突然ですが、デビューしちゃいました

 

2012年10月23日

 

 0.序

 

ようやく秋の気配が濃くなってきた10月の3連休最終日、一昨日納車されたばかりの07年式スズキスイフトを転がしていた。当方は全免制覇してはいるものの、MT車に限った走行時間はおそらく200時間程度であろう。因みに初めて自分の車となった95年式ワゴンRは1700時間、先日まで乗っていたフィットも1800時間とそれなりの時間数を持っているのだが、どちらもAT車だ。つまり、MT車は父親の83年式のカローラが廃車になった94年以来である。もちろん、昨年の全免制覇時には50時間程度のMT車を運転しているが、それは乗用車とはかけ離れたトルクのおかげで、エンストすることはまずなかった。つまるところ、スズキ式ZC11型機種以降訓練と共に、MT限定拡張訓練を最低でも100時間は積まないといけないということだ。

 

話は逸れたが、軽くワインディングを走り、夕方家に向かっていたところ、メール着信があることに気がついた。

 

「誰だろう」と確認すると、発信者はイントラ養成コースの同期生であるE氏であった。「ひょっとして食事のお誘いか」なんてことを期待してしまったが、そんなはずは無い。我に返って内容を確認すると、びっくりして固まってしまった。なんと、彼女が体調不良でレッスンを行えないので、当方に代行して欲しいというものだった。

 

一瞬どうしようか迷ったが、答えはすぐに決まった。納車されたばかりの車をぎこちなく路肩に寄せて停車措置をとり、「いいですよ」と返信した。因みに彼女からのメールは1時間近く前に送信されたものだった。

 

ちょっと遅かったか、なんて思いながらレッスンの内容を頭で反芻して、焦らないように家に向かう。10分程経ったところで再びE氏から入電だ。「お願いします。ジム側には伝えておきます」と。どうや事はうまくいったようだ。

 

ところで、レッスンの場所であるが、いつも養成コースでE氏はじめ、O氏、K氏の同期の仲間と通い慣れたスタジオだ。ここでデビューを飾ることができるのは、ある意味気が楽だ。丁度浪人時代最後の入試が、偶然にも通い慣れた予備校のホーム教室だったようなものだ。

 

1.出撃

 

まずは自宅に戻り、マイクベルトやCD、そしてお祝いに頂いたスポーツドリンクなど必要なものを持って出発する。幸いにも少々時間があるので、ジムの近くにあるカー用品店で日よけを購入しようと少し遠回りしていく。

 

30分程の道程でレッスン内容を反芻つつ、連休最終日の渋滞気味の道路をトロトロと走行する。それにしても乗用車のMTは運転が難しい。これではお客が酔ってしまうぞ。

 

こうして周囲の状況を確認しつつ車輪を進めていくと、どうも男女のペアが乗っている車両が目につく。歩道を歩く人もなぜかカップルばかりだ。いったい何が晩婚化、何が少子化だと思うが、それ以上に当方のような者がたくさん存在しているのだろう。納得。

 

こうして、慣れない操作で駐車場に車をとめて、受付カウンターに向かう。スタッフの方々は皆顔見知りなので、当方を見ると「待ってました」とばかりの顔で、「聞いてますよ」と代行の貼紙を見せてくれた。もちろん、そこには当方の名前が書かれている。おお、なんだか少しだけ緊張してきたよ。

 

いつものように着替えて、トレッドミルで少し体を暖めてダイナミックストレッチを行っていると、説明事項があるということで事務所へ呼ばれた。そこでは、レッスン時に必要な付随業務について話があった。ちょっと不思議なことは、給水器があり、コップを用意するというものだ。

 

さて、そんなことをしていると、いよいよ当方の出番10分前になった。スタジオではヨガのクラスが行われていたので、まずは蛍光灯点灯、エアコンで室温を25度に設定する。因みにメインの時は22度くらいまで下げる予定だ。

 

ヘッドセットを装着し、マイクの位置を調整する。前述の同期生であるO氏は「マイクが入りにくい」と言っていたので、リード線の根本から口元へマイクを近づけてみる。ん、なんとかなりそうだ。あとは音が割れないようにインディケーターを見ながらアンプのスライド調整機構で音量チェック、さらにスピーカーから流れてくる音量も確認しておく。あと、気持ちピッチをマイナス1%強と抑え気味にしておく。初心者の当方にはこれが限界である。

 

慌しく準備していると、顔なじみの会員さんが参加者としてお越しくださった。「今日は当方が代行ですがよろしいですか」と尋ねると「いいよ」と。有難いことです。

 

2.レッスン開始

 

こうして時間になったが、参加者は彼1名のみ。その会員さんに気を遣っていただき、「呼び込みにいっておいでよ」と促してくださったので、トレーニング室で一応呼び込みを行うが、まったく参加される方は見えなかった。そもそもトレーニングを行っている方が、5名程度しかみえないだもんなぁ。レギュラーでレッスンを行うE氏も心が痛いことだろう。

 

結局参加者1名で、レッスンを開始する。まずはアップからだが、毎度ながら動きの切り替えがうまくいかない。大抵は2カウント、ないしは4カウント前に次の動きを示す(プレビュー)するのだが、右か左かこんがらがってしまう時があった。基本は4カウント前に動いておけばよいのだが、音楽に合わせるということは本当に大変だ。おっと、右と左が入れ替わっちゃうぞ。大丈夫か?

 

なんとか所定のアップを終えることができた。7月末に行ったアップの実演では、行うべきところを一部省いてしまった(緊張してとばしてしまった)ので、今日はそれよりは多少マシになったのだろうか。

 

次にメインの動き1ブロック目へ入っていく。こちらは養成コースで習っていた時に考えたコリオなので、頭に入っている。問題はそれをきちんと再現し、参加者に伝えることができるかどうか、だ。慎重にキューを出しつつ、だんだんと動きを完成させていく。

 

この辺りでやっと少し余裕が出てきた。まず、自分の動きがやや小さいか。元気のないイントラでは話にならないので、バンバンと大きく動くようにし、かけ声も加えていく。

 

2ブロック目も続けて行う。ちょっと難しいというか、伝えにくい場所があるのだが、この方はエアロ歴が長いので、幸いにもこの方はすんなりと通過していただいた。そして2ブロックを通して行うのだが、ブロックの繋ぎ目で間違えてしまった。あ、やってしまった。仕方ないので、一度歩いて自分の体制を整える。こんなことはプロにあるまじき行為だが、これが自分の実力だ。もちろん、この他にも少々ミスをしていたので、要するに「わかっていない」、「練習不足」ということが露呈してしまったと言えよう。

 

3.メインの仕上げ

 

なんとか2ブロック繋げて動くことができるようになったので、水分補給を行い、メインの仕上げだ。参加者はここまでちょっとタルそうな様子だったので照明を暗くして雰囲気を盛り上げていく。ここから最後の盛り上がりだ。でガンガンに動いていただき、タルいとは感じさせないぞ。

 

当方も参加者さんの横に並んで大きく動いていく。シャッセなんかは特に大きく跳んでみたところ、彼も負けじとジャンプしている。思わず「伸びやかなシャッセ、よいですよ」と挑発?してドンドンと盛り上げていく。彼もまんざらでもないようだ。

 

上記は2ブロックの見せ場だが、1ブロックの見せ場である、ジョギングからホップのところも「ハイハイ!」と掛け声を出して盛り上げを試みてみる。

 

一応8月末をもって養成コース卒業となっているが、先述のように、当方は動きの小ささを実感している。そこで、一足早くデビューしていった同期生のレッスンに出て、動作の大きさと声出しを重点的に頑張ってきた(正確にはこれしかできないのだけれどね)。その甲斐あってか、以前よりは多少マシになったかと思われる。図らずも今日のデビューでそれを少しだけ活かすことができたようだ。

 

こうなってくるとまた少々の余裕が生まれ、数箇所対面指導を試みる。参加者氏の顔を見ると、「そろそろ勘弁してくれよ」という様子だったので、お決まりの「あと3回です」をコールする。しかし、これは「あと5回」とすべきであった。

 

こうして、ラスト3回を終えて、ウォームダウンに入っていく。一応基本通りに「2ブロック巻き戻し方式」を試みる。まずは面変化をなくし、移動をなくし、32カウントを16カウントにしていく。最後はグレイプバインにするところを前4つ、後ろ4つにし、終了した。やれやれ、あとは最後のストレッチだ。

 

ところが、脚まわりのストレッチを終えたところで時間を見ると、なんと3分程余っている。ああ、どうしよう。仕方ないので、「時間がありますので、ストレッチを続けます」と宣言し、肩と体側のストレッチを行った。途中で寒くなってきたので、エアコンの温度調整も必要になり、ちょっと焦り気味であった。

 

こうして何とか最後まで終えることができた。参加者氏は疲労感たっぷりという様子で、スタジオを後にされた。

 

4.まとめ

 

やはり、アップのつなぎをもっと上手く行うように練習すべきだろう。また、それだけではなく、ブロックのつなぎ目、ブレイクダウン途中でのレイヤーをかける、動きを足していくなど、の変化する箇所をより正確に行う、など明確な課題が浮き彫りになった。また、それと同時に、エネルギーレベルを高く維持し続けるようにできることがとても重要である。正確でも情熱が無いと話しにならないからね。

まあ、こんなところで、デビュー記を終了します。

 

やっぱり、レッスンをリードしないと上達はあり得ないようだ。

 

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