて、最新鋭旅客機787-8型機が羽田にやってきた。その後大阪伊丹を往復したりして、日本の空港で運用に問題が無いかを確かめたりする作業が進んでいる。
ところで、当方がなんで大騒ぎしているのかと言いますと、この飛行機は、全日空が最初に派生型の787‐9型も含めて50機を発注（後に5機追加）し、開発が始まったからだ。こういう顧客をローンチカスタマーと言い、量産機を世界で一番最初に受領する権利があり、かつその開発にも口を出して要望を受け入れてもらえる。もっとも、開発の失敗や、要求仕様が満たされないというリスクも背負うわけで、その分お値段も割り引いてもらえる。いくらなのか。飛行機の取引の値段はなぜか非公開なので、いくらで納入されるのかは不明だが、噂によれば50％引きということもありうるようだ。
余談ついでにもう一つ。飛行機は最初に航空会社がどんな仕様のものを要求しているかを調査し、それに沿った開発計画機を提示して、発注があってから開発が始まる場合が多い。これは開発費が莫大な額になる為、このような手法を採っているのだろう。
長々と前置きをしたが、とどのつまり、この最新鋭機が世界で最初に就航する国はここ日本というわけだ。その飛行試験機が初めて日本にやってくる。プチ航空ファンの当方もそのお祭り騒ぎにあやかろうというわけだ。
こうして、そのANAカラーの試験2号機が飛来するセントレアに向けて cleared for take off。
飛来予定時刻は7時30分ということだったので、当日は朝6時30分前に自宅を出発した。そして通い慣れた平針運転免許試験場をかすめて国道302号線で南下していく。さらに、実家のある東海市からは国道247号線に乗り換え、白バイに注意して70ノット程で海岸沿いの工場群を抜けていく。
「よしよし、丁度着陸する時刻には空港の展望デッキに立つことができるぞ」、とワクワクしながら新舞子海岸を遠目に見つつ走行していると、上空をバンクしながらheading180へと旋回していくANA機が。「おや？こんな時間に到着機か、しかも今日は使用滑走路が18なんだなぁ。ん？？？あの垂直尾翼は787じゃあないか？？いや、まだ7時10分だぞ」と思いながら空港を目指す。
やっぱりこんな時間に到着機がいるのはおかしい。多分予定が早まったのだろう。やられた・・・ 787、俺の負けだ。恐らく航空路が空いていたいたのでショートカットしてきたか、目視飛行に切り替えて最短距離でやってきたのか。悔しいが着陸は見ることができないようだ。
気をとりなおして、高校の時に恋心を抱いていた「天木さん」の実家を横目に見つつ、国道を飛ばしてセントレアへ急ぐ。有料のアクセス橋を渡り、駐輪場へバイクを止めて展望デッキへ向かうと、サンニッパ（300mm、ｆ2.8）の望遠レンズを抱えた航空ファンらしき人達が引き上げてきている。ああ、やっぱり予定よりもだいぶ早く着陸したようだ。まあ、その姿を見るだけでも貴重な機会なのだから、ひとまずデッキへ出てみるか。
そう思いつつ、滑走路に面したスカイデッキへ出てみると、まあなんたる人の多さ。こんなに混み合ったセントレアは見たことない。これも787型機が飛来したことに由来しているのだろう。ええっと、肝心の飛行機は27番スポットに、部品輸送用の貨物機である747LCFと一緒に駐機されているのだが、おおおお、27番って国際線の一番南向こうじゃないか。スカイデッキからだとケツしか見えないよ。
少々毒つきながらウロウロして目的の787を撮影する。といっても、当方はバイクでやってきたので、コンパクトデジタルカメラしか持参していない。一応解像度を一番良くして撮影するも、手前にある中華航空のエアバスA330が邪魔であまりよく見えない。
手前の中華航空A330型機！ 邪魔だぁ〜
（後方のANA機が787型機、その後ろが747LCF）
仕方がないので、「787はこんなもんだ」とあきらめて他の飛行機を眺める。おっと、デルタ航空の757‐200型機がいるぞ。この機種は日本の航空会社では導入していないので割合珍しい機種だ。しかも主翼にブレンディド・ウイングチップを装着した改修型だ。また、757型機は767型機と同時開発された姉妹機で、胴体の割にエンジンがでかいことが特徴だ。それ故に、離陸条件の厳しい空港で運用する航空会社に人気があり、中古機も比較的高値で取引されているということだ。
デルタ航空のボーイング757型機
（反り上がった翼端板が改修型の証）
国内線のスポットへ目を移すと、スカイマークエアラインズの737‐800型機が2機見える。そしてそのうちの１機はトーイングカーに押してもらっていて、エンジンを始動中だ。ということはこれから目的地へ出発するということだろう。関係無いが、このトーイングカーの運転手は大型特殊二種とけん引二種免許を必要としているそうだ。当方が現在挑戦中のけん引二種が取得できたら、転職してしまうのも悪くない（というか、世の中そんなに簡単にいかないぞ）。
そのまま眺めていると、既に離陸許可をもらっているのだろう、誘導路から滑走路へ入って加速していく。そう思っていたらすぐにVR（機首上げ速度）に達して、あっという間に離陸していった。いったいどういうことだろう、そんな短距離で離陸していくとは、空荷の回送機か。
そう思っていると、すぐに右旋回して機首を磁方位360に向けて滑走路に平行に飛んでいく。そして再び右旋回して滑走路18に正対している。おお、パイロットのタッチアンドゴー訓練か。セントレアで訓練とは贅沢というか、金がかかるというか。確かに、スカイマークは中部空港に就航したばかりだから、中部に着陸できるパイロットを養成して行く必要があるからな。因みにこのスカイマークエアラインズは、エアバスの超大型機であるA380を4機、オプション権を行使して2機、合計6機を確定発注したツワモノだ。こんな新興航空会社が使い切れるのか、と余計な心配をしてしまった。
タッチアンドゴー訓練中のスカイマーク機
さて、一通り駐機してある飛行機を見たので、そろそろと次の予定をこなしていくか。そう考えてコンコースを歩いていると、787飛来を宣伝したポスターが貼ってある。一応見ておくかと詳細を確かめてみると、やはり着陸は7時30分となっている。絶対パイロットが航空路をショートカットしたに違いないと思いつつ、さらに読み進めていくと・・・。あれ？臨時駐車場（無料）から間近に見ることができると書いてある。なぁ〜んだ。早く言えよってか俺がちゃんと情報を集めておけよってことか。
こうして再びバイクを走らせて、空港の周回路から一番南にある臨時駐車場へ向かう。ぬぉ〜、近い。はじめからこっちに来ればよかった。しかし、フェンスが邪魔で近くから写真は撮れそうにない。せっかく新開発のロールズロイス、TRENT1000型エンジンのカウルが空けてあるのになぁ。まあ遠くからでもいいから写真を撮っておこうとバイクのシートに立ち上がり、なるべくフェンスに機体がかからないように撮影を試みる。
747LCFと787のツーショット 787型機近景
（主翼も長いし、コクピットの窓もでかい）
さて、再び飛行機の薀蓄であるが、この787型機の大半は東レの炭素繊維を用いた樹脂（CFRP）、要するに強化プラスチックでできている。また、主翼は三菱重工大江工場、主翼を繋ぐセンターウイングボックスは富士重工半田工場、そして前部胴体は川崎重工弥富工場で製作されている。これら部品を747LCFで最終組み立て工場がある、ボーイング社エバレット工場へ空輸しているのだ。つまり、日本製部品はこの中部で製作され、ここセントレアから運ばれていくわけだ。
言い換えると、787の日本製部品はほぼ中部地区製なので、当方はまったく関係ないが少々嬉しい。さらに、エンジンなどのタービン等々、細かい部品にも日本製のものが多々用いられている。組み立てはアメリカだが、実質日本製のものは結構多く使われているようだ。そういったことから考えると、現在開発中の三菱航空機製のMRJ型機にも自然と期待が高まる。戦前のような航空大国日本復活は間近かもしれないぞ。
こうして暗い話題ばかりの日本に少々の期待をしつつ、中部国際空港セントレアを後にする。今日はこれから当方の愛機である、TDM900のタイヤ交換をするように手筈を整えてある。と言っても、さすがにタイヤは走行に重大な影響を及ぼすものなので、いつものタイヤショップ、江南市にある「ビーグル」さんへ向かう。
ひとまず空港島を出て国道247号線をheading360で走行していく。さらに、熱田神宮北側で国道41号線に乗り換えて、そのまま県営名古屋空港を横目に小牧市から江南市へ向かう。余談だが、前述の三菱航空機のMRJは同空港に隣接した三菱の小牧工場で製作されるそうだ。ここは戦後唯一の国産旅客機である、日本航空機製造社のYS-11型機も組み立てられていた場所だ。
相変わらず頭の中は航空機に占拠されているが、今は地上を走行しているのでぼーっとしていてはいけない。今日は車の数も多いし、変な運転をする人もたくさん見かけるので気を付けないと。あと、愛知は交通事故が多い県として有名だが、毎月10日、20日、30日は交通事故死ゼロの日と称して、取り締まりを厳しくしている。この国道41号線は我々ライダーをカモにしている白バイがたくさん出ていると思われるので、速度にも注意しなくてはいけない。
ややおとなしく、空港線から県道158号、175号線と乗り継いで「オートショップ ビーグル」さんへ到着する。ほぼ予定通りの10時35分に店に入ったところ、丁度店先に置いてあるCBR1000のオーナーと商談中であった。
まだ少しかかりそうだったので、ピットのチェーンブロック下へTDMを入れておく。ずいぶんと横柄な店とお思いの方もおられるだろうが、ここのおやじさんはけっこういい歳なので、「ちょっとすいませんが、バイクを倒してはいけないのでピットへ入れるのを手伝ってもらえませんか」といつも頼まれるのだ。もっとも、足どりや作業の手さばきにはそんなことを微塵も感じないが、やはり歳を感じているのだろう。
そうこうしているとおやじさんもやってきて、「すいませんねぇ」と言いつつ手際良くマシンの前部を上げてタイヤを外していく。関係ないが、当方は女性の臀部が好きだ。
そしていつものように、「ニューVMAXはタイヤ交換がやりにくい」とか、「スクーターのマフラーを換えた都合で、センタースタンドの無いものは苦労する」といったいつものネタをはじめ、「最近はBSのタイヤがダンロップよりも持ちが悪いことがある」などと有用な情報も話してくれた。
そんな感じであれよという間にタイヤをリムから外していく。おっと、そういえばエアバルブがダメになっていたことを思い出して、「エアバルブはどうでしょうか」と状態を確認したところ、「ああ、こりゃヒビが入っとりますでサービスで交換しておきます」ということだった。こういう細かいことは案外気前が良いし、作業は確実なのでやはり次回もここでタイヤを交換しようと思う管理人であった。
こうして30分も経たないうちにタイヤ交換が終了し、バイクをピットから出していると、「ジュースでも飲みゃあせ」とコテコテの名古屋弁で勧められたので、復活した「メローイエロー」をいただくことにする。
そして、またいつものように最近のバイク業界の動向などを話してもらうのだが、予想に違わず大変だとのこと。ただ、ビーグルさんはオヤジさんと息子さんだけで運営しているから、よそ程ではないようだ。また、前述のようにおやじさんもいい歳なので、一日に作業する台数をおおよそ5、6台にしているそうだが、「固定客をしっかりと捕まえる」という経営戦略をとっているので、おおよそ決まった人がリピーターとして訪れているとのこと。大儲けはしないが大損も無いということだった。確かに、電話すれば「TDMの管理人さんだねぇ。今回は何にしゃーすか（どの銘柄にしますか）」とすぐに返してくるので、こちらも相談しやすい。そこに加えて、タイヤ交換中や作業後に有用な情報もくれる。汚くて小さいが、良い店だ。
こうしていつものように雑談した後、「最初は滑りやすいで、きーつけて乗ってくれゃーす（気をつけて乗ってください）」と、これまたいつもの言葉に送られてビーグルを後にする。
それにしても今日も相当暑い日だ。実は昨日まで精神的にちょっと辛かったので臨時に診察を受けていた都合上、このまま帰宅しようと思っていたのだが、せっかく梅雨明けしたばかりなので、このまま岩屋ダムへ向かうことにした。
こうして愛岐大橋を渡り、県道17号線をheading360、速度25〜30ノットで追っていく。その後県道281、343号線と繋いで、富加から平成こぶし街道の県道58号線、飛騨街道の県道64号線を走行していく。ところで、この辺りの道は快走路なのだが、タイヤが新品であり、コーナリングの感覚が全く違うモノになっていたので慎重にいくことにした。
何が違うかというと、なんかハンドリングが重いのだ。そうかと思うと途中からパタンとハンドルが切れてくる。推測するに、多分新品のタイヤがまだ十分に揉みほぐされていないこと、そして古いタイヤの中間バンク領域がすり減って平らになっていたのだろう。その部分のグリップや円形の丸みが復活したので、グリップが回復して重く感じたのではないだろうか。さらに、その古いタイヤの平らな部分が引っかかるように作用し、中間バンク後半領域へマシンが傾いていくことを妨げていたことから、ハンドルが切れていくタイミングがズレて（元に戻って）、急に切れると感じたのではなかろうか。
このように考えながら徐々に速度を上げつつ、皮むきと揉みほぐしを進めていくのだが、腹が減った。ということで、県道から国道41号線へ出た所にある手打ちうどんの店「ふじ田」へ入店する。
店内は当方の他には一人だけ客がいただけだった。時間的に昼時を過ぎた13時過ぎの入店だったので、このような状況であったのだろう。そんなことを考えながら座敷に座りメニューの内容を吟味する。きつねやタヌキなどの基本的なものに加え、にしんうどんなどの変わりダネもある。しかし、今日は暑いので定番のザル大盛り（650＋100円）にする。
注文を終え、冷たいそば茶と水を一気に飲みほしてからトイレへ向かうという、実に人間の生理に忠実な行動を完了し、座敷に戻って一息つく。地図でも見るかと思ったが、今日はセントレアとタイヤ交換で帰宅する予定だったので持ってきていないことに気がついた。しまったと思うが、どうしようもない。まあ、この辺りは何回も来ているので、何も見なくても大丈夫だ。仮にわからなくなっても、道は空に聞けばよい。そう思いながら、テレビを見ながらうどんを待つことにする。
それにしてもやけに時間がかかるなぁ。客が他にいないのだからすぐできそうなものだが、と思うが、手打ちにこだわっていて時間がかかっているのかもしれない。そう思うや否や、ざるうどんが運ばれてきた。最初に一枚持ってきたので、「ああ、大盛りだ」とつゆに薬味を入れていたらもう一枚同じものが運ばれてきた。ええ？これ結構な量じゃないですか。誰がこんなに食うんだ。並盛で十分だった。
「手打ちうどん ふじ田」前にて こんなに誰が食うねん!
後悔しても始まらないので、ズルズルと勢いよく食べていく。ところで、うどんのメガ盛りで有名な「得得」という店が、以前トヨタの元町工場西側にあったことを思い出した。たしか、シングル、ダブル、トリプルという呼び名で、基本的に皆同じ値段だったと記憶している。もう15年は前のことだ。友人の福田氏が長野県伊那市からわざわざやって来て、鈴鹿南コースで行われるNSR50のレースに出場した時、マシン整備の合間に兄貴やその友人、福田氏とその先輩、そして当方でうどんを食べに行ったことがある。あの時はきつねうどんの「トリプル」を注文して、食べても食べても減っていかなかったっけなぁ。まったく恐れ入ったよ。
そこまでではないが、このざるうどんも結構きてる。やれやれと半ば強引に完食し、そば茶を飲みながら腹を落ち着けていく。さて、うどんの量は問題ない？が、お味の方はどうだったかというと、中の上といったところだ。ややゆで時間が多いのか、柔らか目だった。これがもう少しコシを残してくれたなら、かなり評価は上がったのだが。つゆもマズマズ良かったと思う。関係ないが、当方は女性のコシから臀部にかけてのラインが大好きだ。特に、病院のデイケア室勤務のK嬢なんか最高である。いったい何のリハビリに行っているのかと突っ込みが入りそうだが、病院としては施設を利用してくれてありがとうということなので、問題は無い。
ニヤニヤして会計を済ませ、いや違う。普通に「ごちそうさん」と会計を済ませ、次なる目的地である金山湖へ向かう。まずは国道41号線へ戻り、すぐに左折して国道256号線へスイッチする。ここからは交通量もグッと少なくなり、時折小さな集落があるだけの超快走路となる。
青い空、白い雲、まさに日本の夏到来だ。こういうジリジリと照りつける、ぶっ倒れそうになるくらいの強い日差しは大歓迎だ。いつまでもしみったれた、強引に梅雨明け宣言が出された夏と違い、気分も最高だ。しかも、こういう山間部に来ているので、気温も30℃を若干上回る程度で済んでいる。いやあ、たまりませんなぁ。
おっと、こういう時に調子こいて速度を出し過ぎるとえらい目にあうので、ひとまずは40ノット程度に自制して山の空気を満喫する。そうしていると、なんだかこのまま和良から郡上へ抜けていくのも良いかもと考えたが、タイヤの皮むき、揉みほぐしを優先して、県道86号線に乗り換えて、金山湖へ機首を向ける。さて、これまた関係ないが、リハビリ室のK嬢はパイオツもナカナカだ。推定Dカップ以上だと思われる。いっぺん揉みほぐしてみたいものだが・・・、いやいや、そんないやらし、失礼なことはできないぁ。仮にO.K.としても、どうせすぐに飽きてしまうのが男の性というものだ。そうなってくると話が面倒になるので、やはり独り身に限る。どうも夏はエロイことを考えがちなので、気をつけねばならない。ここからはタイトなワインディング路が待っている。引き締めて行こう。
さて、最初のうちは新しいタイヤの特性や、新品に特有の現象に悩まされていたが、いつの間にかにすっかりと乗りやすくなっていた。例の揉みほぐしの効果だろう、コーナリング時もタイヤがしっかりと路面に喰い付いて、その柔軟性でうねりをいなしてくれる。何だか自分の腕が上がったかの如くにコーナーをスイスイと泳いでいくことができる。ただ、ちょっとリアタイヤの皮が今一つ剥けきれてないせいか、ややオーバーステア気味だ。いや、これがロードスマート�兇瞭胆�なのだろうか。いずれにしても、いつもながらにタイヤやその慣らし運転の重要性に気づかされる。揉みほぐしは特に重要だ。K嬢のDカップも。あんたもクドイねぇと言われそうだが、本当に絶妙なバランスなんだから。
こうして金山湖の堰を通過し、さらにタイトなワインディング路へと進入していく。さて、この湖畔のワインディング路だが、ちょっと複合気味な奥の深いS字コーナーが次々と現れてきて気が抜けない。さらに、そのRがマチマチなのでリズムがつかみにくく、オーバーランしそうになる時もあった。ただ、タイヤとTDMの性能に助けられて、なんとかなってしまうところにMade in Japanを感じてしまう。「日本の道には日本のタイヤが調和するんですよ」とは、今日タイヤを交換した「ビーグル」のおやじさんの言葉だ。彼によると、「はくりゃーもの（舶来モノ）は、特に冬場に、温まるまで時間がかかる」ということだ。日本のメーカーだと案外すぐに温まり、性能を発揮してくれるとのことだ。
少々肝を冷やしたが、なんとか道の駅 馬瀬美輝の里へ到着した。ここには美輝の湯という露天風呂が、そしてその向かいには、「馬瀬村のあゆ」を食べることができる食堂もある。どうせならここで食事をしたかったが、ここまでは腹が持たなかったことは言うまでもない。
ところで、「あゆ食べたい」というと、御存知、R1-Z氏のお母上の夏の風物詩である。そろそろ接待に連れて行かないと、2輪生活や、今後のグレードアップ計画に支障をきたしかねないとは氏の談。彼にとっては頭の痛い時期だろう。
道の駅 馬瀬美輝の里にて 疲れ気味の管理人
（やはり顔がオヤジに似てきた）
ダイドーの「梅よろし」を飲みつつ、日陰でゆっくりする。ところで、「あれ、なぜ管理人が帽子を被っているのか」と思われた方は見えるだろうか。「mixi」のマイミクの方々はご存じのことだが、実は当方「ハゲ」にしたのだ。これはオークラ氏の提案で、「次のけん引二種試験に失敗したらボウズにしないか」と誘われたので、「それも面白い」と乗ってみた。ボウズといえば、中学の頃は全員がボウズ頭を強制されていたっけ。なんか戦前の雰囲気がかすかに残る時代だったのかとも思う。
それはそうと、そのせいで日射病になってしまい、頭が割れそうに痛かったことを覚えている。そりゃそうだ、ツルッパゲで炎天下のプールに入り、部活の練習（シゴキ）で一日中泳いでいたのだから。今思うとちょっとヤバかったことなのだろうが、当時はそんなことはお構いなしだったもんなぁ。さらに、部活と言うと合宿なんてものもあって、一日に15時間くらい泳ぐのだが、練習の最後の方は腹が減り過ぎで
プールの水飲んでました
これも今更ながらによく耐えていたなぁと、我ながら感心してしまう。旧き良き時代の逸話であるが、若いってのはそういうことなんだろう。
さて、一息ついたので体力も回復してきた。「そろそろ走行再開しますか」と県道431号線をさらに北上し、国道257号線に乗り換えてから下呂方面へ下っていく。ところで、この時期はトンネルの中の涼しさが非常にありがたく感ずる。この国道257号線に乗り換えてすぐに、日和田トンネルというやや長めのものを通るのだが、体感気温にして10度位は涼しいと思われる（すこし大げさか？）。これは水脈なんかがトンネル上にあって、その恩恵だと推測する。というのも、涼しいトンネル程路面が濡れている可能性が高いからだ。ただ、涼しいことは良いが、路面が濡れていることは嫌だ。人間とはわがままな生き物である（当方だけか？）。
ちょっと苦い考えを持ちつつ、飛騨川の西側河畔を通る県道88号線をheading180で進んでいく。ところで、この対岸は国道41号線なのだが、国道は信号が多く大型車などが通っているので、この辺りではこの88号線を愛用している。ただ、時々現れる市街地では速度を十分に落として通過する必要がある。
こうして、県道を下呂市街地南端まで走り切ったところで、渋々国道41号線をさらに南下する。この区間は案外快走できるのだが、どうも取り締まりが怖い。というのも、ご存じの通り、今年に入って発動した「トリデ二校作戦」が進み、現在はけん引二種を残すのみとなったからだ。言い換えるとその他の免種は取得済みということなので、取り締まりで「取り消し」とかにならないかちょっと不安なのだよ、ヤマトの諸君。「そんなものお前の趣味だろう」と突っ込まれることは明白だが、まさか勢いとはいえ、ここまでやってしまう気は無かったのだ。人生って難しい。まあ、ひとまず「取り締まりに注意することにより、安全運転にも貢献できるのか」と無理やり理由をひねり出して、流行の「前向きに」ということにしておく。
そんなことを思いつつ、「道の駅 ピアチューレ」を通過して、国道256号線からおなじみの県道68号線こと中野方峠街道を50ノット近い速度で快走していく。因みに正式名称は県道恵那白川線だそうだ。このように、勝手に道筋に名前をつけていくと、ルートも覚えて組み立ての選択肢が増えて面白くなる。
だんだんと高度を上げて道も大きく曲がりだしてくると、今日交換したばかりのタイヤである「ロードスマート�供廚�本領を発揮してくる。前述のように、丸みがしっかりとしているので倒れこみも自然だし、グリップも言うこと無しだ。そして、交換したての時に気になったリアタイヤの横滑りによるオーバーステア傾向もすっかりと解消されて、グイグイと車体を押してくる。このおかげて、自然な前輪の舵角を得ることができ、コーナーもクルクルと曲がることができた。まさに自分の腕が上がったような錯覚に陥っている。こういう時はクダラナイミスを犯しがちなので、落ち着いて行こう。
ちょっといい気分で峠を越えて、南斜面を下っていく。こちらは相変わらず峠付近の道幅拡張工事が滞っていて、1.5車線である。慎重に参りましょう。
あとは坂折棚田を右手に見つつ、県道412号線へ右折、さらに左折して国道418号線で木曽川を渡り、少々の屈曲路を通り抜けてくると「道の駅 らっせいみさと」へと到着する。ここはWRT連合のツーリングでよく利用する休息ポイントだ。特に何があるというわけでもないのだが、結局場所的に、最終走行区間を考えると丁度良い場所なのだろう。また、食事をする場合にも「あきん亭」というラーメン屋がある。ここのチャーシュー麺は麺が見えないくらい、どんぶり一杯にのせてある。スープは鶏ガラ系のあっさりで、やや濃いめのしょうゆ味だ。多分高山ラーメンの系統なのではなかろうか。
さて、少々疲れがでてきたので、日陰の芝に寝転んで空を見上げる。また、恵那山の方を見ると巨大な入道雲がムクムクと湧き上がってきている。いかにも夏ですというこの光景、日本人でよかったと思う瞬間だ。
入道雲
昨年11月から休職になって、これでもう9か月目になった。波はあるが、デイケアのお姉さん、医師、ツーリング仲間、友人と色々な人に助けてもらって少しは厭世観も改善しつつある。行いの良くない当方にもやさしく接してくれるし、ちょっと寂しい時なんかは話し相手にもなってくれる。この間も孤独からか厭世観が強くなってしまい、デイケアの無い日に診察を受けたところ、たまたまお姉さんが通りかかって声をかけていただいた。そして仕事があるにも関わらず、診察後にデイケア室に招いていただいた。
まあ世の中そんなに甘くないし、増々厳しい時代になってきているが、案外乗り切るヒントは色々な所にあるものかもしれない。そして精神疾患も統計的に増えてきている都合上認知されつつあるようだ。そしてその対策機関も少し整備されつつあり、当方も独立行政法人 雇用促進機構の復職復帰プログラムの世話になっている。これは、医師、会社、本人をコーディネイトしてくれ、復職はもちろん、その後の後押しもしてくれる。当方のような者にもこれだけの支えがあれば、何とかなるかもしれないと感じてきた。
寝転びながらそんなことを回想して、来週から始まる本格的な復職プログラムに適度な期待をしてTDMに火を入れた。
こうして道の駅を後にして、国道418、363号線と繋ぎ、県道11号線で大正村の古い町並みを抜け、増筋無理やり矢作ダムの湖畔路へ向かう。そしてタイヤの皮むきの仕上げにここを快走していく。んー、なんかワイドなラインを描くことができて、そのおかげでエンジンも回すことができる。タイヤって重要なんだと改めて思ってしまった。
そして、休息所で一旦止まり、タイヤの状態を確認する。やや、皮むきどころか、溝の角がすでに丸くなり始めている。これも減りが早そうだ。8,000km〜9,000kmがいいところかな。
おいおい、豆ができてるよ
止まったついでにダムの貯水率を確認してみると、満タンも満タン、これ以上雨が降ったら放水しなくてはならないくらいだ。ということは、ひとまず水不足にはならないだろう。
こうして無事に帰宅と相成った。やれやれ、「無事これ名馬」を今日も実践できた。
今日は忙しいツーリングだった。早朝からセントレア、続いてタイヤ交換、そして山のワインディング、いろいろな用事が満載であったのだが、大変充実した一日だった。また、屈曲路走行もたくさんあったのでタイヤの皮むきがすっかり終わり、グリップも一番良い状態ではないのだろうか。今週はWRT連合会ツーリングもあるので、とても楽しみである。
本日の走行 420km