今日はエアロビクスの特徴と、それを踏まえた指導法について学ぶ。
それは、1960年代にアメリカ空軍の医師であった、ケネス・クーパー博士により基礎理論が構築され、ジャッキー・ソーレンセン氏が音楽に乗せて行うというダンスエクササイズに発展させた。そして1970年代になると、女優のジェーン・フォンダが自身の運動法として着目し、自ら「スタジオ・ワークアウト」を設立する。さらに、1980年代になると、クーパー博士が来日し、エアロビクスが日本で普及し始める。最初はフォンダのような独立したスタジオが行うのみであったが、徐々にフィットネスクラブでも提供されるようになった。
日本では人口の高齢化が進んでいるが、フィットネスクラブに通う方も多い。それゆえに、インストラクターは高齢者に対する、疾病やそれを持つ人への知識と指導法も身につけていなくてはならない。
これらは以前に記載した通りである。尚、エアロビクスという言葉は、本来は「有酸素運動」という意味である。そして我々が指導できるように勉強しているのはその1種である「エアロビクス・ダンスエクササイズ」であることも忘れてはならない。
その歴史からもわかるように、エアロビクスは集団スポーツ、グループエクササイズである。つまりは、参加者全員が同じ負荷の運動を行うので、個人差に応じた指導は難しい。例えば、あるクラスを設定する場合、目標とする強度や難度をあらかじめ明確にしておき、その目標に対して「効果を得ることが期待できる人」、「安全に運動できる人」が参加できるようにしておかなくてはならない。わけだ。つまり、参加者とインストラクターの間にこういう同意がないと、事故が起きたり、参加人数が集まらないこともある。これはクラブとインストラクターが、あらかじめ話し合って決めておき、告知しておかなければならない。
一方、集団であるということは、相互に影響し合って楽しむことができる。例えば、友達同士でも、その場で知り合った方でも良いが、自分ができないところを話し合ったり、またインストラクターに助言を求めることもできよう。
さらに、エアロビクスは、軽快な音楽に乗せて踊るものである。これには多様な動き(ステップ)やリズム、スタイルが存在するので、ジョギングなどとは違い、変化に富んでる。ということは、指導に技術が必要であるが、参加者からすれば飽きのこない運動と言える。
そしてその指導であるが、インストラクターが行う。それゆえに、クラスがうまく進行するか、そうでないかはインストラクターの技量にかかっている。その技量の要素とは、「構成能力」、「動きのセンス」、「指示・指導力」などがある。
以上のように、告知を見てクラスを選ぶのは参加者であり、インストラクターはその設定に対して適切なものを提供する義務があるということだ。一方、原則インストラクターは、参加者のレベルに合わせる必要はなく、それゆえに、「楽しかった」、「難しかった」、「体力が追いつかない」など様々な感想が出るものである。ただ、出来る限りそういう人が減るように、思いやりをもって指導に当ること、これがとても大切である。
因みに当方が所属する師匠の団体、「スタジオ ボディーM?」は、「心」、「感謝」、「思いやり」、を社訓としている。
尚、このクラスの目的と参加者についての件は、後々報告するレポートにて、仲間が直面する壁として登場する項目である。
ここで、先週まで学んだクラスの構成について、まとめておく。
順番 |
パート名称 |
目的 |
手法 |
1 |
ウォームアップ |
など |
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2 |
メイン |
徐々に運動強度を高めつつ、心拍数を目標の数値まで上げて、それを保ち、有酸素運動を続ける |
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3 |
ウォームダウン |
4の筋コンディショニングへのつなぎ |
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4 |
筋コンディショニング |
筋肉を鍛える |
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5 |
クールダウン |
心拍数を下げるにとどまらず、筋の柔軟性を向上させ、精神的なリラックス効果も提供する |
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また、心拍数の変化を縦軸、各パートを横軸にしてグラフ化してみると、以下のようになる。
基本的なクラス構成
学科に続いて実技の講義に移る。今日はここまでにコリオ2ブロック分を完成させ、毎回補強・手直しの助言をいただくという段階に入っているが、当方の場合はまだ完成に至っていない。
そのため、発表順番も固定されていて、当方は一番下手で指摘事項が多く、時間がかかるから最後に固定となった。なぜか、因みに最初はE氏、次にO氏、そしてK氏の順番である。
最初はいつもの通りにE氏からで、彼女のリードは既にイントラの風格を漂わせている。彼女はとてもかわいらしい笑顔でラクラクとキューを出しているし、動きにもキレがある。そのため、師匠から少々の指摘事項があったのみだった。かなり練習しているんだろうな。
次にO氏であるが、師範代や他の先輩から色々と情報を集めて頑張っているらしく、ソツなくこなしていた。ただ、緊張のあまり、イッパイイッパイになっており、アドバイスをもらった後、泣きそうな雰囲気になっていた。これには師匠も驚いたらしく、「大丈夫ですか」と声をかけていた。
そしてもうおひと方は、我々の所属するジムの社員として勤務している傍らこの養成コースを受講しているのだが、なかなか練習する時間がとれないらしく、苦戦している。動きのメリハリ、アラインメントなどを指摘されていた。ただ、彼女は既に体操教室を受け持っているそうなので、人の前で話すことには慣れている。故に、キューの種類や表現は豊富な駒を持っている。それにしても、スポーツクラブの社員なのだから、会社側もちょっとは協力してくれても良さそうなものだが、いかに。
そして問題児の当方。今となっては、各人の間には大きな技量差が存在している。その原因は完全な練習量の差だと思われる。言い訳がましいが、当方は正社員としての拘束時間が多く、その上にレギュラーレッスンを受けて、その後に練習というなかなかキツイ生活を送っている。もっとも、時間的に楽だったら練習するかどうか、少なくとも当方に関しては自信が無い。どんな環境下でも、やることをやるだけのことだ。
当方の指摘を以下にまとめると、
・動きがベタ(=小さくてわかりにくい)
・キューのタイミングが悪い(キューを出して一拍おいてから動きに入るように)
・トラベル方向を指示する場合、具体的なものを使う(横の鏡の方へ、壁に向かって、正面の鏡、など)
・また、面を変えてそこに留まる場合、参加者が向いている方へ行く
・動きの変化はベースステップを変えない
・強度と難度をしっかり分けて考え、ブレイクダウンの方法を吟味する
・床反力を考慮に入れて
・最終ブロックと最初のブロックのつなぎも考えること
・イメージキューも積極的に使って
などなど・・・、数え上げたらキリが無い。
また、指導方法についても、具体的な指示があった。当方作成のコリオだが、
a. バックランジ
b. シャッセ+前マンボ、横マンボ、後マンボ
c. ニーアップ
d. マンボ+後ろへマーチ2歩、バックマンボ、前へマーチ
なのだが、aについては難度と考えて、ブレイクダウン中に教える方がよい。また、bを最初に教えて、次に音の頭に合わせてaを入れるが、ここを対面指導に切り替えて、プレビューしておく、などかなり難しいものだった。
ただ、今日はヘタながらも2ブロック分を続けて流すことができ、照明を暗くして盛り上がるところまで、初めて到達できた。他の方々に遅れること3週間、師匠からも「やっとできるようになったね」と半ば呆れ気味で褒められた。
なるほど、こうやってレッスンを行い、盛り上げていくのか。なんか楽しくないか?、いや、絶対に楽しいよ。「俺も上手くなりたいな」と初めて強く思うようになった。
さらに、また、レポートのコメントにも「動きのスキルは向上してきた」とまたまたお褒めの言葉も頂いている。来週はボディービルのK先生の講義であり、師匠の実技は休みになる。この間を利用してもっと練習しておかないといけないね。
今まで動く練習があまりできない分、イメトレに頼ることが多かったが、それに加えて実際に動く練習も増やしていかないと上手くならないことが判明した。全くもって動いてナンボの世界なのだ。もちろん、イメトレが役に立たないわけではなく、そのバランスが他の分野と違うわけだ。
ところで、当方が取得してきた他の資格同様に、認定インストラクターになるためにはかなりの努力量が必要だ。それも今までの資格はある程度下地があったところからの挑戦であったが、今回はほぼド素人の状態からの出発である。それを4ヶ月でモノにしようということなので、フンドシやTバックを引き締めていかなければならないだろう。
レッスンの流れについておおよそ全体像が見えてきた。いよいよこれからが正念場だ。しかし、それは単なる触りの部分であることに、管理人は気づいていなかった。
第10回講義へ続く