(2007/12/09)
員弁スポーツランドにてWRに乗る管理人
昨日は飲み会があったので、「明日の試乗会は起きられたら行くとするか」と思っていた。もっとも、管理人は酒は飲まないが、眠いのは嫌いだ。ところが、どうだ。目が覚めると7時50分ではないか。「高速を使えば一時間位で会場入りできそうだなあ」と思うが早いか、早速準備に取り掛かる。荷物が多いので、今日は4輪で出かけるか。最近は近い所へしか使用していないことだし。ヘルメット、グローブ、プロテクタ、ジャージ、パンツ、ブーツを荷室に放り込んで8時30分頃出発。
最寄の都市高速入り口から、高速道路走行を繋いでいく。フィットは80km/hで2000r.p.m、100km/hでも2300r.p.mとオーバードライブ走行は大得意だ。普段はガタガタと硬いサスペンションセッティングだが、このくらいの速度だと俄然安定感がある。ストロークはあまり長くはないが、アスファルトの細かい目までタイヤから伝わってくるような接地感と相まって、非常に運転しやすい。また、ボデー剛性も高いので、高速コーナーも気持ちよい。タイヤもベタベタグリップしていることが伝わってくる。この車はファミリー車と思われがちだが、どっこい、スポーツ走行を得意としている。これに気がついている人は案外少ないようだ。
フィットのドライブをひとしきり楽しんだ後、会場に近いインターを降りて一般道を走行する。会場となる員弁スポーツランドは山奥にある。よって、登りのワインディング路の先にあるわけだが、フィットにとってなんてことはない。馬力は無いが、(TDMより少ない)トルクフルなエンジンなので、3000〜4000r.p.m.あたりを使用すれば加速は良い。前述の通り、コーナリングは得意なのでそれなりに楽しめる状況だ。ホンダの車はどことなしか走り(走る、曲がる、止まる)+運転の楽しさを、その車なりに盛り込んでくる。R1-Z氏のCIVICフェリオも同様だ。1500ccのSOHCエンジンではあるが、非常に気持ちよく回るし、コーナーもそれなりにクイックな回頭性を持っている。ややロールが大きいが、これも過重移動のきっかけに用いると、すこぶる具合が良い。サスペンションのストロークも長いので、ギャップで跳ねることも案外と少ないのだ。このあたりはさすが4輪独立懸架で、しかもダブルウイッシュボーンというところだろう。
WRのモトクロッサー仕様。
毎度ながら本題から逸れた。管理人はいつもこのように自問自答を繰り返している。ご勘弁願いたい。会場入りは9時30分頃で、受付開始時間と同じであった。ところが、すでに試乗会が始まっており、多くの人で賑わっているではないか。「しまった、もっと早く来るべきだった」と後悔しても後の祭りだ。先に分かっているなら「先悔」だが、そんなことなできない。人間とはつくづく愚かよのう、と思いながら受付を済ませて試乗待ちの列に並ぶ。すぐ後ろの50歳前と思われる方が話しかけてきた。そのいでたちからはかなりのOFF遣いと見た。モトクロスコース走行の経験もお持ちのようだし、機械的なことも一通りはご存知のようだ。乗り方論も押さえていらっしゃる。当方は聞き役に回り、この方のバイクライフについて聞かせてもらった。OFF好きの人はONのみの方とは決定的に異なる点がある。バイクは走ってナンボという前提に沿っているということだ。ONしか乗らない方は、所有するだけで満足の人、部品を交換することに重きを置く人、服装に重きを置く人、威張りたい人など様々な型の人がいるので、話をする際には自分に合った人を選別する必要がある。ところが、OFF乗りは基本的に走って楽しむ人しかいない。話をする際に余計な神経を使う必要がないことが♪艶姿阿弥陀如来有難いねえ(キョンキョン風に)。
会場コース図。隣ではミニモトの熱いレースが開催されていた。
やっと管理人の出番が回ってきた。エンジンをかけて、係員の合図と共に発車。最初はコースを見ながらゆっくり走行する。あらかじめコース図を見ていたが、すっかり興奮していて忘れてしまった。ええい、行き当たりばったりだ。いきなり180度ターンで、急な下り坂、と思ったら左ターン。結構忙しいなあ。次は右かぁ、おおっと、すぐ左で、あ、直線で右だ。少しアクセルを開けてシフトアップ。右に曲がると登りだ。右側にはジャンプ台がみえるが、この周回は様子見のために、はやる衝動を抑えて左の平地を通過。右にカーブして上りきるとスタート地点に戻ってくる。ここで一旦頭を整理する。モトクロスコースはすり鉢になっている。ということは、コーナリング時は壁のような土手を用いて、それなりの速度を保つ方が安定しそうだ。乗り方はリーンアウトで、コーナー内側の足を出すことはいつも通り。あとハンドルは上から押さえ気味で行こう。そう思って坂を下る。WRはエンデュランサーのWR直系の市販車である故に、レスポンスは非常に良い。軽量なのであろう、加速もすごく良い。ああっと、開けすぎで怖いのでリアブレーキをかける。効きすぎなのか、強くかけすぎなのか。ロック気味だ。前述の通り、コースはすり鉢状になっているので、管理人の速度ではブレーキなんぞは不要だ。だからコーナーがぎこちない。ちょっと開け気味にしてみるが、やはり恐怖感が先に立ってしまう。直線では思い切って開ける。なかなか良いぞ。すり鉢の土手を使うという高等(当たり前?)手法を使うと尚良い。ジャンプ台を右に見て最終コーナーを抜ける。最終周回なので、思い切って行こう。もう一度乗り方を反芻してアクセルオン!!しかし、どうも決まらない。お、コーナーは少し面白く感ずるぞ。でもWRはあざ笑うかの如く、もっと行けマッセ、といわんばかりに余裕を感じさせる。サスペンションがあまりストロークしていないのだ。くっそぉ、上りだけはと思って、アクセルを大きくあけてジャンプ台へ。舐めただけでした。と思った瞬間「ズル」っとすくわれた。幸い足を出していたので、すぐ立て直して終了。あっという間であったが、息が上がってしまった。
一息ついて、カットモデルの展示車を拝見。どうですかこのピストン。高さは40mm位か?このバルブ、デッカイなぁ。ん、クラッチカバーは2重のサンドイッチ構造になっており、間にスポンジが入っている。どうやら騒音対策のようだ。そのクラッチはTDMと遜色ないような容量を持っている。オフ車は半クラッチを多用するので、これくらいは必要なのだろう。車体構造に目をやると、アルミフレームに倒立フォークをセットしている。リアのモノショックも伸び、圧、スプリングイニシャルに加え、車高調整機能もある。ダンパーは効きは強い。なるほど、これだけの高剛性のフレームに、高性能な足回りを備えているわけだから、相当のスピードでコーナリングしても音をあげることはないだろう。ましてや、管理人の速度ではあざ笑われても仕方なかろう。KDXにも遊ばれているわけだから。
最新型の証、触媒を装備している 狭いはさみ角のバルブ、超扁平ピストン
カットモデル全景。貴重なショットだ。
それにしても、ヤマハは思い切ったモデルを投入したと思う。ホンダは既にXRを発売しているが、ウカウカしていられないだろう。値段は約70万円。売れるかどうかは分からない。良いものなら売れるという思想の下、本気で設計したマシンであることは間違いないので、今後の動向を監視したいところだ。ところで、WRにはもう一つ、モタードモデルを擁している。管理人はどちらかというと、こちらありきで発売されたのではないかと思う。と言うのも、現在の日本のバイク市場では、オフ乗りは間違いなく少数派だ。ということはパイは限られている。一方、モタードは比較的新しいジャンルであるし、手軽に乗れる。しかもかっこいい。車体構成も前述のように剛性重視、ややオンロード的なブレーキというように、ロード向きに設計されているフシが見受けられる。オフモデルなら、もっとコントロール性を重視する方が良いと思う。こう考えているのは管理人だけであろうか。はたまた、本気でオフを攻めるにはこのくらいの性能が必要ということか。正直よくわからない。